やじうまミニレビュー

待ってたよ100W!サンワの4ポートUSB付き充電タップを試した

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
サンワサプライ「TAP-SLIM7U-15BK」。直販価格は9,480円

 ここ数年、周辺機器メーカーから続々と登場しているのが、複数のUSBポートとコンセントを備えたオールインワンの電源タップだ。単に電源タップにUSBポートを追加しただけの製品はよくあるが、これらはモバイルユースを前提に、コンパクトな筐体に多数のポートを凝縮して搭載しているのが特徴だ。

 今回紹介するサンワサプライの製品「TAP-SLIM7U-15BK」もその1つで、過去に同社が販売していた同一形状のモデルが最大出力65Wまでしか対応しなかったのに対し、最大100Wにまで対応する。100Wものキャパがあれば、複数ポートの同時利用時も65W/30Wといった具合に、PCとスマホをそれぞれ上限に近い容量で充電できる。編集部から実機が送られてきたので、実際の使い勝手を見ていこう。

コンセント2基とUSB Type-C×2、USB Type-A×2を搭載

 まずはざっと外観および仕様を見ていこう。筐体の底面積は一般的なスマホと同程度。厚みは約18mmと、スマホよりは厚いが、電源タップとしてはかなりの薄型。ケーブル長は1.5mで、持ち歩き時は付属のタイを使ってコンパクトにまとめられる。バッグの中に入れて持ち歩くのにも最適だ。

一般的な電源タップに比べフラットなのが特徴。ちなみに同社からは過去に同一筐体で出力の低いモデルがリリースされており、本製品は現時点での最上位版に当たる
iPhone 17 Pro Max(左)との比較。横幅のスリムさが分かる。重量は公称249gとスマホ比では若干重め
厚みは公称18mm。電源タップとしてはスリムな部類に入る。定格容量は10A・125V(合計1250Wまで)
ケーブル長は1.5m。持ち歩き時はタイを使ってまとめることができる

 上面には2口のコンセントを搭載するほか、正面にはUSB Type-C×2、USB Type-A×1の各ポートを搭載する。USB Type-Cポートの最大出力は100Wで、1ポート利用時は100W、2ポートの同時利用時は65W/30Wの充電が可能とされている。このほか最大18WのUSB Type-Aも搭載するが、基本的にはUSB Type-Cポート2つを併用した場合の供給電力がポイントになるだろう。

天板にコンセント口×2、正面にUSB Type-C×2、USB Type-A×1を搭載。コンセントはほこり防止シャッターを備える
すべてのポートにケーブルを挿した状態。小柄ながらパワフルだ
底面には複数ポート同時利用時のPDOが記されている。PPSにも対応している

 このほか充電機能以外でユニークなのは、L字プラグが斜め方向から挿す仕様となっていることだ。壁面のコンセントに挿す場合もほかの口と干渉しにくく、また薄型なのでかさばらない。一般的なスイングプラグと比べた場合にどちらが便利か、評価は人それぞれだろうが、本製品の特徴といえる部分だ。

プラグはL字設計で、斜め方向にケーブルが伸びる珍しい仕様
壁面に挿した状態。上下にあるコンセント口と干渉する可能性は低そうだ

まずは単ポート利用時をチェック

 実際にノートPCおよびスマホを接続して、出力をチェックしてみた。今回は最大65Wの充電に対応したノートPC×2台(ThinkPad X1 Carbon Gen11/Gen9)と、最大40Wでの充電に対応したスマホ(iPhone 17 Pro Max)を用意して実験した。いずれも充電速度がピークとなるよう、バッテリ残量が10%前後まで減った状態で実験を行なっている。

 このほか出力の計測にはルートアール「RT-TC5VABK」、「RT-USBVAC8QC」を、ポートチェックにはビット・トレード・ワンの「USB Cable Checker3(UCC3)」を使用した。ケーブルは5A出力に対応したThunderboltケーブルを使用している。

ノートPCおよびiPhone 17 Pro MaxをUSB Type-Cポートに同時接続した状態

 まずは単ポートでの充電。今回用意したノートを接続すると、出力は100Wではなく60W前後となるが、これはノートPC側の上限が65Wであるためで、他社の100W対応充電器に接続した場合も同様の結果となる。ノートPC側のユーティリティや、UCC3によるポートチェックでみると、最大100Wであるときちんと認識されており、スペックが誤りというわけではない。

 また、iPhone 17 Pro Maxを接続した場合は、36~38Wでの充電となる。こちらもやはりデバイス側の上限ほぼいっぱいの速度だ。ちなみにこれらは2ポート搭載されているUSB Type-Cポートのどちらに接続した場合でも同様だ。このほかUSB Type-Aポートについては、最大18Wでの給電が可能とされている。

単ポートでのノートPCの充電時の出力。60W前後しか出ないのは、ノートPC側の上限が65Wであるため
ノートPC本体側のユーティリティで見るときちんと100Wと認識されている
念のためUCC3のポートチェック機能で検証してみた。最大100Wで間違いないようだ
PDOの一覧。20V/5Aで最大100Wとなる。ほかにPPSにも対応している
単ポートでのiPhone 17 Pro Maxの充電時の出力。36~38Wとこちらもデバイス側の制限を受ける

2ポートの同時使用時はどうなる?

