やじうまミニレビュー

USB 3.2 Gen2x2対応で最大2GB/sのSeagate製“ゲーミングSSD”を試す

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
FireCuda Gaming SSD

 Seagateは、USB 3.2 Gen2x2に対応した外付けの“ゲーミングSSD”「FireCuda Gaming SSD」を6月1日に発売する。価格は、容量500GBモデルが22,800円、1TBモデルが34,800円、2TBモデルが59,800円となっている。今回発売に先立って製品の1TBモデルをお借りできたので、簡単なレビューをお届けする。

 本製品はNVMeタイプのSSDを内蔵し、USB 3.2 Gen2x2をサポートした外付けのSSDだ。これだけだと単なる高速なSSDと代わり映えしないのだが、“ゲーミング”向けの要素としてRGB LEDイルミネーションを備えるのが特徴となっている。

 このRGB LEDは専用のツール「Seagate Toolkit」上からカスタマイズできる。Toolkit自体はSSDに内蔵されておらず、収録されている「Start_Here」アプリで同社のWebサイトにアクセスし、ユーザーの名前とメールアドレスを登録することでダウンロードできる。

 このToolkit、以前にレビューした「One Touch SSD」と同様に、フォルダの同期(バックアップ)が行なえる「Sync Plus」が使えるほか、FireCuda Gaming SSD専用のイルミネーションの設定およびパフォーマンスモードが設定できるようになっている。

 RGB LEDイルミネーションはプリセットで4つ(連続、点滅、ブリーズ、スペクトラム)、カスタムで3つ用意されている。発色や色の変化の速度などをカスタマイズできる。設定はリアルタイムに反応するため、直感的に操作可能だ。

Toolkit起動画面
FireCuda Gaming SSDを選択すると詳細な設定が可能
イルミネーションなどがカスタマイズできる
プリセットは4つで、カスタム設定は3つまで保存可能
同期ツールのSync Plusも利用可能
Sync Plusではフォルダを選んでバックアップを行なう

 このRGB LEDは本体右上部に設けられたスリッドに内蔵されており、発光する。スリッドの右側は直角、左側は斜めにカットされているので、左側から見れば直接光、上部と左側から見れば間接光となる。LEDの光り方は均一性がありなかなか上品だ。

 筐体はネジが一切見えず、見える部分は一体成型である。おそらくネジなどは底面のシールに隠れているか、嵌め込みなのだろう。エッジはとがっており、ソリッドな印象。100gという重量もあわせて、高級感が感じられる。たかがSSDなのだが、ここまで所有欲を満たされる外付けストレージははじめてだ。

 筐体がここまで重いのは、おそらくNVMe SSDの熱を逃がすヒートシンクの役目を兼ねているためなのであろう。CrystalDiskMarkで32GiBのテストを実施している最中の温度は36℃(気温23℃の環境)にとどまり、テスト終了後に表面にわずかな熱が残る程度であった。このあたりは安心できそうだ。

製品パッケージ
付属品など
ソリッドな見た目の筐体
本体底面。ネジは見えず、一体感は高い
インターフェイスはUSB 3.2 Gen2x2のType-C。なお20Gbps転送のためにはType-Cが必須だ
アイドル時の温度は32℃ほどで安定している
負荷時は36℃まで上がっている。筐体全体がきちんとヒートシンクの役割を果たしている
RGB LEDイルミネーションのスリッドはかなり凝っている。好みの見た目に合わせて設置する角度を変えると良い

 ちなみにToolkit上では「フル パフォーマンス」という設定があるのだが、これはUSB 3.2 Gen2x2(20Gbps)またはUSB 3.1 Gen2(10Gbps)を切り替えるためのもの。同社のFAQによれば、一部環境で20Gbps接続時に突然切断されたり、I/Oエラーになったりする場合があり、こうした症状が現れた場合、フル パフォーマンスをオフにすれば10Gbps転送に制限されるため、問題を回避できるという。USB 3.2 Gen2x2対応製品はまださほど多くないため、相性問題が出やすいのかもしれない。

 今回、Core i9-10900K、メモリ32GB、マザーボードに「SUPERO C9Z490-PGW」、ビデオカードにGeForce RTX 2080、SSDに512GB NVMe SSD、OSにWindows 10 Pro(1909)を搭載した環境でベンチマークを行なってみたが、ほぼ期待どおりの性能が得られた。ランダム4Kアクセスも高速であり、実際のゲームインストール先として使っても、内蔵SSDとさほど変わらない体験が可能だろう。

 とくに本製品のメリットが活かせるゲーミングノートPCにおいては、まだUSB 3.2 Gen2x2に対応した製品が多くない現状なのだが、USB 3.1 Gen2対応SSDとしても高速であり、将来的にUSB 3.2 Gen2x2に乗り換えたさいにも継続活用できる。近年、ゲーム1本で数十GBの容量に達することも珍しくないため、ゲーミングノートの初期内蔵ストレージの容量に不安を感じているのなら、購入の選択肢に入れておくべきだ。

テストブロックサイズ1GBでのCrystalDiskMarkの結果
テストブロックサイズ32GBでのCrystalDiskMarkの結果
ATTO Disk Benchmarkでの結果。編集部の環境では、リードよりライトのほうが高速だった