やじうまミニレビュー

文字入力も快適なRazer Yellowスイッチ搭載キーボード「BlackWidow Chroma V2」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
Razer BlackWidow Chroma V2 Razer JP Yellow Switch

 Razerは、フルサイズのゲーミングキーボード「BlackWidow Chroma V2 Razer JP Yellow Switch」を8月31日より国内発売している。

 税別店頭予想価格23,000円と、ゲーミングキーボードとしても高価格帯に位置する製品だが、今回同社より製品をお借りできたので、レビューしていきたい。

高品質なリストレストが付属

 早速箱を開封してみたが、内容物はシンプルで、キーボード本体と説明書、リストレストに、おまけのキースイッチストラップという構成だった。

内容物
キースイッチストラップ
黄色のテープを外してやれば、押したさいにLEDが光る

 キーボード本体は、左端にマクロキー5つがあるほかは、一般的なフルサイズキーボードと変わらない。右側面にはヘッドフォン出力とUSBポートが配置。裏面には高さ調整用の脚がある。

 ケーブルは筐体から直出しで、キーボード用のUSBプラグ、側面USBポート用のUSBプラグ、ヘッドフォンジャック用のミニプラグと、3つに分岐している。

キーボード本体
右側面にはヘッドフォン出力とUSBポート
裏面
左側面
裏面の足を立てた場合の高さ
ケーブルは側面のUSBポート/ヘッドフォンジャック用と合わせ3本のプラグに分岐している

 筆者自身は、普段テンキーレスキーボードを好んで使っているが、本製品には、バリエーションモデルとしてテンキーやマクロキーを廃した「BlackWidow Tournament Edition Chroma V2 (以下TE版)」も発売されている。

 またTE版は、国外では筐体を黒からクオーツピンクに変更した「Quartz Edition」も発売されている。

BlackWidow Tournament Edition Chroma V2
BlackWidow TE Chroma V2 Quartz Edition

 付属するリストレストはエルゴノミクス設計となっており、質感もよく高品質なもの。本体にはマグネットで吸着する。

付属のリストレスト装着時
側面

 Razer Synapseで各種カスタマイズが行なえる。マクロキーのみならず、CapsLockキーをCtrlや半角/全角キーにするなど、すべてのキーでマッピングを変更できるのは嬉しいポイントだ。なお、別キーの機能だけでなく、マクロやマウスボタンを割り当てることもできる。

 また、製品名にもあるとおり、「Razer Chroma」ライティングに対応しており、各キーがRGB LEDで発光する。カスタマイズも豊富で、ライティングは鮮やかだ。

Razer Synapseのキー設定
ライティング
Chromaの詳細設定
ウェーブ
ファイア
スターライト
キー下に配置されたパネルが光を反射するためキートップの隙間も鮮やかに光る

反応速度重視の独自メカニカルスイッチ「Razer Yellowスイッチ」を搭載

 続いて、使用感に言及する前に、本製品の採用する独自の「Razer Yellowスイッチ」に触れておきたい。

 現在、Razer独自のメカニカルスイッチは、「Razer Greenスイッチ」、「Razer Orangeスイッチ」、「Razer Yellowスイッチ」の3つがある。

 BlackWidow Chroma V2も、本製品のほかに、Razer Greenスイッチ採用モデルとRazer Orangeスイッチ採用モデルが存在する。

 GreenとOrangeスイッチは、タクタイルフィードバックを特長としたスイッチで、Greenはクリック音が鳴るタイプ、Orangeはクリック音を抑えて静音化したスイッチとなる。

 いっぽうYellowスイッチは、リニアな打鍵感を特長としたスイッチで、GreenやOrangeと比較して、キーストロークが4mmから3.5mmへ短くなり、「キーが押された」と反応する位置を指すアクチュエーションポイントも、1.9mmから1.2 mmへと短く調整されている。

 Razerでは、Green/Orangeスイッチは、ハッキリとした入力ポイントの把握を求めるゲーマー向けで、Yellowスイッチは、FPSやMOBAなどの反応速度が重視されるジャンルのゲーマー向けに開発されたものであると説明している。

 仕様や設計思想的にも、Yellowスイッチは、Cherry MX「Speed Silver」スイッチ(通称銀軸)に近いものと言える。

Razer Yellowスイッチ

スイッチ品質は極めて良好

 そんなYellowスイッチを採用する本製品だが、キーピッチは19mmで、配列は日本語、10キーロールオーバーに対応するなど、ゲーミングキーボードとして求められる仕様は一通りクリアしている。

 前述のとおり、製品仕様上は10キーロールオーバー対応となっているが、「Keyboard Ghosting Demonstration」で検証してみたところ、実際には14キーまでの同時押しに対応していた(14個のキーを押した状態で15キー目を押しても認識はされない)。これはGreenスイッチ採用モデルと同様の仕様だ。

 低価格なメカニカルキーボードでは、キートップに触れたときにカチャつくというのがありがちだが、本製品はさすが高価格帯ということもあり、キートップを意図的にカチャつかせてもほぼ無音で、遊びも少ない。

 本稿はすべてこのキーボードで入力しているのだが、普段よりも、同じキーを連続するさいの入力漏れが減っているのが感じられた。これはアクチュエーションポイントが浅く設定されているためだろう。

 アクチュエーションポイントが浅い分、意図せずキーを押してしまい誤入力が発生するという可能性もあるが、筆者が使った限りでは起きなかった。押下圧が30g台のスイッチの場合、指を置いただけでキーが沈んでしまい誤入力が起きる場合もあるが、Yellowスイッチは45gのため、そういったことも起きにくい。

 そのため、とくにキーを底打ちしない「撫で打ち入力派」のユーザーにはピッタリだ。

 ただ、本製品についての難点を挙げるとすれば、マクロキーの存在だ。このマクロキーだが、キーボード左端に配置されているため、「M5キー」と通常左下隅にある「Ctrlキー」を頻繁に押し間違えてしまった。

 キーボードを見てからCtrl+X/C/V操作を行なえば良いのだが、ついつい小指を基準に押してしまうため、誤入力してしまった。同様のケースとして、「半角/全角キー」もM1キーと誤って入力してしまう場合もありそうだ。

 しかし、これについては、Razerのみならず、あらゆるメーカーのゲーミングキーボードで、「マクロキー=左端」という配置(ほかにスペースがないのかもしれないが)のため、慣れの問題と言えるかもしれない。

 加えて、前述のとおり、テンキーやマクロキーを廃した「BlackWidow Tournament Edition Chroma V2」も用意されているため、気になる場合にはそちらを選べば無縁の問題だ。

 結論としては、ゲーミング用途はもちろん、滑らかな文字入力を求めるユーザーにもオススメの製品と言えるだろう。