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Broadcom、Qualcommに約15兆円で買収を提案

Broadcom、Qualcommに約15兆円で買収を提案

 Broadcomは6日(米国時間)、Qualcommに対し、約1,300億ドルでの買収提案を行なったと発表した。

 4日にBloomberg誌が報じていた通り、Qualcommに対し1株あたり70ドルを支払う形での買収提案となっている。内訳は現金60ドルと、残りの10ドルをBroadcomの株式で支払う。

 Qualcomm側もニュースリリースを発表し、買収提案を受けたことを開示。取締役会は、Qualcommの株主にとって最善の利益が得られるよう、本件について検討するとしている。

 Qualcommは現在NXP Semiconductorsの買収手続きを進めているが、Broadcomはそれも考慮した上での買収提案であり、純負債250億ドルを含め、買収提案額は約1,300億ドルとしている。日本円でおよそ14.8兆円となり、実現すれば業界史上最大規模の買収となる。

 すでにBank of America Merrill Lynch、Citi、Deutsche Bank、J.P. Morgan、Morgan StanleyがBroadcomに対し、買収のための資金調達手配が可能と通知しており、QualcommのパートナーであったSilver Lake Partnersも、転換社債による50億ドルの融資を約束している。

 企業統合が完了すれば、買収のシナジー効果を含め、Broadcomでは2017年度の売上高を約510億ドル、EBITDAは約230億ドルになると見込んでいる。

 Broadcom社長兼CEOのHock Tan氏がQualcommに提示した買収条件によれば、Broadcomは今回の買収実現に必要な規制当局の承認はすべて受け取れると考えており、重大な独占禁止法や規制上の問題はないとの見解を示している。なお、Qualcommの従業員はBroadcomに統合されるという。