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macOS Montereyの新機能「SharePlay」で動画や音楽を一緒に視聴しよう

 macOS Montereyで搭載された「SharePlay(シェアプレイ)」によって、離れた場所にいる家族や友人などとオンラインで音楽や映画を同時に視聴できるようになりました。FaceTime通話中に同じ音楽や映画を一緒に聞いたり見たりしながら楽しく会話できるのは、これまでにない新しい体験です。また、SharePlayには「画面共有」の機能もあり、FaceTime通話中にMacのデスクトップ画面などを共有することもできます。SharePlayの使い方を知っておけばさまざまな場面で役立ちますので、ぜひ覚えておきましょう。

SharePlayは、MacやiPhone、iPadに標準搭載されるビデオ通話アプリのFaceTimeを利用して映像や音楽を通話相手と共有する機能です

SharePlayの使い方はとても簡単

 SharePlayを利用できる環境は、macOS Monterey 12.1以降、iOS 15.1以降、iPadOS 15.1以降となります。まずはお使いのAppleデバイスを最新のバージョンにアップデートしておきましょう。

 また、SharePlayはビデオ通話アプリのFaceTimeの機能の一部として提供されます。そのため、あらかじめFaceTime通話ができるようにApple IDとパスワードを設定しておく必要があります。

 自分と通話相手のAppleデバイスでこれらの準備ができていれば、SharePlayの利用は簡単です。FaceTimeでビデオ通話を開始したら、「ミュージック」や「TV」アプリを起動してSharePlayに対応する「Apple Music」や「Apple TV+」などのコンテンツの再生をスタートします。

 するとSharePlayを開始するかどうかを促すメッセージが画面にポップアップするので、クリックして共有を開始。相手にもSharePlayへの参加を促すメッセージが表示されるので同意すれば、同じ音楽や映像が再生されます。

SharePlayを利用するには、まずはFaceTimeで相手と通話を開始します
FaceTimeで通話を開始したら「ミュージック」などのSharePlay対応アプリを起動します。コンテンツを共有するかどうかのメッセージが表示されるので、開始するには「SharePlay」をクリック。自分の環境でのみ再生する場合は、「自分に対してだけ開始」をクリックします

 コンテンツの再生はリアルタイムに同期されるので、離れた場所にいる家族や友人ともFaceTime通話を続けながら、同じ瞬間を見たり聞いたりできます。

 また、SharePlayに参加しているユーザー同士で再生のコントロールも共有できるため、再生や一時停止、早戻し、早送りといった操作や、「次に再生」リストへの追加または並び替えも行なえます(字幕や音量の調整などの設定は各自で個別に制御します)。

 さらに、Apple Musicでは再生中の歌詞を表示することが可能なので、フルスクリーン画面で共有すれば、友人たちとリモートでカラオケ大会をするといった遊び方もできるでしょう。

 SharePlayの再生画面はピクチャ・イン・ピクチャに対応しているので、小さい別画面で再生を続けながら、ほかのアプリでメールをチェックしたり、SNSでチャットをしたりすることも可能です。

SharePlayが開始されると、相手のFaceTime画面(画面はiPad版)に通知されるので、「参加」ボタンをタップします
通話相手がSharePlayに参加したことが通知されます。これで、Apple Musicで再生中の音楽がリアルタイムに相手と共有されます。メニューバーのアイコンもSharePlayのものに変化します
共有相手の画面からも再生のコントロールや「次に再生」リストの並び替えなどが行なえます
「TV」アプリの場合も同様のメッセージが表示されるので、SharePlayを開始することで通話相手と映画やドラマの視聴を共有できます
コンテンツ再生時に自動的にSharePlayを開始するかどうかは、FaceTimeの環境設定で変更できます。「SharePlay」タブでチェックボックスを選択するか、アプリごとに選択します
メニューバーアイコンからSharePlayを停止すると、FaceTimeの通話画面に戻ります。

