特集

余ったPCにはLubuntuだ!Sandy Bridgeもサクサク動作で古いPC再生!

Lubuntu 26.04 LTSのデスクトップ

UbuntuとLubuntu

 Ubuntuは間違いなく優れたLinuxディストリビューションだが、常に最良の選択かと問われればそんなことはない。操作感がとっつきにくいとか、ハードウェアの負荷が高いとか、独自のパッケージシステム(snap)が気に入らないとか、“Ubuntuを選択しない理由”はいろいろある。

 弊誌で連載中のUbuntu日和 第88回では、Sandy BridgeアーキテクチャのCore i5-2400SにUbuntuをインストールしてみた結果を報告したのだが、Sandy Bridgeには荷が重いのは否定しがたい事実だ。

現役で稼働しているCore i5-2400S

 Ubuntuにはフレーバーという公式派生版があり、その中でもLubuntuLXQtというデスクトップ環境を採用している。ハードウェアの負荷が低いわりには日常的に使用でき、また現段階では少し頑張る必要があるものの、Waylandにも対応できるという優れモノだ。

 ただしUbuntuとは違い、LTS(Long Term Support)とはいってもサポート期間は3年間に限られる。

 では、Lubuntuがどのぐらい軽量なのかをざっくり説明するために、具体的に起動直後のメモリ消費量を見てみよう。Ubuntuだと1.14GBだが、Lubuntuだと700MBくらいだ。メモリが8GBもあれば5%の差だが、4GBしかなければ1割ほど使えるメモリが増える計算で、無視できない差だ。なお、Lubuntuはデフォルトでは日本語入力できないが、公平を期すために日本語入力が可能な状態にして計測している。

Lubuntuの起動直後のメモリ消費量は700MBくらい
Ubuntuの起動直後のメモリ消費量は1.14GBであった。すなわち1167MBくらい

 Sandy Bridgeは15年ほど前のCPUなので、さすがに現役で使用中であるというケースは少ないであろう。しかしここで声を大にして主張したいのは、「Sandy Bridgeでも快適に動作するのであれば、もっと新しいCPUであればさらに快適に動作する」ということ。目安としては第7世代Coreシリーズ(Kaby Lake)くらいまではLubuntuで、メモリの搭載量にもよるが、それよりも新しければUbuntuで、と使い分けるのがオススメだ。AMDのCPUだとRyzen前後に分けるといいであろうか。Ryzenより前となると、Bulldozerアーキテクチャおよびその派生版であり、Sandy Bridgeよりも現役で使用していることはないであろうが……。

筆者が所有するAMD A12-9800E。Bulldozerの4代目、Excavatorマイクロアーキテクチャモデルで、2017年に発売のわりには遅い

 また、Ubuntu独自のsnapパッケージにはなぜかアンチが多いが、Lubuntuのオプションによってはまったくsnapパッケージをインストールしないようにもできる。

 つまり、snap嫌いにもLubuntuは有用なのだ。

使用したPC

 今回使用したPCのスペックは次の通りだ。

メーカー型番備考
CPUIntelCore i5-2400S
CPUクーラーID-CoolingIS-40-XT Blackファンは交換
メモリSanMaxSMD-2G66SP-18M2枚で合計4GB
マザーボードASRockB75M-ITX
SSDIntelSSDSC2CT12120GB
光学ドライブPanasonicUJ141AF
ケースAOpenS145A-160BK

 CPUファンに関しては注意点があり、IS-40-XT Blackのファンはどうも初期不良だったらしく、回転しなかった。仕方がないので、たまたま未使用だったNoctuaのNF-A9x14 PWMに交換している。

 PCケースの型番は不明だったが、写真からして「S145A-160B」Kで間違いないだろう。本誌の記事ではクレバリー、Core i5-2400S搭載のMini-ITX採用PCで紹介されていた。クレバリーが倒産したのはいつのことであったろうか(注: 2012年)。

 なお今回使用するスクリーンショットは、仮想マシンで取得したものも使用している。

インストール準備

 Lubuntuをインストールするためにはインストールイメージが必須なので、何はなくともダウンロードする。

 インストールイメージのサイズは4GBくらいなので、DVD-Rに焼けそうではあるが、USBメモリを用意して転送するのが圧倒的にオススメだ。インストールにかかる時間が圧倒的に短縮されるほか、きょうびDVD-Rに焼いてインストールすることはほぼなく、未知のエラーにハマる可能性もあるため、メリットがまったくない。

