PC Watchのキーボード黙示録

だいすきエルゴノミクス!お願いだからずっと出し続けて!ロジクール「ERGO K860」【ライター森田秀一の場合】

このコーナーは、ライターや編集者愛用のキーボードについて語る短期リレーコラムです。
筆者が愛用中のロジクール「ERGO K860」。いわゆる“エルゴノミクスキーボード”だ

 「キーボード黙示録」にはすでに10人以上のライター/ジャーナリスト勢が原稿を寄せておられる。筆者も拝読したが、うーん、こだわりはまさに十人十色というか百者百様というか。「こだわりは少ない」とおっしゃる方でも、譲れない一線はやはりあるようだ。

 筆者も自称「こだわりなし」派である。ただ、日本語配列のキーボードを基本的に好む。英語キーボードだと左薬指で「@」を入力することになるが、どうしてもそれに慣れない。なまじ慣れてしまって、市中で大半を占める日本語配列キーボードが使いにくくなってしまうのが怖い。

 また、キーボードの一番左下にCtrlキーがあること。これが絶対である。デスクトップPC用キーボードだとこれを外す心配はないが、ノートPCではそうはいかず、Fnキーが鎮座している例がまぁまぁ多い。だが筆者としては、Ctrlキーとのコンビネーションによるショートカットを多用する以上、左下にCtrlキーがないとどうしても窮屈さを感じ、身体的にツラい。よって、レノボの「ThinkPad」やNECの「LAVIE」は基本的に避けていた(最近は逆になったが)。

 設定だったり、ユーティリティソフトを使えば、CtrlキーとFnキーを入れ替えられることも分かっているが、利用には抵抗がある。万一、第三者がそのキーボードを使ったとき、キー刻印と違う動作をするのは、どうにも許容できない。シールを貼れって?まぁ、そうなんだろうが……。

 外付け式キーボードの有線/無線については、さすがにもう無線一択でいいだろう。ただBluetooth単独ではダメで、専用のUSBドングルには必ず対応してほしい。そうでないとWindows PCではBIOS(UEFI)を操作できない。なんなら1つのドングルでキーボードとマウス両方に接続できると、USBポートの占有を緩和できて、なお良い。

 キースイッチの構造には全くこだわらない。というか、“レンズ沼”を想起してしまい、近づかないようにしているというのが本音……かもしれない。あとWindowsキーも完全にウエルカム。搭載を大歓迎する。Windowsキー+Dとか、便利ではないか。

 これらの前提条件を踏まえた上で、筆者がほぼ確実に選択するのが、エルゴノミクス(人間工学)キーボードである。キー配列を中央で分離させ、左右それぞれに寄せることで、姿勢の窮屈さを緩和させる効果がある。具体的には、手首と手首をあまり近づけずに済む。

 このタイプのキーボードは、かつてマイクロソフトが安定的にリリースしてくれていた。PC Watchの過去記事を検索してみると、遅くとも1990年代後半には誕生していようだ。筆者も新機種が登場するたびに買い換えていたのだが、2013年発売の「Sculpt Ergonomic Desktop」が筆者にとってのシリーズ最終購入モデルとなった

 この後継機種がなかなか出なかったところで、光明となったのが、ロジクールが2021年に発売した「ERGO K860」である。いや、これを見つけたときの「救済された!」感といったらもう、ねぇ。見た目はマイクロソフト系エルゴノミクスキーボードの系譜そのもの。軟質素材のパームレストもしっかりついていて、手の置き具合も心地よい。Bluetooth対応により、平時はドングルレスで運用できるのも、うれしいポイントだった。

真ん中で分離しつつ、若干盛り上がっているのが、このキーボードの肝

 エルゴノミクスキーボードは大抵「(分離している)真ん中の空間が無駄で、筐体も大きくなる」とディスられる。まぁ、そうかもしれない。筆者としては論理的に反論できないが、それでも筆者はコレがいい。俺はガンダ……じゃなくて、エルゴノミクスキーボードでいくのだ。だいすき、エルゴノミクス!

 K860を使い始めて4年経ったため、手の脂による汚れなどがさすがに目立つようになってきたが、機械的な不調は全く感じていない。ただ、これだけ日々触るものを5年オーバーで使い続けるとなると、後継機/代替機にも心を配らなくてはいけない。

 幸い、K860は現在もなお市販されている。ただ、ロジクール製品の無線方式はUnifyingからLogi Boltへ移行しつつある。願わくは、Logi Bolt対応の新/K860の爆誕に期待したい。

4年使ったため、さすがにパームレストが手の脂で汚れてきた。どうか、後継機種が発売されますよう……!
メーカー/製品名ロジクール ERGO K860
使用PC機種名自作デスクトップPC(NUC) NUC11PAHi5(32GB RAM)
キーボード仕様エルゴノミクス/パンタグラフ
キースイッチ(軸の種類)パンタグラフ式
キー配列日本語配列(JIS)
サイズ/キー数フルサイズ テンキー搭載
キーピッチ18mm
キーストローク1.8mm
押下圧(重さ)不明(スペックでは明示されていないが、ごく普通)
打鍵音カチャカチャ
接続方式Bluetooth、専用ドングル無線(Unifying)
筐体の色/素材グラファイト/プラスチック(軟質素材パームレスト一体型)
カスタマイズ箇所未施工
キーバックライトなし