Hothotレビュー

デザイン/軽さ/頑丈さ/長時間駆動の高完成度な13.3型ノート「LAVIE Pro Mobile」

NECパーソナルコンピュータ「LAVIE Pro Mobile PC-PM750NA

 NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)から、軽量モバイルノート新モデル「LAVIE Pro Mobile」シリーズが登場した。従来モデルとなる「LAVIE Hybrid Zero」の後継として位置付けられており、軽さだけでなく堅牢性や機能、デザイン性にもこだわった意欲的な製品に仕上がっている。

 今回は、市販モデルの上位機種となる「PC-PM750NA」を取り上げ、ハード面を中心に見ていきたい。すでに発売中で、実売価格は225,000円前後だ。

“世界最軽量”は捨てたが、申し分ない軽さのなかで優れた堅牢性と長時間駆動を実現

 「LAVIE Pro Mobile PC-PM750NA」(以下、PC-PM750NA)は、2012年に登場した「LaVie Z」シリーズから続く超軽量モバイルノートPCの最新モデルだ。2012年登場のLaVie Zでは、13.3型液晶搭載で約875gの軽さを実現し、当時の13.3型ノートPC世界最軽量を達成(NECパーソナルコンピュータ「LaVie Z LZ750/HS」参照)。

 2015年には最軽量モデルで約779gと800gを下回る軽さを実現した「LaVie Hybrid Zero」を投入。Hybrid Zeroではタッチ液晶搭載のコンバーチブル2in1や、ディスプレイ分離型2in1なども投入された(NEC PC「LaVie Hybrid ZERO」参照)。

 また、“世界最軽量”という部分では、富士通の「LIFEBOOK UH」シリーズとの熾烈な競争もあり(ついに700gを切った世界最軽量の13.3型ノート「富士通 UH-X/C3」を実機レビュー参照)、双方が切磋琢磨して軽さを追求していたという印象も強い。

 だが、究極の軽さを追求するには、どうしても捨てなければならないものが出てくる。たとえば、従来のHybrid Zeroでは機能面での妥協がいくつかあり、堅牢性も満足のいくものではなかったという。そこで、新シリーズとなったPro Mobileでは、“世界最軽量”を一番に追求するのではなく、そのほかの仕様にも妥協せず、そのなかで軽さを追求するというコンセプトに変更している。

 まず、大きく変わったのは外観だ。従来モデルのHybrid Zeroは、どちらかというとかなり無骨で、ビジネスツールといった印象の強いデザインだった。それに対しPro Mobileは、大幅な変更というわけではないものの、フラットかつノイズレスというコンセプトのデザインを採用している。

 全体的にフラットなデザインという点は従来から大きく変わっていないが、“ノイズレス”というキーワードに沿い、利用者からヒンジやCPUクーラーの排気口が見えないようになっていたり、細かなおうとつや段差を極力排除、天板は「LAVIE」ロゴをなくしてアイコンのみにするなどのこだわりが見て取れる。加えて、全体的に直線的なデザインとなったことで、シャープな印象となっている。

 ディスプレイベゼルの仕様も変更され、従来は左右と上の3辺狭額縁仕様だったのに対し、Pro Mobileでは左右のみが狭額縁となった。ただ、これまではディスプレイ下部のベゼル幅が極端に大きかったり、Webカメラがディスプレイ下部に置かれるなどの気になる点があったが、Pro Mobileでは上部のベゼル幅こそ広がったが、Webカメラがディスプレイ上部に置かれるとともに、デザインもスッキリとした印象が強まっている。

 今回使用したのが新色のクラシックボルドーということもあるが、閉じた状態、液晶ディスプレイを開いた状態のいずれも、かなりスタイリッシュになったと感じる。

ディスプレイを開いて正面から見た様子。従来モデルと異なり、左右のみ狭額縁仕様となった
天板。フラットかつLAVIEロゴがなくなったことで非常にシンプルだ

 サイズは307.8×215.7×15.5mm(幅×奥行き×高さ)と、幅と、奥行きは従来モデルからやや大きくなっているが、高さは1.4mmほど薄くなっている。従来モデルは2in1仕様だったため、やや高さのある筐体となっていたが、薄型化を実現している。

