Hothotレビュー

重量級ゲームもこなせる240Hz液晶/メカニカルキーボード搭載G-Tune製ゲーミングノート

G-Tune H5

「G-Tune」最上位のヘビーゲーマー向けノートPC

 マウスコンピューターから、ゲーミングノートPC「G-Tune H5」が発売された。同社のゲーミングPCブランド「G-Tune」でラインナップされているノートPCとしては、最も高性能な「ヘビーゲーマー向け」のカテゴリとなる。

 ゲーミングPCの性能を決めるCPUやGPUに高性能なものを使用しているだけでなく、液晶やキーボード、ネットワークなどにも特別な仕様が盛り込まれているのが特徴。それでいて価格面でも魅力的な製品となっている。

 こちらの実機をお借りしたので、性能や使用感をお伝えする。

処理能力以外の部分もハイスペック

 「G-Tune H5」のスペックは下記の通り。

【表1】G-Tune H5のスペック
CPUCore i7-10870H(8コア/16スレッド、2.2~5GHz)
GPUGeForce RTX 3070(8GB)
メモリ16GB DDR4-2666(8GB×2)
SSD512GB(M.2 NVMe)
光学ドライブなし
ディスプレイ15.6型非光沢液晶(1,920×1,080ドット/240Hz)
OSWindows 10 Home 64bit
汎用ポートUSB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×2
カードスロットSDXC
映像出力HDMI、USB 3.1 Type-C
無線機能Wi-Fi 6、Blunetooth 5
有線LAN2.5GBASE-T
その他前面100万画素カメラ(Windows Hello 顔認証対応)、マイク、音声入出力など
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)359.8×243×26.8mm
重量約2.23kg
価格24万1,780円

 CPUに8コア/16スレッドのCore i7-10870H、GPUにGeForce RTX 3070と、ノートPCとしてはかなりハイスペックな構成。メインメモリが16GB、ストレージが512GBのSSDのみというのは現状のゲーミングPCとしては最低ラインかなと思うが、カスタマイズでメインメモリ64GB、SSDは2TBまでアップグレードできる。

 基本スペックも十分だが、本機では他の部分にこそ注目してほしい。まずディスプレイはフルHDながら240Hzのハイリフレッシュレートに対応。FPSといったフレームレート重視のゲームに向いている。

 ネットワーク周りでは、有線LANが最大2.5Gbpsの2.5GBASE-T、無線LANが最大2.4GbpsのWi-Fi 6をそれぞれサポート。いずれも1Gbps超の通信が可能で、最近増えてきた10Gbpsなどの高速インターネット回線を活かせる。

 そしてキーボードは全キー同時押しに対応する。ノートPCでは同時押しが可能なキー数が少ないものがあり、またノートPCに別途USBキーボードを用意するのも手間なので、最初から全キー同時押し対応とされているのは安心感がある。

 基本性能の高さにゲーミング向けの機能をいくつも搭載しつつ、重量は約2.23kgと、最近のゲーミングPCとしては標準的な重さに収まっている。価格も24万1,780円と、GPUの暴騰でデスクトップPCに割高感がある中で、ハイリフレッシュレートのディスプレイも付いてくるというのはお買い得感がある。

ハイリフレッシュレートが活きる高性能

 では実機を使って性能をチェックしていく。ベンチマークテストに利用したのは、「PCMark 10 v2.1.2508」、「3DMark v2.17.7137」、「VRMark v1.3.2020」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、「CINEBENCH R23」、「CrystalDiskMark 8.0.1」。

 本機は専用ソフト「Control Center」で動作モードを設定できる。通常は「バランスモード」で、高性能な「パフォーマンスモード」、静かな「静音モード」の3種類があり、さらに内蔵のファンをフル回転させて冷却性能を高める「ターボモード」を選べる。

 今回のテストでは、「PCMark 10 v2.1.2508」に限り3つの動作モードと「ターボモード」に設定して測定。他のテスト、およびバッテリテストについては標準設定となる「バランスモード」を利用した。

