Hothotレビュー

さらば業務用臭。デスク上に飾って愛でたいスタイリッシュNAS「ME Pro」
2026年1月13日 06:08
同じ場所に複数のPCを抱えるユーザーにとって欠かせないデバイスの1つが「NAS」。これはPCが大好きな筆者にも当てはまるのだが、実は導入するもしばらくして運用を諦めてしまったデバイスでもある。
その最大の理由が「うるさい」、そして「場所を取る」である。うるさいに関しては特に2006年前後の製品では顕著で、高速に回る40mm角ファンの騒音はとにかく耳につき、当時ワンルームに住んでいた筆者にとって、使わないとき電源を切っておかないと眠れないほどだった。
その後に登場した製品では、ファンが大型化されたため騒音は抑えられたのだが、製品自体が巨大化した。正確には、筆者の用途的に十分な2ベイNASでは、正直そこまで場所は取らないのだが、すでにM.2 SSDがPCのストレージとして全盛のこのご時世に、ちょっと見合わない筐体サイズだと思ったからだ。
その状況を打破してくれたのが、Beelinkが2025年6月に投入した「ME Mini」という製品であった。M.2 SSDを6基搭載可能でありながら、本体サイズをわずか99×99×99mmに凝縮し、騒音とサイズの問題の両方に対して見事な解決策を見出した製品である(ちなみにOSはWindowsなので正確にはミニPCだと思うが、BeelinkがNASとしてうたっているので以下も同様に扱う)。
だが、SSDがHDDより性能やサイズ的に優れていると頭で理解できても、容量あたりの価格ではHDDに太刀打ちできないので、大容量が必要なユーザーにとってME Miniは魅力的に映えない。「4TBのSSDを5枚買ってME Miniで20TBのNASを組もう!」と思っても、SSDだけで25万円~30万円の出費。もしHDDなら同じ価格で4倍の80TBに到達できてしまう。
そのことをBeelinkも理解した……のか、そもそもME Miniの時点で企画していたのかもしれないが、このたび2つの3.5インチHDDベイを備えた「ME Pro」をリリースした。しかもファッショナブルなデザイン、ファンを1つだけに絞ったアグレッシブな放熱設計、さらにはマザーボードをまるっと交換できるような機構など、見どころ満載な製品に仕上げている。
今回、Beelinkよりサンプル提供があったため、レビューをしていきたい。なお、公式直販では複数の構成があるのだが、今回送られたモデルはプロセッサにIntel N95、メモリに12GB LPDDR5、ストレージに512GB SSDを搭載したモデルで、この構成での価格は449ドル(約7万1,000円)となっている。
空間の無駄を許さない、潔いパッケージング
ME Proのパッケージを開けた瞬間、筆者はまず戸惑った。パッケージの中には、マニュアルと重厚な金属の塊である本体が鎮座しているだけで、ACアダプタやケーブル類がどこにも見当たらなかったからだ。
最初はME ProがME Miniと同様に電源内蔵なのか、と思ったりもしたが、背面にはれっきとしたDC入力があるためそうではない。しかし、マグネットで着脱できる背面のフィルタを外してすぐ分かった。そう、ACアダプタ類は3.5インチベイに取り付けられた中箱に収まっていたのだ。
本体内の空きスペースをアクセサリ収納に活用するというこの発想は、一部PCケースでは見かけるが、NASとしては大胆だろう。しかもME Pro自体、ベイがツールレスでワンタッチで外せるわけではないため、なおさらだ。
これはME Proが本体の最小化に執着していることを示すメッセージだと捉えられよう。ユーザーはまず、底面のシリコンパーツにはめ込まれた六角レンチを取り出し、それを利用してベイ左右のネジを回して内部にアクセスし、宝探しのようにACアダプタを取り出すことから始めることになる。
まあ、ユーザーが本製品を選んで買ったのにもかかわらずHDDを搭載しないという選択肢はないだろうから、「HDDを取り付けるついでにアクセサリを取り出す」感覚だろうが、いずれにしても変わった製品であることに変わりはない。
無駄を省き、無骨さがないスタイリッシュな筐体
一般的なNASといえばどんな姿が思い浮かぶであろうか?おおよその人は「前面にホットスワップ可能なベイを複数並べた、いかにも業務用的なマシン」というイメージではないだろうか。製品によっては各HDDのアクセスLEDが並び、さらにステータスを表示する小型のLCDなどもつく。本当は、それらはトラブル時ぐらいしか役に立たず、普段は単なる飾りなのかもしれないが。
