西川和久の不定期コラム

カメラの渋いアップデートが魅力的でiPhone 12 Pro Maxから機種変! 「iPhone 13 Pro」

 Appleは日本時間の9月15日、新型のiPhoneなどを発表、9月24日から販売を開始した。12 Pro Maxを所有している事もありiPhone 13シリーズはパスする予定だったが、結局13 Proを購入した理由なども含め約1週間の使用レポートをお届けしたい。

iPhone 12 Proからはマイナーアップデートとは言え、さまざまな渋いアップデートが魅力的!

 去年(2020年)筆者はここに使用レポートを掲載した通り、「iPhone 12 Pro Max」を購入している。従ってiPhone 13シリーズはパスする予定だったのが、9月15日@日本時間のイベントをリアルタイムで観ている間に徐々に欲しくなり結局予約/購入した。

 SoCは世代変わりしているものの、ザックリ13 Proは12 Proのマイナーアップデート版だ。とは言え、パネルなどもいろいろ変わっているのに加え、カメラの地味だが着実な性能アップがなかなか凄く購入した次第。

 ただ毎年このクラスのスマホを購入していると、月当たりの効率は悪くなる。今回は12 Pro Maxを下取りに出し、差額はローエンドのスマホ一台程度。これなら然程財布も痛まない。主な仕様は以下の通り。

Apple「iPhone 13 Pro」の仕様
SoCA15 Bionic(高性能×2+高効率×4)、5コアGPU、16コアNeural Engine
メモリ6GB(非公開)
ストレージ128/256/512GB/1TB
OSiOS 15
ディスプレイ6.1型OLED(2,532×1,170ドット)、460ppi、広色域ディスプレイ(P3)、ProMotion(10Hz~120Hz可変リフレッシュレート)、最大輝度1,000cd/平方m(標準)/1,200cd/平方m(HDR)
ネットワークWi-Fi 6対応、Bluetooth 5.0、NFC(FeliCa対応)
SIMNano SIMカードスロット×1, eSIM×2(1つNano SIMと排他) / 5G対応
対応バンド(モデルA2636)5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n28、n29、n30、n38、n40、n41、n48、n66、n71、n77、n78、n79
FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71)
TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48)
CDMA EV-DO Rev. A(800、1,900MHz)
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)
インターフェイス Lightningコネクタ
センサーFace ID、LiDARスキャナ、気圧計、3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー
カメラ前面 1,200万画素、f/2.2
背面 1,200万画素、望遠:77mm, f/2.8 + 広角:26mm, f/1.5 + 超広角:13mm,f/1.8(120度視野角/2cmマクロ)
防塵防水IP68
サイズ/重量71.5×7.65×146.7mm(幅×厚み×高さ)/203g
バッテリビデオ再生最大22時間/ビデオ再生(ストリーミング)最大20時間/オーディオ再生最大75時間、MagSafe/Qiワイヤレス充電対応、高速充電対応(約30分で最大50%)
カラーバリエーショングラファイト、ゴールド、シルバー、シエラブルー
価格122,800円から

 SoCはA15 Bionic。5nmプロセスルールで製造され、高性能コア×2+高効率コア×4の計6コア)。5コアのGPUと16コアのNeural Engineを内包している。同時に発表された新型iPad miniにも搭載(ただし若干クロックが低いらしい)。メモリは非公開だが6GB。これは12 Proと変わっていない。ストレージは128/256/512GB/1TB。OSはiOS 15。

 ディスプレイは、6.1型OLED(2,532×1,170ドット/460ppi)。今回広色域ディスプレイ(P3)と10Hz~120Hz可変リフレッシュレートのProMotionにも対応。最大輝度は標準で1,000cd/平方m、HDRで1,200cd/平方mと、かなり明るい。

 ネットワークはWi-Fi 6対応、Bluetooth 5.0、NFC(FeliCa対応)。SIMはNano SIMカードスロット×1と eSIM×2。sSIMが2つあるのは興味深い。但し使用時はNano SIM+eSIMかeSIM+eSIMとなる(もちろん1つだけでも使える)。5G対応でバンドは表の通り。ただし相変わらず国内のミリ波には未対応だ。とは言え生活圏が渋谷の筆者でさえも5Gはまだまだの状況。この点は特に問題にならないだろう。

