西川和久の不定期コラム
シリーズ最上位でトップクラスのカメラ画質! Apple「iPhone 12 Pro Max」
2020年11月20日 09:50
Appleは10月13日にiPhone 12シリーズを発表。iPhone 12と12 Proは10月23日から販売開始、12 miniと12 Pro Maxは少し遅れて11月13日から販売開始となった。編集部から最上位の「iPhone 12 Pro Max」が送られて来たのとほぼ同時に、筆者が購入した実機も届いたので、少し実践的な試用レポートをお届けしたい。
iPhone 12シリーズ最大だが最強の1台!
今回iPhone 12シリーズは、冒頭に書いたように、12と12 Proは10月23日から販売開始、12 miniと12 Pro Maxは11月13日から販売開始と、2パターンに分かれた。筆者が所有するiPhoneの最新はX。X→XR→11と、さすがに3世代空いたため、今年(2020年)は購入することを決めていた。
もともと望遠はあまり使わないので、12 miniでいいかと思っていたところ、Pro系のみProRAW対応というアナウンス。RAWは使いたい。「では12 Pro」にとなりそうなところだが、12 Pro Maxのみ広角のセンサーサイズが約47%大きく、手振れ補正もセンサーシフト光学式。結局全部入りの12 Pro Max(グラファイト/128GB)を予約開始と同時に申し込んだ。
貸出の件は、予約以前に話があったので(このときはまだ12 miniか12 Pro Maxか未定だった)、結果的に2台揃った格好だ。貸出機はパシフィックブルー/512GB。どちらにしようか悩んだ色でもある(笑)。
iPhone 12シリーズの各モデルのおもな違いはサイズ、それに伴う重量/バッテリ容量、12系はメモリ4GB、Pro系は6GB(非公開)、そしてカメラとなる(12と12 miniのカメラは同じ)。パネルはすべてOLEDだ。ご紹介する12 Pro Maxは最大サイズで最大性能。おもな仕様は以下のとおり。
Apple「iPhone 12 Pro Max」の仕様 | |
---|---|
SoC | A14 Bionic |
メモリ | 6GB(非公開) |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB |
OS | iOS 14 |
ディスプレイ | 6.7型OLED、2,778×1,284ピクセル、458ppi、広色域ディスプレイ(P3) |
ネットワーク | 2x2 MIMO対応Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5、NFC(FeliCa対応) |
SIM | デュアルSIM(Nano SIMとeSIM) |
対応バンド(モデルA2410) | 5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n28、n38、n40、n41、n66、n77、n78、n79) FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71) TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48) UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz) GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz) |
インターフェイス | Lightningコネクタ、ステレオスピーカー |
センサー | Face ID、LiDARスキャナ、気圧計、3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー |
位置情報 | 内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou、デジタルコンパス、Wi-Fi、携帯電話通信、iBeaconマイクロロケーション |
カメラ | 背面:超広角:1,200万、f/2.4絞り値と120°視野角 広角:1,200万、f/1.6絞り値 望遠:1,200万、f/2.2絞り値 LiDAR、センサーシフト光学式手ぶれ補正/広角、光学式手ぶれ補正/望遠、True Toneフラッシュ、ナイトモード、Deep Fusion、HDR 3 前面:1,200万、f/2.2絞り値 ナイトモード、Deep Fusion、HDR 3 |
防沫性能/耐水性能/防塵性能 | IP68等級(最大水深6メートルで最大30分間) |
バッテリ駆動時間 | ビデオ再生:最大20時間、ビデオ再生(ストリーミング):最大12時間、オーディオ再生:最大80時間。ワイヤレス充電(Qi充電器対応最大7.5W、MagSafe最大15W) |
