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いざという時に安心!Macを外部起動できるブータブルメディアを作ろう
2025年1月21日 06:00
OSのアップデート時はもちろんですが、Macを使っていると突然トラブルに見舞われて起動できなくなることがあり得ます。そうしたときに備えて用意しておきたいのが「ブータブルメディア」です。Macを外付け起動できるUSBメモリなどを用意しておけば、いざというときにシステムの復旧やデータリカバリーを行なえます。ここではMacのブータブルメディアを作成する2つの方法を紹介します。
ブータブルメディアを作成しておくメリット
Appleシリコン搭載Macでは、システムに不具合が生じた場合、起動オプション画面から「macOS復旧」を選択することで「ディスクユーティリティ」によるボリューム修復やシステムの再インストールが行なえます。
また、より深刻なトラブルによってMacが正常に起動しない場合は、もう1台のMacを用意し、「Apple Configurator 2」を使用してDFU(Device Firmware Update)モードで復旧作業が可能です。
しかし、この作業は多くの人にとってハードルが高く、保存されているデータが消失する可能性もあり得ます。万全を期すなら、Appleのサポートに修理を依頼するほうが無難でしょう。
とはいえ、Appleに依頼するのは時間もコストもかかるため、何とか自分の力で対処したいと考える人も多いはず。そこでおすすめなのが、Macを外部から起動できる「ブータブルメディア」です。
あらかじめmacOSのインストーラを保存した外付けのUSBメモリやHDD、SSDなどを作成しておけば、トラブルが生じたときにMacを外部から起動して復旧作業が行なえます。
いつ起こるか分からないトラブルへの備えがあれば、いつでもどこでもMacをメンテナンスできるので安心してMacを使い続けることができるでしょう。
Macのブータブルメディアを作成する方法は2つあります。1つはMacに標準搭載されている「ターミナル」アプリを利用する方法。もう1つは、サードパーティ製ソフトを利用する方法です。
前者はコマンド入力が必要なため、操作に不安に感じる場合はGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)で作業可能なサードパーティ製ソフトを利用するようにしましょう。
ターミナルでブータブルメディアを作成する
ターミナルを使ってMacのブータブルメディアを作成するには、まず外部メディアを用意します。
HDDやSSDでも構いませんが、トラブルが頻繁に発生するのは稀ですから、安価なUSBメモリ(容量32GB以上)のほうが手軽に利用できるでしょう。
また、これらの外部メディアをMacのブータブルメディアとして利用するには、特定のファイルシステムでフォーマットしておく必要があります。
下記を参照して、事前にディスクユーティリティを用いて初期化しておきましょう。
外部メディアを用意したら、次に最新の「macOS Sequoia」のフルインストーラを「App Store」からダウンロードします。
インストーラの容量は14GB以上ありますので、Mac内蔵ストレージの空き容量も十分に確保しておいてください。
これらの準備が整ったら、いよいよターミナルの出番です。
ターミナルを起動したら、以下のコマンドを入力します(「ボリューム名」の部分はディスクユーティリティでフォーマットした際のボリューム名に置き換える)。
sudo /Applications/Install macOS Sequoia.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/ボリューム名
そして管理者パスワードや続行するためのプロンプトを入力すれば、外部メディアのボリュームの内容が消去されて、macOS Sequoiaのインストーラのコピーが開始されます。
ターミナルの画面に文字で進捗状況が表示され、「Install media now available」のようなメッセージが表示されれば作業は完了です。
サードパーティ製ソフトでブータブルメディアを作成する
サードパーティ製ソフトを利用してMacのブータブルメディアを作成するには、以前は「DiskMaker X」というソフトが定番でした。
しかし、現在は同ソフトの開発は停止しており、オープンソース化されているものの最新のmacOSには対応していません。
そこで、ここでは「Install Disk Creator」という無料ソフトをおすすめします。
「ターミナル」を用いる場合と同様にあらかじめ外部メディアを用意し、「macOS Sequoiaインストール」をダウンロードしておけば、ソフトを起動してボリュームを選択するだけで簡単にブータブルメディアが出来上がります。
こちらのソフトも公式にはmacOS Big Sirまでの対応となっていますが、筆者の環境では問題なく利用できました。
ブータブルメディアを実際に使ってみよう
ターミナル、またはInstall Disk Creatorを用いてブータブルメディアを作成できたら、実際にMacを起動して動作を確認しておきましょう。
Intel MacとAppleシリコン搭載Macで手順が若干異なりますが、Appleシリコン搭載Macの場合は起動オプション画面に「install macOS Sequoia」が表示されるかどうかを確認します。
さらにユーティリティ画面に進み、「macOS Sequoiaインストール」や「ディスクユーティリティ」など「macOS復旧」と同じ機能を操作できれば問題ありません。