 インターフェイスはLightningコネクタのみ。センサーはFace ID、LiDARスキャナ、気圧計、3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー。防塵防水のIP68にも対応する。

 カメラは前面1,200万画素、f/2.2。背面もすべて1,200万画素。望遠:77mm(35mmカメラ換算), f/2.8、広角:26mm, f/1.5、 超広角:13mm, f/1.8。また超広角は2cmまで寄れるマクロ対応だ。12 Proと12 Pro Maxでは後者の方が広角のセンサーサイズが大きかったが、13 Pro/13 Pro Maxでは同じになった上に(つまりMaxとの差は画面サイズのみ)、大きいと言われた12 Pro Maxよりさらに大きくなっている。詳細は別途記載しているので参考にして欲しい。

 サイズは71.5×7.65×146.7mm(幅×厚み×高さ)、重量203g。バッテリ駆動はビデオ再生最大22時間/ビデオ再生(ストリーミング)最大20時間/オーディオ再生最大75時間。MagSafeとQiによるワイヤレス充電や高速充電(約30分で最大50%)にも対応している。

 カラーバリエーションはグラファイト、ゴールド、シルバー、シエラブルーの4色。税込価格は128GBで122,800円からとなる。昨今のハイエンド市場を考えると特別高いわけでもない。

パネル中央上に前面カメラ。ノッチは少し狭くなっている
背面。購入したのはグラファイト。左上にカメラ群
左/下。左側面に消音ボタン、音量±、SIMカードスロット。下側面にスピーカーとLightningコネクタ
右側面に電源ボタン。上側面は何もない
Nano SIMスロット付近。物理的なSIMスロットは1つ
重量は実測で205g(SIMあり)
付属品。ACアダプタは付属しない。Type-C/Lightningケーブルのみ
Xperia 1 IIとの比較。幅はほぼ同じだが、画面のアスペクト比が異なるため高さ、そして厚みも若干ある

 購入したのはグラファイト。手持ちのMacBook Pro 16やiPad Proに合わせた格好だ。サイズ感は扉の写真の通り、大き過ぎず小さ過ぎず。Xperia 1 IIと比較しても主に高さの違いとなる。12 Pro Maxでは、大きくまた重さで手に当たるエッジの部分が痛かったが、13 Proではそんなこともない。ただ重量は実測で205g(SIMあり)と200gオーバー。200gを境に持った感じがまったく違うので、惜しい部分でもある。質感に関しては今更語る必要もないだろう。

 全面はパネル中央上に前面カメラ。ノッチは少し狭くなっている。バッテリインジケータに残%表示ができなくなった。これは地味に不便だったりする。左側面に消音ボタン、音量±、SIMカードスロット。下側面にスピーカーとLightningコネクタ。右側面に電源ボタン。上側面は何もない。リアは左上にカメラ群があるが、レンズ部分がかなり大きくなり、第一印象も「レンズ巨大!」だった。

 付属品はType-C/Lightningケーブルのみ。ACアダプタは付属しないので別途用意する必要があるが、昨今、どこにでもあるので大丈夫だろう。

 6.1型OLEDディスプレイは、2,532×1,170ドット/460ppi。もはや目視ではジャギはわからない。広色域ディスプレイ(P3)の発色、OLEDのコントラスト/視野角は抜群。明るさも最大輝度1,000cd/平方m(標準)/1,200cd/平方m(HDR)と十分以上に明るい。10Hz~120Hz可変リフレッシュレートは、少なくともXperia 1 IIと比較してスムーズだ。ガクガク感がまるでない。

 発熱はベンチマークテストを連続作動するとフルパワーなので熱くなるが、通常用途だと場合によって少し暖かくなる程度。十分抑えられている。

 サウンドは横位置でステレオ。3.5mmジャックがないのは残念だが、音量も音質も申し分なし。試しに純正のLightning/3.5mmアダプタとSONY MDR-EX800STを使い視聴したところ、こちらも問題なし。細かいことを言わなければ十分な音質だった。

 認証はFace ID(顔認証)のみ。マスクしている時、鼻を出せばOKだが、それでも面倒。Apple Watchがあれば生体認証可能となるものの、それだけのために着けるのは…と言ったところ。技術的にまったく問題ない指紋センサー兼電源ボタンを頑なに拒んでいる理由がわからない(iPad Proや新型miniでは対応している)。

