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Finderのファイル操作術をさらに極めるカスタマイズ20選 〜Macのキホン Vol.2

 MacのFinderは、ユーザーの好みに合わせて柔軟にカスタマイズできます。標準状態のFinderは、多くの人にとってわかりやすく使いやすい「量産型仕様」のようなもの。そこから自分の使い方に合わせてチューニングしていくことで、Macが自分仕様へと変わっていきます。日々の作業が効率化すると、同時にMacへの愛着も増してくるでしょう。前回の「ひとつ上をいくFinderによるファイル操作術」に引き続き、今回はオススメのFinderカスタマイズテクニックを20種類紹介します。

20種類のFinderカスタマイズテクニック

1.ツールバーに新規フォルダ作成ボタンを追加

 Finderウインドウの上部にあるツールバーは、標準で表示されているもの以外にもさまざまなボタンを設置できます。ツールバーを副ボタンクリック(または[control]キー+クリック)して[ツールバーをカスタマイズ]を選びましょう。

 すると画面にカスタマイズ用のパネルが表示されるので、中から使いたいボタンを選び、ツールバーにドラッグして追加します。たとえば[新規フォルダ]ボタンをツールバーに追加すると、新規フォルダの作成時にメニューバーまでポインタを移動させずに済みます。ディスプレイサイズの大きいMacを使っている人には、ちょっとした省力化につながるでしょう。

Finderのツールバーにはさまざまな機能を追加できます。追加する位置はどこでも構いませんが、ウインドウサイズを小さくすると左側から順に表示が省略されていきます

2.ツールバーによく使うアプリを登録

 ツールバーにはアプリやファイル/フォルダを登録することもできます。操作はいたって簡単、[command]キーを押しながら登録したいアプリやファイル/フォルダをドラッグ&ドロップするだけです。

 よく使うアプリはDockにも登録できますが、ファイルをアプリにドラッグ&ドロップで開きたいときには、ツールバーにアプリを追加したほうがドラッグする移動距離が少なくなるというメリットがあります。

ツールバーへの追加は[command]キーを押しながらファイルをドラッグ&ドロップ。削除したいときは、[command]キーを押しながらアイコンをツールバーの外にドラッグ&ドロップします

3.サイドバーによく使うフォルダを追加

 サイドバーの[よく使う項目]エリアにも、フォルダを自由に登録できます。操作はフォルダをドラッグ&ドロップするだけ。エリアから取り除きたくなったら、ドラッグしてサイドバーエリア外に出すだけです。簡単な操作なので、進行中の案件に関するフォルダを入れるなど、状況に応じてどんどん追加/削除を行なっていくのがいいでしょう。

追加/削除も並び替えも、ドラッグするだけの簡単操作です。使用頻度の多いフォルダから順に並べると便利です

4.サイドバーの項目はすべてカスタマイズ可能

 サイドバーは[よく使う項目]以外もカスタマイズが可能です。[Finder]メニューから[環境設定]を選ぶと、「Finder環境設定」ウインドウが開きます。ウインドウが開いたらウインドウ上部にある[サイドバー]ボタンをクリックしましょう。

 表示項目の一覧が表示され、項目名の前にあるチェックボックスをオフにするとサイドバーから表示が消えます。使用頻度の低い項目はチェックを外すと、サイドバーの表示がスッキリします。

システム標準のフォルダをサイドバーから消してしまっても、このウインドウからいつでも戻せます。使用頻度の低いものは消してスッキリさせましょう

5.プレビューエリアを表示させて詳細を確認

 Finderの[表示]メニューにある[プレビューを表示]を選ぶと、Finderウインドウ内にプレビューエリアが表示されます。ファイルの内容が大きめのプレビューで確認できるうえ、ファイルの作成びや変更日と言った情報も同時に確認できます。4種類あるどの表示モードでも利用できます。さまざまな情報が素早く確認でき作業効率が高まるため、表示モードに関わらず常に表示しておくのがオススメです。

[表示]メニュー→[プレビューを表示]を選ぶと、Finderウインドウにプレビューエリアが表示されます。このエリア内にある[表示項目を増やす]をクリックすると、画像サイズなど数多くのファイル情報を確認できます

