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6コアCPUの高クロック持続を強化した軽量モバイルノート「VAIO SX12/14」
~ともに冷却能力アップ。SX14はバッテリ駆動が約倍の20時間超えに
2020年1月23日 09:00
VAIO株式会社は1月23日、Comet Lake世代のCPUに刷新した12.5型「VAIO SX12」および14型「VAIO SX14」のモバイルノート2機種を発表した。価格はオープンプライス。Web直販のカスタマイズモデルの税別価格は両モデルとも119,800円からで、本日予約受付を開始し、1月31日より出荷を開始する。
VAIO SX12/14は、昨年(2019年)に発売された同社ビジネス向けノートの売れ筋製品で、ともに1kgを切る最軽量モデルを用意。SX12は12.5型の小ささながら約19mmのフルピッチキーボードやベゼル幅をわずか4.97mmにまで縮めたディスプレイ面を、SX14は13型のフットプリントに14型のディスプレイを収めつつ、4K解像度モデルも用意しているのが特徴。
6コアモデルの性能を引き出すために電源周りの仕様を変更
今回、Intelの第10世代Coreプロセッサ(Comet Lake)を採用し、4コアを超える6コアモデルを新しく投入。筐体は前モデルと同じながら、6コアモデルではヒートシンクの見直しが図られ、SX12ではフィンの部分に熱伝導率の高い銅を、SX14はの大型化されたヒートシンクをなど実装。サーマルスロットルによる性能低下を防ぎ、高性能を持続する再設計が施された。
また、最大性能を必要な瞬間に発揮できるように電源構成も一新。従来はACアダプタを接続したさいにそれを基準電圧(10.5V)にしていたが、バッテリの充電にはアイドル時や性能が必要とされていない状態など、その余った電力を使っていた。ただ、高負荷がかかりCPUがより性能を必要とした場合などはバッテリへの充電を止めて、ACアダプタとバッテリの両方からシステムへの電力供給を行なうようになっていた。そのさいにACアダプタとバッテリでは電圧に差があるため、バッテリの電圧(7.6V)を昇圧してACアダプタに合わせるという切り替えが必要で、そこでタイムラグが発生し、CPUの反応が遅れるという問題があった。
今回、ACアダプタが接続されている状態でも、バッテリの電圧を基準電圧とするように構成を変更。これによりつねに一定の電圧を利用できるようになり、CPUの瞬間的な性能の要求にタイムラグなく応えられるようになった。ただし、ACアダプタの電圧をバッテリの電圧に合わせて降圧する必要があるため、そのさいに熱が発生するというデメリットも生まれる。
この構想は前モデルでもあったが、熱処理がうまくいかず性能が落ちてしまうため、採用は保留となっていた。そして前述したように、今回の新モデルでの冷却機構の改良により、CPU性能を犠牲にすることなく、熱を逃がすことが可能になった。ヒートシンクやフィンだけでなく、電圧レギュレータによる熱を拡散させるためのシールドカンや、底面のホットスポットを緩和するためのグラファイトシート追加(SX12)、銅シート貼付(SX14)など、細かな改良が行なわれている。
なお、USB Type-CポートはUSB Power Delivery(PD)に対応しており、こちらを使った場合も同じく、バッテリの電圧に合わせた降圧が行なわれる。SX12/14は規格上USB PDで100W(20V/5A)まで給電が可能で、ACアダプタよりも高い電圧を使っている場合は、その分降圧時の発熱が大きいが、これも今回の改良で許容範囲内になっているとのこと。
また、ACアダプタとUSB PD対応の充電器を同時に接続した場合は、より電力を多く供給できるほうに合わせて本体への給電が行なわれるとしている。
前モデルからのそのほかの変更点
これまでと同じく、CoreプロセッサによるTurbo Boostの最適化を行なうことで、高クロックを維持しやすくなる「VAIO TruePerformance」をサポートしているが、6コアモデルではもともと1コアあたりの必要とされる電力が低いこともあり、性能の向上幅が4コアモデルよりも高くなっている。
別の新要素としては、指紋認証センサーに加えての顔認証センサーの追加、カスタマイズモデルでの2TB NVMe SSDの用意、スマートフォンやUSBデバイスをセキュリティキーにしてのBIOS認証対応などが挙げられる。
さらに、大きなものとしてはVAIO SX14のフルHDモデルでディスプレイの変更があり、バッテリ駆動時間がこれまでの最大約11時間から約20.5時間にまで向上。これはリフレッシュレートの動的な制御と、高効率なバックライト動作を可能にした低消費電力パネルにより実現されている。
このほか、USB PD 45W出力が可能なVAIOロゴが入ったRAVPower製のType-C充電器「RP-OPCF001」と、USB 3.0/Gigabit Ethernet/HDMI/ミニD-Sub15ピンを備える純正Type-Cドッキングステーション「VJ8PRA2」をオプションで用意。税別価格は前者が8,100円、後者が12,400円だが、VAIO SX12/14のカスタマイズモデル注文時に合わせて購入することで順に6,900円、10,500円で入手可能となっている。
型番 | VJS12290111B(ブラック) | VJS12290211B(ブラック) | VJS12290311B(ブラック)/VJS12290411T(ブラウン) |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-10710U(6コア/12スレッド、1.1~4.7GHz) | Core i5-10210U(4コア/8スレッド、1.6~4.2GHz) | |
GPU | Intel UHD Graphics | ||
メモリ | LPDDR3 8GB | ||
ストレージ | NVMe SSD 256GB | SATA 256GB | |
ディスプレイ | 12.5型フルHD非光沢液晶 | ||
解像度 | 1,920×1,080ドット | ||
OS | Windows 10 Home | ||
