特集
床置き派の宿命「ホコリ」を断つ。デスク天板下を活用したPC吊り下げの秘技を見せる
2026年2月6日 06:06
PCはデカければデカいほどいい!フルタワーはロマンの塊!という価値観を持つ筆者だが(そう言いつつミニPCもノートPCも使っているけれども)、筐体の大きなPCはたいてい置き場所に悩むものだ。ミニタワーくらいならデスク上に置けなくもないけれど、ミドル/フルタワーだと圧迫感がすごい。必然的に足元の床に置くことになるだろう。
そこで困るのが掃除。エアフローをしっかり考えているPCほど周囲のホコリを集めてしまいがちで、しかし重たいPC本体をいちいち動かすのは面倒なので長期間置きっぱなしにしてしまい、その下にどんどんホコリが溜まっていく。ダストフィルターでPC内部にホコリが入り込みにくい構造になっていたとしても気持ちのいいものではない。
足元にあるデカいPCを、クリーンに使い続けるにはどうしたらいいか。さまざまに検討を重ねた結果、それは「吊り下げ」ではないかと筆者は考えた。デスク天板から吊り下げればPCを床から浮かすことができ、真下や周辺の掃除がしやすくなる、はずだ!
極めて希少なフルタワー対応吊り下げマウント
そこで、PCをデスク天板から吊り下げるためのアイテムを探してみたのだが、これがなかなか見つからない。ミニタワークラスやMac miniなどのミニPCに対応する金具なんかはよく目にするし、ミドルタワーに対応するものも豊富ではないが選べるくらいにはある。しかし、フルタワーともなればほぼ皆無だ。フルタワーのサイズや重量を考えると、そもそもそれに耐えられるデスクが少なく、ニーズもそれほど多くないのかもしれない。
ただ、それでもしつこく探していった結果、なんとかフルタワー対応の吊り下げマウントを発見することができた。デスク周りの製品をプロデュースしている米VIVOの「Large Heavy Duty Under Desk PC Mount」だ。高さ最大635×幅最大355mmのPCサイズに対応し、耐荷重は約30kg。筆者の使用しているフルタワーデスクトップPCもギリギリ収まるサイズとなっている。
直販サイトでは79.99ドル(約1万2,000円)と相応のお値段だが、日本への出荷には対応していないようなので、今回は国内のAmazonから購入することにした。ただし、これはおそらく現地からの並行輸入で、輸送費なども含まれていると思われる価格は2万5,000円超と割高ではある。
従って、急がないのであれば輸入代行サービスやeBayなどを利用するのも手だ。それでも送料込みで2万円前後にはなってしまうのでおトクというほどではないが……。
デスク天板の厚み、固定場所周辺のスペース、デスク高さに要注意
注文して数日で届いたので、早速デスクに取り付けていく。製品は2つのパイプ状のフレームパーツに分かれていて、そのパイプを差し込んで合体させ、2本のねじで留めるだけなので、組み立ては非常に簡単だ。このねじ留め位置を変えることで高さを段階的に調整でき、幅は2つのノブを緩めることで無段階でスライド調整できる。
ただし、これをデスク天板へ固定するにあたっては、あらかじめ確認しておくべきところが何点かある。
1つはデスク天板の厚み。固定に使用するのは付属の4本の木ねじ(M6)で、長さ(溝が切られている部分)は19mmとなっている。マウント部分の金具の厚みが1~2mmあると考えても、デスク天板の厚みが20mm以下だと貫通しかねない。余裕を見て25mm以上、耐荷重まで考えると厚ければ厚いほどいい。
2つ目はねじ留めする天板周辺のスペース。天板にねじ留めする金具部分のサイズはおおよそ幅160×奥行き220mmで、幅方向へフレームをスライドさせる分のスペースがその左右に必要になる。スライドさせたとしてもフレーム幅のサイズは一定で、PCの幅とは関係なく320mm程度の広さが必要になるから、それも考慮に入れて固定位置を決めたい。
3つ目はデスクの高さ。この製品をデスクに取り付けた後、そこにPC本体を載せるときには高さ方向に多少の余裕が欲しい。吸排気を考えたときにもすれすれの高さに調整するのは避けたいところだ。PCを支えるパイプフレーム自体の太さもあるので、それらを考慮すると、当然ながらデスク下にはPC本体プラスアルファの高さが必要になる。
参考までに言うと、筆者のフルタワーPCは高さが570mmある。これを吊り下げマウントに積載したときの、PC天面からデスク天板までの距離は余裕を見て90mmとした。合計すると660mmで、つまり床からデスク天板下まで少なくともこの高さが必要だ。標準的なデスクの高さは700mmとされているので、天板の厚みを考慮するとわりとギリギリかもしれない。
なので、吊り下げたときに床とPC本体底面との距離が1~2cm程度しかなくなるのであれば、今回の主目的である「掃除のしやすさ」という意味ではあまり有効な策ではないということになる。デスクに下駄を履かすか、昇降式デスクにすることを検討した方がいいだろう。
想像以上の安定感で、掃除はもちろんメンテナンスも容易に!
