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バッファロー、独自技術で子機経由でも高速通信可能なメッシュネットワーク無線LAN「AirStation connect」

WTR-M2133HP/E2S

 株式会社バッファローは、メッシュネットワークに対応した、家庭用無線LAN製品の新ブランド「AirStation connect」を発表した。

 ブランドの第1弾となる製品は、発売済みの無線LANルーター「WTR-M2133HPシリーズ(税別価格27,700円、バッファロー、置き時計風デザインのハイエンド無線LANルータ)」と、専用中継機「WEM-1266」、WTR-M2133HPとWEM-1266×2構成のスターターキットである「WTR-M2133HP/E2S」の3つ。

 WEM-1266およびWTR-M2133HP/E2Sは、8月3日より順次販売を開始し、税別価格はそれぞれ12,000円、47,800円。

 発売済みのWTR-M2133HPシリーズは、8月2日より提供の「ファームウェア ver.2.80」の適用でメッシュネットワークに対応し、WEM-1266の利用が可能となる。

 特徴としては、メッシュネットワークを構築するさいに、どの経路が高速かつ効率よくデータが送れるか、測定による複数の通信経路パターンをもとに、電波を家の隅々までより速く届けられる最適なバンドを、自動で選択する独自のアルゴリズムを実装しており、この「独自メッシュ機能」によって、中継先でも速度が落ちにくく、離れた部屋の機器でも高画質な動画再生をストレスなく行なえるという。

製品特徴
メッシュネットワーク
独自のアルゴリズム
他社製品との比較

 また、親機であるWTR-M2133HPは、5GHz帯×2と2.4GHz帯というトライバンド通信に対応しているため、バンドステアリングと合わせ、多数の機器をつなげても安定した通信が可能であるとしている。

トライバンド
バンドステアリング

 国内のメッシュネットワーク製品としては唯一、IPv6に対応しているのも特徴で、DS-LiteやMAP-Eといった複数の方式をサポートする。

 WTR-M2133HPの最大通信速度は、11acが866Mbps、11nが400Mbps、11a/gが54Mbps、11bが11Mbps。有線はWANがGigabit Ethernet×1、LANがGigabit Ethernet×3。本体サイズは231×70mm(直径×奥行き)、重量は約970g。本体色はパールホワイトグレージュまたはパールローズグレージュの2色。

 WEM-1266も通信速度は同じで、有線LANにGigabit Ethernet×1を備える。本体サイズは130×43mm(同)、重量は約200g。

IPv6対応
リビングに溶け込むデザイン
親機側面
裏面
子機
裏面

 都内で行われた製品発表会に登壇した株式会社バッファロー マーケティング課長の下村洋平氏は、無線LANルーターにつながっている機器は、10年前ならPCのほかにプリンタやゲーム機程度だったが、現在ではそれらに加えて、家族の人数分のスマートフォン、タブレット、レコーダー、ロボット掃除機、エアコン、スマートスピーカーなどが加わり、接続機器が増加していると説明。さらに、動画配信サービスの普及などで利用環境や用途が拡大していると説明。

株式会社バッファロー マーケティング課長 下村洋平氏
用途拡大

 そういったなか、無線LAN中継機の市場が近年成長傾向にあり、無線エリアの拡大が進んでいるという。しかし、中継機で家中の隅々までカバーする無線エリアを実現するには、通信経路やバンドなど高度な知識が必要で、簡単ではないと指摘した。

 その上で、今回バッファローが投入した製品は、「日本の家族にとっていちばんのWi-Fiを作る」というコンセプトのもと開発されており、簡単に家中をカバーできるネットワークを構築できるとアピールした。

中継器市場が成長
家中をカバーするネットワーク構築は難しい
日本の家族にとっていちばんのWi-Fi
AirStation connect
connectアプリ

 なお、今回の親機はすでに発売済みのモデルだが、2018年秋頃に新たな親機製品を追加する予定であるという。

 製品開発を担当した、同社 開発課長の山田大輔氏は、通常メッシュネットワークが持つ、中継機間の経路の自動構成、障害発生時の自己修復、親機/子機への設定を自動反映といった機能に加えて、メッシュネットワークの性能を追求している点が同社の独自機能であると説明。

 一般的なメッシュは電波強度から接続経路を選択するが、このときにアップ/ダウンストリームを同じバンドで転送してしまうと、大きく速度が低下してしまうが、通常は考慮されていない。

 バッファローのconnectでは、経路とバンド(チャンネル)、アンテナ本数、電波混雑状況などからスループットを推定するアルゴリズムを開発することで、最適な経路を選択できるため、ネットワーク性能を最大限引き出せるという。これにより、親機-子機-子機というような複数の子機をまたいだ通信でも、高いスループットを発揮できるとした。

 また、親機のアンテナは「指向性ハイパワーアンテナ」となっており、メッシュに適したアンテナを専用で設計。5GHz帯のW56専用アンテナとすることで、高ゲイン/高出力を実現しているという。

同社 開発課長 山田大輔氏
独自要素
メッシュネットワークのチューニング
指向性ハイパワーアンテナ
中継機経由のスループットデモ
初期設定から管理までconnectアプリで行なう
画面表示
機器ごとにユーザーがバンドを固定することも可能
キッズタイマー機能
中継機追加時は電波強度を表示して設置をアシストする