バッテリ駆動時間 | 約13.2時間 | 約13.5時間 | |
汎用ポート | USB 3.1 Type-C(USB PD、DisplayPort Alternate Mode対応)、USB 3.0×2 | ||
カードリーダ | SDカードスロット(UHS-I対応) | ||
映像出力 | USB Type-C、HDMI、ミニD-Sub15ピン | ||
無線機能 | LTE(Micro SIM)、IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1 | IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1 | |
WAN仕様 | 3G(Band1/2/4/5/6/8/19) LTE(Band1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/ 20/21/25/26/28/29/30/38/39/40/41/66) | - | |
GPS機能 | GPS、GLONASS | - | |
有線LAN | Gigabit Ethernet | ||
Webカメラ | 207万画素 | ||
セキュリティ | 顔認証センサー、指紋認証センサー | 顔認証センサー、指紋認証センサー、TPM(TCG V2.0準拠) | 顔認証センサー、指紋認証センサー |
その他 | ステレオスピーカー、ステレオマイク、音声入出力端子 | ||
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約287.8×203.3×15.7~18mm | ||
重量 | 約906g | 約887g | |
税別店頭予想価格 | 242,800円 | 204,800円 | 197,800円 |
型番 | VFS14290111B(ブラック) | VJS14290211B(ブラック) | VJS14290311B(ブラック)/VJS14290411T(ブラウン) |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-10710U(6コア/12スレッド、1.1~4.7GHz) | Core i5-10210U(4コア/8スレッド、1.6~4.2GHz) | |
GPU | Intel UHD Graphics | ||
メモリ | LPDDR3 8GB | ||
ストレージ | NVMe SSD 512GB | SATA 256GB | |
ディスプレイ | 14型4K非光沢液晶 | 14型フルHD非光沢液晶 | |
解像度 | 3,840×2,160ドット | 1,920×1,080ドット | |
OS | Windows 10 Home | ||
バッテリ駆動時間 | 約8.2時間 | 約19.2時間 | |
汎用ポート | USB 3.1 Type-C(USB PD、DisplayPort Alternate Mode対応)、USB 3.0×2 | ||
カードリーダ | SDカードスロット(UHS-I対応) | ||
映像出力 | USB Type-C、HDMI、ミニD-Sub15ピン | ||
無線機能 | LTE(Micro SIM)、IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1 | IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1 | |
WAN仕様 | 3G(Band1/2/4/5/6/8/19) LTE(Band1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/ 20/21/25/26/28/29/30/38/39/40/41/66) | - | |
GPS機能 | GPS、GLONASS | - | |
有線LAN | Gigabit Ethernet | ||
Webカメラ | 207万画素 | ||
セキュリティ | 顔認証センサー、指紋認証センサー | ||
その他 | ステレオスピーカー、ステレオマイク、音声入出力端子 | ||
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約320.4×222.7×15~17.9mm | ||
重量 | 約1,043g | 約1,018g | 約999g |
税別店頭予想価格 | 297,800円 | 212,800円 | 197,800円 |
「ALL BLACK EDITION」と「RED EDITION」も提供
VAIO SX12は本体色として、ブラック、シルバー、ブラウン、ピンクの4色を、SX14はそのピンクを除いた3色で展開するが、今回はそれぞれの特別色として、おなじみの「ALL BLACK EDITION」に加え、数量限定の「RED EDITION」をWeb直販で用意する。
ALL BLACK EDITIONでは、オーナメントを含め本体が完全にブラックになっているほか、キートップの“隠し刻印”を採用。通常は、キートップの樹脂に対して白と黒の2層塗装を施し、レーザー加工で文字を表示させ、その上からフッ素含有UV硬化塗装を行ない、キートップの文字を消えにくくしている。
一方で、隠し刻印では樹脂に対して特別調色の明度の高い黒2色と、さらにその上に黒を塗る3層塗装を行なうことで、遠目では深く沈み込んだように見える特別な黒の刻印を眺めることができる。もちろん最終工程でフッ素含有UV硬化塗装を施し、耐久性を向上させている。
そして、数量限定となるRED EDITIONでは、高級感のある光沢塗装の赤を天板に、明るくそれでいて濃い鮮烈な染色の赤をパームレストに施し、そのほかの部分については黒を採用するツートンカラーで上品に仕上げた。ALL BLACK EDITIONと同じく、キートップの隠し刻印も使われている。さらに、RED EDITION購入時にはオプションで、イタリア・トスカーナ産植物タンニンなめし革を使用した特別レザーケースを選択可能。焦げ茶色の裏地、赤色の縫製糸が使われており、本体の赤を際立たせることができる。