西川和久の不定期コラム
Tiger Lakeを搭載した14型フルHDノートMSI「Prestige 14 Evo」
2020年11月18日 06:50
筐体がホワイトのTiger Lake搭載14型ノートPC
Prestige 14 Evoシリーズは、「Prestige-14Evo-A11M-535JP」と「Prestige-14Evo-A11M-785JP」の2モデルあり、前者がCore i5-1135G7、後者がCore i7-1185G7を搭載。そのほかは筐体、パネル、メモリ/ストレージ容量などがすべて同じだ。
前々回Core i5-1135G7を搭載したDell「Inspiron 13 7000(7036) 2-in-1」を試用してTiger Lakeの感触が良かったこともあり、「Core i7だとどうなのだろう」と思っていたところ、ちょうどいいタイミングでの試用となった。名前からもわかるようにEvoプラットフォーム対応機だ。おもな仕様は以下のとおり。
MSI「Prestige 14 Evo A11M 785JP」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i7-1185G7(4コア8スレッド/最大4.8GHz/キャッシュ 12MB/cTDP down:12W(1.2GHz)/up:28W(3.0GHz)) |
メモリ | 16GB(LPDDR4X オンボード) |
ストレージ | M.2 NVMe SSD 512GB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 14型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢 |
グラフィックス | Iris Xe Graphics |
ネットワーク | Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5.1 |
インターフェイス | Thunderbolt 4×2/Type-C、USB 2.0/Type-A、microSDカードスロット、Webカメラ(顔認証対応)、指紋センサー、音声入出力 |
その他 | Dock付属。Type-C(入力/出力)、microSD/SDカードスロット、Type-A×2、GbE、HDMI、音声入出力。キーボードバックライト |
バッテリ/駆動時間 | リチウムイオン、52Whr、3セル、4,600mAh/最大12時間 |
サイズ/重量 | 319×219×15.9mm(幅×奥行き×高さ)/1.29kg |
販売価格 | 16万9,800円 |
プロセッサは第11世代Tiger LakeのCore i7-1185G7。4コア8スレッド。cTDPなのでシステムの設計によってベースクロックは1.2GHz(12W)から3.0GHz(28W)となる。後半のベンチマークテストでは結構なスコアが出ているので、おそらく3GHz駆動だと思われる(サイトの仕様にも3GHzの表記あり。最大は4.8GHz。キャッシュは12MB。
メモリはLPDDR4X オンボードで16GB(PCMark 10のSystem Informaionでは2GB×8となっていた)、ストレージはM.2 NVMe SSD 512GB。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載している。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Iris Xe Graphics。外部出力用にThunderbolt 4と付属のDock側にHDMIを装備。ディスプレイは14型非光沢のフルHD(1,920×1,080ドット)だ。タッチには非対応。
ネットワークはWi-Fi 6対応、Bluetooth 5.1とDock側にGigabit Ethernet。そのほかのインターフェイスは、Thunderbolt 4×2/Type-C、USB 2.0/Type-A、microSDカードスロット、Webカメラ(顔認証対応)、指紋センサー、音声入出力。加えて付属のDock側にType-C(入力/出力)、microSD/SDカードスロット、Type-A×2、音声入出力がある。キーボードはオフ~3段階のバックライトを搭載する。
52Whr/3セル/4,600mAhリチウムイオンバッテリを内蔵し駆動時間は最大12時間。サイズ319×219×15.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量1.29kg。カラーバリエーションはピュアホワイトのみ。価格は16万9,800円。内容を考えると妥当なところだと思われる。なおCore i5モデルだと約3万円ほど安いようだ。
筐体はピュアホワイト。持ったときは結構軽く感じる。写真からはあまりガッチリしたようには見えないかも知れないが、MIL-STD 810G適合なので、その点は問題ない。また白なので指紋跡が目立たない。
フロントはパネル中央上に顔認証対応Webカメラ。上左右はそれなりに狭額縁だ。左側面にType-C×2、ステータスLED。右側面にType-A、microSDカードスロット、音声入出力を配置。パネルは180度傾けることができ、また下の部分が足代わりになり、キーボード面が傾く仕掛けになっている。裏は前後に1本バー式のゴム足と、手前左右のスリットにスピーカーを備える。
加えてサイズ約95×48×10mm(幅×奥行き×高さ)、重量65gのコンパクトなドックが付属し、Type-C(入力/出力)、microSD/SDカードスロット、Type-A×2、音声入出力、Gigabit Ethernet、HDMIを追加できる。これだけあれば、机の上で使うときはドック経由で各ケーブルを接続、Type-Cケーブル1本外せば、サクッと持ち出しでき便利だろう。
付属のACアダプタはサイズ約65×65×28mm(同)、重量216g。出力20V/3.25A、15V/3A、6V/3A、5V/3A。USB PD式なので65Wの同タイプなら他社製でも利用可能だ。
14型のディスプレイは、非光沢で映り込みが少ない。明るさ、コントラスト、発色、視野角も良好。
i1 Display Proを使い特性を測ったところ、最大輝度284cd/平方m。写真の鑑賞/編集で最適とされる標準の明るさ120cd/平方mは、最大から-4が150cd/平方m、-5が119cd/平方mとなった。従って前者で計測している。黒色輝度は0.095cd/平方mで(目視可能かは別問題で)少し黒が浮く。リニアリティは、ほぼほぼ揃っているが、補正前は若干緑被りしていた。
キーボードはテンキーなしの日本語。オフ~3段階のバックライトを備えている。打鍵感はソフトながらストロークが深め、クリック感もあり悪くない。キーピッチは、主要どころは約19mm確保しているが、[半角/全角]、[]、[ろ]、[無変換]、[変換]、右側の[Fn]、[Ctrl]などのピッチが狭い。また[Enter]キーの外側にキーがあるのも好みが分かれそうだ。
タッチパッドはボタンのない1枚プレート式。左上に指紋センサーがある。やや横に広く、その分、パームレストの面積が減っているものの、とくに使いにくくはなかった。
振動やノイズは、ベンチマークなどCPUに負荷をかけて、キーボードに耳をつけると、若干ファンの風切り音がした。とは言え、通常の範囲ではまったく気にならない範囲だ。発熱はキーボード上のスペース及び、左側が若干暖かくなる程度だった。