だがME Proはその真逆を行くアプローチだ。先述の通り、本製品のHDDベイは背面から着脱し、なおかつネジで留められており、容易には着脱できないようにした。前面はファブリック素材が貼られた一枚板、その上に削り出しで筆記体のBeelinkロゴが配されている。上下左右はオールメタルのユニボディとなっており、メンテナンス性とは引き換えに、デザイン性と質感がかなり高い。
本体は3.5インチHDDよりわずかに一回り大きいだけのフットプリントで、ギュッと小さくまとめられ、一般的な2ベイNASの半分程度のサイズだとうたわれている。前面はHDD LEDやLCDなどなく、ホワイトLEDがさり気なく光る電源ボタンとUSB 3.2 Gen 1ポート、そしてリセットとCMOSリセットホールだけだ。知らない誰かに「これはNAS(PC)です」と言わなければ、金属筐体のスピーカーか、サブウーファだと間違えられることだろう。
筆者はこれまで、「NASを机の上に置きたい」と思ったことは1ミリたりともなかったのだが、ME Proなら、常に眺めておいて、何か嫌なことがあったら撫でてストレスを解消するオブジェクトとして置いておきたいと思った(ストレス解消はモフモフも好きだけど、ひんやりする金属も好きな人の戯言)。
また、NASといえばHDD冷却専用のファンが配置されているため、どうしても筐体サイズが大きくなってしまうのだが、ME Proは121×166×112mmという、2ベイNASとしては限界に近いサイズまで絞り込まれている。
これを可能にしたのが、サーマルパッドを備え付けた金属製ドライブトレー、オールアルミニウムの筐体による自然放熱、そしてCPU冷却にも使われる1基のブロワーファンだ。このブロワーファンは、一般的なノートPCやミニPCと同様に本体前側に配置され、後部に搭載されるCPUヒートシンクに対して吹き付け、背面底部に排出する形となっている。しかし吸気は前面ではなく背面の上部から行なわれるため、吸気の過程で2基のHDDベイを通ってドライブの熱を奪う設計となっている。
つまり、空気は背面上部吸気→前面でUターン→背面排気底部排気という流れだ。1つの空気の流れが、HDDの冷却とCPUの排熱、さらには周辺コンポーネントの換気までを一手に引き受けている。この無駄のないエアフローこそが、筐体の小型化を実現させた要因の1つであり、本製品のエンジニアリングの真骨頂だと言える。
筆者は10年以上、新品のHDDを購入していないので、古めのHDDを使って温度を取得した。あくまで気休めの参考数値として捉えてほしいが、室温が19℃の環境下で、30分ほどアイドルにして放置したところ、WD製の10,000rpmの2.5インチHDDである(ヒートシンクにあたるIcePackを取り外した状態の)「VelociRaptor 300GB」が35℃、東芝製の3.5インチHDD「DT01ACA200」が34℃だった。これが夏場だとクーラーを効かせていても40℃超えは確実だろうから、設置場所は通常のNASより温度またはエアフローに配慮したほうが良さそうな雰囲気ではある。
ちなみに、2基のHDDベイのほかに、底面にM.2 2280対応のSSDスロットが3基装備されている。このうち1基はPCIe 3.0 x2接続で、システムドライブのSSDが接続済み。残り2基はPCIe 3.0 x1接続となっている。いずれも底面のフタがヒートシンク兼用となっていて、サーマルパッドでSSDからの熱を奪う。こちらはパッシブ放熱を想定しているわけだ。
HDDの振動を封じ込めるマウントと静音なファン
また、NASユーザーを長年悩ませてきたのが、HDDの回転やヘッドのアクセスに伴う振動音だ。特に本機のようなアルミ筐体の場合、振動が伝わるとビビリが発生することがある。
この課題に対して、ME Proは“ダブルサイド防振シリコンプラグ”で解決。HDDを固定するブラケットのネジ穴に、厚みのあるシリコンワッシャーを配置し、そこにネジを通してHDDを固定しても、シリコンによってHDDがトレーから“浮いた”状態を保つようにしているのだ。また、本体底面のゴム足も大きく、うまく振動を吸収するようになっている。
実際にHDDを2台搭載してみたところ、筐体自体はまだわずかに振動していることを感じるのだが、デスクに伝わる振動は驚くほど抑制されている。また、HDDの回転音やシーク音は、マイルドな音質になっていて特に気にならなかった。
また先述の通り、本機はファンが1つしかないわけで、筆者は当初「ファンが1基だからうるさいだろう」と予想していた。しかしCPUに負荷をかけてみたところ、この予想は見事に裏切られほとんど気にならなかった。
これで、本機をデスク上に置いておく理由がまた1つ増えてしまった……。
NASとしての性能は?