6. パスバーを表示させて階層を確認

 パスバーとは、ファイルが格納されている場所を階層的に表示してくれるエリアのこと。Finderの[表示]メニュー→[パスバーを表示]を選ぶことで表示されます。

 パスバーに表示されているフォルダは、他の場所にあるフォルダとまったく同じように使えます。たとえば、パスバー内のフォルダをダブルクリックすればその階層を開くことができますし、ファイルをパスバー内のフォルダにドラッグ&ドロップで移動させることまで可能です。なにかと使い勝手が良いので、常に表示させておくのがオススメです。

パスバー内のフォルダは単に階層を表示するだけでなく、そこに直接ファイルをドラッグ&ドロップすることも可能です

7.ステータスバーを表示して空き容量を確認

 ふと気づくと、内蔵ストレージの空き容量がなくなっている……。そんな人にオススメなのが「ステータスバー」の表示です。ステータスバーは、表示している階層にいくつのファイルがあるか、そのうちいくつのファイルを選択しているのかといった情報に加え、ストレージの空き容量も表示されます。

 常に空き容量が目に入るため、空き容量が少なくなってきたことに早めに気づいて対策ができるようになるでしょう。

内蔵ストレージに限らず、接続した外部ストレージの空き容量やiCloudの空き容量などもステータスバーから確認できます

8.新規ウインドウを開いたときに表示する項目を変更

 Finderで新規ウインドウや新規タブを開いたとき、標準設定では[最近の項目]が表示されます。しかし、この[最近の項目]をあまり活用していないという人も、案外多いのではないでしょうか。そんな人は、もっと使用頻度の高いフォルダが開くように設定を変更してみましょう。

 [Finder]メニューの[環境設定]を選ぶと、[Finder環境設定]ウインドウが開きます。その[一般]項目の中に、[新規Finderウインドウで次を表示]という項目があるので、ここで任意のフォルダを指定すればOKです。

プルダウンメニューの中から[その他]を選ぶと、好きなフォルダを自由に指定することができます

9.フォルダを別のウインドウで開くように変更

 [command]キーを押しながらフォルダをダブルクリックすると、通常はそのフォルダが新規タブで開きます。これ自体は便利ですが「どうせならタブではなくて別のウインドウで開きたい」と感じる人もいると思います。

 その挙動を変更するには、[Finder]メニューの[環境設定]から[Finder環境設定]ウインドウを開き、[一般]項目の一番下にある[フォルダを新規ウインドウではなくタブで開く]項目のチェックをオフにしましょう。

 [command]キーを押しながらフォルダをダブルクリックしたとき、また[command]キー+[N]キーを押したときに、タブではなく別のウインドウが開くようになります。

個別のウインドウを開いたほうがファイルのドラッグ&ドロップはしやすくなりますが、画面がウインドウだらけになりやすいので注意しましょう

10.カスタムフォルダを適用して見分けやすくする

 インターネット上には、さまざまなMac用のカスタムアイコンが公開されています。そこからお気に入りのアイコンを探し出して、よく使うフォルダに割り当てることができます。

 まずは、「Mac icon download」といったキーワードでインターネット検索を行ない、好みのアイコンを探し出しましょう。なお、利用できるのは、拡張子が「.icn」のファイルです。

 準備ができたら、変更したいフォルダを選択し、[ファイル]メニューから[情報を見る]を選びましょう。情報ウインドウが開くので、その一番上にあるフォルダ部分に、カスタムアイコンのファイルをドラッグ&ドロップします。すると即座にアイコンが変更するので、操作が完了したら情報ウインドウを閉じましょう。

 元に戻したいときは、再び情報ウインドウを開いてから左上のフォルダをクリックして選択。[delete]キーを押せば標準のフォルダに戻ります。

情報ウインドウ上部のフォルダ部分にドラッグ&ドロップすることでカスタムアイコンを適用できます

11.あらゆるファイルの拡張子を表示

 Macを使っていると、拡張子が表示されているファイルと表示されていないファイルが混在していて、戸惑う人がいるかもしれません。

 拡張子は、基本的にはどのファイルにも存在していますが、それを表示するか否かはファイルごとに個別の設定が存在します。Macの標準アプリの多くは、新規で作成したファイルの拡張子を表示させない設定になっています。一方、サードパーティ製アプリの場合は、新規ファイルを作成したときに拡張子を表示するような設定になっていたりと、アプリによってまちまちです。