サウンドはEVOプラットフォームで「スピーカーの音圧レベルが78dB/50cm以上およびベース周波数が353Hz以下」と定義されており、測ったわけではないが、おそらくギリギリのレベルだろう。声の抜けなどはいいのだが、もう少しパワーが欲しいところ。スピーカーが裏にあるので、間接音として耳に届く。14型なので幅がある程度確保されステレオ感は十分ある。
Core i7 Tiger Lakeの実力はなかなかの性能
初期起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。2つあるMSIグループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙のみの変更とシンプルだ。Core i7、メモリ16GB、NVMe SSDなので、何をしても快適に運用できる。
ストレージはM.2 NVMe SSD 512GBの「Phison 512GB S平方m80512GKBB4S」。CrystalDiskMarkのシーケンシャルリードで約5kMB/s、シーケンシャルライトで約2.5kMB/s出ており、結構速い。C:ドライブのみの1パーティションで約462GB割り当てられ空き約416GB。Wi-FiとBluetoothはIntel製、Dock搭載のGigabit EthernetはRealtek製だ。
おもなプリインストールのソフトウェアは、「AudioDirector for MSI」、「ColorDirector for MSI」、「MSI Center」、「PhotoDirector 10 Essential for MSI」、「PowerDirector 10 Essential for MSI」など。
MSI Centerは、パフォーマンス調整やリソースの最適化、システム診断などが行なえるシステムユーティリティだ。なお1回目の起動はインストールとなり、管理者権限で実行する必要がある。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、Cinebench R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。
冒頭で少し触れたがCore i5-1135G7を搭載したDell「Inspiron 13 7000(7036) 2-in-1」のスコアと比べて、全スコアで勝っている。Cinebench R20のSingle Coreも567 ptsと、執筆時点では1位だ。3DMarkもiGPUとしては高速。すべてにおいて高性能でかつ、バランスの良い結果となっている。
PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは9時間1分(キーボードバックライトOFF。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。EVOプラットフォームの要件9時間以上は満たしているが、仕様では最大12時間なので少し短めだろうか。
PCMark 10 v2.1.2506 | |
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PCMark 10 Score | 4,886 |
Essentials | 10,012 |
App Start-up Score | 13,103 |
Video Conferencing Score | 8,377 |
Web Browsing Score | 9,144 |
Productivity | 6,329 |
Spreadsheets Score | 5,940 |
Writing Score | 6,745 |
Digital Content Creation | 4,997 |
Photo Editing Score | 8,288 |
Rendering and Visualization Score | 3,020 |
Video Editting Score | 4,988 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
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Home Accelarated 3.0 | 4,515 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,805 |
Work Accelarated 2.0 | 3,154 |
Storage | 5,094 |
3DMark v2.15.7078 | |
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Time Spy | 1,839 |
Fire Strike Ultra | 1,331 |
Fire Strike Extreme | 5,239 |
Fire Strike | 3,782 |
Sky Diver | 14,749 |
Cloud Gate | 19,969 |
Ice Storm Extreme | 83,979 |
Ice Storm | 97,183 |
Cinebench R20 | |
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CPU | 2,337 pts(8位) |
CPU(Single Core) | 567 pts(1位) |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
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Q32T1 シーケンシャルリード | 4927.584 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 2527.199 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 1389.653 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 2200.202 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 703.150 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 623.144 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 56.393 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 251.086 MB/s |
以上のようにMSIの「Prestige 14Evo A11M 785JP」は、Tiger LakeのCore i7-1185G7を搭載した14型のノートPCだ。メモリ16GB、ストレージもNVMe SSD 512GBと容量は十分、趣味でも仕事でも快適にこなすことができる。付属のDockもなかなか便利そうだ。
本文にあげたように、キーボードに一部にクセがあるものの、ほかの部分はとくに気になる部分もなく、Tiger Lake搭載の14型ノートPCを探しているユーザーにおすすめできる1台と言えよう。