やじうまミニレビュー
プリンストンの外付けゲーミングSSD「PHD-GS480GU」
2019年6月12日 06:00
株式会社プリンストンは、ゲーミングブランド「ULTRA PLUS」シリーズより、USB 3.1 Gen2(10Gbps)接続のSSD「PHD-GSU」シリーズを発売した。価格はオープンプライスで、実売価格は480GBモデルが2万円前後、960GBモデルが36,000円前後だ。今回サンプルをお借りできたので、簡単に試用レポートしていきたい。
ULTRA PLUSシリーズは、プリンストンが2018年末に立ち上げたゲーミングブランド。いま、PCゲーミング関連製品は盛り上がっているものの、日本国内のPC周辺機器メーカーがゲーミングブランドを立ち上げるのはやや珍しい。第1弾製品は液晶ディスプレイであったものの、第2弾製品は外付けSSDとなった。
ULTRA PLUSシリーズは「ゲーミング」と謳っているものの、いまゲーミング関連製品のあいだで流行りのRGB LEDイルミネーション機能は一切なく、ゲーミングに求められるスペックや機能を満たしつつ、質素な外観を持つのが特徴。ゲーマーはLEDイルミネーションを求めているわけではなく、製品の性能や機能を求めるはずで、そういう意味ではULTRA PLUSのデザインは理にかなっている。
PHD-GSUシリーズもその流れを汲んでおり、飾りとなる要素はない。LEDはUSBポート付近にアクセスLEDを備えているだけだ。強いて言えば筐体に印刷された蛍光グリーンのULTRA PLUSのロゴが目立つぐらいだが、ゲームプレイ中に気になることはまずないだろう。
本製品はPlayStation 4/4 Proとの互換性を謳っており、PS4のUSBポートにつなげて、ゲームを本製品にインストールすることで、ゲームのロード時間が短縮できるとしている。このためゲーミングブランドがついているわけだ。
もちろん、そうしたPS4の環境改善に有効ではあるが、PS4のUSBポートはUSB 3.0(5Gbps)止まりである。本製品はNVM Express対応SSDを内蔵しており、USB 3.1 Gen2(10Gbps)に対応しているため、対応PCに接続すれば本領を発揮する。
近年USB 3.1 Gen2搭載マザーボードが増えたとはいえ、CPU性能の停滞で、ビデオカード(GPU)だけ買い替えて、CPUとマザーボードは据え置き、というユーザーも少なからずいることだろう。
だが、最新のGeForce RTXシリーズは、USB 3.1 Gen2のコントローラを内蔵しており、USB Type-Cポートを備えたビデオカードに本製品をつなげて利用することもできる。GeForce RTXのType-Cは本来VRヘッドセット向けだが、現時点では対応製品がない。そのポートの活用法の1つとして本製品があることは、覚えておいて損はないだろう。
公称でリード1,000MB/s、ライト900MB/sが謳われているが、本製品をGeForce RTX 2080につなげてみたところ、ATTO Disk Benchmarkでリード最大959.25MB/s、ライト最大869.64MB/sを記録した。CrystalDiskMarkの結果は770MB/s台下がるが、外付けSSDとしては優秀な部類に入るだろう。
一方、Supermicro製マザーボード「X11SRA-F」に実装されているASMediaの「ASM3142」に接続したところ、ATTO Disk BenchmarkとCrystalDiskMarkがともに最大700MB/s台に落ちた。その一方で、ATTOでは4KB~32KBサイズでGeForceより圧倒的に優れた成績を残しており、CrystalDiskMarkでもやや高速だった。ランダムアクセスに関してはASM3142のほうに一日の長があるだろう。
【表】テスト環境 | |
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CPU | Xeon W-2175W |
メモリ | センチュリーマイクロ Registered ECC DDR4-2400 4GB×4 VLP |
マザーボード | Supermicro X11SRA-F |
システムドライブ | Plextor M5P 512GB |
ビデオカード | Colorful GeForce RTX 2080 Advanced OC |
OS | Windows 10 Pro(1809) |
マザーボードが古いためM.2スロットがない、PCI Expressスロットが限られている、交換/拡張が難しいゲーミングノートPCといった環境で、できるだけ高速なストレージを手軽に増設して容量を拡張したい場合、選択肢の1つに入れておきたい製品だ。