PC短評

61mm角のコンパクトパソコン「GMK NucBox」

GMK NucBox

 中国GMK Technologyの「NucBox」は、本体サイズが61×61×43mm(幅×奥行き×高さ、実測値)と小型のデスクトップパソコンだ。本日よりIndiegogoでクラウドファンディングが開始しており、製品が入手できる最小出資額は159ドルとなっている。

 この手のパソコンをPC Watchで紹介するのはCHUWIの「LarkBox」が初だったが、それに次ぐかたちで「ReevoCube」が登場している。NucBoxはそれらと比較すると、外装の中段が金属に変更されていたり、ファンの排気口が後ろ向きになっているなどの違いはあるが、共通の基板を採用している。

 ただ、同じ外装のものは、すでにAliExpressで販売されており、本製品はSoCがCeleron N4100からCeleron J4125になっている以外、特別というわけではない。下に4つのスペック上の相違点を挙げてみた。

製品名NucBoxLarkBoxReevoCubeXCY X51
SoCCeleron J4125Celeron J4115Pentium Silver N5030Celeron N4100
メモリ8GB(シングルチャネル)6GB(デュアルチャネル)8GB(チャネル不明)
ストレージ128GB M.2 SSD128GB eMMC
拡張M.2使用済み空き
無線LANIntel Wireless AC-7265(867Mbps)Intel Wireless AC-9461(433Mbps)不明Intel Wireless AC-7265(867Mbps)
筐体金属プラスチック金属
排気方向背面前面背面
VESAマウンタ搭載不可付属不明不明
クラウドファンディング価格179/199/229ドル(128/256/512GB、早期は159/175/205ドル)169ドル(早期は149ドル)35,800円(早期は24,900円)-
販売価格209/229/269ドル(128/256/512GB)239ドル39,800円223.75ドル(セールで158.86ドル)

 比較表を見ればわかるとおり、NucBoxはLarkBoxと比較してSoC、ストレージや無線LANが高速で、メモリも8GBと多い。その一方でメモリのチャネルはシングルとなっているほか、M.2が使用済みなので、ストレージは拡張ではなく換装が基本となる。このあたりは痛し痒しといったところ。

 実際にSiSoftware Sandraでメモリバンド幅を計測したところ、NucBoxは9.38GB/s、LarkBoxは11.38GB/sと、2GB/sほどの差があった。両製品ともに4K出力対応を謳っており、たしかにYouTubeで4K動画を再生できたが、より快適に操作/視聴できたのはLarkBoxのほうであったことを付け加えておきたい。とはいえ、どんぐりの背くらべ程度だ。

製品パッケージ
付属品はACアダプタと変換プラグのみ
本体前面は電源ボタンとインジケータ
背面インターフェイスはUSB Type-C(電源専用)、HDMI出力、USB 3.0×2
右側面にはmicroSDカードスロットと3.5mm音声入出力
左側面はなにもない
本体底面。LarkBoxとは異なり、分解するためにはゴム足を外す必要がある

 ちなみに本製品に付属するACアダプタはUSB Type-Cで12Vしか出力しないタイプなのだが、LarkBoxの試用サンプルと比較して小さい。しかしLarkBoxもすでに小型ACアダプタへと切り替えているので、とくに比べる必要はないだろう。騒音と振動、発熱は、NucBoxのほうがLarkBoxよりもわずかに大きい印象であった。

 消費者にとってはメモリ8GBか6GBか、シングルチャネルかデュアルチャネルか、SSDかeMMCかで悩ましいところではあるが、実際にPCMarkで計測すると差はごくわずかであった。見た目の好みで選ぶと良いだろう。

基板やCPUクーラー、SSDなど
メモリチップの実装は1枚のみでシングルチャネル。ちなみに採用されているLPDDR4はSamsungの「K3RG8G8」で、最高速度は4,266Mbpsに達するが、SoCの制限から2,133MHz駆動となる
ドーターボード側にはUSBポートやオーディオ、microSDカードスロットを装備
SSDのNANDチップはIntelの「29F64B2AMCMG」、コントローラはSilicon Motionの「SM2259XT」だった
PCMark 10の結果。LarkBoxと比較してCPUとSSDが高速のため、良い結果を残した
ただ、シングルチャネルメモリのため、3DMarkの結果はLarkBoxに後塵を拝する