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AIが性能を最適化するゲーミングノートは本当に性能が上がるのか? GIGABYTE「AORUS 15-SA」を試す

GIGABYTE「AORUS 15-SA」

 GIGABYTEから、15.6型液晶搭載のゲーミングノートPC「AORUS 15」シリーズが登場した。第9世代Cote i7/i9、ディスクリートGPUとしてGeForce RTX 20シリーズを搭載しつつ、20mmを切る薄さ、2kg前後の軽さを実現。加えて、Microsoft Azureを活用したAI機能を搭載し、機械学習によって利用するアプリケーションに最適な動作設定を自動的に行なうAI機能を搭載する点も大きな特徴となっている。

 今回は、そのAORUS 15シリーズのなかから、エントリーモデルとなる「AORUS 15-SA」を取り上げ、ハード面を中心に紹介する。すでに販売されており、実売価格は199,800円前後。

ゲーミングPCらしさを残しつつ、比較的シンプルな筐体

 AORUS 15-SAは、GIGABYTEのゲーミングブランド「AORUS」シリーズの最新ゲーミングノートだ。一般的にゲーミングPCというと、個性的で目をひく派手なデザインを採用する製品が多いが、このAORUS 15-SAは、どちらかというと比較的シンプルなデザインを採用している。

 本体後方には大きな排気口が用意され、天板にはイルミネーションを内蔵するAORUSのシンボルマークや特徴的なラインが施されているものの、それらは思ったほど自己主張の強いものではない。また、筐体はブラックで天板はおうとつがほとんどないため、ディスプレイを閉じた状態では、どちらかというとハイエンドビジネスPCといった雰囲気となっている。

 とはいえ、キーボードにはフルカラーイルミネーション、本体前方左右角には環境光用LEDを内蔵しており、それらを機能させた場合には、いかにもゲーミングPCらしい派手さが演出される。また、キーボードの[W][A][S][D]キーに縁取りが施されている点も、ゲーミングPCらしい特徴と言える。

 ただ、全体的には非常にシンプルかつおとなしい印象で、イルミネーションをオフにすればオフィスでの利用にも問題なく対応できるはずだ。

天板。AORUSのエンブレムや特徴的なラインの装飾はあるが、比較的落ち着いたデザインだ
ディスプレイを開くと、ロゴやラインが光る
ディスプレイを開いた状態でもかなり落ち着いた印象で、ゲーミングPCらしくない印象だ
ただ、キーボードはフルカラーバックライトを搭載しており、鮮やかに輝く姿はゲーミングPCらしい印象だ

 サイズは、361×246×24.4mm(幅×奥行き×高さ)と、15.6型液晶の本格的搭載ゲーミングPCとしてはまずまずコンパクトだ。これは、ディスプレイベゼルが狭額縁仕様になっていることが大きく影響している。近年では、薄型軽量筐体を特徴とするゲーミングPCが増えつつあるが、AORUS 15は薄さこそやや負けるものの、本格的ゲーミングノートPCとして見ると十分にコンパクトと言える。

 重量は、公称では約2.4kgとされている。15.6型液晶搭載ノートPCとしては軽くはないが、高性能パーツを積み込んだ本格的ゲーミングノートPCと考えると、申し分ない軽さと言える。ちなみに、試用機の実測は2,125gと、公称を大きく下回る重量だった。モバイル向けとは言わないが、LANパーティなどへ持ち出す場合でも大きな負担とはならないだろう。

本体正面
左側面
背面
右側面
底面
本体手前の角には、環境光LEDが用意されている。もちろんこちらもオフにできる
重量は実測で2,125gと、公称よりもかなり軽かった

CPU、SSD、LANをIntel製で固め、そのほかのパーツもブランドを指定して採用

 ゲーミングPCとして気になるのは、やはりスペック面だろう。AORUS 15は、AORUS 15 Classicシリーズのなかではもっとも下位に位置するエントリーモデルだが、それでもかなり充実したスペックとなっている。

 CPUには、第9世代CoreプロセッサのCore i7-9750Hを採用。上位モデルではCore i9も採用されるが、6コア12スレッド処理に対応するCore i7-9750Hでも、申し分ない処理能力が発揮されるため、ゲーミングPCとして見劣りしないだろう。

 メモリは、DDR4-2666を16GB(8GB×2のデュアルチャネル仕様)標準搭載するが、メモリモジュールにはSamsung製を採用。ゲーミングPCのような高性能PCでは、メモリ速度だけでなく安定して動作する信頼性も重視されるが、品質や信頼性で高く評価されているSamsung製メモリモジュールの採用は安心できるポイントだ。