「Control Center」の動作モード設定。3つのモードと、ファンをフル回転させる「ターボモード」を搭載
【表2】ベンチマークスコア
静音モードバランスモードパフォーマンスモードターボモード
「PCMark 10 v2.1.2508」
PCMark 105,6825,8125,9106,202
Essentials8,0048,1208,2329,128
Apps Start-up score9,0549,0549,02912,041
Video Conferencing Score6,8737,0477,2937,404
Web Browsing Score8,2438,3938,4728,532
Productivity8,0508,0608,0718,177
Spreadsheets Score10,76410,75910,74311,030
Writing Score6,0216,0396,0656,063
Digital Content Creation7,7308,1448,4308,675
Photo Editing Score11,84512,35512,75312,915
Rendering and Visualization Score8,3249,2659,78910,300
Video Editing Score4,6864,7194,8004,909
Idle Battery Life9時間51分
Modern Office Battery Life7時間5分
Gaming Battery Life2時間16分
「3DMark v2.17.7137 - Time Spy」
Score9,346
Graphics score9,710
CPU score7,710
「3DMark v2.17.7137 - Port Royal」
Score5,905
「3DMark v2.17.7137 - Fire Strike」
Score20,263
Graphics score26,140
Physics score16,686
Combined score8,570
「3DMark v2.17.7137 - Wild Life」
Score49,969
「3DMark v2.17.7137 - Night Raid」
Score39,866
Graphics score82,823
CPU score10,121
「VRMark v1.3.2020 - Orange Room」
Score7,925
Average frame rate172.76FPS
「VRMark v1.3.2020 - Cyan Room」
Score9,089
Average frame rate198.13FPS
「VRMark v1.3.2020 - Blue Room」
Score2,947
Average frame rate64.24FPS
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(高品質)
3,840×2,160ドット4,428
1,920×1,080ドット9,010
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(最高品質)
1,920×1,080ドット14,683
「CINEBENCH R23」
CPU(Multi Core)7,367pts
CPU(Single Core)1,153pts

 まず「PCMark 10 v2.1.2508」の結果を見ると、3つの動作モードの差は総合スコアでは1%台で、目に見えるほどの差は出ない。ただグラフィックス系の処理では5%程度の差が出るものもあり、3Dゲームの性能も同程度は向上が見込めそうだ。

 ターボモードに関しては、その他の3つのモードよりはっきりと差が出ており、さらに数%の性能の上乗せは期待できる。ただファンが全力で回っている状態は騒音もかなり大きく、ヘッドフォンなしでゲームをプレイするのはストレスがある。音を犠牲にしても究極の性能が必要なとき、例えばVRで本体との距離がそれなりに取れる場合などでは活用の目があるかもしれない。

 その他のテストを見ていくと、ゲーム系の処理はなかなか優秀な値が見える。「3DMark v2.17.7137」の結果では、フルHD環境で「Apex Legends」や「Fortnite」で140fps以上の評価が出ており、ハイリフレッシュレートのディスプレイを活かせる性能になっている。

 バッテリ持続時間は、画面の明るさ50%、NVIDIA Battery Boostオフの設定で、オフィスユースは7時間5分、ゲーミングは2時間16分となった。ゲーミングで2時間持てばそこそこ使えそうに思えるが、「PCMark 10 v2.1.2508」のバッテリテスト中はフレームレートがかなり低かった。持続時間的にも性能的にも、ゲーミングではACアダプタを接続した方がいいだろう。

 ストレージはADATA製SSD「SX6000PNP」が使われていた。シーケンシャルリード速度で2GB/s弱と、NVMe SSDとしてはそれほど高速な部類ではないが、実使用上では何ら問題にならない性能だ。

ADATA製SSD「SX6000PNP」

非光沢でも鮮やかな液晶と、メカニカルスイッチで使いやすいキーボード

フラットな天面にロゴが描かれたシンプルな外見

 続いて実機の使用感を見ていく。ボディカラーは全面ブラックで統一されている。天面はほぼフラットな形状で、「G-Tune」のロゴが白字で書かれている以外に装飾的なものはない。唯一、本体前面に小さな穴が横並びに開けてあり、その奥にひかえ目なLED装飾が並ぶ。

 本体をねじるように力を入れても、歪む感触はほぼない。天面は押さえると少しへこむので、強い圧迫には少し注意が必要だが、持ち運びのさいに柔さを感じるようなことはない。

 15.6型の液晶は非光沢ながら、発色は鮮やかでシャープな映像が出ている。低反射処理が弱いのかと確かめてみたが、むしろしっかりと反射が低減されていた。視野角もかなり広めで、あらゆる角度から見ても色相の変化がない。残像感もほとんどなく、ハイリフレッシュレートの良さもしっかり感じられる。液晶自体の質はかなり高い。

240Hzの液晶は発色もよく美しい
視野角も十分に広く、色相変化もない

 キーボードはテンキー付きながら、潰れた形状のキートップが端の方までほとんどなく、ファンクションキーや特殊キーも一律の正方形を保っている。右下の一部のキーだけがわずかに縦長だが、言われなければ気づかない程度の違いだ。またキーピッチも十分に広く、キー配置もオーソドックス。さらにキートップの中央が少しくぼんだ形状になっており、指を置いた時の収まりがとてもいい。

 メカニカルスイッチを採用したというキーは、カチッという感触のしっかりしたクリック感がある。それでいてスイッチ自体の騒音はほとんどない。

 押下圧が途中まで重く、カチっと入ると急に軽くなる感触のため底打ちしやすく、タイピングの音は出やすいものの、他と比べて特にうるさいという印象ではない。全キー同時押しが売りなのでゲームにも適しているのはもちろんだが、テキスト入力にもかなり優秀なキーボードだと感じる。

