やじうまミニレビュー

プリンストンの外付けゲーミングSSD「PHD-GS480GU」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
PHD-GS480GU

 株式会社プリンストンは、ゲーミングブランド「ULTRA PLUS」シリーズより、USB 3.1 Gen2(10Gbps)接続のSSD「PHD-GSU」シリーズを発売した。価格はオープンプライスで、実売価格は480GBモデルが2万円前後、960GBモデルが36,000円前後だ。今回サンプルをお借りできたので、簡単に試用レポートしていきたい。

 ULTRA PLUSシリーズは、プリンストンが2018年末に立ち上げたゲーミングブランド。いま、PCゲーミング関連製品は盛り上がっているものの、日本国内のPC周辺機器メーカーがゲーミングブランドを立ち上げるのはやや珍しい。第1弾製品は液晶ディスプレイであったものの、第2弾製品は外付けSSDとなった。

 ULTRA PLUSシリーズは「ゲーミング」と謳っているものの、いまゲーミング関連製品のあいだで流行りのRGB LEDイルミネーション機能は一切なく、ゲーミングに求められるスペックや機能を満たしつつ、質素な外観を持つのが特徴。ゲーマーはLEDイルミネーションを求めているわけではなく、製品の性能や機能を求めるはずで、そういう意味ではULTRA PLUSのデザインは理にかなっている。

 PHD-GSUシリーズもその流れを汲んでおり、飾りとなる要素はない。LEDはUSBポート付近にアクセスLEDを備えているだけだ。強いて言えば筐体に印刷された蛍光グリーンのULTRA PLUSのロゴが目立つぐらいだが、ゲームプレイ中に気になることはまずないだろう。

製品パッケージ
内容物は本体、USBケーブル2本と説明書のみ
本体サイズは103×32×10.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約45gと小型軽量だ。USB Type-Cポートの近くにアクセスLEDを装備する
表面にULTRA PLUSのロゴ
背面は容量表記
側面に溝があり、筐体がヒートシンクの役割を兼ねていることがわかる

 本製品はPlayStation 4/4 Proとの互換性を謳っており、PS4のUSBポートにつなげて、ゲームを本製品にインストールすることで、ゲームのロード時間が短縮できるとしている。このためゲーミングブランドがついているわけだ。

 もちろん、そうしたPS4の環境改善に有効ではあるが、PS4のUSBポートはUSB 3.0(5Gbps)止まりである。本製品はNVM Express対応SSDを内蔵しており、USB 3.1 Gen2(10Gbps)に対応しているため、対応PCに接続すれば本領を発揮する。

 近年USB 3.1 Gen2搭載マザーボードが増えたとはいえ、CPU性能の停滞で、ビデオカード(GPU)だけ買い替えて、CPUとマザーボードは据え置き、というユーザーも少なからずいることだろう。

 だが、最新のGeForce RTXシリーズは、USB 3.1 Gen2のコントローラを内蔵しており、USB Type-Cポートを備えたビデオカードに本製品をつなげて利用することもできる。GeForce RTXのType-Cは本来VRヘッドセット向けだが、現時点では対応製品がない。そのポートの活用法の1つとして本製品があることは、覚えておいて損はないだろう。

 公称でリード1,000MB/s、ライト900MB/sが謳われているが、本製品をGeForce RTX 2080につなげてみたところ、ATTO Disk Benchmarkでリード最大959.25MB/s、ライト最大869.64MB/sを記録した。CrystalDiskMarkの結果は770MB/s台下がるが、外付けSSDとしては優秀な部類に入るだろう。

 一方、Supermicro製マザーボード「X11SRA-F」に実装されているASMediaの「ASM3142」に接続したところ、ATTO Disk BenchmarkとCrystalDiskMarkがともに最大700MB/s台に落ちた。その一方で、ATTOでは4KB~32KBサイズでGeForceより圧倒的に優れた成績を残しており、CrystalDiskMarkでもやや高速だった。ランダムアクセスに関してはASM3142のほうに一日の長があるだろう。

【表】テスト環境
CPUXeon W-2175W
メモリセンチュリーマイクロ Registered ECC DDR4-2400 4GB×4 VLP
マザーボードSupermicro X11SRA-F
システムドライブPlextor M5P 512GB
ビデオカードColorful GeForce RTX 2080 Advanced OC
OSWindows 10 Pro(1809)
GeForce RTX 2080接続の場合
CrystalDiskMark(1GiB)
CrystalDiskMark(16GiB)
ATTO Disk Benchmark(キュー深度4)
ATTO Disk Benchmark(キュー深度32)
ASM3142接続の場合
CrystalDiskMark(1GiB)
CrystalDiskMark(16GiB)
ATTO Disk Benchmark(キュー深度4)
ATTO Disk Benchmark(キュー深度32)

 マザーボードが古いためM.2スロットがない、PCI Expressスロットが限られている、交換/拡張が難しいゲーミングノートPCといった環境で、できるだけ高速なストレージを手軽に増設して容量を拡張したい場合、選択肢の1つに入れておきたい製品だ。