PC短評
61mm角のコンパクトパソコン「GMK NucBox」
2020年8月26日 06:50
中国GMK Technologyの「NucBox」は、本体サイズが61×61×43mm(幅×奥行き×高さ、実測値)と小型のデスクトップパソコンだ。本日よりIndiegogoでクラウドファンディングが開始しており、製品が入手できる最小出資額は159ドルとなっている。
この手のパソコンをPC Watchで紹介するのはCHUWIの「LarkBox」が初だったが、それに次ぐかたちで「ReevoCube」が登場している。NucBoxはそれらと比較すると、外装の中段が金属に変更されていたり、ファンの排気口が後ろ向きになっているなどの違いはあるが、共通の基板を採用している。
ただ、同じ外装のものは、すでにAliExpressで販売されており、本製品はSoCがCeleron N4100からCeleron J4125になっている以外、特別というわけではない。下に4つのスペック上の相違点を挙げてみた。
製品名 | NucBox | LarkBox | ReevoCube | XCY X51 |
---|---|---|---|---|
SoC | Celeron J4125 | Celeron J4115 | Pentium Silver N5030 | Celeron N4100 |
メモリ | 8GB(シングルチャネル) | 6GB(デュアルチャネル) | 8GB(チャネル不明) | |
ストレージ | 128GB M.2 SSD | 128GB eMMC | ||
拡張M.2 | 使用済み | 空き | ||
無線LAN | Intel Wireless AC-7265(867Mbps) | Intel Wireless AC-9461(433Mbps) | 不明 | Intel Wireless AC-7265(867Mbps) |
筐体 | 金属 | プラスチック | 金属 | |
排気方向 | 背面 | 前面 | 背面 | |
VESAマウンタ | 搭載不可 | 付属 | 不明 | 不明 |
クラウドファンディング価格 | 179/199/229ドル(128/256/512GB、早期は159/175/205ドル) | 169ドル(早期は149ドル) | 35,800円(早期は24,900円) | - |
販売価格 | 209/229/269ドル(128/256/512GB) | 239ドル | 39,800円 | 223.75ドル(セールで158.86ドル) |
比較表を見ればわかるとおり、NucBoxはLarkBoxと比較してSoC、ストレージや無線LANが高速で、メモリも8GBと多い。その一方でメモリのチャネルはシングルとなっているほか、M.2が使用済みなので、ストレージは拡張ではなく換装が基本となる。このあたりは痛し痒しといったところ。
実際にSiSoftware Sandraでメモリバンド幅を計測したところ、NucBoxは9.38GB/s、LarkBoxは11.38GB/sと、2GB/sほどの差があった。両製品ともに4K出力対応を謳っており、たしかにYouTubeで4K動画を再生できたが、より快適に操作/視聴できたのはLarkBoxのほうであったことを付け加えておきたい。とはいえ、どんぐりの背くらべ程度だ。
ちなみに本製品に付属するACアダプタはUSB Type-Cで12Vしか出力しないタイプなのだが、LarkBoxの試用サンプルと比較して小さい。しかしLarkBoxもすでに小型ACアダプタへと切り替えているので、とくに比べる必要はないだろう。騒音と振動、発熱は、NucBoxのほうがLarkBoxよりもわずかに大きい印象であった。
消費者にとってはメモリ8GBか6GBか、シングルチャネルかデュアルチャネルか、SSDかeMMCかで悩ましいところではあるが、実際にPCMarkで計測すると差はごくわずかであった。見た目の好みで選ぶと良いだろう。