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Broadcom、Qualcomm買収に1,200億ドルの新オファーか
2018年2月5日 15:50
ロイターは5日(米国時間)、Broadcomが1,200億ドル(約13.2兆円)規模の新たな買収オファーをQualcommに提示する見込みであると報じた。Broadcomは昨年11月にも買収の提案を行なっていたが、今回の提案では、1株あたり70ドルから80〜82ドルへ大幅な増額となる見込み。
ロイターはさらに、Qualcommは3月6日に株主総会を控えるため、2月中に交渉をまとめ、株主総会よりも前に役員を選任し、取締役会を入れ替えるため交渉を急ぎ、増額に踏み切ったとしている。
また、BroadcomはQualcommへのオファーの中で、買収不成立のさい生じる「手切れ金(break-up fee)」について、通例のオファー額の3%前後より高額に設定する見込みであると報じられている。これは両者ともに通信系の半導体大手であることから、世界各国の関係当局からの承認や調整が発生するリスクを見越したものとされる。
また、Qualcommの発行済株式数は約14.8億であるとされており、一株80ドルで取得した場合、14.8億(株)×80(ドル/株)から1,184億ドルであり、議決権や影響力のみならず、Broadcomの子会社化へのこだわりが伺われる。
Qualcommは2017年より、すでに成熟したスマートフォン・タブレット市場の枠を外れる、いわゆる「Arm版Windows 10」に同社のSoC「Snapdragon 835」搭載機がMicrosoftのデモに供されたことや、「Snapdragon 845」を搭載した次世代Surfaceがウワサされることなどから、買収にあたっては相応ののれん(買収成立額と時価総額の差額)が生じる。Arm版Windows 10やSnapdragon 845については関連記事"多くが謎に包まれたままのSnapdragon 845"や、"明らかになってきたArm版Windows 10の課題とそのメリット"が詳しい。
Arm版Windows 10や5Gでの先行的な取り組みといったQualcommの強みが存在するために、単なる「高い買い物」になるか、これらの強みを活かせるかは、Broadcom次第でもあると言えるだろう。