 薄型化を実現したことで気になるのが堅牢性だ。従来モデルでは天板と底面にマグネシウムリチウム合金を採用し、150kgfの面加圧試験をクリアする堅牢性を確保していた。それに対し、Pro Mobileでは、底面には従来同様のマグネシウムリチウム合金、キーボード面にはマグネシウムアルミニウム合金を採用。

 そして、天板には「新素材カーボン」を採用。新素材カーボンは、超軽量のコア材とカーボン板を積層した構造によって、軽さと優れた強度を両立しており、面加圧耐性は150kgfと従来同様ながら、点加圧耐性は従来モデルの約2倍になっているという。76cmの高さからの落下試験もクリアしており、モバイルPCとして必要となる優れた堅牢性を実現している。これは、毎日持ち歩くモバイルPCとして大きな魅力となるだろう。

天板には新素材カーボンを採用。従来よりも剛性が高められ、150kgfの面加圧試験をクリアするだけでなく、点加圧耐性は従来モデルの約2倍に高められた

 重量については約837gと、800g台前半となっている。もちろん、これでも13.3型モバイルノートPCとして十分に軽い部類ではあるが、従来の最軽量モデルで800gを切る軽さとなっていたことを考えると、少々物足りないのも事実だ。ただ、今回レビューしたモデル(PC-PM750NA)のバッテリ駆動時間は約20時間と、従来モデルから大幅に伸びている。

 つまり、多少重くはなるが、これまで犠牲になっていたバッテリ駆動時間を大幅に延ばすことで、利便性を高めているわけだ。申し分ないバッテリ駆動時間を確保しつつ、そのなかで十分な軽さと優れた堅牢性も実現しているわけで、この判断はおおいに歓迎したい。なお、試用機の実測の重量は827.5gと、公称よりも10g弱軽かった。

本体正面。前方や側面など斜めに直線的に切り取られ、シャープな印象となっている
左側面
背面
右側面
底面
手前は従来モデルとなるHybrid Zero 2017年春モデル。幅と奥行きは従来モデルよりも大きくなっていることがわかる
上が従来モデル。Pro Mobileのほうがすっきりとした印象だ
CPUクーラーの排気口はキーボード奥に配置され、利用者から見えないようになっている
ヒンジも利用者から見えない位置に配置することで、ノイズレスなデザインを実現している
右が従来モデル。高さはほぼわからないように見えるが、Pro Mobileのほうが1.4mmほど薄い
右が従来モデル。新モデルではヒンジやおうとつが見えず、従来モデルよりもスタイリッシュだ
重量は公称約837gと、従来モデルよりもわずかに重くなっている。実測では827.5gだった

フルHD表示対応の13.3型IPS液晶を採用

 液晶ディスプレイは、1,920×1,080ドット表示対応の13.3型液晶を採用。パネルの種類はIPS。従来モデルではIn-Cell Touch技術採用の液晶パネルを採用していたが、試用機のPC-PM750NAはタッチ操作非対応。ただ、輝度は従来モデルから約1.5倍明るくなっているとのことだ。なお、直販サイト「NEC Direct」の直販モデルでは、タッチパネル搭載モデルも用意される。

 ディスプレイ表面は非光沢処理となっており、外光の映り込みはほとんど気にならず、文字入力などはかなり快適。従来モデル(筆者手持ちの2017年春モデル)と比較してみたところ、PC-PM750NAのほうがコントラスト比に優れるという印象だった。個人的には、タッチ非対応とするなら、以前のモデルで採用していた2,560×1,440ドット表示対応のIGZO液晶の復活もあって良かったと思うが、13.3型というサイズであればフルHDでも十分な利便性が確保できるだろう。

フルHD表示対応の13.3型IPS液晶を搭載
表面は非光沢処理で外光の映り込みはほとんど気にならない。発色もこのクラスのモバイルノートPCとして標準的で、不満はない
右が旧モデル。PC-PM750NAのディスプレイは輝度が従来モデルの約1.5倍に明るくなり、コントラスト比も高まっていると感じる

