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MIT、自律的に合体し、転がったり飛んだりできるキューブ型ロボット

M-Block 2.0

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)のComputer Science and Artificial Intelligence Laboratory(CSAIL)は10月30日(現地時間)、同大学のWebサイトにて自律的に行動するキューブ型ロボット「M-Block 2.0」の紹介記事を掲載した。

 M-Blockはどの面からでも東西南北の基本方位で動かすことができ、回転や跳躍も可能。20,000rpmで動作するフライホイールを内蔵しており、ブレーキをかけることで角運動量を生み出している。キューブの角と面には永久磁石が実装されており、キューブ同士で互いにくっついたり、よじ登ったりといったことも可能で、動画では高く積み上げられたM-Blockから1個だけが降りてくるといった様子も確認できる。

M-Blockの内部構造

 そして今回、M-Block 2.0へとバージョンが上がり、互いに通信する手段が実装された。これはバーコード読み取りシステムのように、互いの面を読み取ることで実現しており、各々を認識可能とする。この読み取りシステムにより、16個のM-Blockを自律的に一列に並ばせたり、キューブ上に描かれた矢印の方向を読み取って1個のキューブを動かす道を作ったり、キューブが離れてバラバラになっていても集合させて塊に戻したりといったことができる。さらに、光を認識してそれを追わすことも可能。また、より大きな群れを制御可能にすべく取り組んでおり、もっと大きな意味のある構造物も形成可能になるという。

 M-Blockは小型アームを使用するようなモジュラータイプのロボットと異なり、移動のための複雑なメカニズムが必要なく、安価かつ頑丈に作れる点や、100万個まで拡張できるようなスケーラブルでユニークなシステムが大きなメリットという。また、赤外線や無線通信を使用しなくてもすむため、構造が複雑にならず混線の心配もないとしている。

 研究チームは将来的にはM-Blockのシステムを使った災害対応/救助への活用を考えており、たとえば燃えさかるビルでハシゴが消失してしまっていて犠牲者にたどり着けないような状況でも、M-Blockを地面に投げるだけでその代わりを構築して屋根に上ったり、地下に降りて救助するといったことができるのではないかとしている。