13シリーズ対応のフォトグラフスタイルと強力な2cmマクロ

 搭載しているカメラは、すべて1,200万画素。前面は30mm(f/2.2)、背面は望遠:77mm(f/2.8) + 広角:26mm(f/1.5) + 超広角:13mm(f/1.8,120度視野角/2cmマクロ)。望遠が12 Pro Maxでは64mmだったのが77mmになっている。超広角の最短2cmマクロも強力だ。被写体に寄ると自動的に切り替わる。レンズの明るさも望遠以外は明るくなっている(望遠は焦点距離が伸びているので仕方ない)。

 出力解像度は前面は7MPになり2,316×3,088ピクセル。背面はすべて1,200万画素で3,024×4,032ピクセル。他の環境で見る時に注意が必要な点としては、カラープロファイルにsRGBより色域が広いDisplay P3が埋め込まれていることだ0ろうか。

 冒頭でも触れたが、iPhone 12 ProではPro Maxの方がセンサーサイズが大きいなど、ProとPro Maxでカメラに差があったが、13 ProとPro Maxでは同じになった上に12 Pro Maxより大きいセンサーを搭載している。前回はこの関係で12 Pro Maxを購入したが、今回は13 Proを購入した。また12 Pro Maxだけ採用していたセンサーシフト式の光学手ぶれ補正は、今回13シリーズすべての広角に搭載している。

カメラ。左が望遠、上が超広角、右が広角
超広角(13mm)
広角(26mm)
望遠(77mm)
マクロ(超広角)※マクロ以外すべてフォトグラフスタイル/リッチなコントラスト

 モードは、タイムラプス、スロー、シネマティック(超広角なし)、ビデオ、写真、ポートレート(超広角なし)、パノラマ。パノラマは前面カメラでは使えない。設定はフラッシュ、ナイトモード、Live Photos、フォトグラフスタイル、縦横比、露出、タイマー、フィルタ。

カメラ/写真
カメラ/ポートレート
カメラ/フォトグラフスタイル
写真アプリ/フォトグラフスタイルを確認できる

 13シリーズでの新機能はシネマティック(動画)とフォトグラフスタイル。動画のシネマティックは、普通の動画より背景をぼかした上で(調整可能つまり動画版のポートレート)、タップによる任意のピント位置に加え(編集時に指定も可能)、例えば被写体が後ろに向くと、ピントも自動的に後ろに切り替わると言った、ドラマや映画のシーンでよくあるパターンを再現する。クリエイターであれば喉から手が出るほど欲しい機能だろう。

 とは言え一般的にはより背景がぼける方が、背景の映り込みが気にならなくなり有効かと思われる。1つ疑問なのは超広角で使えないこと。前面カメラでも使えるため、ハードウェア的にできないことはないと思うのだがなぜなのだろう(ポートレートも超広角が使えない)。

 フォトグラフスタイルは、筆者が13 Proに買い替える理由の1つとなった機能だ。これまでiPhoneで撮影した写真は、良い意味でも悪い意味でもiPhoneっぽい写り。これを触るにはRAWで撮影するか、後からいろいろ調整しなければならない。そこに登場したのがこのフォトグラフスタイル。プリセットはリッチなコントラスト、鮮やか、暖かい、冷たいと、4つ用意されているが、トーンと暖かみを-100から+100の範囲で設定でき、好みの発色にすることができる。

 また作例は掲載していないが、人物が入った場合、肌のトーンは、これらの設定に左右されず(ある程度)一定となる。これは背景と人物をレイヤーに分けて処理しているからできる技だ。但しポートレートではこの機能を併用できない。

 余談になるが、背景と人物をレイヤーに分けて処理という意味では逆光での人物も同じだ。これもパワーアップしており、12シリーズまでは対象が1人だったが、13シリーズでは複数人に対応した。

 なお動画は4K/30fpsのProRes形式に後日のアップデートでの対応となるが、どうやら128GBモデルは容量の関係から使えないようだ。筆者はこれを承知(つまり使わない)で128GBモデルを選んでいる。

フォトグラフスタイル/標準
フォトグラフスタイル/リッチなコントラスト(トーン:-50/暖かみ:0)
フォトグラフスタイル/鮮やか(トーン:50/暖かみ:0)
フォトグラフスタイル/暖かい(トーン:0/暖かみ:50)
フォトグラフスタイル/冷たい(トーン:0/暖かみ:-50)