 続いて2つのUSB Type-Cポートを同時利用し、ノートPCとiPhone 17 Pro Maxの同時充電を行なってみた。1つ目のポート(C1)にノートPC、2つ目のポート(C2)にiPhone 17 Pro Maxを接続したところ、前者は60W前後と単ポート充電時と変わらず、後者は27~29Wと若干低下した。メーカーは2ポート併用時の出力はC1=65W、C2=30Wと説明しているので、ほぼ仕様通りということになる。

 次にポートを入れ替え、1つ目のポート(C1)にiPhone 17 Pro Max、2つ目のポート(C2)にノートPCを接続したところ、前者はデバイス側の上限に近い36~38Wとなる一方で、後者は27~29Wにまで低下した。C1は上限65Wなので余裕がある一方、C2は上限30Wであるため出力が大幅に抑えられた格好だ。

 2つのUSB Type-Cポートのどちらに挿しても同じ結果が得られるのは、単ポート利用時だけで、複数ポート利用時はこうした制限を受けるので注意したい。ちなみにこうした仕様は本製品に限らず、複数ポートを搭載した100WクラスのUSB Type-C充電器ではおなじみだ。

USB Type-Cポートは向かって左が「C1」、右が「C2」
2ポート同時接続時。下(C1)がノートPC、上(C2)がiPhone 17 Pro Max。ほぼ上限いっぱいで充電されている
デバイスを入れ替え、下(C1)にiPhone 17 Pro Max、上(C2)にノートPCを接続してみた。C1に優先的に電力が供給されるため、どちらのポートにつないでも供給される電力は同じ……とはならない
C2ポートにデバイスが接続されている状態では、C1ポートの出力は65Wに低下する
C1ポートにデバイスが接続されている状態では、C2ポートの出力は30Wに低下する
ここでさらにUSB Type-Aポートにもデバイスをつないだ場合、C2と合わせて最大15Wに制限されるとされているが、試した限りでは合計約23W(USB Type-A=約9W、C2=約14W)と上限をはるかに超える電力が供給されていた。理由は不明だ

 ではノートPCとスマホという組み合わせではなく、ノートPC 2台を同時に充電する場合はどうだろうか。これも考え方は同じで、C1は上限である60W前後で充電され、残るC2は25~30Wに落ち着く。両者ともにノートPCなので等分されて等しく50W前後で、といったことにはならない。

 従って、2台のデバイスを同時充電する場合は、優先順位が高いデバイスをC1の側に接続してやったほうがよいということになる。とはいえデバイス側の制限もある以上、デバイスがノートPCとスマホであれば、必然的にC1にはノートPC、C2にはスマホ、という配分になるだろう。ノートPC 2台を充電する場合は、C2に効率的な給電を行なうためにも、C1の充電が完了したらすみやかにケーブルを抜くことを心掛けたい。

次にノートPC×2台を接続してみた。どちらも最大65Wまでの充電に対応する
下がC1ポート、上がC2ポート。C1に優先的に供給されているのが分かる
C1側のノートPCのユーティリティで見たところ。単ポート接続時は100Wと認識されていたのが65Wに低下している
C2側のノートPCのユーティリティで見たところ。単ポート接続時は100Wと認識されていたのが30Wに低下している
出力一覧(メーカーサイトより)。いずれの組み合わせでもC1が優先されることが分かる

 ちなみにケーブルを挿す順序によって、これらの供給電力は変化するだろうか。本製品は一般的な複数ポート搭載のUSB Type-C充電器と同じく、2つ目のデバイスを挿すといったんPDOがリセットされ、両ポートに出力が再配分されるので、ケーブルを挿す順序はこれらの出力に影響しない。

 その一方、複数ポート搭載のUSB PD充電器によくみられる、短い間隔で抜き差しを行うと稀に適切なPDOが選択されず、電力が低いまま充電が継続してしまう問題は、本製品でも見受けられる。今回の検証で使用しているような、現在の出力(W)を表示できるアダプタもしくはケーブルがあれば、こうしたトラブルも回避しやすいだろう。

複数台のデバイスをスピーディーに充電したい場合に

 以上いろいろと実験してみたが、持ち歩きに適したサイズと仕様でありながら、最大100Wというパワフルさはやはり魅力だ。さらに多くのデバイスを同時充電したければ上面のコンセントにUSB PD充電器を追加するという手もある。出張先のホテルで、ノートPCとスマホ、さらにワイヤレスイヤフォンなどを同時充電したい場合にはもってこいだ。

 多数のポートを搭載しているため、複数のデバイスを取っ替え引っ替えしなくとも、いったん接続すれば夜から朝までつなぎっぱなしにできるのも利点だ。ポートが少ないと、出張先のホテルでの利用にあたり、夜中に起き出して充電が終わったデバイスを外し、未充電のデバイスに取り替えて再度就寝、という作業を強いられるが、すべてのデバイスを接続できるだけのポートがあれば、そうした苦労はいっさい不要だ。

 まだ発売されて間もない本製品、本稿執筆時点での実売価格は9,000円台とそれなりだが、まったくの新規設計ではなく既存モデルの出力向上版であるということは、いい意味で設計も枯れており、安全性も高いと考えられる。多数のデバイスをホテルなどの出先で充電する機会が多い人に、広くおすすめできる製品といってよさそうだ。

製品パッケージ。カラーバリエーションはなくブラックのみ