サイズ/重量 | 約78.1×160.8×7.4mm(幅×奥行き×高さ)/約226g |
カラーバリエーション | シルバー、グラファイト、ゴールド、パシフィックブルー |
そのほか | Type-C/Lightningケーブル付属、MagSafe対応 |
税別価格 | 117,800円/128,800円/150,800円 |
SoCはA14 Bionic。11系はA13 Bionicなので1世代進化した。5nmプロセスで製造され、2つの高性能CPUコアと4つの高効率CPUコア、GPU 4コア、Neural Engine 16コア。同社によると、A13 Bionicと比較してチップ性能は40%高速、GPUコアは30%高速化されているとのこと。
メモリは非公開だが6GB。ストレージは128GB/256GB/512GBの3タイプ用意されている。OSはiOS 14。ディスプレイは6.7型OLED、2,778×1,284ドットで458ppi。広色域(P3)だ。ネットワークは、2x2 MIMO対応Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5、NFC(FeliCa対応)。そして1つのNano SIMスロットとeSIMでデュアルSIMとなる。
対応するバンドは表を参考にしていただきたいが、従来のLTEまでに加え5G対応となった。ただしミリ波には未対応だ。個人的にはどちらもまだ時期尚早で、当面LTEで使えばいいのではと思っている。
インターフェイスはLightningコネクタ、ステレオスピーカー。センサーはFace ID、LiDARスキャナ、気圧計、3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー。位置情報は内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou、デジタルコンパス、Wi-Fi、携帯電話通信、iBeaconマイクロロケーションを搭載している。なおカメラについては別途解説する。
充電は、有線に加え、Qiによる無線と、加えて磁石で吸着するMagSafe。前者は最大7.5W、後者は最大15Wと、充電時間が異なる。付属のケーブルはType-C/Lightningに変更された。
防沫性能/耐水性能/防塵性能はIP68等級で最大水深6mで最大30分間。バッテリ駆動時間は、ビデオ再生:最大20時間、ビデオ再生(ストリーミング):最大12時間、オーディオ再生:最大80時間。カラーバリエーションはシルバー、グラファイト、ゴールド、パシフィックブルーの4色。
そしてサイズは約78.1×160.8×7.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量約226g。12 Proが約71.5×146.7×7.4mm(同)、重量約187g(12のサイズは同じ。重量162g)。12 miniだと、約64.2×131.5×7.4mm(同)、重量約133g。厚みだけ同じだが、サイズ/重量はかなり違うのがわかる。少し面白いのは12と12 Proのサイズが同じと言うことだ。カメラの構成は違うが同じケースを使うことができる。
税別価格は容量順に117,800円/128,800円/150,800円。Androidのハイエンドも10万円越えするので、特別高いわけではない。
もともと筆者はカメラ構成の違いからiPhone 6 Plusなど、大きい方を使っていたので、12 Pro Maxが特別大きいとは思わなかった。また比較写真にあげているが、現在メインで使っているXperia 1 IIの方が高さが若干高く、これも大きく思わなかった要因の1つでもある。
幅は扉の写真からもわかるように、男性の手のサイズでギリギリだが何とかなる範囲。それより重量が実測で227gは、長時間片手で操作していると結構重く感じる。ここが許せるかどうかで、12 Pro Maxか、ほかの12系かとなるだろうか。量販店などで実機を確認していただきたい。
ボタンの配置はiPhone Xと変わらず(SIMスロットだけ逆側へ移動)。ただデザイン的にX/XR/11はエッジが丸かったが、12シリーズは平らになり、5s以前に戻った格好だ。個人的には4S/5頃のデザインが好きだったのでうれしい変更点でもある。
質感はステンレススチールとテクスチャードマットガラスの背面で文句なし。品があり高級感もたっぷりだ。パネルは、Ceramic Shieldと呼ばれる素材が使われ、耐落下性能が4倍に向上している。表面を爪などで叩くと、Xは重い感じのコンコンと鳴るが、12 Pro Maxの方が軽い感じのコンコンという音がする。筆者は歴代のスマホを含め落としてパネルを割ったことはないが、経験者にとってはポイントが高いと思わるる。