 以下作例を日中、夜景、人物(前面と背面:超広角/広角/望遠)と計24枚掲載する。

 日中1~3枚目はフォトグラフスタイル/リッチなコントラスト、4~5枚目がフォトグラフスタイル/冷たい、6枚目がポートレート。夜景はバイクがポートレート、スプリングバレーブルワリー東京は手すりに固定しての長時間ナイトモード、最後2枚はフォトグラフスタイル/リッチなコントラストで撮っている。また夜景の1~4枚目はHEICで撮ってしまったので、JPEGへ変換した。

 人物は前面と広角、望遠はポートレート/スタジオ照明。超広角は写真アプリで自動補正。これはまともにレフを当てると眩しいらしく、弱めに当てた関係で全体のバランス的に顔が若干暗くなったための暫定処理だ。ご了承願いたい。

 ポートレートでスタジオ照明を使うのは個人的によくやるパターンだ。正面から照明を当てる感じなので、影を消したり、露出補正とは違い背景とは無関係に被写体だけ明るくできる。後から写真アプリでぼけ味と共に触れるのも便利だ。(シングルレンズの前面カメラでもできるのだから)超広角もそろそろ対応して欲しいところ。出来ればGoogleフォトのポートレートライトのように、ライトの位置も変えれればよりベターなのだが……。

モデルKAKANET-AGE

 使用感は、今年は既にそれなりの台数スマホを試用しているが、やはりすべてにおいて群を抜いている。起動、AF、AE、直後の確認……どれもまったくストレスはない。さすがと言ったところだろう。また去年撮った、iPhone 12 Pro Maxでの作例といくつか場所が被っているが、写りがより濃く硬調になっているのも個人的には好み。12 Pro Maxの夜景で気になったゴーストも無視できるほど低減しているのも嬉しい改善ポイントだ。

 期待のフォトグラフスタイルもご覧の通り、要所要所で使えばグッと見栄えする写りとなる。特にリッチなコントラストが好みだろうか。

 ポートレートとフォトグラフスタイルが併用できないのは残念な点だ。iPhoneの場合、カメラアプリでは撮影時ホワイトバランスを触れないので、もう少し寒色/暖色……っと思ってもどうにもならない。一般的なポートレートっぽい写真であれば普通のモード+フォトグラフスタイルで撮って、後でアプリを使って背景をぼかす手もある。この辺りはケースバイケースと言ったところか。

 iPhone 12 Pro Maxの時は、Xperia 1 IIとカメラ以外の部分も含め±でXperia 1 IIをメインとしたが、さすがに13 Proは他のマイナス面を差し引いても(意外と使いやすい画面21:9、OSをまたぐとLINEのトークが消える、Googleフォトのポートレートライトが使えない、3.5mmジャックないなど)、悩む余地はなさそうだ。この記事を書き終えて落ち着いたらメインを入れ替える予定だ。

ホーム画面にウィジェットを配置可能になったiOS 15

 今回は先にiPhone 12 Pro Maxを手放したので、iCloudのバックアップから復元。ソーシャル系などのパスワードは再設定となったが、アプリの配置などを含めサクッと終わった。SuicaはもともとAndroidとアカウントを分けていたので問題なし。LINEのトークはOSをまたげないので見事に消えた(笑)。

 これはあらかじめ予想していたことであり、macOS/iPadOSのLINEアプリでバックアップしてあるので大丈夫だ(こちらは消えない)。しかし画面キャプチャからも分かるように酷い状況。この問題で簡単に端末を乗り換えられない人もいるだろう。いい加減なんとかして欲しい部分だ。

消えたLINEのトーク。iOS/Android間は引き継げない困った仕様

 OSはiOS 15。トレージは128GB中112.5GBが使用可能だ(若干の画面キャプチャ込み)。Dockに電話、Safari、メッセージ、ミュージックを配置。ホーム画面は2画面。一画面目は上にiOS 15新機能のウィジェットを2つ配置。コントロールパネルは今回集中モードが追加されている。iOS 15になったとは言え、ほとんどこれまで通りのUIで戸惑う事もないだろう。