 ところで、ディスプレイを開くと本体後方がわずかにリフトアップする、リフトアップヒンジを採用している。それでも、ディスプレイは水平まで開くようになっている点はうれしい。

ディスプレイを開くと後方が本体下部にもぐり込み、後方を持ち上げるリフトアップヒンジ構造を採用
リフトアップヒンジながら、ディスプレイは水平まで開く

キーボードは打鍵感が向上

 キーボードも従来モデルから変更されている。従来は主要キーのキーピッチが約18mmのアイソレーションキーボードを採用していた。Pro Mobileでもアイソレーションキーボードとなっている点は同様だが、主要キーのキーピッチが約18.5mmと0.5mm広がっている。

 キー自体のサイズも約10%大きくなり、キー表面がサラサラとした触感の「プレミアムUVコーティング」が新たに施されている。実際に扱ってみてもかなりタイピングしやすくなったという印象だ。

 キーストロークは1.2mmと、こちらは従来モデルから変わっていないが、キー押下時のピークフォースとボトムフォースの落差を大きくしているとのことで、クリック感が高められている。実際に打鍵してみても、確かにしっかりとしたクリック感が指に伝わってきて、打鍵感が向上していることを実感できる。

 加えて、従来モデルでも大きな特徴だった打鍵時の静音性もしっかり受け継がれている。多少強くキーを叩いても、カチャカチャという音はほとんど発生しない。従来同様、図書館などの静かな場所でも周囲を気にせず利用できるだろう。

キーボードはキーの間隔が開いたアイソレーションタイプ。従来モデルからピッチが広くキーサイズが大きくなり、一部配置が変更されている。また、キーボード面の段差もなくなっている
主要キーのキーピッチは約18.5mmと、従来から0.5mmほど広くなった
ストロークは1.2mmと従来同様も、打鍵感を高める修正が加えられ、よりタイピングしやすくなった

 ただ、残念な部分もある。その1つがカーソルキーで、従来までShiftキーの列から一段下がった場所に配置されていたのが、↑キーが右Shiftキーの左側に配置されるようになった。個人的に右Shiftを多用することもあって、この仕様はキーの押し間違いが多発するという意味でも非常に残念に感じる。

 “ノイズレス”というデザインコンセプトに沿った仕様と思われるが、この点に関しては利便性を最優先してもらいたかった。もう1つはキーボードバックライトが非搭載という点。キーボードバックライトは必須機能とは言わないが、ないよりはあったほうが有利となる場面もあるため、できれば搭載してもらいたかった。

 ポインティングデバイスも従来から変更。従来まではクリックボタン独立型のタッチパッドを採用していたが、Pro Mobileではクリックボタン一体型のタッチパッドへと変更された。パッドの面積が大きくなったことで、カーソル操作の利便性は高まっているが、クリック操作の点では利便性が低下している。

 とはいえ、現在ではクリックボタン一体型タッチパッドの採用例が多数を占め、それらと比べて利便性が劣るわけではないため、大きな問題とはならないだろう。

カーソルキーの↑が右Shiftの左に配置されるようになった点は少々残念
ポインティングデバイスはクリックボタン一体型のタッチパッドに変更。操作性は申し分ないが、やはり独立したクリックボタンを用意してもらいたかった

USB Type-Cポートを2ポート備え、直販モデルではLTE対応WWAN搭載モデルも用意

 では、スペックを確認していこう。

【表】LAVIE Pro Mobileのスペック
PM750/NAシリーズ
CPUCore i7-8565U(4コア/8スレッド、1.8~4.6GHz)
GPUIntel UHD Graphics 620
メモリLPDDR3 8GB
ストレージNVMe SSD 512GB
光学ドライブ-
ディスプレイ13.3型フルHD非光沢IPS液晶
解像度1,920×1,080ドット
OSWindows 10 Home
バッテリ駆動時間約20時間(JEITA Ver.2.0)
USBUSB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0 Type-C(USB PD 3.0対応、最大5V/1.5A)
カードリーダSDカードスロット(UHS-II対応)
映像出力HDMI
無線機能IEEE 802.11ac、Bluetooth 5.0
有線LAN-
Webカメラ92万画素
生体認証機能指紋センサー
その他ステレオスピーカー(2W+2W)、音声入出力端子
付属ソフトOffice Home & Business 2019
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)約307.8×215.7×15.5mm
重量約837g
本体色メテオグレー、フレアゴールド、クラシックボルドー
税別店頭予想価格209,800円前後