ディスプレイは、HDR、True Tone、広色域(P3)、200万:1コントラスト比、最大輝度800cd/平方m(標準)/最大輝度1,200cd/平方m(HDR)。文句のつけ所のない性能で実際に綺麗だ。また色域が同じMacBook Pro 16(2019)で同じ画像を表示すると、同じ色になるので、非常に気持ちいい。ただ耐指紋性撥油コーティングされている割には指紋跡は結構つく。
サウンドは、11シリーズからLightning/3.5mm変換ケーブルがつかなくなり、Lightning接続のイヤフォンに変更されたが、12シリーズからはACアダプタ/イヤフォンがなくなり、Type-C/Lightningケーブルだけとなった。このため有線接続でのイヤフォンは視聴せず、スピーカーだけの音を確認した。スマホのスピーカーとしては鳴りっぷりも十分。これ以上を求めるならBluetooth接続など外部スピーカーを使うべきだろう。
全部入りのシリーズ最強カメラ
3つある背面カメラはすべて1,200万画素、出力画素数3,024×4,032ドット。他社でたまに見かける、レンズによって画素数が変わるようなことはない。EXIFによると、超広角(f/2.4)/焦点距離2mm(35mm換算14mm)、広角(f/1.6)/焦点距離5mm(35mm換算26mm)、望遠(f/2.2)/焦点距離8mm(35mm換算64mm)。12 Proとの違いは望遠(f/2.0、35mm換算52mm)となる。LiDAR搭載やナイトモードが全レンズ対応となったのは同じだ。ただし12 Pro Maxは広角のセンサーが約47%大きく、加えて手振れ補正がセンサーシフト光学式となる。
ざっくり12 mini、12、12 Pro、12 Pro Maxのカメラの違いはこんな感じにだ。つまり、全部入りが欲しければ12 Pro Max一択となる。筆者が今回12 Pro Maxを購入した理由もこの1点。ただ正直なところ、ProとPro Maxは、11 Pro/11 Pro Maxのように画面サイズだけの違いで、カメラ性能は同じであってほしかった。
iPhone 12シリーズカメラの違い | |||||
---|---|---|---|---|---|
12 mini | 12 | 12 Pro | 12 Pro Max | ||
超広角 | 〇 | ← | ← | ← | |
広角 | 〇 | ← | ← | センサーが約47%大きい | |
望遠 | × | ← | 52mm | 64mm | |
手ぶれ補正 | 広角 | ← | 広角/望遠 | 広角(センサーシフト)/望遠 | |
ナイトモード | すべてて | ← | ← | ← | |
LiDAR | × | ← | 〇 | ← | |
ProRAW | × | ← | 〇 | ← |
撮影モードは、タイムラプス、スロー、ビデオ、写真、ポートレート、パノラマ。このうち、ポートレートのみ超広角が使えない(LiDARがあるので使えてもいいような気もするが)。
設定は設定/カメラにある。フォーマット:高効率(HEIC)/互換性優先(JPEG)、ビデオ撮影:720p HD 30fps/1080p HD 30fps/1080p HD 60fps/4K 24fps/4K 30fps/4K 60fps/HDR/FPS自動調整/カメラをロック、スローモーション撮影:1080p HD 120fps/1080p HD 240fps、ステレオ音声を録音、設定を保持、音量を上げるボタンをバーストに使用、QRコードをスキャン。
構図はグリッド、前面カメラを左右反転、フレームの外側を表示。写真撮影はシーン検出、より速い撮影を優先、レンズ補正、スマートHDR。
写真/編集は、フィルタ、傾き/回転に加え、調整で、自動、露出、ブリリアンス、ハイライト、シャドウ、コントラスト、明るさ、ブラックポイント、彩度、自然な彩度、温かみ、色合い、シャープネス、精細度、ノイズ除去、ビネット……など、いろいろに、そして細かく調整できる。RAW撮影でなくても、無茶しない限り、目に見えて破綻することもなく、ある程度調整できるのでありがたい。ポートレートモードは、ピンの位置/ボケ具合、ライティングなどが後からでも調整可能だ。
なお掲載している写真はすべてHEICで撮っているが、Web掲載用に「iMazing HEIC Converter」を使いJPEGへ変換している(Keep EXIF data、Quality:90%)。あらかじめご了承いただきたい。
余談になるが、Windows 10では、Microsoftが「HEIF 画像拡張機能」を無償で配布しており、これをインストールすれば、HEICの写真をそのまま表示できる。ただし、今回気づいたのだが、ポートレートモードで撮影した写真だけは開けなかった。iPhone SEのポートレートモードは大丈夫なので、iPhone 12 Pro(Max)固有の問題だろうか。
