ニュース

デジタル庁、政府機関でAI活用を推進する国産LLMの公募結果を発表

 デジタル庁は3月6日、政府向けAIサービス「ガバメントAI」で採用する国産大規模言語モデル(LLM)の公募結果を発表した。

 ガバメントAIは、日本語の語彙/表現に適合したAIによる政府業務の効率化と国産AI産業の支援を目的としたデジタル庁の取り組み。2025年5月より同庁職員が利用するAI利用環境「源内」の構築と利活用を進めてきた。これを全府省庁へ拡大するにあたって、行政文書特有の記述様式に適合し、機密性の高い情報を扱うガバメントクラウド環境で動作するAIモデルの必要性から、国産のLLMを2025年の12月2日から2026年1月31日まで公募した。

 公募の結果15件の応募があり、書類審査と評価テストを行ない、最終的に以下の7モデルを選定した。

  • NTTデータ「tsuzumi 2」
  • カスタマークラウド「CC Gov-LLM」
  • KDDI・ELYZA共同応募体「Llama-3.1-ELYZA-JP-70B」
  • ソフトバンク「Sarashina2 mini」
  • 日本電気「cotomi v3」
  • 富士通「Takane 32B」
  • Preferred Networks「PLaMo 2.0 Prime」

 選定したLLMについては、行政実務への適合性や実用性を見極めるために源内でさらなる試用評価を実施する予定。2027年度には評価の内容を踏まえて政府調達を検討する見込み。

 今回の発表に際して、AIモデル選定の基準も公表している。

1. 国内で開発された大規模言語モデルであること。また、開発経緯や開発方法、開発体制、独自開発モデルか派生モデルかの区別等が具体的に説明可能であること。
2. 行政実務において実用可能な性能を有すること。行政での活用場面として、対話型AIサービス(チャット)提供、または行政実務特化型AIアプリへの組込みが想定されること。
3. デジタル庁が作成し試験当日に初めて開示した50問からなる評価テストを受験し、その結果が優秀であると認められること。
4. 海外主要LLMと比較したベンチマークテスト結果が提供され、優秀であること。特に、ハルシネーション(でたらめ)、バイアス・差別的表現、有害コンテンツ生成等に関する安全性の取組について説明可能であり、適切な取組が行われていること。
5. 学習用データに関する法令遵守の状況が具体的に説明可能であり、適切であること。
6. 政府職員が機密性2情報を取り扱えるよう、十分なセキュリティを確保できること。具体的には、ガバメントクラウド上の推論環境で動作すること。
7. 令和8年度(2026年度)中は無償で試用できること(ガバメントクラウド及び推論に係る費用はデジタル庁が負担)。
8. 国内開発LLMを活用した各種AIアプリケーションが最適な性能が発揮できるよう、情報提供やカスタマイズ等の技術支援を行うこと。
9. 評価・検証結果の一部をデジタル庁が公表することに同意すること。

ガバメントAIで試用する国内大規模言語モデル(LLM)の公募結果

 今後については、3月より試用に向けた契約締結とガバメントクラウドへのLLM実装にかかる調整を実施。5月頃からは源内での大規模実証、8月頃からは試用をそれぞれ開始する。評価と検証の結果は2027年1月に公表するとし、同年4月をめどに優れたAIモデルをガバメントAIとして政府調達する予定。