 CPUは第8世代Core i7-8565Uを採用し、メモリは標準で8GB(LPDDR3-2133)搭載。メモリの増設は不可能だが、直販モデルでは最大16GBの搭載が可能となっている。内蔵ストレージは容量512GBのPCIe SSDを採用する。

 無線機能は、IEEE 802.11ac準拠無線LAN(2×2)とBluetooh 5.0を標準搭載。直販モデルではLTE対応のワイヤレスWAN機能も搭載可能だ。

 外部ポートは、左側面にUSB 3.0準拠のUSB Type-CとmicroSDカードスロット、オーディオジャックを、右側面にはUSB 3.1準拠のUSB Type-CとUSB Type-A、HDMI出力をそれぞれ用意。このうちmicroSDカードスロットはUHS-II対応。ただし、USB Type-Cポートはいずれも映像出力に対応していない。

左側面にUSB 3.0準拠USB Type-CとmicroSDカードスロット、オーディオジャックを用意。USB Type-CはUSB PD対応で、付属ACアダプタや、出力15W以上の汎用USB PD対応ACアダプタを利用して本体への給電や内蔵バッテリの充電が行なえる
右側面にはUSB 3.1準拠のUSB Type-CとUSB Type-A、HDMI出力を用意

 左側面のUSB Type-CはUSB PDに対応しており、付属のUSB PD対応ACアダプタを利用して本体への給電とバッテリの充電が行なえる。加えて、汎用のUSB PD対応ACアダプタでも、出力が15W以上あれば給電可能となっている。

付属のACアダプタはUSB PD対応で、本体左側面のUSB Type-Cコネクタに接続して利用する
ACアダプタの重量は、付属電源ケーブル込みで実測224gだった

 生体認証機能としては、Windows Hello対応の指紋認証センサーを搭載。この指紋認証センサーは電源ボタンと一体となっており、キーボード右上に配置。そして、電源断の状態でも電源ボタンを押すとその時点で指紋が読み取られる。電源投入からWindowsログオンまで、1度指を触れるだけで完了するため、利便性に優れる点はうれしい。

電源ボタン一体型のWindows Hello対応指紋認証センサーを搭載
電源断から電源ボタンを押すと、その時点で指紋を読み取り、1度のタッチで電源投入からWindowsログオンまで完了する

 このほか、液晶上部中央に92万画素のWebカメラを搭載。顔認証機能には対応しないものの、ディスプレイ上部に配置されたことで、Web会議などにも扱いやすくなった。

 ところで、本体底面前方に搭載するステレオスピーカーは、2W+2Wと従来から出力が高められた。従来モデルのスピーカーはあまり音質がよくなかったが、Pro Mobileではそれに比べるとかなり改善されたと感じる。

ディスプレイ上部中央に92万画素のWebカメラを搭載
本体前方左右に2W+2Wのステレオスピーカーを搭載

 加えて、新たに「ミーティング機能」と呼ばれる機能も用意された。「Fn」+「F5」キーで、スピーカーから聞こえる音の範囲を広くする「マルチユーザー会議モード」と、正面でよりクリアに聞こえる「パーソナル会議モード」を切り替えて利用できる。人の声が聞き取りやすくなるチューニングも施されているそうで、リモート会議も快適にこなせそうだ。

Fn+F5キーを押すことで、スピーカーの「ミーティング機能」の効果を切り替えられる

CPUの性能がしっかりと引き出せている

 では、ベンチマークテストの結果を紹介していこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 10 vv1.1.1761」、「PCMark 8 v2.8.704」、「3DMark Professional Edition v2.8.6546」、Maxonの「CINEBENCH R15.0」の4種類。比較用として、LGエレクトロニクス・ジャパンの「gram 17Z990-VA76J」の結果も加えてある。