SharePlayで利用できるコンテンツ

 このようにSharePlayはAppleデバイスさえ持っていれば手軽に楽しめる素晴らしい機能ですが、やや残念な点もあります。

 それは、現状SharePlayが対応するのはApple MusicやApple TV+で配信される映画やドラマなど一部の有料コンテンツが主となる点です。

 そのため、これらのサービスに未加入の人がSharePlayに参加してもコンテンツは共有されず、画面にはサブスクリプションの購入や無料トライアルの案内が表示されます。

 また、SharePlayはDisney+(ディズニープラス)やHulu、HBO MAX、twitch、TikTokといったアプリ(のコンテンツ)にも対応しますが、これらのサービスを利用しているユーザー同士でなければ楽しめません。

 加えて、HuluやDisney+はiPhone、iPadのみの対応で、Macからはコンテンツを再生できないという制約もあります。

 SharePlayをより多くの人が利用するようになるには、これまで以上に対応アプリやサービスの充実が求められるでしょう。

 その意味で個人的に対応を期待しているのが、現状では日本国内で展開されていない「Apple Fitness+」です。Apple Fitness+では筋トレ、ヨガ、ダンスなどさまざまなワークアウト動画が視聴できるため、SharePlayに対応すれば日本でも多くの人が利用するキラーコンテンツになるはずです。

 ちなみに、家族でSharePlayを使ってApple MusicやApple TV+のコンテンツを共有する場合は、「Apple One」へ加入するのがおすすめです。

 Apple OneはApple MusicやApple TV+、Apple Arcade、iCloud+という4つのAppleの有料サービスを1つのシンプルなサブスクリプションで契約でき、ファミリープランを選べば、月額1,850円で本人を含む最大6人でお得に利用できます。

Apple Oneは個人プランは1,100円/月ですが、ファミリープランを6人で利用すると1人あたり約308円/月となるお得なプランです。初回の1カ月は無料試用もできます

画面共有を使えばもっと楽しめる

 対応するコンテンツやアプリが限られるものの、SharePlayで忘れてならないのは「画面共有」が行なえるという点です。

 これはFaceTime通話中に自分(もしくは相手)のデスクトップ画面や開いているウィンドウを共有するというもの。Web会議などではお馴染みの機能がSharePlayにも搭載されています。

 しかも、SharePlayの画面共有の使い方は一般的なビデオ通話アプリなどと比べてシンプルで直感的です。FaceTime通話中にメニューバーにあるFaceTimeアイコンをクリックし、「ウインドウ」または「画面」をクリックすれば画面の共有がすぐに開始されます。

FaceTime通話中にSafariでYouTubeを表示し、メニューバーから共有する「ウインドウ」または「画面」を選択します
Safariではウィンドウの共有中にツールバーに「画面共有」ボタンが表示されます。ここから共有ウィンドウの変更やデスクトップ全体の共有への切り替え、共有の停止などが選択できます

 FaceTimeで通話しながら、Safariでオンラインショッピングを楽しんだり、「写真」アプリのアルバムを閲覧したり、YouTubeを起動して一緒に視聴したりなど、使い道はさまざま考えられます。

 また、メールや資料を表示して共有したり、「カレンダー」アプリのウィンドウを共有して相手とスケジュールを相談したりなどビジネス用途にも利用できるでしょう。

 もちろん、NetflixやAmazon Primeビデオのように著作権保護されたコンテンツは画面共有が行なえませんが、Apple MusicやApple TV+の音楽や動画を共有するよりも画面共有の自由度は高いため、現状もっとも現実的なSharePlayの使い道と言えるかもしれません。

 ちなみに、画面共有中には他人に見られたくない通知がデスクトップに表示されるのではないかと心配になるかもしれませんが、そこはプライバシーを重要視するApple。画面共有中に届く通知は自動的にオフになります。

Macでウィンドウの共有を開始すると、通話相手のFaceTime(iPad版)には共有中のウィンドウのサムネイルが表示されます。これをタップすると画面が切り替わり、相手と同時にSafariの画面を視聴できます
メニューバーのアイコンをクリックして、赤い「閉じる」ボタンをクリックすると画面共有を終了でき、再びFaceTimeの通話画面に戻ります