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MIT、脳波を利用してリアルタイムでロボットの行動を修正する技術

電線とペイントスプレーを仕分けするロボット。間違いを指摘する脳波が検出されると行動を切り替える。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)は6日(米国時間)、脳波によりロボットの行動を修正する技術を発表した。研究者らは、この技術の発展を通じ、複雑なコマンドや自然言語処理などを不要とした直感的なロボットの操作を期待。ボタン操作などが不要な特性を活かし、自動運転車などへの応用が考えられている。

 研究チームは、電極から取得した脳波データをもとにロボットを制御するシステムを開発。ロボットの作業を見張る人間がミスに気づいた際に生じる特異的な脳波「error-related potentials (ErrPs)」を検出し、ErrPsが検出された場合にロボットが行動を変更するというものだ。

 このシステムには機械学習が応用され、10〜30ms毎に脳波を分類可能で、リアルタイムにロボットの制御を行なうことができる。これにより着用者は特別な訓練をせずとも「ロボットが間違った行動を取っている」と認識した時点で動作の修正が可能となる。

脳波の計測に用いられるセンサーを搭載したキャップ

 これらの仕組みは、従来の脳コンピュータインタフェースに必要とされる「脳波にあらわれる人間の思考を噛み砕いて理解し、実行する」という過程もまた不要となり、直感的やリアルタイム性の高い操作の実現につながるという。

 一方で、ErrPsは非常に瞬間的に生じる脳波であり、検出するための高精度なシステムも必要であるが、研究者らはフィードバック回路の設計にも注意を払った。それにより、1度目のErrPsが見逃され、2度目のErrPsが検出された場合にも、そのこと自体を検出する処理などが開発されている。もっとも、現時点でこの処理は実装されていないものの、2つの物品を分類する実験では90%の精度を実現したという。

 また、ErrPsはロボットの犯すミスの度合いに比例して強くなる傾向があるため、研究者らはより複雑で、2項以上の物を扱うタスクへの応用を期待している。

ロボットが実際に動作している様子