 また、内蔵ストレージにはIntelのPCIe SSD 512 GBである「SSD 760p」の512GBモデルを採用。さらにIntel製Gigabit Ethernetコントローラ「Killer LAN」、Intel製IEEE 802.11ac準拠無線LANモジュール「Killer Wireless-AC1550」を採用しており、CPU、ストレージ、LANをIntel製で固めている。GIGABYTEはこの点を「All Intel Inside」と呼んでいるが、これも信頼性や安定動作という点で有利となりそうだ。

 ところで、AORUS 15シリーズではディスクリートGPUとしてGeForce RTX 20シリーズの採用が基本となっているが、最下位モデルとなるAORUS 15-SAではGeForce RTX 20シリーズではなく、GeForce GTX 1660 Ti(GDDR6 6GB)を採用している。本音を言えば、やはりGeForce RTX 20シリーズを採用してもらいたかったように思う。それでも、GeForce GTX 1660 Tiならカジュアルな最新3Dゲームの快適プレイも十分狙えるため、それほど心配する必要はないだろう。

AORUS 15シリーズは、CPU、SSD、LAN、Wi-FiをIntel製で固めるとともに、Samsung製メモリモジュールの採用、LG製IPSパネル、NVIDIA製ディスクリートGPUなど、ブランドを特定したパーツを採用している

ヒートパイプ6本+大型ファン×2の強力クーラーでCPUとdGPUの性能を引き出す

 強力なCPUやディスクリートGPUを搭載していたとしても、放熱がうまくできないとせっかくの性能も最大限引き出せない。とくに体積の小さなノートPCでは、この点が大きな問題となることが多い。そこでAORUS 15-SAでは、6本のヒートパイプと、71枚のブレードを備える大型の12Vファンを2基備える強力クーラー「WINDOFORCE」を搭載している。

 6本のヒートパイプで効率良くCPUやディスクリートGPUの熱をヒートシンクに移動させ、大型ファンで本体後方の4カ所の排気口から勢いよく本体外に熱を放出。また、本体底面には面積のほぼ50%を閉める巨大な吸気口を用意し、外気も効率良く取り込めるように配慮。こういった強力クーラーを搭載することによって、サーマルスロットリングの発生を抑え、つねに高い性能が引き出せるという。

 実際にベンチマークテストなどで高負荷をかけると、その直後にファンが勢いよく回転し、後方の排気口から勢いよく熱が放出されることを確認。さすがに、高負荷時のファンの動作音はかなりうるさく、ファンの回転数を最大に設定した場合には、周囲の音が聞き取りにくくなるほどだが、ゲーミングPCとしてはうるささよりも冷却性が重視されるため、多少うるさくてもしっかり冷却されるほうがいいという判断だろう。

AORUS 15-SAには、6本のヒートパイプ、大型12Vファンを2基利用した強力な冷却システム「WINDOFORCE」を搭載
底面には、面積のほぼ50%を閉める巨大な吸気口が用意され、大量の外気が取り込まれる
本体後方左右に2つずつ、計4個の排気口があり、ここからCPUやディスクリートGPUの熱が勢いよく排出される

Microsoft Azure AIを活用し、機械学習でハードウェア設定を最適化

 AORUS 15シリーズの最大の特徴となるのが、Microsoft Azure AIを活用し、機械学習でハードウェア設定を最適化する機能を搭載している点だ。

 このAI機能を活用すると、CPUやGPUの動作状況、キーボードの利用状況、空冷ファンの動作状況、サウンド機能の動作状況がリアルタイムに監視され、定期的にAzure AIサーバーに動作状況を送信。そして、Azure AIに蓄積されたさまざまな情報を解析し、アプリケーションごとに最適なリソースの動作設定を導き出し、その情報をPCに転送して自動的に設定。これによって、ユーザーの負担なくアプリケーションごとに最大の性能を引き出せるようになるというものだ。

 デスクトップ画面右上にAI機能を設定するウィジェットが置かれており、そのウィジェットからAI機能の切り替えが可能。設定項目は、AI機能を使わない「AI Disable」、ネットにつなげずローカルだけで機能させる「AI Edve Learning」、Azureから情報のダウンロードのみを行なう「AI Azure Download」、そしてAzuruへの情報アップロードとダウンロードの双方を行なう「AI Azure Download and Upload」の4種類を用意する。

