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新旧“男のロマン”が激突

~パナの全自動調理器とColemanの手作り燻製機どちらを選ぶ?

 “男のこだわり”、“男のロマン”と聞いて、あなたなら先進的・効率的な最新アイテムと手間暇かけてじっくり向き合う伝統的なアイテム、どちらを思い浮かべるだろうか。1月27日発売のDOS/V POWER REPORT 3月号では「特集 最新か、クラシックか。 男の趣味と生活を変えるモノ」と題し、料理、コーヒー、オーディオDIY、日曜大工などの7つのジャンルにおいて、こだわりのアイテムを紹介する。

 各ジャンルでは先進的なアイテムと伝統的なアイテムをセレクトし、新旧それぞれの手法で異なる味わいを楽しむ。ここではその中から、肉を調理する魅力を味わえる2つの道具を紹介。パナソニックが誇る自動調理値「ローティサリーグリル」によるローストビーフ作りと、アウトドアの定番ブランドColemanの「スモーカー」による燻製作りを紹介しよう。

肉その1:肉厚ジューシーがオレにもできる かたまり肉を自動調理する未来ロマン

 肉汁あふれる“かたまり肉”の調理は男だったら一度は憧れるもの。とはいえ、おいしく作るには温度や焼き時間の調整など、それなりの調理テクニックは必要だ。しかし、最新の調理家電を使えば、そんな心配はまったく無用。SFマンガのようにオートでバッチリおいしくできる。家族も自分もうれしい“かたまり肉”を作る方法を紹介しよう。

TEXT:芹澤正芳

炙りも燻製も焼くのもOK
パナソニック「ロティサリーグリル&スモーク NB-RDX100」
実売価格:49,000円前後●消費電力:1,350W●庫内(W×D×H):270×290×112mm●サイズ(W×D×H):405×416×280mm●重量:8.6kg
炙(あぶる)
ローストビーフや焼き豚、ロティサリーポークなどかたまり肉の料理を簡単に作れる。グリルが回転し、温度調整機能もあるので、オートで均一に焼いてくれるのが最大の魅力だ
燻(いぶす)
集合住宅ではにおいや煙が気になって作るのが難しい燻製だが、NB-RDX100では減煙・減臭機構があるので台所でも安心して作れる。酒のつまみのレパートリーが増えるのが楽しい
焼(やく)
オーブンとトースター機能もあるので、ピザや食パンを焼いたり、お菓子作りに挑戦したりと幅広い楽しみ方ができる

 ローストビーフや焼き豚に代表される“かたまり肉”(ブロック肉)を使った料理。パーティや、ちょっと贅沢な気分を味わいたいときには最高の存在だが、自分で作るのは、めんどう、失敗したくないと躊躇している人も多いはず。パナソニックの「ロティサリーグリル&スモーク NB-RDX100」は、そんな不安を吹き飛ばす最新の調理家電だ。食材を回転させながら炙り焼きできる「360°回転ロティサリーグリル」を備え、肉や野菜全体を均一に焼けるのが最大の特徴。さらに、燻製、オーブン、トースター機能も備え、1台4役をこなせる。ただ、本体が幅40.5cm、奥行き41.6cm、高さ28cmとやや大きめで置き場所を考える必要があることと、焼き魚には対応していない点は注意したい。

 多くの食材をオートで調理できるので、ローストビーフを作るにしても火加減の心配は不要。焼き豚もタレにしっかり4時間ほど漬け込んでから炙れば、実にジューシーに仕上がる。思い切り分厚く切ってかぶりつくのは自分で作ったからこその贅沢と言えよう。燻製もスモークチップとアルミホイルさえ準備すれば簡単に作れる。下ごしらえがいらないチーズやゆで卵なら、ほんの20分ほどで燻製のできあがりだ。酒のつまみを充実させたい人にとって、これはたまらないはず。減煙・減臭機構を備えているので、台所でも安心して使えるのもうれしい。実際に筆者は燻製をいくつか作ったが、においはほんの少しで気にならないレベル。服に付くことはなかった。トーストも一度に4枚まで焼けるので、家族の朝食作りにも便利だ。

フツーの肉で激ウマローストビーフを作る

食材リスト
牛もも肉:約500g 塩こしょう:少々 すりおろしニンニク:小さじ1/3
使用道具
ローストビーフを作るだけなら、必要な道具はNB-RDX100のみ。塩こしょうは、ごく一般的な味塩こしょうを使用、すりおろしニンニクもチューブに入ったもので十分おいしく仕上がる

 ここからはNB-RDX100を使ってローストビーフを作る。基本的には牛のブロック肉に下味を付けて調理をスタートさせるだけと手順はシンプルだ。ポイントになるのは焼き加減。肉の厚みに合わせて、「弱」、「中」、「強」と用意されているので、定規などであらかじめ厚さをおおまかに確認しておきたい。これさえ間違えなければ、外側はこんがりと焼き上がり、内側には赤みが残るおいしいローストビーフができあがる。撮影時には、カメラマンをはじめ、編集者やデザイナーなども立ち会ったが、いずれも「うまい」と太鼓判。本体の窓からは焼き上がっていく様子が見えるので、パーティのときに調理すれば盛り上がること請け合いだ。

肉をセットしてスイッチを入れるだけ!

