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渋谷スクランブル交差点の歩行者全員をトレースできる群衆画像解析ソフト

渋谷スクランブル交差点映像の解析画面

 有限会社メディアジャグラーは、機械学習を応用した群衆画像解析ソフト「Trace Blade」を発表した。

 Trace Bladeは、同社開発の機械学習技術を応用した高速画像認識エンジン「Pixel Search」を搭載しており、数百名の歩行者の撮影を解析し、歩行者の顔にマーカーや番号を表示したり、追跡することを可能とする。

 また番号や軌跡の表示以外にも、性別や移動方向別といったグループごとにマーカー色を変更してレンダリングするなどの視覚効果にも対応する。

 Pixel Searchは「渋谷交差点には何名の歩行者がいるのだろうか?」、「リアルタイムに映像を認識してカウントすることは可能か?」という技術的課題からスタートしており、現時点での処理能力は、まだリアルタイムには届かないものの、下記の渋谷交差点のデモで1フレームあたり348人を20秒程度で自動処理しているという(簡易設定時でミドルクラスのデスクトップ用CPUを使用)。

 画像中の個々の「顔」部分は15×15ピクセル程度だが、Pixel Searchによる画像認識では、詳細設定時で348分の320という一致率を得たとする。

渋谷の交差点解析テスト

 Trace Bladeで処理された群衆映像は連番の静止画像でレンダリングされるが、個々のマーカーの座標、IDなどの情報はcsvファイルで出力され、ムービー作成以外にも、集計や分析に応用できる。これにより、現在街角や店舗内に設置された多数の監視カメラの大量の録画済み映像を、価値のあるビッグデータとして活用できるとする。

 同社では、今後も監視カメラ映像をリアルタイム認識し、個人を検索可能な情報を抽出することを目標として、機械学習及び画像認識技術の開発を進めていくとしている。

 なお、同社は東京都内や近辺を対象に、Trace Bladeの出張デモサービスも実施している。