【表】ベンチマーク環境
LAVIE Pro Mobile PC-PM750NALG gram 17Z990-VA76J
CPUCore i7-8565U(1.8~4.6GHz)
チップセット-
ビデオチップIntel UHD Graphics 620
メモリLPDDR3-2133 SDRAM 8GBDDR4-2400 SDRAM 8GB
ストレージ512GB SSD(PCIe)512GB SSD(SATA)
OSWindows 10 Home 64bit
【表】ベンチマーク結果
LAVIE Pro Mobile PC-PM750NALG gram 17Z990-VA76J
PCMark 10v1.1.1761v1.1.1739
PCMark 10 Score4242-
Essentials9,2297,549
App Start-up Score14,4649,208
Video Conferencing Score6,8516,571
Web Browsing Score7,9337,111
Productivity7,3166,348
Spreadsheets Score8,2837,795
Writing Score6,4625,171
Digital Content Creation3,069-
Photo Editing Score3,9863,982
Rendering and Visualization Score1,865-
Video Editting Score3,8913,522
PCMark 8v2.8.704
Home Accelarated 3.03,7793,241
Creative accelarated 3.03,8013,550
Work accelarated 2.05,2164,530
Storage5,0804,938
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps)50.2445.31
CPU545557
CPU (Single Core)176174
3DMark Professional Editionv2.8.6546v2.8.6427
Cloud Gate9,0077,466
Graphics Score10,5568,191
Physics Score5,9525,702
Night Raid4,5204,104
Graphics Score4,2223,858
CPU Score7,2816,518
Sky Diver4,3573,816
Graphics Score5,4254,648
Physics Score5,5244,652
Combined score4,9304,878

 結果を見ると、なかなか良好な結果が得られていることがわかる。ほぼ同一仕様のgram 17Z990-VA76Jと比べ、多くの項目で結果が上回っている。これは、CPUの放熱がしっかりできていることを示すものと言っていいだろう。

 ファンの動作音は、高負荷時には耳に届くものの、それでもうるさいと感じるほどではない。この程度の動作音であれば、静かな場所でも気にならないはずだ。

 ただ、高負荷が続くと、キーボード上部の排気口付近が周囲よりやや熱くなるようだ。とはいえ、キー入力時に不快になるようなことはなく、それほど気にしなくて良さそうだ。

 続いて、バッテリ駆動時間だ。PC-PM750NAの公称の駆動時間は約20時間(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver2.0での数字)とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約12時間1分を記録した。さすがに公称には届いていないが、これだけの駆動時間ならば1日の外出でACアダプタが必要となる場面はほぼないだろう。従来モデルではバッテリ駆動時間の短さが問題となる場面が多かったことを考えると、大きな進化と言える。

モバイルノートPCに軽さと利便性の双方を求める人におすすめ

 新シリーズのPro Mobileは、従来までのHybrid Zeroで突き詰められていた“世界最軽量”の呪縛から解き放され、多くのユーザーが納得できる軽さと、それまで妥協していた機能面の実現した。確かに、テクノロジの点では、わずか数gの軽さを追求するのも重要な要素だ。

 ただ、以前よりHybrid Zeroを使っていた筆者自身、極端に軽さを追求するよりも、ある程度の軽さを保ったなかで利便性を高めてほしいと思っていただけに、Pro Mobileの決断はかなりうれしく感じる。

 細かな部分を見ると、キーボードのカーソルキーの仕様や、標準サイズのSDカードスロットがなくなった点、USB Type-CはあるもののThunderbolt 3が用意されなかった点など、少々残念に感じる部分もある。

 それでも、申し分ない軽さと長時間のバッテリ駆動、安心して持ち歩ける堅牢性など、完成度は十分に高いと言える。そのため、モバイルノートPCに軽さと利便性の双方を求める人におすすめしたい。