肉に下味を付ける
まず、赤身肉に用意した塩こしょうとすりおろしニンニクをもみ込んで15分ほど置いてなじませる。なお、肉は下味を付ける前に常温で1時間ほど置いておくとよりおいしく仕上がる
肉をかごにセットする
付属のロティかごに肉を入れて、ふたを閉じ、フックを止める。ふたは肉の厚みが4.5cm以上なら膨らみを上に、4.5cm未満なら膨らみを下にしてセット。肉の厚み6.5cmまで対応できる
受け皿にセットして本体へ
ロティかごのフック側にある棒を、ロティかご受けの穴に入れ、歯車側を凹に載せる。それを、受け皿にセット。そして本体に受け皿を入れて扉を閉じる
本体の設定を行なう
「ロティ」ボタンを押して「ローストビーフ」を選び、「仕上がり」ボタンで焼き加減を設定。肉の厚みが4~4.5cmなら「弱」と厚みに合わせて決める。4cm以下や6cm以上は手動で焼き加減を設定する
焼き上がりを待つ
スタートボタンを押すと均一に焼き上がるようにロティかごがゆっくりと回る。ローストビーフで火加減が「弱」の場合は37分程度で完成。取り出すときは熱いので厚手のミトンを必ず使おう
上手に焼けました!

肉その2:スモークウッドでじっくりいぶす 煙と香りを楽しむ燻製作り

 肉や魚をはじめ、ゆで卵やチーズなどをいぶして独特の風味を楽しむ燻製。実はこれ、燻製機とスモークウッドを使うと簡単に作れる。アウトドアで酒を飲みながら、じっくりとつまみの完成を待つのは、贅沢な時間の使い方というものだ。ここでは、その燻製作りについて紹介していきたい。

TEXT:芹澤正芳

野外で酒のつまみを作る醍醐味
Coleman「ステンレススモーカーⅡ」
実売価格:7,000円前後●サイズ(W×D×H):250×265×400mm●重量:約2.1kg
手軽につまみを
めんどうに思える燻製だが、溶けにくいプロセスチーズなら、下味を付ける必要もなく、燻製機に入れるだけで簡単にできあがる。ナッツやゆで卵も下味不要だ
本格的な肉の燻製も
肉を燻製にする場合は、まずソミュール液と呼ばれる塩水に数時間から数日漬け、さらに数時間から数日乾燥させたりと手間がかかるが、それが楽しかったりする
煙が気分を盛り上げる
燻製を作ると、燻製機から煙がもくもく、独特の香りも広がっていく。それも楽しめるのがアウトドアでの燻製作りというもの。宴会も盛り上がる

 燻製は、食材を煙でいぶすため、実際に作ろうとすると食材の準備や道具の用意がめんどうと思うかもしれない。しかし、チーズやゆで卵、ナッツといった食材ならば、下味を付ける必要がなく、道具にしてもスモークチップと中華鍋、アミさえあれば、家庭のガスコンロでも十分作れてしまう(煙を換気扇でしっかり逃がす必要はあるが)。とはいえ、燻製を作るならやっぱりアウトドア。バーベキュー場やキャンプ場など、まわりに迷惑をかけない場所で、立ち上る煙とその香りを楽しみながら酒のつまみを作るのは気持ちがよい。家族や友達と楽しく語らいながら完成を待つのは最高の贅沢ではないだろうか。

 燻製は食材に煙を当てられればよいので、ダンボールでも作れるが、Colemanの「ステンレススモーカーⅡ」のような専用機が便利。一度に多くの食材を乗せたり、吊るしたりでき、温度計が付いたタイプならば、中の状況も把握しやすい。そして初心者ならば、スモークウッドを使うのがオススメだ。スモークウッドに火を付ければ、煙が出るだけではなく、それ自体が熱源となるため、ガスコンロなどを別に用意しなくてよいので準備の手間がかからない。それほど温度が高くならないので、燻製の完成までは1~3時間程度かかるが、アウトドアなら、完成をじっくり待つのも楽しさというもの。

 燻製作りに慣れてきたら、塩漬けにしたり、乾燥させたり、下ごしらえに何日も必要な食材に挑戦してみるのもおもしろい。さらに、ウッドやチップの種類によっても味や香りが変わったりと実に奥深い世界なのだ。