 キーボードはフルカラーのバックライトも搭載している。プリセットされた12種類のエフェクトパターンから選択でき、それぞれのカラーリングも変更できる他、キー1個単位で色を指定する機能も用意されている。4段階の輝度調整(光らせない設定も有り)もでき、一定時間の操作がない時に消灯する機能もある。

オーソドックスなキーボードレイアウト。端のキーまでサイズがほぼ変わらないのも見事だ
バックライトは1キー単位でカスタマイズできる

 タッチパッドはボタン一体型のもの。見た目も使用感もオーソドックスなものだが、左上をよく見ると小さなLEDが仕込まれている。ここを素早くダブルタップすると、タッチパッドを無効化できる。マウスを接続して使用するさいに、即座に無効化できて便利だ。

タッチパッドの左上にあるLED部分をダブルタップすると、タッチパッドを無効化できる

 スピーカーは底面の手前側左右にある。高音はやや尖り気味で、低音はほとんど出ておらず、基本的な音は小型スピーカーなりという印象がある。ただ人の声はかなりクリアで聞きやすく、サラウンド感もしっかりあり、ゲームに適した音を出そうという意図は感じられる。ちょっとしたゲームや動画視聴程度なら内蔵スピーカーでも十分使えるが、音質を気にする状況ならヘッドフォンの使用をおすすめする。

 排熱処理は、底面から吸気、背面と側面奥から排気という流れ。低負荷ではほぼ無音だが、高負荷になるとファンが回りだす。ホワイトノイズのような風切り音で、耳触りな高音はほとんどない。排気口付近に手をやると、かなりの風量と熱量が感じられ、そのわりには騒音は小さめだと感じられる。音が重要なゲームならヘッドフォンがあってもいいかな、と感じる程度の音量だ。

 高負荷時のキートップへの熱伝導は、左右の端の方はかなり冷却されており気にならないが、中央付近ははっきりと温かさが感じられる。リストレスト部はかすかに温かさが伝わる程度で不快感はない。FPSなどでW/A/S/Dキーを使いつつ、右手はマウスを使うという状況なら、熱伝導はあまり気にならない。

 ACアダプタは出力230Wで、厚さは本体の最厚部とほぼ同等。ゲーミングPC向けとしては標準的な範囲だろう。

左側面はUSB 3.1、ヘッドフォン、マイク端子
右側面はUSB 3.0×2、SDカードスロット
前面は装飾用のLEDが仕込まれている
背面は電源端子、2.5GBASE-T有線LANポート、HDMI、USB 3.1 Type-C
底面は奥に広くスリットがあり、2基のファンで吸気している。手前左右にはスピーカーを内蔵
ACアダプタは230W出力。本体と同程度の厚み

隙のないPCゲーム環境と、ビジネスにも活用できる懐の広さ

良質なディスプレイやキーボードはあらゆる場面で活躍する

 「G-Tune」ブランドの最上位ノートPCというだけあって、スペックに現れない各部のクオリティはかなり高い。特にキーボードは使いやすいキー配置と十分なサイズを確保しつつ、スイッチやキートップの形状にもこだわりがあり、ノートPC向けのキーボードとしては極めて高品質だ。

 240Hzの液晶も、ただリフレッシュレートが高いだけでなく、発色や視野角、応答速度も優秀。ゲームのみならず、仕事や動画鑑賞でも質の高さが活かされるだろう。

 デスクトップPCの代わりとして考えると、CPUの性能がやや物足りないのと、サウンドの弱さが若干気にはなる。そのあたりは個々のニーズにもよるので難しいところだが、ノートPCとして見た時には十分高い性能を発揮できている。ストレージやメモリはカスタマイズもできるので、極端に高い処理能力が求められる状況を除けばおおむねカバーできる。

 ひかえめな外見からも想像できる通り、本機に特別尖った要素があるわけではない。その代わりに、キーボードや液晶、ネットワーク周りなど、パーツ1つ1つは質の高いものを使っているし、15.6型で2.23kgとそこそこなサイズに収まっており、少々の持ち運びは苦にならない。全体の品質が高いレベルで保たれた、優等生的な仕上がりだ。

 本機の第1のターゲットとなるのは、コストパフォーマンスに優れたゲーミングノートPCが欲しいという人に違いない。加えて、ゲームも仕事も極力1台にまとめたいという人にも、かなり訴求力の高い製品だと思う。特にキーボードは素晴らしい出来栄えなので、ゲーム以外の用途を考えている人も、ぜひ店頭で見かけたら触ってみていただきたい。