イベントレポート
Dynabookが8Kの分離型/一体型PCの発売時期を明らかに
~シャープ製小型8Kカムコーダーは来春投入
2019年9月6日 06:00
シャープ株式会社は、9月6日よりドイツ共和国ベルリン市で開催されるIFA 2019に先立って、会場内の同社ブースで記者会見を開催した。このなかで、同社の子会社となったDynabook株式会社の欧州法人となるDynabook Europe GmbH社長 ダミアン・ハウメ氏が、兼ねてより開発意向を表明してきた8K PCに関しての詳細を明らかにした。
8K PCは2020年に分離型が投入されて、2021年に一体型が投入される
シャープは昨年(2018年)に東芝の子会社となるPC事業会社(東芝クライアントソリューション)を買収し、シャープ傘下のPCメーカーとしてDynabook株式会社をスタートさせた(東芝クライアントソリューションが「Dynabook株式会社」に社名変更参照)。両者の統合はじょじょに進んでおり、とくに展示会ではシャープのブースにdynabookの製品が展示されることが増えている。
そのDynabookの欧州法人となるDynabook Europe GmbH社長 ダミアン・ハウメ氏は、「元々dynabookは東芝のPC部門が日本で使っていたブランド名。それをグローバルでも使うことにしたので、毎回その説明をしている。dynabookは今やシャープの傘下、そしてもっと言えばFoxconnの傘下となり、3社で協力してPCビジネスを展開している」と述べた。そして、今後の他社との差別化ポイントとして、「新しい製品と技術を積極的にマーケットに投入していきたい」とし、欧州で投入される新製品などに関しての説明を行なった。
そのなかでハウメ氏は、同社が兼ねてより開発意向表明をしてきた8K PCに関してのアップデートを行ない、「2020年には8Kディスプレイ分離型のPCを投入し、2021年には8KパネルとPCを一体型にした製品を投入する」と言い、2段階で製品を投入していくことを明かした。
IFAのDynabookのブースはシャープのブース内にあり、2021年に投入を計画している8KパネルとPCの一体型PCのデザインモックアップを展示した。見た目としては、8Kディスプレイの裏側に、モジュールとなっているPCの本体を合体させる形状になっている。これは、ディスプレイをデスク上においてペンを利用する使い方をイメージしたものだ。
H.265で8K動画を撮影できる小型8Kカムコーダーをシャープが来春に投入
また、今年(2019年)のNAB Showで公開した、プロシューマ向けの小型8Kカムコーダーの展示を行なった。シャープ株式会社 グローバルTVシステム事業本部 事業本部長 喜多村和洋氏は、「すでに放送局向けの8Kカムコーダーは出荷しているが、現在はプロシューマ向けの製品に取り組んでおり、来年(2020年)の春までには世界最小の8Kカムコーダーを投入していきたい」という意向を表明した。
シャープブースではその小型8Kカムコーダーの展示が行なわれており、実際に撮影し、それをHDMI 2.1ケーブルを利用してTVに出力する様子などを確認することができた。
喜多村氏によれば、CMOSセンサーはシャープ製で、外観からはレンズ交換式であることが確認できた。展示機についていたレンズはオリンパスのものなので、マイクロフォーサーズである可能性が高い。説明員によれば、「H.265を利用して30fpsでSDカードに記録できる」とのこと。
すでに、Intelの内蔵GPUでもH.265のハードウェアデコードなどが可能になっており、PCでの再生や編集も行なえるようになるだろう。来年の春にこの8Kカムコーダーが市場に投入されるのを期待して待ちたいところだ。