アウトドアで燻製を作る

食材リスト
サーモンの切り身:2切れ プロセスチーズ:6切れ ソーセージ:8本
使用道具一覧
燻製機:Coleman ステンレススモーカーⅡ/スモークウッド:Coleman スモークウッド オリジナルブレンド/ガストーチ:RMITO カセットボンベ用 トーチバーナー/カセットボンベ:イワタニ カセットガス
複数の食材を一気にスモーク
食材を入れる
ステンレススモーカーⅡは網が2段に分けられており、多くの食材を一度に置ける。ここではサーモンの切り身を下段、そのほかを上段に置いた
スモークウッドを燃やす
ガストーチを着けて、スモークウッドを燃やす。スモークウッドの火は消えやすいので片面全体をしっかり燃やしておく。ライターでは着火しにくいのでお勧めしない
スモークウッドを入れる
チップ皿に置き、炎が消えても煙が出ていることを確認したら、ステンレススモーカーⅡの下段にある扉を開けて、チップ皿を入れる
煙を確認する
上部のフタを閉じる。そして、上部の回転する部分を回し、穴が見えるようにして、そこから煙が出るのを確認する
温度に注意する
スモークウッドではゆっくりと庫内の温度が上がる。数十分しても温度が上がらない場合は、ちゃんと煙が出続けているか確認しよう。あとは2時間ほど待てば完成だ
できた! 酒が進む!!

燻製するなら知っておきたいコト

 燻製作りを見て、興味を持ったなら知っておきたい基本知識を紹介しておこう。燻製の種類としては、完成までの時間が短い順に「熱燻」、「温燻」、「冷燻」の3種類がある。失敗しにくさもこの順番と思ってよい。

 また、食材によっても手間や難易度が大きく変わる。最初はチーズやナッツなど下ごしらえが不要な食材からスタートするとよいだろう。肉や魚は基本的にソミュール液(塩水)に数時間から1日程度漬けて味付けと保存性を高めた上で、さらに数時間から1日程度、冷蔵庫や温度の低い冬なら外で乾燥させる必要がある。

 また、スモークチップやウッドにも種類がある。食材によってマッチするものが異なるので、下の表で確認してほしい。Colemanなどは、どの食材にも合いやすいオリジナルブレンドのチップやウッドを用意している。

スモークチップの特徴
オールラウンドヒッコリー、クルミ、ナラ
肉向けサクラ、ヒノキ、ブナ
魚向けブナ、オーク、リンゴ

・熱燻:コンロ+スモークチップ+燻製機

 燻製機とスモークチップに加え、コンロなどの熱源が別途必要と道具を揃える手間はあるが、80℃以上の高温でいぶすため、15分程度で完成でき、生ものでもしっかり火が通るため失敗しにくいメリットがある。煙が出やすいので、場所には気を付ける必要がある。

・温燻:スモークウッド+燻製機

 今回の手順で採用した方法。スモークウッドが煙と熱源の両方を担当するため、これを燻製機に入れるだけと簡単に準備できるのが温燻のポイント。温度は30~80℃程度なので、完成には1~3時間程度かかるがしっとりと上品に仕上がる。

・冷燻:スモークウッド+燻製機×2台

 20℃程度で長時間スモークする。このため冬にしかできない方法と言える。水分がしっかり抜けるので食材の長期保存が可能だ。燻製機を2台使い、一つでスモークウッドを燃やし、その煙だけをホースなどでもう1台の燻製機に送り込むなど、温度を管理するのが難しい。

食材ごとの難易度

初級:ナッツ、チーズ、ソーセージ、ナンコツ など

 ナッツならば、そのまま燻製に、チーズやソーセージ、ナンコツなら水分を拭き取って30分程度の乾燥でOKと簡単だ。あとは熱燻や温燻で燻製に仕上げよう。

中級:シシャモ、ホタテ、たらこ、干物 など

 ここで挙げた魚介類ならばキッチンペーパーに1時間ほど置いて乾燥させれば準備が完了と比較的手軽だ。ただ、これらの食材はしっかり火を通す意味で熱燻がオススメ。

上級:豚ロース、サーモン、鶏ささみ など

 ロースハムやスモークサーモンを作る場合は、ソミュール液に1日から数日漬けて、塩抜き、乾燥という工程が必要で手間がかかる。じっくり仕上げるという点で、温燻がオススメだ。

DOS/V POWER REPORT2018年3月号「特集 最新か、クラシックか。 男の趣味と生活を変えるモノ」では、以下のジャンル80ページにわたって取り上げています。

・“1杯のコーヒー”を楽しむ全自動コーヒーメーカー&ハンドドリップ

・火と煙で味を作る“ロースト&スモーク”ロティサリーグリル & スモーカー

・安価で刺激的な“オーディオDIY” ラズパイオーディオ & 真空管アンプキット

・個性的な写りを楽しむ。一眼カメラでハマる“レンズ沼” 他社マウントAFレンズ & オールドレンズ

・ブロック感覚で楽しむイマドキの“日曜大工” 2×4パーツ & スチールパイプ

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