やじうまミニレビュー
ポータブルでも2,000MB/s超え。LexarのポータブルゲーミングSSDを試す
2022年1月19日 06:16
Lexarの「SL660 BLAZE Gaming Portable SSD」(以下SL660)は、RGB LEDライティングを採用した小型のポータブルSSDだ。磁気研究所が代理店となっており、ヤマダ電機の実店舗で限定販売されている。今回サンプルを入手したので、簡単にレビューする。
昨今RGB LEDがついていれば何かと“ゲーミング”として謳われがちなのだが、本製品もご多分に漏れずRGB LEDライティングをハンドルのような部分に採用している。もっとも、このRGB LEDライティングは事実上アクセスランプとなっていて、SL660に対してアクセスがあった時だけ発光する仕組みとなっており、かなり控えめだ。
ユーザーによるRGB LEDのカスタマイズはできず、いわゆる「レインボー」エフェクトが常時適用されており、アドレサブルRGB LEDによって、刻一刻と色が変化していく。カラーテーマを統一したいというニーズには応えられないが、常になんらかのRGBライティングが光っていればいいというのであれば問題はないだろう。ちなみにデスクトップPCでは常時点灯していたが、ノートPCでは電源節約のためか一定時間で自動的にオフになった。
同様のコンセプトを採用している製品として、Seagateの「FireCuda Gaming SSD」が挙げられる。こちらのRGB LEDは専用ツール「Seagate Toolkit」上からカスタマイズできる。ただ、こちらのRGB LEDはアドレサブルではなく、同時発光できるのは1色だけとなっている。その点、瞬間的に見れば、SL660の方が鮮やかに目に映る。
順番が前後したが、パッケージや外観についてもチェックしていこう。製品パッケージは小型で、本体以外にポーチ、USB Type-Cケーブル、USB Type-C→Standard Aケーブル、スタンドが添付し、なかなか豪華だ。なお、容量は1TBの1ラインナップとなっている。
本体は、製品写真などで見ると2.5インチポータブルHDDぐらいある印象なのだが、実際は57.4×112.6×10.6mm(幅×奥行き×高さ)と、手の第二関節で握れるぐらいにコンパクト。角に丸みを帯びた五角形のデザインで、なかなかスタイリッシュ。立てておくことができるスタンドもユニークで、ガジェットとしての存在感はかなり強いと言えるだろう。
性能的に、USB 3.2 Gen2x2で接続すれば、公称でリード2,000MB/s、ライト1,900MB/sが謳われている。実際にRyzen Threadripper PRO 3975WX、メモリ64GB、Supermicro M12SWA-TFマザーボード、GeForce RTX 3090、Windows 11 Proを搭載した環境で、M12SWA-TF背面のUSB 3.2 Gen2x2ポートに接続したところ(コントローラはASM3242)、CrystalDiskMark 8.0.4でシーケンシャルリードリード2,088.6MB/s、同ライト1,890.11MB/sという極めて優れた性能を示した。この速度であれば、内蔵SSDとほぼ遜色のない性能でゲームデータの読み出しが行なえるだろう。
とは言え、USB 3.2 Gen2x2を搭載したシステムはいまのところかなり限定的で、ノートPCではThunderbolt 4ポートの方がメジャーだろう。そこで、Thunderbolt 4を備えた「ThundeRobot Zero」、「GPD Pocket 3」、「GPD WIN 3」に接続してみたが、いずれもリード1,000MB/s前後で頭打ちとなった。Thunderbolt 4がUSB 3.2 Gen2x2をサポートしていないから当たり前と言えば当たり前だ。
もっとも、今のところ、ゲームにおいてシーケンシャルリード速度がロード時間に影響するのは限定的であることを考えれば、これもやはり内蔵SSDとさほど違和感なく使えるレベルにあると言える。これなら、SteamなどのゲームライブラリをSL660に指定して使うこともでき、拡張性が限られているゲーミングノートなどで、1本でも多くのゲームをインストールしたいニーズにも応えられる。昨今、ゲームの容量が肥大化していく中、熱心なゲーマーなら512GBや1TBのSSDではすぐにいっぱいになるはず。手軽に容量を拡張できるSSDとしておすすめしておきたい。