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Microsoft、「Copilot+ PC」対応のSnapdragon X Elite搭載「Surface Pro/Laptop」
2024年5月21日 04:03
Microsoftは、5月20日に同社本社で記者会見を開催し、同社が「Copilot+ PC」と呼んでいる第2フェーズのAI PCに関する発表を行なった。
Copilot+ PCはさまざまなAI処理をデバイス上で行なうことができる新世代のAI PCで、「Recall」と呼ばれるWindowsが保存したスナップショットを、AIが自動で解析して目的のWebサイトを検索し、PowerPointのスライドにたどり着けることができる。
それらの処理にはNPUを利用するため、NPUには40TOPS以上という要件を設けている。現状それに唯一対応したSoCになる「Qualcomm Snapdragon X Elite/Plus」まずはCopilot+ PCには採用され、後日AMDやIntel版も登場する。
MicrosoftはそうしたCopilot+ PCとして、新しいSurface Pro、新しいSurface Laptopを発表し、M3を搭載したApple Macbookよりも58%高速であるとアピールした。同時にAcer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Samsungなどから同じくSnapdragon X Eliteを搭載したCopilot+ PCが発表された。
MicrosoftがCopilot+ PCを発表、Windows 11も「Windows 11 NextGen Premium」へと進化
「Copilot+ PC」は、デバイス上でAI推論処理を行ない、AIアプリケーションを高性能で実行できる機能を搭載した薄型、軽量のノートPCになる。MicrosoftはそうしたCopilot+ PCを定義することで、PCにおけるAIアプリケーションの普及を促進する。
今回の発表に合わせ複数のNPUを利用してローカルでAI処理を行なうMicrosoftのファーストパーティアプリの提供を明らかにした。Recallと呼ばれるアプリでは、ユーザーのWebサイト利用履歴などをスナップショットにして保存し、それをAIが解析することが可能。ほかにもイメージ生成などさまざまなインボックスアプリケーションが用意される。
こうしたローカルでのAI処理には、AIに特化したNPUが必要だとされており、最低でも40TOPSを超える性能が必要だとMicrosoftは説明した。現状そのNPUの要件を満たしているWindows OS向けSoCは、Qualcommの「Snapdragon X Elite」およびその廉価版となる「Snapdragon X Plus」のみ。
両製品のNPUは、45TOPSの性能を実現しているため、この要件をクリアできる。それに対して、AMD Ryzen 7040シリーズ(およびそのリフレッシュ版となるRyzen 8040シリーズ)、インテルCore Ultraプロセッサー(シリーズ1)など昨年発表・投入されたSoCは40TOPSの性能を満たしていないため、Copilot+ PCの要件を満たさない。
ただし、AMD、Intelともに今年後半に投入する次世代製品となるStrix Point(ストリックスポイント、開発コードネーム)、Lunar Lake(ルナーレイク、開発コードネーム)では40TOPSを超える見通しを明らかにしている。Intelは既に45TOPSを超えるNPUの性能を実現するLunar Lakeを第3四半期に発表し年末商戦には搭載製品が登場する見通しと今回発表している(別記事参照)。
Snapdragon X Eliteを搭載したSurface Pro /Laptop、ほぼすべてのグローバルOEMメーカーから製品が登場
MicrosoftはそのCopilot+ PCとして、Snapdragon X Eliteを搭載した新しいSurface Proと新しいSurface Laptopを発表した。
AppleのM3を搭載したMacbook Airと比較して58%性能が向上するとMicrosoftは説明している。Surface LaptopはSoCにSnapdragon X Eliteを採用しているだけでなく、ワイヤレスキーボードとしても使える新しいキーボードも用意され、クリエイターなどにも人気を呼びそうだ。
このほかにも、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Samsungなど、グローバルにPCビジネスを展開するほぼすべてのOEMメーカーからからSnapdragon X Elite/Plusを搭載したCopilot+ PCが発表されており、それらは別記事で順次紹介していく予定だ。