見た目や設計ばかり解説してしまったが、肝心なスペックについて述べておこう。プロセッサは4コア/4スレッドIntel N95で、これはエントリークラスとなっている。やや古い設計であることは否めないが、Windowsはもとよりファイルを共有するためのNASとしては十分な性能を持っていることは間違いない。それどころか、本機ではTDPが高めの25Wに設定されており、Windowsデスクトップ操作はME Mini以上にサクサクだった。
メモリは12GBのLPDDR5で、システムドライブのストレージは今回の試作機で512GB。サイト上では最小容量は256GBから選べるため、最初からこのドライブはOS専用と割り切って、HDDやほかのSSDと併用を考えているのなら、廉価なそちらを選ぶとよい。
インターフェイスとして、背面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-C(DisplayPort Alt Mode対応)、USB 2.0 2基、HDMI出力、5Gigabit Ethernet(Realtek RTL8126)、2.5Gigabit Ethernet(Intel I226-V)を搭載。前面はUSB 3.2 Gen 2を備えている。
上でサラッとWindowsのデスクトップと書いたが、本機にはWindows 11 Homeが標準でプリインストールされている。Windows 11上でPCMarkを実施してみたが、Intel N95搭載モデルとしては比較的高いスコアが残せた。肝心なファイル共有に関しても、2.5Gigabit Ethernetおよび5Gigabit Ethernetを介してネットワークの速度を計測したところ、理論値に近い速度を達成した。
もっとも、ヘッドレス(モニター出力なし)のNASとして使うことを考えると、Windows 11を使うのは正直あまり賢明ではない。Webから管理できる「TrueNAS SCALE」や「OpenMediaVault」などを使うべきだろう。あるいは、導入において中国語がハードルとなりそうだが、やたらと多機能で最近話題となっている「fnOS」を試すのも一興かもしれない。
なお、以上の記述は、あくまでも今回試用した構成。公式でうたわれている通り、ME Proは換装可能なマザーボード構造も特徴の1つであり、AMDやArm、あるいは別のIntelのプロセッサを搭載したマザーボードに換装し、アップグレードできるとされている。そういったマザーボードではより高い性能を持つCPUや、インターフェイスを装備する可能性が高い。
ザ・家庭向けNASに最適
BeelinkのME Proは、これまでのNASが抱えていた「業務用っぽい見た目」「デカい」「騒音」という3つの課題に対して、合理的な設計で解決した製品だ。あえてNASっぽくないシンプルな外観、1基のファンですべての放熱を賄う大胆な設計、振動を低減する設計など、家庭におけるNAS導入のハードルを1つ1つ取り払ってくれているように思う。
「HDDがホットスワップできないけどいいのか?」や「背面吸排気で熱的に大丈夫なのか?」など、一般的なPCやNAS設計の常識から懐疑的にみられるポイントがないわけではない。しかしその常識に囚われていては、結局同じ設計になってしまう。ME Proは大胆にもデザインから始めた、というのは評価したい。
そもそも搭載するHDDも2台のみで、家庭内における一般的な利用では、本体の電源こそ常時オンにしていても稼働する時間は限られているため、この設計のほうが理にかなっている。ライトユースではあるがデータ容量はそこそこ多いため、さすがにME Miniのように全部SSDにするのはコスト的に無理がある、といったユーザーにとって、ME Proは魅力的な製品だ。











































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