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まるでターミネーター2?人形が液体化して檻から脱出

MPTMのミニフィギュアがケージから脱出するデモ(出典:Magnetoactive liquid-solid phase transitional matter)

 中国の中山大学、浙江大学、および米国のカーネギーメロン大学による研究チームは25日(現地時間)、固体と液体を行き来でき、磁力で制御できる材料「Magnetoactive phase transitional matter(MPTM)」を発表した。

 MPTMは、誘導加熱と冷却によって、固体と液体の間で相変化できる液体金属。磁力によって移動や回転も可能で、高い強度や剛性、30kgの負荷にも耐えられる高負荷容量、優れた操作性などの特性を持つという。

 デモ動画では、ケージに閉じ込められたMPTMの小さなフィギュアが一度液体化し、ケージから抜け出した後に再度元の形状に戻る様子が確認できる。なお、形状を記憶しているのではなく、ケージ外に設けられた型に流れ込んで固体化することで、形状を戻している。

 研究グループでは、限られたスペースでの回路の組み立て/部品の接合、ねじ穴に流れ込んで物を固定するユニバーサルねじといった用途のほか、体内での異物除去や薬の運搬といった医療分野での活用も見込んでおり、これらのデモ動画も公開している。

液体化してケージから抜け出す様子
電気を通すため、パーツを運んで自ら接合できる
ねじ穴に流れ込んで固体化することで部品を固定
体内で異物を除去したり投薬したりできる
MPTMが電子パーツを運びはんだ付けするデモ(出典:Magnetoactive liquid-solid phase transitional matter)
MPTMがねじ穴に流れ込んで固定するデモ(出典:Magnetoactive liquid-solid phase transitional matter)
MPTMが体内から異物を除去するデモ(出典:Magnetoactive liquid-solid phase transitional matter)