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日立、10nm以下の半導体製造欠陥を検出する技術

 日立は、半導体製造プロセスにおいて10nm以下の微小欠陥を高感度に検査する画像処理技術を開発。23日から27日に開催されたイベント「SPIE Advanced Lithography + Patterning 2025」で発表した。

 高性能半導体デバイスの需要が増加する中で、品質管理の重要性が増している。特にデバイスの信頼性と生産効率に直接影響を与える欠陥のサイズが微小になってきているため、高感度化が求められてきた。

 今回日立は、日立ハイテクの協力のもと、これまで培ってきた画像処理やマシンラーニング、データサイエンスなどの知識を活用し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮像した画像から微小欠陥を検出する技術を開発した。

 具体的には、事前学習ステップとして、良品の画像にノイズを加えた劣化画像のデータを多数生成し、そこから良品画像の再構成に有効なデータの特徴をマシンラーニングさせた。検査時は、欠陥を含む画像から良品画像を自動で再構成し、その前後の画像を比較することにより、数画素程度の微小欠陥を高感度に検出できるようにした。

 また、微小化に伴う製造のばらつき(非欠陥)の過検出については、回路パターンのレイアウトをマシンラーニングで分類。レイアウトに応じた検出感度調整を行なうことで、特定回路パターン上で生じる過検出を90%以上抑制できたという。

 この技術は、半導体製造業界における品質管理と生産効率の向上に寄与するとしており、今後も欠陥検査を始めとした画像処理技術の高度化を推進する。