 USBメモリへの転送は、Windowsだと定番のRufusやUbuntu推奨のbalenaEtcherを使用するといいだろう。UbuntuではブータブルUSBの作成(パッケージ名はusb-creator-gtk)になる。これらのソフトの詳しい使用方法は省略する。

インストール方法

 LubuntuはUbuntuとは異なるインストーラー(Calamares)を採用しているので、少し詳しく紹介する。

 インストールイメージから起動すると、言語の選択とデスクトップ(Try Lubuntu)かインストーラー(Install Lubuntu)のどちらで起動するかのオプションが表示される。

インストールイメージの最初の画面

 言語は「日本語(日本)」にし、「Install Lubuntu」をクリックしてしばらく待つ。

 もし画面にポインターだけがでてきているような状態になったら、何らかのキーを押せば画面が出てくるはずなので試してみてほしい。

 インストーラーを起動すると、「Lubuntuインストーラーへようこそ」が表示されるので、「次へ」をクリックする。

起動したインストーラー

 「ロケーション」は日本付近をクリックして「Asia」、「Tokyo」に変更して「次へ」をクリックする。

「ロケーション」では日本列島付近をクリックする

 「キーボード」は、今回は日本語キーボードを使用しているのでそのまま「次へ」をクリックする。

日本語キーボードを接続しており、選択も正しいので特に変更は不要

 「Customize」は、今回のポイントとなる。通常は「Normal Installation」を選択するが、「Minimal Installation」を選択すると、前述のsnapパッケージが一切ない状態でのインストールとなる。逆に「Full Installation」は、軽量性重視のLubuntuではあまり選択することはないであろう。Full Installationの状態でインストールしたいのであれば、別のUbuntuフレーバー、たとえばKubuntuの使用を検討したい。

「Customize」は英語のまま。「Normal Installation」か「Minimal Installation」を選択する

 今回は「Normal Installation」を選択するが、「Minimal Installation」を選択したときの情報も補完していく。

 「Download and install update following Installation」を選択すると、インストール中に現在入手できるアップデートをすべて適用した状態となる。これに関してはどちらでもいいが、今回はチェックを入れないことを前提とする。

 どうするかを決めたら「次へ」をクリックする。

 「パーティション」は、ストレージデバイス全体を削除してインストールすることを前提にする。その場合「ディスクの消去」にチェックを入れる。ファイルシステムは「ext4」、「btrfs」、「xfs」から選択できるが、デフォルトの「ext4」とする。

今回はストレージ全体を消去してインストールする

 パーティションの状態を決めたら「次へ」をクリックする。

 「ユーザー情報」はログイン情報やホスト名なので任意に入力し、「次へ」をクリックする。

「ユーザー情報」をひとしきり入力する。パスワードに関する注意は、ある程度は無視できる

 「要約」はこれまでに選択したことが表示されるので、間違いなければ「インストール」をクリックする。

設定したことの要約が表示されている

 最後の確認ダイアログが表示されるので、「今すぐインストール」をクリックする。

最後の最後の確認ダイアログ

 あとはインストールが完了するまで待つ。

 インストールが完了したら「すべて終了しました」と表示されるので、「実行」をクリックする。「今すぐ再起動」にチェックが入っていると即座に再起動され、入っていなければデスクトップが表示される。

 再起動するとログイン画面になる。パスワードを入力してログインするが、「キーボード」が「us」になっている。これは後から修正するので、この場では気にしないでいい。

Lubuntuのログイン画面。「キーボード」が「us」になっている

初期設定

 インストール直後に実行する最低限必要な設定は次の通りだ。

日本語入力

 前述の通りLubuntuはデフォルトだと日本語入力ができない。よって必要なパッケージをインストールし、設定する。端末(QTerminal)を起動し、次のコマンドを実行する。

$ sudo apt install fcitx5-mozc
$ im-config -n fcitx5

 コマンドからも推測できるが、今回は日本語入力で使用するインプットメソッドはFcitx5とする。変換エンジンはおなじみMozcだ。

 インストール後、一度ログアウトして再ログインする。

 「Fcitx5設定」を起動し、「入力メソッド」タブをよく見てみると英語キーボードを使用するようになっている。日本語キーボードを使用している場合は「キーボード-英語(US)」を選択し、中央の右矢印をクリックしてリストから削除する。代わりに右にある「キーボード-日本語」をクリックし、中央にある左矢印をクリックして移動させる。また中央の上矢印をクリックして「Mozc」よりも上にする。