 最終的には、Azure AI側で解析を行なわせたほうが、ユーザーすべてにとって利益になるため、どうせなら「AI Azure Download and Upload」での利用を基本としたい。ただ、自分の動作情報をアップロードするという点に不安を感じる場合には、「AI Azure Download」での利用でも十分効果が得られるだろう。

 ちなみに、Azure AIにアップロードされるデータは、最短で5秒間隔での送信となるそうだが、データサイズは微々たるものとのことで、ネットワークへの負荷はほぼ無視できると思われる。

デスクトップ画面右上に、AI機能の設定を行なうウィジェットが置かれている
AI機能は全4種類の設定が可能。基本的には「AI Azure Download and Upload」で利用したい

リフレッシュレート144Hz対応の15.6型フルHD液晶を搭載

 液晶ディスプレイには、1,920×1,080ドット表示対応の15.6型液晶を採用している。パネルはLG製で、パネルの種類はIPS。リフレッシュレートは最大144Hzに対応し、NVIDIAのディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応しているため、ゲームも滑らかな描画で楽しめる。

 ディスプレイ表面は非光沢処理となっており、外光の映り込みはほとんど気にならない。ゲームによっては暗い場面が多かったり、外光の映り込みが激しいと気が散ってプレイに支障を来すが、AORUS 15-SAならその心配はない。また、高リフレッシュレートで残像を感じることがなく、つねにくっきりとした映像を楽しめる。発色も十分に鮮やかで、表示品質には十分に満足できる。

 上位モデルでは、リフレッシュレート240Hz対応のパネルや、Adobe RGBカバー率100%の4K(3,840×2,160ど)表示対応パネルを採用するものもあるが、エントリーモデルとしてはこの液晶でまったく問題ないだろう。

1,920×1,080ドット表示対応のLG製15.6型IPS液晶を採用。リフレッシュレートは最大144Hzに対応し、ゲーム画面も滑らかに描画される
ディスプレイは非光沢処理となっており、外光の映り込みは気にならない。発色も申し分なく、ゲーム以外の用途にも十分対応できる
ディスプレイは135度ほどまで開く

Nキーロールオーバー、100%アンチゴースト対応の英語キーボードを採用

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプのキーボード「RGB Fusion」を採用。配列は英語で、Enterキー右にはテンキーも備える。

キーボードは、アイソレーションタイプの「RGB Fusion」を搭載

 主要キーのキーピッチは19mmフルピッチ。ストロークは実測で1.5mmほどと十分な深さを確保。メカニカルキーではないが、キータッチは重すぎず軽すぎずといった感じで、しっかりとしたクリック感もあり、ゲーミングPCのキーボードとしてまずまずの打鍵感となっている。

 また、キートップにわずかなへこみが施されており、指へのなじみも良好だ。実際に使ってみても、ゲームプレイ時だけでなく、テキスト入力などで長時間タイピングを行なう場合でも、かなり快適に利用できるという印象だ。

 このほか、80キーの同時押下に対応するNキーロールオーバー、100%アンチゴースト対応と、ゲーミングキーボードに求められる仕様もしっかりと網羅している。

配列は英語で、メカニカルキーではない。右にテンキーも搭載する。80キーの同時押下に対応するNキーロールオーバー、100%アンチゴーストに対応
主要キーのキーピッチは約19mmフルピッチを確保
キーストロークは実測で1.5mmほど。クリック感もしっかりとしており打鍵感は良好。キートップにわずかなへこみがあり、指へのなじみもよい

 先にも紹介しているように、キーボードにはフルカラーイルミネーションを内蔵。上位モデルではキー単位で発色をコントロールできるPer Keyイルミネーション仕様となるが、AORUS 15-SAではキーボードを3つのゾーンに分け、ゾーンごとに発色をコントロールできるようになっている。Per Keyイルミネーションではないが、それでもゲーミングPCらしい雰囲気は十分に醸し出される。

 近年、ゲーミングPCユーザーでも日本語キーボードを利用する例が増えているそうで、英語配列のキーボードのみという点が弱点となる可能性はある。とはいえ、使っていれば慣れるものではあるし、海外ゲームでは英語キーボードのほうが親和性が高く、英語キーボードのみという点が大きなマイナス材料とはならないはずだ。

RGBバックライトはPer Keyイルミネーションではなく、3つのゾーン制御となる
バックライトや本体手前環境光LEDの発色などは、専用ユーティリティで変更できる

 ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッドを採用。ジェスチャー操作にも対応しており、操作性は申し分ない。もちろん、ゲームプレイ時には外付けのマウスを利用し、タッチパッドを使う場面はほとんどないため、タッチパッドの仕様を気にするユーザーは少ないと思うが、通常操作時などは申し分なくに活用できる。もちろん、タッチパッドの動作をオフにできるため、ゲームプレイ時の誤動作の心配もない。

タッチパッドはクリックボタン一体型。ジェスチャー操作もサポートする。外付けマウス利用時を考慮し、ホットキーで動作をオフにできる

映像出力系のポートは背面に集約

 CPUやGPUなど主要スペックは先に紹介しているとおりだが、メモリや内蔵ストレージは拡張性も申し分ない。メモリは標準で8GBモジュール×2の16GBを搭載するが、増設も可能で最大32GBまで強化できる。

 内蔵ストレージは、標準では512GBのIntel SSD 760pを採用しているが、このほかにM.2スロット×1と2.5インチHDDベイも用意され、最大3台のストレージを搭載できる。たとえば、M.2 SSDを2基搭載してRAID 0構成としてより高速な速度を実現したり、大容量HDDを追加して大量のデータを保存するといったことにも柔軟に対応できる。

 無線機能は、IEEE 802.11ac準拠のKiller Wireless-AC1550に加えて、Bluetooth 5.0を搭載。ディスプレイ上部にはHD Webカメラを搭載する。

 ポート類は、左側面にGigabit Ethernetポート、USB 3.0、microSDカードスロットを、背面に電源コネクタ、HDMI 2.0、Mini Display Port 1.3、USB 3.1 Type-Cを、右側面にオーディオジャック、USB 3.0×2の各ポートを備える。できればGigabit Ethernetポートは背面側に用意してもらいたかったが、電源や映像出力が背面に用意されているため、マルチディスプレイ環境構築時もケーブルが側面に来ない点は歓迎できる。

左側面にGigabit Ethernetポート、USB 3.0、microSDカードスロットを用意
背面に電源コネクタ、HDMI 2.0、Mini Display Port 1.3、USB 3.1 Type-Cを用意
右側面にはオーディオジャック、USB 3.0を用意
ディスプレイ上部にはHD Webカメラを搭載

 付属ACアダプタは、出力180Wの大型のものが付属する。重量は付属電源ケーブル込みで実測608.5gと結構重いが、出力を考えると仕方がないだろう。

出力180Wの大型ACアダプタが付属する
ACアダプタの重量は、付属電源ケーブル込みで実測608.5gだった

納得の性能を発揮し、AI有効時にはより高い性能が引き出される場合も

 では、簡単にベンチマークテストの結果を紹介しよう。

 利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 10 vv1.1.1761」、「PCMark 8 v2.8.704」、「3DMark Professional Edition v2.8.6572」、Maxonの「CINEBENCH R15.0」の4種類。比較用として、VAIOの「VAIO S15 VJS153」と、マウスコンピューターの「m-Book G570SN-M2SH5」の結果も加えてある。なお、これらベンチマークは、AI機能をオフにして実行している。

【表1】検証機のスペック
AORUS 15-SAVAIO S15 VJS153m-Book G570SN-M2SH5
CPUCore i7-9750H(6コア/12スレッド、2.6~4.5GHz)Core i7-8750H(6コア/12スレッド、2.2~4.GHz)Core i7-8700(6コア/12スレッド、3.2~4.6GHz)
チップセット-
ビデオチップGeForce GTX 1660 TiIntel UHD Graphics 630
メモリDDR4-2666 SDRAM 16GBDDR4-2666 SDRAM 32GBDDR4-2400 SDRAM 16GB
ストレージ512GB SSD(PCIe)256GB SSD(PCIe) + 1TB HDD512GB SSD(SATA) + 1TB HDD
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Pro 64bitWindows 10 Home 64bit
【表2】ベンチマーク結果
AORUS 15-SAVAIO S15 VJS153m-Book G570SN-M2SH5
PCMark 10v1.1.1761v1.1.1739
PCMark 10 Score5,8783,683-
Essentials9,4558,7009,028
App Start-up Score11,74812,19711,944
Video Conferencing Score8,2227,1777,709
Web Browsing Score8,7517,5237,993
Productivity7,6205,2087,334
Spreadsheets Score8,9404,7018,926
Writing Score6,4955,7716,026
Digital Content Creation7,6522,992-
Photo Editing Score9,2604,5544,671
Rendering and Visualization Score8,3571,917-
Video Editting Score5,7913,0713,419
PCMark 8v2.8.704
Home Accelarated 3.05,2013,4953,998
Creative accelarated 3.06,0673,7383,946
Work accelarated 2.05,9344,4625,265
Storage5,0465,0644,967
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps)130.8356.2358.91
CPU1,1811,1281,130
CPU (Single Core)186174187
3DMark Professional Editionv2.8.6572v2.8.6546v2.8.6427
Cloud Gate35,49210,42410,820
Graphics Score91,48010,53311,473
Physics Score11,29610,0609,025
Night Raid35,6185,8056,153
Graphics Score68,6585,7095,912
CPU Score9,5576,4248,011
Sky Diver33,0984,5585,068
Graphics Score47,4854,1514,583
Physics Score14,7229,86112,523
Combined score23,6424,2594,618

