ニュース

NEC PC「LAVIE Pro Mobile」は軽量を意識しつつ、バッテリ/デザイン/剛性のすべてを妥協せず

LAVIE Pro Mobile

 NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)は5月14日、都内にて新製品発表会を開催し、13.3型のモバイルノートPC「LAVIE Pro Mobile」を発表した。価格はオープンプライスで、店頭販売モデルの価格は189,800円から。16日より出荷を開始する。

 製品の機能やスペックなどについては、別記事(NEC PC、約837gで20時間駆動の新13.3型モバイルノート「LAVIE Pro Mobile」)を参照されたい。ここでは発表会の内容について紹介している。


 登壇したNEC PC 執行役員の河島良輔氏は、LAVIE Pro Mobileについて、仕事と家庭の両方で同じノートPCを活用するプロシューマ向けの製品であるとし、同社の13.3型軽量2in1のLAVIE Hybrid Zeroの後継機種であることを紹介した。

NECパーソナルコンピュータ 執行役員の河島良輔氏

 河島氏は、初代LaVie Hybrid Zeroは2013年に13.3型で800g台の軽さを実現し、市場に衝撃を与えるとともに、“超軽量”というカテゴリを作り出した先駆けの製品と説明。Hybrid Zeroの発売後、各社も1kgを切るノートPCの開発に追随し、現在では販売されているノートPCの19%(約60万台)が超軽量カテゴリのノートPCだという。

 しかし裏を返せば、2013年の登場以降、8割方は超軽量化を支持していないとも取ることができ、河島氏はその点についてHybrid Zeroのコンセプトを顧みる必要があったとする。その結果、世界最軽量を優先する余り、多くのユーザーがノートPCに求めているデザインや剛性、バッテリ性能などを妥協していたと振り返る。

2013年に初代LaVie Hybrid Zeroが誕生。13.3型で800g台という軽量さで市場に衝撃を与えた
世界最軽量を追求するあまり、バッテリ/デザイン/剛性感が犠牲になっていた

 そのため、LAVIE Pro Mobileでは「軽量」、「バッテリ」、「デザイン」、「剛性感」の4つすべてをバランス良く実現できるように調整。明確にプロシューマ向けのノートPCとすることで、一切の妥協なく製品化を可能にしたと自信を見せる。

重量重視からバランスの取れた製品へと移行
働き方改革の推進で仕事と家庭の両方でPCを使用するプロシューマが増加
プロシューマの意識

 また、同社シニアエバンジェリストの森部浩至氏は、高次元でバランスを取ったとするLAVIE Pro Mobileの重量を800gにした理由について、ユーザー調査で得たモバイルPCの適正な重量として900g以下だと満足度が80%に達し、1kgを超えていくと急激に満足度が下がっていくからと説明。さらに、バッテリ駆動時間についても20時間以上を求めるユーザーが80%以上だったことから、20時間駆動できることを目指して開発されたという。

NECパーソナルコンピュータ シニアエバンジェリストの森部浩至氏
LAVIE Pro Mobileの特徴
ユーザーが求めるノートPCの重量とバッテリ駆動時間

 バッテリ駆動時間は最大で20時間とかなり長く、森部氏が東京-大阪出張で利用したところ、9時からのデスクワーク、昼から新幹線で使用、17時まで社外で使用といった使い方でもバッテリの容量は残り45%あり、帰りの新幹線でも十分に動作可能なくらい長く使うことができたとする。

 デザインに関しては、企画部が先にデザイナーとモックアップを作り上げた上で、開発部にモックを見せて製品化を交渉するという異例のプロセスを経ていたそうで、デザイナーの意図が尊重されたデザインで設計が進められ、今までのNEC PCのラインナップとはまったく違う形状のノートPCが誕生した。ちなみにモックと製品版とではデザインはほぼ同一とのことだ。

 剛性については、Hybrid Zeroではヤワに感じられたという天板を見直すべく、東レ製新構成カーボンに変更。人工衛星やF1マシンにも採用されている最上級品の炭素繊維ベースのプリプレグと、その内部にウェアハースのように網目状に積層されたコア層が設けられており、軽量かつ高い剛性を誇るという。実際に、天板にマグネシウムリチウム合金を採用するHybrid Zeroと比較して、板の厚みが2倍、比重50%増となり、点加圧とねじり強度が約2倍に向上。これまでにも行なわれていた面耐圧150kgfと76cm落下試験もクリアした。

天板は新素材の新構成カーボンに
NECグリーンロケッツ所属大和田立(おおわだ たつる)選手が、LAVIE Pro Mobileにタックルするという余興も。もちろんタックルされても問題なく動作した

 森部氏は、これら4つの優先すべき要素に加え、生産性向上のためにキーボードの打鍵感改善にも力を入れたとし、キー押下時のピークフォースとボトムフォース――押しはじめと押し終わりの間に大きな落差を設けることで、薄型ノートPCながらきちんと打鍵感が出るように調整。さらに、キートップのコーティングにスリップ材を配合し、耐摩耗性を上げつつサラサラとした手ざわりを与えることで、タイピングがより快適に感じられるようになったという。このほかにも、天板を開いたさいにキーボードがリフトアップする機構や、図書館よりも静かという静音キーが使われているのも特徴。

キーボードの打鍵感を改善

 そして、働き方改革を見据えた機能の1つとして、2~3人小規模なTV電話会議で不満が出やすいというスピーカーの出力や聞こえ方を見直し、従来の1+1Wから2+2Wに出力増。テーブルを囲む会議参加者らすべてに音が均一にクリアに聞こえるマルチユーザーモードと、単独のTV電話会議で自分により声を聞こえやすくするパーソナルモードを実装させた。

スピーカーの見直しと、小規模会議向けの新機能

 森部氏はLAVIE Pro Mobileについて製品計画の時点からかなり気合いを入れて作っていたと述懐し、世界最軽量を捨てることで、すべてを妥協なく構成できたと自信を見せた。

店頭モデル
Web販売モデル

 以下、会場に設置されていた実機写真となる。

Hybrid Zero(左)との比較
内部の基板
SSDはM.2
45Whのバッテリ
メテオグレー
フレアゴールド
クラシックボルドー