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インテル、データを活用するビジネスの重要性を説く
2019年12月11日 14:55
インテル株式会社は11日、都内で記者向け説明会を開催し、第4四半期の取り組み、そして2020年の目標などを紹介。冒頭では、同社代表取締役社長の鈴木国正氏が、同社の戦略と展望を紹介した。
インテルと言えば、CPUを中心としたPCセントリック事業だが、近年は爆発的に増大しているデータの処理に対応するため、それをより効率的に処理するFPGAやASIC、保存するためのOptaneや3D NAND、転送するためのネットワーク製品といった、データセントリック事業を重視しており、今後もこの戦略を踏襲する。
また、日本国内においては、パートナーとエコシステムを形成し、このデータを中心としたデジタルトランスフォーメーションを共創してきた。2019年にかぎっていえば、数百回にわたるセミナーなどをとおしてパートナーと話し合う機会を設け、新規事業の展開を手伝ってきたとする。
そして2020年以降、企業はデータを活用した事業を展開しなければ、競争に打ち勝つことが難しいとし、「データ・デバイド」(データを活用できる企業とそうでない企業の格差)という言葉を提唱した。
2025年には、世界のネットワーク接続機器数が1,500億台に上り、総データ量は175ZB(ゼタバイト)に達するという予測があるが、これらのデータを活用できてこそデジタルトランスフォーメーションを達成できるとした。そして、たとえ1つの業種しか持たない企業でも、収集して得られたデータを他業種に活かせる機会はあり、その活用こそがデジタルトランスフォーメーションにとって不可欠であると説いた。
データセントリック事業の中核を担う製品について、同社 執行役員常務 技術本部 本部長の土岐英秋氏が紹介。データを処理するプロセッサとして、スカラー処理が得意なCPU、ベクトル処理が得意なGPUに加え、データの特性に合わせてアルゴリズムを変更できるFPGA、そしてニューラルネットワークといった行列処理に特化したASICといった、4種類の「XPU」を同社は展開しているとアピールした。
ニューラルネットワークの推論処理に特化した製品として「NervanaのNNP-I」を挙げ、市販されるアクセラレータとして最高の性能電力比を実現しているとした。一方学習向けにもNNP-Tを提供し、業界最高レベルの95%(ResNet 50およびBERT)の精度を実現したという。
GPUについては、「Xe」アーキテクチャをベースとした「Ponte Vecchio」を紹介。7nmプロセスを用いて製造され、Foverosの3Dパッケージング技術を採用。そして複数拡張時にメモリアドレス空間を共有することで、大きな学習データセットやパラメータをメモリ状に展開できるのが特徴とした。
もっとも、XPUの展開、つまりプロセッサの種類の増加によって負担がかかるのは開発者である。そこでインテルは「oneAPI」を提供し、インテルの知見を活用し、共通の言語(Data Parallel C++)でプログラミングでき、それぞれのプロセッサに最適な処理を自動的に割り振る仕組みを用意した。
そして今後もこのXPU構想を推し進め、パートナー各社と協業し、データセントリック分野を拡大していくとした。