やじうまミニレビュー

グリーンバックなしでも背景を消せる「XSplit VCam」を試してみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「XSplit VCam」月額3.95ドル、3カ月9.95ドル、12カ月24.95ドル、買い切り39.95ドル

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で多くの方がテレワークを余儀なくされており、オンライン会議の機会が増えている。しかし自分だけの部屋を持っている方は少数派。多くの方々は生活空間のなかでオンライン会議しており、それを見せたくないと考えていることだろう。このようなニーズに応えてくれる背景削除アプリが「XSplit VCam」だ。

クロマキー合成用のグリーンバックは不要

 一般的に、人物と背景を合成させる「クロマキー合成」を行なうさいには、グリーンバックなどを背景に用意する必要がある。しかし「XSplit VCam」はソフトウェア処理で人物を認識して、背景を削除し、任意の画像と合成するのでグリーンバックを用意する必要はない。

 グリーンバックは2,000円以下で購入可能だが、スタンドなども含めると合計で7,000円をオーバーしてしまう。そしてなによりも利用するたびに設置するのは面倒だし、使わないときに部屋の隅に置いておくのも邪魔だ。このような機材が不要な点は、ライトユーザーにとって非常にありがたいポイントだ。

グリーンバック購入の出費も痛いが、最大の難点は場所をとること。そもそも部屋のなかに設置するスペースを確保できないという方も多いはずだ

ウォーターマークが表示されるがお試し利用も可能

 「XSplit VCam」のセットアップは非常に簡単。公式サイトからセットアッププログラムをダウンロードして、インストールするだけ。とくにWebカメラごとに、細かな調整は必要ない。

 ただし、有料プランにアップグレードするまでは「XSplit VCam」のウォーターマークが画面に表示される。ひととおり試して、背景削除の精度と機能性に満足したら、有料プランを購入しよう。月額3.95ドル、3カ月9.95ドル、12カ月24.95ドル、買い切り39.95ドルと複数のプランが用意されている。まずは短めのプランから試してみるといいと思う。

「Vcamをダウンロードする」からセットアッププログラムを入手できる
インストールが終了するとこの画面が表示される。有料プランにアップグレードするまでは「XSplit VCam」のウォーターマークが表示されたままだ
ウォーターマークを取り除くためには、まずアカウントを作成する
作成したアカウントでログインしたら「ウォーターマーク(ロゴ)を取り除く」をクリック
そうするとブラウザが開き、選択できる有料プランが一覧表示される。購入時には、クレジットカード、PayPal、キャリア払い、コンビニ決済、銀行決済、Amazon Pay、ビットコインなど多彩な決済手段を利用可能だ
これで「XSplit VCam」のウォーターマークが除去される
あとは利用するオンライン会議、ビデオ通話アプリの映像ソースをWebカメラから「XSplit VCam」に切り替えれば、準備はすべて完了だ

専用アプリだけにきめ細かな調整機能を搭載

 オンライン会議アプリのなかには「Zoom」のように標準で背景合成機能を備えたアプリも存在する。しかし「XSplit VCam」は背景合成機能を備えていないアプリで利用可能で、また多彩な調整機能が実装されているというメリットがある。

オンライン会議アプリ「Zoom」には「バーチャル背景」という機能が用意されている

 基本機能として用意されているのが「背景のぼかし」機能。デフォルトでは30%が設定されているが、0~100%の間で調整可能だ。また、このぼかし機能は実際の背景だけではなく、設定した背景画像に対しても適用できる。弱めにぼかしを設定すればポートレート撮影のような効果も演出可能だ。

左上からぼかし0%、30%(デフォルト)、60%、100%。部屋の散らかり具合によってぼかしを調整するといいだろう

 「XSplit VCam」には多彩な調整機能が用意されており、「画像の調整」では明るさ、コントラスト、鮮やかさ、鮮明度、ホワイトバランス、逆光補正、ゲイン、ちらつき補正、「カメラ制御」ではズーム、焦点、露出、パン、傾き、低光量補正などが変更可能だ。

 必ずしも画質調整する必要はないが、デフォルトのホワイトバランスでは顔が青く不健康そうに見えてしまう場合などに、色温度を上げて健康な肌色に調整するといい。

 なお「カメラ制御」でズームは機能したが、パン、傾きは動作しなかった。Webカメラ自体にパン、傾き機能が搭載されていなければ利用できないのかもしれない。

「画像の調整」では明るさ、コントラスト、鮮やかさ、鮮明度、ホワイトバランス、逆光補正、ゲイン、ちらつき補正を変更できる
「カメラ制御」ではズーム、焦点、露出、パン、傾き、低光量補正を変更できる。ただし筆者が使っているロジクール「B525 FOLDABLE BUSINESS WEBCAM」では、パン、傾き調整は利用できなかった
肌色が青いといかにも不健康そうだ
肌色が赤いと非常に健康そうに見えるから不思議だ

 なお左上のメニューから「設定を表示する」を選ぶと、「ハードウェアアクセラレーション」、「クォリティコントロール」を選べるが、現在使っているデスクトップPCでは設定を変えても大きな変化は見られなかった。スペックが低めのノートPCを使っていて「XSplit VCam」の負荷が重たいと感じたときに、低負荷設定を試してみてほしい。

筆者の環境では「ハードウェアアクセラレーション」、「クォリティコントロール」で画質に変化は見られなかった。「椅子除去」はご覧のとおり正常に機能している

 人物切り抜きの精度は実用上十分だ。人物の輪郭周囲の背景が少し見えてしまうこともあるが、動画であればほとんど気にならない。ただ、コップのような無機質なものは背景として認識してしまうようだ。オンライン会議でも製品を見せながら説明したいというニーズはあるはず。手に持っているモノを認識するように機能強化が図られることを期待しよう。

いろんな形状、色のものを持ってみたが、どれも透けてしまった。モノを見せたいときには顔や身体の前に持つようにしよう

 ユニークなのがYouTube動画を背景に設定できる機能。著作権に配慮する必要はあるが、環境ビデオのような動画を流しておけば、静止画より臨場感のある背景を実現できるわけだ。

背景には、動画を含むメディアファイル、YouTubeビデオ、Webページ、無料ストックフォトサイトの「Unsplashフォト」を指定できる
ミュージックビデオなどを流せば、好きなアイドルと競演できるが、このような利用方法は個人的または家庭内のWeb会議に留めよう

ビデオ会議を快適に、楽しくしてくれる必須ツール!

 できるだけ外出を自粛しなければならない緊急事態だからこそ、オンライン会議を快適にするだけではなく、ネット越しだとしても同僚、友人、家族、恋人とのコミュニケーションを盛り上げたいところだ。ビデオ会議をより快適に、楽しみたいという方に、「XSplit VCam」はもってこいのツールと言える。

多くのエンターテイメント関連企業が自社コンテンツを利用したWeb会議用の壁紙を提供している。皆が苦境のなかにいるからこそ、各コンテンツホルダーの厚意に感謝しつつ、コミュニケーションを楽しんでいこう

Web会議などで使える「20th Century Studiosの壁紙」

Web会議などで使える「スーパーマリオオデッセイ壁紙」

Web会議などで使える「ソフマップ壁紙(例の壁)」