カメラの作動自体は、とにかくサクサク撮れ、即確認もできストレスフリーだ。AFもLiDARがあるので、暗い場所でも素早くきっちり決まる。手振れ補正もかなり効く。ただ(iPhoneの問題ではないが)望遠はスマホの形状で35mm換算64mmだと、普通に持つと結構プレビューがフラフラする。きっちり構えることをおすすめしたい。
絵的には3月にレビューしたiPhone SEと比較すると、発色は同じ傾向(iPhoneっぽい色)だが、ハイライト/シャドウ、細かい描写などが確実に目に見えてレベルアップしている。さすがと言ったところか。
作例を36枚掲載したので参考にして欲しい(昼15枚、夜15枚、屋内6枚)。基本調整は露出補正程度。超広角、広角、望遠、ポートレートモード、ナイトモードなどをシーンに応じて使っている。スマートHDRはすべてオン。どんなシーンでもシャッターボタンを押すだけでこれだけ撮れるのだから本当にビックリする(じつは露出補正はほとんどしていない)。
ただ今回ハイエンドなので、少し辛口で書くと、夜景でゴーストが結構写り込む。HDRが効きすぎて妙な絵になっているパターンもある(本来影になる部分が明る過ぎる)。このありが気になった。
別途人物(モデル:茜音愛さん)で前面、超広角/広角/望遠も掲載した。ポートレートモードを使ったが、超広角は非対応だ。また超広角は、結構暗い場所で、カメラの向きによってはナイトモードになったりならなかったり。作例もf/2.4、1/13秒、ISO1000と暗いのが分かる。カフェでの自撮りも、場所は桜丘カフェなのだが、天気が良い日でも店内はかなり暗い。それでもこれだけ撮れている。
さて12 Pro Maxで広角のセンサーが約47%大きくなり、ほかのモデルとの画質の差は……と、なるところだが、実際筆者が撮り比べていないのでほかの作例を見る限りだが、通常環境では(多分)変わらない。デジカメはセンサーが大きくなれば、その分、色も良くなるというのが定説だが、どうもAppleは意図的に12シリーズの色を揃えている雰囲気だ。では大きくなったメリットは何かと聞かれると、暗い環境でより安定して撮れるように調整していると思われる。
たしかに通常環境でこれだけ撮れるなら、あえて大きくなったメリットをこれに振るのもありだろう。とくにiPhoneの場合、「写真/カメラに詳しくない普通の人かシャッターボタンを押すだけで綺麗な写真が撮れる!」をうりにしているためなおさらだ(もちろんちゃんと撮ればちゃんと撮れる)。
余談になるが、この夏、海に行ったとき、仲間内で海バックに記念撮影していたが、材木座は午後以降、海を背にすると完全にド逆光。人優先なら背景は白飛び、海/空優先なら人は真っ暗……と思って見ていた。しかし後でInstagramにあがった写真を見てビックリ! ちゃんと海も人も撮れている。スマホはiPhone 11 Pro Maxだったが、恐るべしと思った。iPhoneはこのようなカメラにとっては過酷な環境でもちゃんと撮れるを目標にしている。従って+αの性能は、より厳しい条件に振りわけるのもうなずける。
個人的にはiPhone X以降、Huawei P20 Pro、P30 Proの“鮮明な色”モードの「ド派手でハイコントラスト」が好きで愛用してた。諸事情でP30 Proが使えなくなったため(P20 Proはさすがに今となっては遅め)、Xperia 1 II(docomo版)に替えたが、これもHuaweiほどではないものの、どちらかと言えばパッキリしている絵作りだ。
対して、iPhoneは6以降辺りから誇張せず、自然な感じの発色に変えてきた(5sとかは派手だった記憶が)。従って少し眠い感じでド派手さもない。逆に言えば素材性重視なので、後からどうでも好きに料理できる写りとなる。
そこで気になるのは、年末リリース予定のProRAWだ。撮って出しのJPEGだとAppleの好みになっているが、RAW現像だと少なくとも、ホワイトバランス、露出、色味などを調整でき、好みに仕上げることができる。加えて背景ぼかしや(エリア指定した)HDRのかかり具合などが調整可能か、好みのプリセットで一発現像できるか、アプリは標準のカメラ/写真か、もっとマニアックな別物か……など、「やっぱりカメラはPro(Max)だよね!」となることに期待したい。
動画に関しては、筆者が普段使わないので、試した程度であるが、このカメラの発色に加え、光学式手ぶれ補正の効きも良く非常に安定して撮影可能だ。さらに12シリーズすべてで、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影可能。機会があればグラビアで作品っぽいのを撮ってみたいところ。4K 24fpsが映画っぽくて好みだ。
クイックスタートでサクッとiPhone Xの環境を引き継ぎ
今回セットアップは手元にiPhone Xが残っていたので、はじめてクイックスタートを使った。ただすでにiOS 14.2が出ており、Xが14.2だったこともあり、いったん12 Pro Maxを初期化からなにも同期せず起動(iOSは14.1)、OSアップデートで14.2にした後に再度初期化を実行している。
