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次期OS「Android 16」初のベータ版公開。ウィンドウサイズが自由に変更可能に

 Googleは1月23日、モバイルOS「Android 16」の最初のベータ版を発表した。既にサポート対象のPixel端末においてAndroid 16 Developer Preview版を利用中の場合はOTA更新される。Pixel端末でない場合は、Android Studioエミュレータでテストできる。

 今後数カ月にわたって開発者やユーザーからのフィードバックを受け付け、2025年第2四半期の正式リリースに向けた改善を進めるという。主な新機能は以下の通り。

画面サイズに依存しないアダプティブアプリ

 ディスプレイサイズやフォームファクタに関係なくアプリをシームレスに動作させる仕組みを導入。大画面でアプリが画面の向きやサイズ変更を制限する機能を段階的に廃止。横幅が600dpを超える場合、API Level 36をターゲットにしたアプリはウィンドウサイズを自由に変更できるようになる。

 また、折り畳み式端末やタブレットでの操作性を高めるため、UIがシームレスに拡大/縮小できるよう、フレームワークやライブラリが提供される。

進行中のアクティビティに関する通知

 これはライドシェアやデリバリー、ナビゲーションといった現在進行系の状況をユーザーが素早く把握できるよう通知する仕組みで、ProgressStyleというテンプレートが導入される。スタート/ゴール地点や現在地をアイコンで表示したり、複数の進捗セグメントを可視化できるようになる。

カメラやメディア機能のアップデート

 新たにプロフェッショナルの高品質ビデオ録画/ポストプロダクションを使用するために設計された「Advanced Professional Video(APV)」コーデックをサポートする。これにより、知覚的ロスレスビデオ品質、低複雑性/高スループットのフレーム内コーディング、2K/4K/8K解像度のコンテンツでの最大数Gbpsの高ビットレートなどに対応。

 リファレンス実装はOpenAPVプロジェクトを通じて提供される。YUV 422カラーサンプリング、10bitエンコーディングを提供し、最大2Gbpsのターゲットビットレートに対応するAPV 422-10プロファイルも対応する。

 加えて、Camera2のCaptureResultに「EXTENSION_NIGHT_MODE_INDICATOR」を追加し、アプリが、撮影環境に応じてナイトモードを自動でオン/オフする判断材料を取得できる。

縦書きの対応

 Android 16では日本語などで用いられる縦書きに対応しやすくなるよう、縦方向のレンダリングおよび測定のために低レベルサポートが追加。具体的には、PaintクラスにVERTICAL_TEXT_FLAGが追加され、Paint.setFlagsを使用してフラグを設定すると、Canvasに縦書き文字列を描画できるようになる。

 なお、Jetpack ComposeのText、TextView、Layoutクラスやそのサブクラスといった高レベルテキストAPIには未対応。

汎用レンジングAPIや新しいアクセシビリティ

 新たにRangingManagerが実装され、Bluetooth LEの電波強度や超広帯域(UWB)、Wi-Fi RTT(Round trip time)などを利用したデバイス間の距離や角度の測定が可能になる。このほか、アクセシビリティ回りでユーザー補助用のAPIが追加された。

挙動の変更

 Androidではリリースごとにプラットフォーム堅牢性や効率性の向上を高めることを目指しているため、互換性に影響を及ぼすような動作の変更が生じる可能性があると通達している。

 具体的にはART(Android Runtime)の内部構造が変更されたため、以前のARTモジュールを利用しているアプリやライブラリは動作不良を引き起こす可能があるとしている。

AI「Gemini」の拡張機能

 先日リリースされたSamsung S25シリーズでは、新しいGemini拡張機能をサポートしたことにより、アプリとGeminiを統合可能となった。Googleではこの機能はより多くのフォームファクタで利用できる取り組みを進めるとしている、

 なお、2025年は2つのAndroid APIがリリースされる予定。今回のベータ版は2025年第2四半期のメジャーリリース用で、アプリに影響を与える可能性がある計画された動作変更を含む。第4四半期には機能更新、最適化、バグ修正が行なわれたマイナーリリースを提供する。また、第1/第3四半期には品質を確保するためのアップデートが提供される。