そうした前提条件は、「まあ、なんとかクリアできるっしょ」という感じで見切り発車的にDIYに取りかかる。で、早速ぶつかったのが金具を取り付けるスペースの問題だ。以前、本誌の企画で引き出しをDIYしたが、その引き出しとデスクのフレームとの間に十分なスペースがない状態になっていた。
仕方がないので、引き出しの取り付け位置をずらすことにし、とにかく今回の吊り下げマウント最優先でスペースを確保することにした。こういうこともあろうかと、引き出しを外した場合でも見栄えが損なわれない鬼目ナットを使用していたのである。結果的に8cmほど横に新たな鬼目ナットを埋め込み、そこに引き出しを固定し直した。
話を戻して、メインである吊り下げマウントの取り付けだ。先ほど固定には付属の木ねじを使用すると書いたが、やはりここも(個人的な好みで)鬼目ナットを使用する。付属テンプレートをデスク天板にあてがってマーキングし、9mmの下穴を開けてM6 20mmの鬼目ナットを4つ埋め込んだ。最後にM6 20mmのねじで吊り下げマウントを固定し、フルタワーPCが入りそうな幅と高さに調整して完成だ。
約30kgのPC本体をこの吊り下げマウントに載せるのには少し苦労したが、PCの重心位置にセットすると思っていた以上に安定感がある。フレームとPC本体との間には完全に固定する仕組みはなく、「載せるだけ」なので不安はあったが、地震で揺れたりしても側面に伸びたフレームが転倒をしっかり防いでくれそう。前後方向に揺れてもPCが傾けばデスク天板にぶつかるので問題ないと思われる。
PCを支えるのが最小限のパイプ構造なので、あまり目立たないのもナイス。幅のサイズに余裕をもたせればPC側面カバーの脱着もでき、吊り下げた状態のままでも内部メンテナンスがある程度は可能だ。今回は電動昇降デスクに取り付けたので、デスクを最大限に高く調整すれば目線に近い高さでPCのメンテナンス作業ができるのもいい。
肝心の「掃除のしやすさ」ももちろん達成できた。普段のデスクワーク中は、吊り下げマウントのフレームと床との隙間が7cm程度と狭いが、それでも掃除機のヘッドをしっかり奥まで入れられるレベル。デスクを一時的に高くすればもっと楽な姿勢で掃除機をかけられ、拭き掃除も余裕だ。電動昇降デスクの良さをまた1つ発見してしまった!
クリーンなPC環境を目指すならぜひチャレンジを
掃除が楽になり、メンテも(ある程度は)しやすくなるPC吊り下げDIYだが、気を付けなければいけないこともある。たとえば電動昇降デスクの場合、うっかり下げ過ぎてしまうとマウントを床に衝突させ、破損する恐れがある、というのがまず1つだ(その前に電動昇降デスクの安全装置が働くと思われるが)。
さらに、本体底面にダストフィルターが装着されているPCケースだと、そのダストフィルターの中央あたりでPC本体の重量を支える形になることにも注意。構造によっては自重で破損する可能性があり、そうでなくてもダストフィルターを取り外しにくくなってしまう問題がある。板を1枚挟んで、ちゃんとPCケースの脚で立たせるなどの対策が必要かもしれない。
今回はフルタワーだったため対応マウント製品が限られてしまったが、ミニタワーやミドルタワーを使っているなら選択肢は広い。デスク天板の厚みや耐荷重も過剰には求められないはずなので、もう少し気軽にDIYできるはずだ。(物理的に)クリーンなPC環境を目指したいなら、みなさんも吊り下げDIYにチャレンジしてみてはいかがだろうか。






































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