 結果を見ると、さすがのスコアが得られている。ディスクリートGPUを搭載しないVAIO S15や、デスクトップ向けCore i7搭載のm-Bookもまずまずのスコアだが、やはり強力なCPUとディスクリートGPUを搭載しているだけのことはある。もちろん、AORUS 15にはより上位のモデルもあり、そちらはさらに優れた性能が発揮されると思うが、最下位のAORUS 15-SAでもこれだけの結果が得られるなら、十分に満足できると言える。

 続いて、AI機能を利用した場合の性能がどうなるかをチェックしたい。まずは、3DMarkの「Time Spy」の結果だ。AI機能を無効にした場合のスコアは5,563だったのに対し、AI Azure Download and Uploadに設定すると、5,989に向上。総合スコアだけでなく、Graphics score、CPU scoreともに向上した。

【表3】AI機能の有無による3DMark TimeSpyの結果の違い
AI機能オフAI機能有効
TimeSpy scoer5,5635,989
Graphics score5,4605,864
CPU score6,2296,816

 ちなみに、AI機能を有効にすると、3DMarkを立ち上げた瞬間に空冷ファンの動作モードが最高スピードに切り替わった。CPUやディスクリートGPUの動作がどのように設定されているのかは明確に確認できなかったが、おそらく動作クロック上限に設定されて動作するようになっているものと思われる。また、いくつかゲームソフトをインストールして起動したりしてみたが、なかにはゲームを起動した瞬間に同じく空冷ファンの回転数が最大に切り替わるものがあった。

 ただ、ゲームソフトによっては空冷ファンが最大に切り替わらないものもあった。そして、「PowerDirector 16」を利用して動画エンコードを試した場合にもAI機能の動作モードによってファンの動作が明確に変化することはなく、エンコード時間もAI機能の有無で違いは見られなかった。

 アプリケーションによって動作情報の蓄積に差異があり、AI機能を利用したとしても、まだ有効なリソース設定が行なえていないものがあるのだろう。とはいえ、AI機能なので、使い込むほど情報が蓄積されて機械学習も進み、有効なリソース活用が行なえるようになるはず。そういう意味でも、やはりAI機能はつねにAI Azure Download and Uploadに設定して利用するべきだろう。

【表4】AI機能の有無による、PowerDirector 16での動画変換の時間
AI機能オフ7分14秒
AI機能有効7分13秒

※約1分32秒の4K H.264 MPEG4動画を、4K H.265形式に変換する場合にかかった時間

ゲーミングPCとしてだけでなく、クリエイター向けの高性能PCとしても魅力的

 AORUS 15シリーズは、第9世代Coreプロセッサーや、ディスクリートGPUとしてGeForce RTX 20シリーズGPUを採用するなど、ハイエンドに近いゲーミングノートPCとして位置付けられている。そのAORUS 15シリーズの最下位モデルとなるAORUS 15-SAは、搭載GPUを考えると、ゲーミングノートPCとしてはミドルレンジクラスと言っていいだろう。

 ただ、上位モデル同様にAzure AIを活用したAI機能によって、ユーザーが細かく設定を行なうことなく搭載するリソースの性能を最大限引き出せるようになっている点は大きな魅力で、競合製品に対する優位点となるだろう。

 また、ゲーミング向けではあるが、比較的落ち着いたデザインということからも、ゲーミング以外の用途にも柔軟に対応できる。業務で高性能なノートPCを利用するが、あまり派手なデザインのものは避けたいと考えているユーザーでも、AORUS 15シリーズなら問題なく選択できるはずだ。そのため、高性能なゲーミングノートPCを探している人だけでなく、映像処理などで利用する高性能ノートPCを探している人にもおすすめしたい。