デフォルトの「入力メソッド」タブ
設定を変更した後の「入力メソッド」タブ

 続けて「グローバルオプション」タブを開き、「ハングル」と「左Shift」を削除する。

デフォルトの「グローバルオプション」タブ
設定を変更した後の「グローバルオプション」タブ

 「適用」をクリックするとダイアログが表示されるが、「Yes」をクリックする。

 これで日本語の入力が可能となった。

Webブラウザ

 インストール時に「Minimal Installation」を選択すると、Webブラウザがインストールされないのは前述の通りだ。Google ChromeMicrosoft Edgeをインストールするにしても、Webブラウザがないと厳しい。というわけで、とりあえず使用するFalkonというWebブラウザをインストールする。端末から次のコマンドを実行する。

$ sudo apt install falkon

 このまま使用できなくもないが、セキュリティアップデートの適用が保証されないためおすすめできない。Google ChromeやMicrosoft Edgeのインストールをおすすめする。オープンソースのものがよければBraveがオススメだ。

 ちなみにFalkonで当サイトを開いてみたら500MBほどメモリを使用してしまった。

Falkon WebブラウザでPC Watchを開いたところ

アップデート

 パッケージにアップデートがある場合、右下に青いアイコンが表示される。これをクリックすると「Lubuntu Update」が表示されるので、「Install Updates」をクリックしてアップデートを適用する。snapパッケージは自動的にアップデートされるか、起動中であればアップデートを促すダイアログが表示されるので、基本的には気にしなくていい。

パッケージのアップデートがあるときに右下に表示されるアイコンと、Lubuntu Updateアプリ

インストールされているアプリ紹介

 Lubuntuデスクトップ環境であるLXQtは、その名の通りQtというGUIツールキットを採用している。VirtualBoxやVLCメディアプレイヤーなどでも採用している著名なものだ。よってLubuntuではQtを採用したアプリケーションを採用する傾向がある。

 そんなLubuntuにあらかじめインストールされているアプリケーションを紹介していこう。

 「Minimal Installation」を選択したときに追加する際の参考になるように、パッケージ名とインストールの有無についても触れる。

ジャンルアプリ名パッケージ名Minimal Installation
テキストエディターFeatherPadfeatherpad
ファイルアーカイバーLXQtファイルアーカイバーlxqt-archiver
ノートnobleNotenoblenote
ファイルマネージャーPCManFM-Qtpcmanfm-qt
電卓Qalculate!qualculate-qt
クリップボード履歴Qlipperqlipper
パスワード管理QtPassqtpass
WebブラウザFirefoxfirefox
メールクライアントThunderbirdthunderbird
BittorrentクライアントTransmissiontransmission-qt
オフィススイートLibreOfficelibreoffice
PDFビューアーqpdfviewqpdfview
画像ビューアーLXImage-Qtlximage-qt
スクリーンショット撮影ScreenGrabscreengrab
スキャンソフトSkanliteskanlite
動画再生VLCvlc
パッケージ管理Discoverdiscover
パーティション管理KDEパーティションマネージャpartitionmanager
タスクマネージャーqpsqps
端末QTerminalqterminal

Waylandも動作する

 LXQtはバージョン2.3.0からX Window Systemに代わるディスプレイサーバー、Waylandに対応している。Lubuntu 26.04 LTSで採用しているLXQtのバージョンは2.3.0だ。

 ということは、Lubuntu 26.04 LTSはWaylandに対応できるということになる。

 その方法はなぜかLXQtのブログで紹介されている。

 実用するのは難しいレベルなので細かくは紹介しないが、Lubuntuを使用していても将来的に心配ないということは知っておいてもらいたい。

LubuntuでWaylandセッションを使用しているところ。左下のlabwc-tweakの「Wayland display」が「wayland-0」になっているので、Waylandで動作していることが分かる

いろんなハードウェアにインストールしよう

 Lubuntuは具体的にハードウェアの最低条件を提示していない。メモリは1GBでは足りないので2GBは必要だが、CPUに至っては2.5GHzのCore i5-2400Sまでは必要なく、もっと遅いものであっても動作するであろう。

 そしてLubuntuはアプリケーションが揃っていて、やりたいことはひと通りできるようになっていることはすでにお分かりいただけたはずだ。

 PCが安かったあの頃に思いを馳せつつ、昨今ではすっかり高くなってしまったPCを横目に、おうちに眠っているPCにLubuntuをインストールして第2の人生を歩ませてほしい。