Home(1/2)
Home(2/2)
ユーティリティフォルダ
コントロールパネル
ウィジェット
情報

 SIMの設定は、手持ちの関係でOCN mobile ONE(4G)を使用した。Android搭載スマホとは違い、APN一覧/設定などはなく、プロファイルをサイトなどからダウンロード、インストールすることで設定できる。今回テストだったのでOCN mobile ONEとしたが、メインで使っている5G対応のahamoも同様に該当ページからダウンロードできる。Xperia 1 IIから移行する時に設定するつもりだ。eSIMに関しては手持ちの物がないため試していない。

設定/一般/VPNとデバイス管理
ahamoのプロファイルダウンロード(5Gも含め作動確認済み)

 アプリは、「App Store」、「Apple Store」、「Clips」、「FaceTime」、「GarageBand」、「iMovie」、「iTunes Store」、「Keynote」、「Numbers」、「Pages」、「Podcast」、「Safari」、「TV」、「Watch」、「ウォレット」、「拡大鏡」、「株価」、「カメラ」、「カレンダー」、「計算機」、「計測」、「コンパス」、「探す」、「写真」、「ショートカット」、「設定」、「天気」、「電話」、「時計」、「ヒント」、「ファイル」、「ブック」、「ヘルスケア」、「ボイスメモ」、「ホーム」、「翻訳」、「マップ」、「ミュージック」、「メール」、「メッセージ」、「メモ」、「リマインダー」、「連絡先」……と、お馴染みのものだ。

 筆者の場合、純正アプリで使うのは、Store系、Safari、ウォレット、カメラ、計算機、ファイル、ミュージック、メール、メッセージ、メモ程度なので、iOS 14からの差はあまり感じない。大きく変わったのはSafari程度だろうか。標準ではタブバーだが、設定 > Safariでこれまで通りのシングルタブにも変更できる。

Safari/タブバー
Safari/シングルタブ
集中モード(1/2)
集中モード(2/2)

 新搭載の集中モードは、おやすみモード、パーソナル、仕事、睡眠と4パターン設定でき、それぞれ許可する人とアプリを選ぶことができる。少し試したが、この程度のことは意識的に無視すれば良く個人的には不要だ。

12時間超えのバッテリベンチとGPU性能が大幅にアップ!

 ベンチマークテストは簡易式でGeekBench 5.4.1とGoogle Octane 2.0の結果を掲載した。GeekBench 5.4.1はSingle-core 1,723(1,595)、Multi-core 4,642(4,121)、Metalは14,252(9,383)。Google Octane 62,642(58,529)。カッコ内はiPhone 12 Pro Max。

 全体的にスコアを伸ばしているが、特にMetalの差が大きい。しかしGoogle Octane 62,642とは、既に周囲にあるPCより倍以上? 速くなってしまった。ここまでパワーがあるなら、ディスプレイ+HIDを接続してのデスクトップモードに対応して欲しいところ(笑)。

 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量共に50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ約13時間でバッテリが切れた。仕様上、ビデオ再生(ストリーミング)最大20時間なので比較すると短いものの、ハイエンドクラスで12時間超えるため一般的には問題ないレベルだ。なお、12 Pro Maxの時は約10時間だったので、消費電力的には結構抑えられているのがわかる。

 余談になるがSiriが意外とバッテリを食っている。常に待機している関係だろう。筆者のようにまったく使わない人はオフにした方が無難だ。

GeekBench 5(Single-core / Multi-core)。1,723(1,595) / 4,642(4,121)
GeekBench 5(Metal)。14,252(9,383)
Google Octane 2.0。62,642(58,529)
12時間経過して残10%

 以上のようにApple「iPhone 13 Pro」は、2021年版6.1型のiPhoneだ。Proの称号に相応しく、質感、パネル、カメラ、サウンド……何を取っても一級品。去年の12 Pro Maxのさらに上を行く。カメラに関しては欲を言えばポートレートの超広角対応、ポートレートとフォトグラフスタイルの併用が今後の課題か。

 唯一指紋センサーがないため、マスク着用時の顔認証が面倒だが、11以前のiPhoneを使用しているユーザーにお勧めできる一台だ。望遠を使わないなら13/13 miniもいいだろう。ちろん筆者のように12 Pro系からの機種変でも満足度は高い。少なくとも今年後半から来年いっぱい程度はメインのスマホとして使う予定だ。さて1年後のiPhone 14 Proでどうなるか……。来年(2022年)につづく!?