やじうまミニレビュー
USB 3.2 Gen2x2対応で最大2GB/sのSeagate製“ゲーミングSSD”を試す
2020年5月25日 06:00
Seagateは、USB 3.2 Gen2x2に対応した外付けの“ゲーミングSSD”「FireCuda Gaming SSD」を6月1日に発売する。価格は、容量500GBモデルが22,800円、1TBモデルが34,800円、2TBモデルが59,800円となっている。今回発売に先立って製品の1TBモデルをお借りできたので、簡単なレビューをお届けする。
本製品はNVMeタイプのSSDを内蔵し、USB 3.2 Gen2x2をサポートした外付けのSSDだ。これだけだと単なる高速なSSDと代わり映えしないのだが、“ゲーミング”向けの要素としてRGB LEDイルミネーションを備えるのが特徴となっている。
このRGB LEDは専用のツール「Seagate Toolkit」上からカスタマイズできる。Toolkit自体はSSDに内蔵されておらず、収録されている「Start_Here」アプリで同社のWebサイトにアクセスし、ユーザーの名前とメールアドレスを登録することでダウンロードできる。
このToolkit、以前にレビューした「One Touch SSD」と同様に、フォルダの同期(バックアップ)が行なえる「Sync Plus」が使えるほか、FireCuda Gaming SSD専用のイルミネーションの設定およびパフォーマンスモードが設定できるようになっている。
RGB LEDイルミネーションはプリセットで4つ(連続、点滅、ブリーズ、スペクトラム)、カスタムで3つ用意されている。発色や色の変化の速度などをカスタマイズできる。設定はリアルタイムに反応するため、直感的に操作可能だ。
このRGB LEDは本体右上部に設けられたスリッドに内蔵されており、発光する。スリッドの右側は直角、左側は斜めにカットされているので、左側から見れば直接光、上部と左側から見れば間接光となる。LEDの光り方は均一性がありなかなか上品だ。
筐体はネジが一切見えず、見える部分は一体成型である。おそらくネジなどは底面のシールに隠れているか、嵌め込みなのだろう。エッジはとがっており、ソリッドな印象。100gという重量もあわせて、高級感が感じられる。たかがSSDなのだが、ここまで所有欲を満たされる外付けストレージははじめてだ。
筐体がここまで重いのは、おそらくNVMe SSDの熱を逃がすヒートシンクの役目を兼ねているためなのであろう。CrystalDiskMarkで32GiBのテストを実施している最中の温度は36℃(気温23℃の環境)にとどまり、テスト終了後に表面にわずかな熱が残る程度であった。このあたりは安心できそうだ。
ちなみにToolkit上では「フル パフォーマンス」という設定があるのだが、これはUSB 3.2 Gen2x2(20Gbps)またはUSB 3.1 Gen2(10Gbps)を切り替えるためのもの。同社のFAQによれば、一部環境で20Gbps接続時に突然切断されたり、I/Oエラーになったりする場合があり、こうした症状が現れた場合、フル パフォーマンスをオフにすれば10Gbps転送に制限されるため、問題を回避できるという。USB 3.2 Gen2x2対応製品はまださほど多くないため、相性問題が出やすいのかもしれない。
今回、Core i9-10900K、メモリ32GB、マザーボードに「SUPERO C9Z490-PGW」、ビデオカードにGeForce RTX 2080、SSDに512GB NVMe SSD、OSにWindows 10 Pro(1909)を搭載した環境でベンチマークを行なってみたが、ほぼ期待どおりの性能が得られた。ランダム4Kアクセスも高速であり、実際のゲームインストール先として使っても、内蔵SSDとさほど変わらない体験が可能だろう。
とくに本製品のメリットが活かせるゲーミングノートPCにおいては、まだUSB 3.2 Gen2x2に対応した製品が多くない現状なのだが、USB 3.1 Gen2対応SSDとしても高速であり、将来的にUSB 3.2 Gen2x2に乗り換えたさいにも継続活用できる。近年、ゲーム1本で数十GBの容量に達することも珍しくないため、ゲーミングノートの初期内蔵ストレージの容量に不安を感じているのなら、購入の選択肢に入れておくべきだ。