 拡張子の表示/非表示は、ファイルを選択して[ファイル]メニュー→[情報を見る]で情報パネルを開き、個別に設定を変えることが可能です。しかし、一つ一つ個別に設定していくのはキリがありません。

 そんなときは[Finder]メニューの[環境設定]を開き、[Finder環境設定]の[詳細]から[すべてのファイル名拡張子を表示]にチェックを入れましょう。ファイルの個別設定に関係なく、すべてのファイルで拡張子が表示されるようになります。

世の中には拡張子を偽装したマルウェア(不正ファイル)も存在するため、拡張子を必ず表示するようにしておくのが安全です

12.アイコンのサイズや間隔を自分好みに変更

 Finderウインドウの表示モードをアイコン表示にしているとき、画像ファイルのサムネイルはアイコンがもう少し大きければ見分けやすいのに……と感じたことはないでしょうか。

 アイコンサイズの変更は、アイコン表示をしているときに[表示]メニューから[表示オプションを表示]を選び、表示オプションパネルにあるスライダで設定が可能です。

 また、このパネルでは、アイコンサイズのほかにもアイコンの間隔を設定するスライダもあります。間隔を狭めてたくさんのファイルを並べたい場合に利用しましょう。

サムネイルのサイズを変更したあと、表示オプションパネルの下側にある[デフォルトとして使用]ボタンを押すと、そのアイコンサイズがデフォルトになります

13.リスト表示でさらに多くの情報を表示する

 Finderウインドウの表示モードをリスト表示にすると、ファイル名や変更日、ファイルサイズなどを同時に表示できます。変更日で表示を並べ替えることもでき、ファイルの整理をするときに役立つ表示モードです。

 このリスト表示では、ファイル名や変更日といった情報のほかにも、「作成日」や「最後に開いた日」といった欄を追加することができます。

 追加するには、リストの上側の「名前」や「変更日」と書かれている部分を副ボタンクリック(または[control]キー+クリック)します。するとポインタの脇にコンテキストメニューが開くので、そこから表示したい項目を選びましょう。

 なお、表示項目の追加や削除は、[表示]メニュー→[表示オプションを表示]でも行なえます。

項目の追加/削除は、コンテキストメニューを開いて行ないます。また、項目をドラッグすることで順序の入れ替えも行なえます

14.特定のフォルダを常にアイコン表示で開く

 Finderウインドウの表示モードは、基本的には同じ表示モードを引き継ぎます。たとえばある階層をリスト表示で開いていた場合、その中にあるフォルダをダブルクリックすれば、同じようにリスト表示で開きます。

 しかし、特定の場所は常にアイコン表示で開きたい、と思った場合は、設定で表示を固定することができます。

 表示を固定したい場所を表示したら、[表示]メニュー→[表示オプションを表示]を選んで表示オプションパネルを開きます。するとその上部に[常にアイコン表示で開く]という項目があるので、そのチェックボックスをオンにしましょう。

 他の表示モードから表示を辿っても、その場所は必ず指定したモードで表示されるようになります(カラム表示で辿ったときだけは無効)。

[常にアイコン表示で開く]にチェックを入れると、その場所の表示がアイコン表示に固定されます

15.グループで分類して一覧性を高める

 Finderウインドウには「グループ」という機能があり、ファイルの種類などで表示を切り分けてくれます。[表示]メニューから[グループを使用]を選ぶだけです。

 たとえば、仕事を案件ごとにフォルダで管理していた場合、見積もりのExcelファイルや資料書類のPDF、撮影した写真など多種多様なファイルが入っていると、見分けるのが大変になります。そんなとき、グループの機能を使うことで目当てのファイルを素早く見つけ出すことができるのです。

 なお、グループ分けのルールは、標準だと「種類」になっており、ほかに「最後に開いた日」や「サイズ」といったルールも選べます。とはいえ、やはり一番使い勝手が良いのは「種類」による分類だと思います。