方法自体は簡単で、指示のとおり、2台のiPhoneを操作し(同一Wi-Fiへ接続)、転送開始、しばらくするとコピーが終わる。その後必要に応じて最新版のアプリが自動的にダウンロードされるが、壁紙、アイコンの配置、ID/パスワードを含めたアプリの設定などほぼ全自動だ。一部ID/パスワードが引き継がれなかったものは再入力。残ったのはSuicaとLINEとなる。SuicaはXのWalletから外し、12 Pro Maxで登録すれば残金も含め簡単に移行できた。
最後に残ったのは相変わらずスマホでは1端末縛りのあるLINEだ。これがあるため複数スマホを持っていても気楽にSIMを入れ替えて使うことができず、昔から困った存在となっている。引っ越し自体も面倒な手続きが必要。失敗してデータが飛んだ! と言う話もよく聞く。せめてメインは1台だが、複数スマホでタブレットやWindows/macOS同様、新規アカウントは作れないものの、使えるようにしてほしいところだ。現在Xperia 1 IIとどちらをメインにするかお試し中なので、まだLINEだけは移行していない。
SIMはせっかくeSIMに対応しているので入れてみようかと思ったが(筆者の用途的にはIIJmio eSIMサービス データプラン ゼロとdocomoの併用が良さそう)、今年は外出することも少なく、Wi-Fiルーターで使っているOCNモバイルONE(SMSあり/LTE)のパケットが思いっきり余っているので、とりあえずこれを使うことにした。設定は同社のサイトからプロファイルをダウンロードし、インストールするだけと簡単だ。冒頭で説明したとおり、iPhone 12シリーズは5Gに対応しているものの、ミリ波には未対応。肝心の5Gもまだエリアがとても狭い。従ってしばらく(来年いっぱい?)はLTEのままで使う予定だ。
旧端末から環境移行をしないときは、初期起動時、ホーム画面は2画面。Dockに「電話」、「Safari」、「メッセージ」、「ミュージック」。ホーム1画面目に「FaceTime」、「カレンダー」、「写真」、「カメラ」、「メール」、「時計」、「マップ」、「天気」、「リマインダー」、「メモ」、「株価」、「ブック」、「App Store」、「Podcast」、「TV」、「ヘルスケア」、「ホーム」、「Wallet」、「設定」。2画面目に「ファイル」、「探す」、「ショートカット」、「iTunes Store」、「翻訳」、「連絡先」、「Watch」、「ヒント」、「Apple Store」、「Clips」、「GarageBand」、「Keynote」、「Numbers」、「Pages」、「iMovie」。ユーティリティフォルダに、「ボイスメモ」、「コンパス」、「計測」、「計算機」……となる。
iOS 14になって、ウィジェットをホーム画面に置けたり、Appライブラリが使えるようになったが、基本初期起動時のホーム画面は従来どおりだ。ストレージは512GB中14.1GB使用済み(若干の画面キャプチャを含む)。OSは出荷直後アップデートが出ており適応するとiOS 14.2となり、試用もこの状態で行なっている。
A14 Bionic搭載でさらに爆速!
ベンチマークテストは簡易式だが「Geekbench 5」と「Google Octane 2.0」を使用した。GeekbenchはSingle-Core 1,595、Multi-Core 4,121、Compute 9,383。Google Octane 2.0は58,529。カッコ内はiPhone SE(A13 Bionic)のスコアとなる。
比べるまでもないが、A14 Bionicを搭載したiPhone 12 Pro Maxの方がスコアを伸ばしていることがわかる。このスコア、一般的なCore iマシンよりもかなり速い。ここまで速いなら、Android搭載スマホで一部実装しているデスクトップモードも欲しい気がする。
バッテリのベンチマークテストは、輝度/音量50%、Wi-Fi経由でフルHD動画の全画面連続再生を行ったところ、約10時間で電源が落ちた。仕様上、ビデオ再生(ストリーミング):最大12時間なので、これに近いかたちだ。すでに6日間ほど使っているが、持ちが悪くはないものの、すごく良いという感じでもない。
以上のようにApple「iPhone 12 Pro Max」は、名実ともにPhone 12シリーズの最上位モデルだ。速度、カメラ、パネル、サウンド……すべてにおいてさすがの完成度。唯一サイズと重さ(価格もあるだろう)がウイークポイントとなる。12 mini、12、12 Proとの違いはカメラのみ。一番用途(好み)に近いモデルを選ぶのもありだろう。
いずれにしても「iPhone 12なら全部盛りのiPhone 12 Pro Max一択」と考えるユーザーに是非使っていただきたい1台だ。気になるProRAWに関しては、リリース後、機会があれば別途記事にしたいと思っている。