グループ機能はどの表示モードでも使えますが、一度にたくさんのファイルを表示できるリスト表示やカラム表示と相性がいいと思います

16.フォルダを必ず先頭に表示

 フォルダ内のファイルを全部グループ分けする必要はないけれど、フォルダだけすぐに見分けられるようにしたい。そんな要望に応える機能があります。

 [Finder]メニューから[環境設定]を選び、[Finder環境設定]ウインドウを表示。[詳細]の中にある[フォルダを常に先頭に表示する場所]の[名前順で表示しているウインドウ]のチェックボックスをオンにしましょう。この操作により、フォルダが常に先頭に並んで表示されます。

 なお、先ほどの設定ウインドウで[デスクトップ]にチェックを入れた場合、デスクトップでもフォルダが常に先頭(右上)に並ぶようになります。

チェックボックスをオンにすると、すべてのFinderウインドウで表示が切り替わります

17.表示順序を決めてファイルを散らかさない

 表示モードをアイコン表示にして使っていると、アイコンの位置が微妙にずれたりして雑然とした印象になる場合があります。そんなとき、[表示]メニューから[整頓]を選べば、タテヨコが揃ったスッキリとした見た目に整列してくれます。

 都度整頓をするのが面倒……という人は、[表示]メニューの[表示順序]という機能を使いましょう。一定のルールによって常に整列して表示されます。

 また、この機能はデスクトップに対しても利用できます。デスクトップが散らかりがちな人は、この機能を使って常にすっきりとした表示を維持するのもおすすめです。

常に整然とファイルを並べられる「表示順序」の機能。順序のルールは、名前や種類、変更日など複数から選べます

18.デスクトップにストレージを表示させない

 デスクトップはあくまでファイルの一時置き場で、1日の仕事が終わったら片付けてデスクトップには1つのアイコンも残したくない。そう考えている人もいるのではないでしょうか。そんな人には、いっそのこと内蔵ストレージや外部ストレージもデスクトップに置かない使い方がおすすめです。

 [Finder]メニューから[環境設定]を選んで[Finder環境設定]ウインドウを表示したら[一般」ボタンをクリック。[デスクトップに表示する項目]があるので、[ハードディスク]や[外部ディスク]のチェックを外してしまいましょう。

 最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてくると案外困らないものです。整頓好きな方は是非お試しあれ。

デスクトップ上に表示させなくても、Finderウインドウのサイドバーなど、いろいろな方法でストレージにアクセスできます

19.デスクトップのスタック表示

 デスクトップが散らかりがちな人におすすめしたいのが、デスクトップのスタック表示です。この機能を使うと、デスクトップに並んだファイルを種類ごとにまとめて表示してくれます。

 設定方法は、Finderウインドウを選択していない状態で[表示]メニュー→[スタックを使用]を選びます。あるいはデスクトップの何もない部分を副ボタンクリック(あるいは[control]キー+クリック)してコンテキストメニューを開けば、同じメニュー項目が見つかります。

 デスクトップがファイルだらけになってしまって、いざ目的のものを探そうとしてもなかなか見つからない、そんな人にうってつけの機能です。

「書類」や「イメージ」などスタックされたファイル群は、クリックすることで内訳を確認することができます

20.検索の場所を開いているフォルダ内に限定する

 ツールバーの検索ウインドウからファイル検索を行なうと、標準では内蔵ストレージ全体が検索対象になります。しかしこの場合、候補がヒットしすぎて目当てのものが探しにくいと感じるケースも出てきます。

 そう感じる機会が多いのなら、いっそのこと内蔵ストレージ全体を検索対象にするのではなく、現在開いているフォルダ内だけを検索対象にするよう設定を変更してしまいましょう。

 設定方法は、[Finder]メニューから[環境設定]を選んで[Finder環境設定]ウインドウを表示。[詳細]に切り替えたら一番下にある[検索実行時:]のプルダウンメニューをクリックして[現在のフォルダ内]を指定しましょう。

この設定を行なうことで、開いているフォルダの中が検索対象になります。また、設定を変えたあとも、検索結果が表示されたときに「このMac」を選べば検索対象がすぐに切り替わります

 Finderの設定を変えると使い勝手が変わるので、変更した直後は戸惑うかもしれません。しかし、しばらくすると感覚が馴染んできて、以前より素早く操作できるケースもあると思います。ご紹介したカスタマイズテクニックが肌に馴染むかどうかは人それぞれですが、まずは気軽にお試しいただけると幸いです。