PC使いこなし塾

Microsoft Office 2016をこれから使うあなたへ【第10回】

~OneDrive使いこなし編。OS、ブラウザ、アプリをうまく使い分ける

 オンラインストレージサービスとしてのOneDriveでは、次の5種類の方法でファイルやフォルダを扱うことができます。それぞれの方法には一長一短があり、やりたい作業や使っているデバイスに応じて使い分けるのがよさそうです。

  1. Windows 10のOSに統合されたOneDrive
  2. Webブラウザでのアクセス
  3. UWP(Universal Windows Platform)としてストアで配布されているOneDriveアプリ
  4. モバイル用OneDriveアプリからの読み書き
  5. Officeアプリからの読み書き

 ここでは、それぞれの方法の使い分けについて整理します。なお、OneDriveは、Windows 10ではOSに統合されていますが、Windowsへのサインインに使っているアカウントとは独立しています。同じでももちろんかまいませんが、任意のMicrosoftアカウントで使えることを知っておきましょう。

Windows 10のOSに統合されたOneDrive。放っておけば自動で同期

 Windows 10を最初に使い始める際に、サインインを求められるOneDriveユーティリティは、初期設定を済ませると、以降はシステムに常駐し、OneDriveをシステムフォルダとしてクラウドの存在を意識することなくローカルフォルダのように扱えるようになります。

通知領域に常駐させるWindows 10標準のOneDriveユーティリティ。ここから同期するフォルダーなどを指定できます
クラウドとローカルのストレージ容量を考慮して同期するフォルダーを決めておきます。ここで「フォルダーにないファイル」を指定しておかないと新規に作成したフォルダーが同期されないので注意しましょう

 初回設定時には、ローカルドライブのどこにOneDriveフォルダを置くか、そして、そのフォルダと、クラウド上のどのファイル/フォルダを同期させるかを指定します。クラウド上のOneDriveに存在するフォルダ/ファイルは、この設定ユーティリティからのみ参照でき、ここで指定したフォルダ/ファイルだけが、ローカルドライブ上に同期され読み書きできるようになります。

 当然、初めてOneDriveを使う場合には、クラウド上にファイルが何もない可能性もあるでしょう。その場合は、設定ユーティリティで「OneDriveのファイルとフォルダーを全て同期」を指定しておきます。

 この状態で、ローカル、クラウド、どちらかのファイル/フォルダに変更があれば、その内容が同期され、両者は常に同一に保たれます。もちろん同期作業は自動的に行なわれますから、意識する必要はありません。ノートPCなどで、インターネットに接続されていないタイミングで更新されたファイルも、オンラインになった時点で同期されるようになっています。

 頭に置いておかなければならないのは、クラウドのOneDriveにしかなく、ローカルには同期されていないファイルがあるということです。ローカルに同期することで、一般のローカルフォルダやファイルと同じ感覚で扱うことができますが、同期されていないフォルダやファイルは扱うことができません。

 クラウドのOneDriveを丸ごと格納できるだけの容量がローカルドライブに確保できれば、全てのファイル/フォルダを同期すれば済む話ですが、ストレージ容量に余裕がないデバイスではそうもいきません。容量が足りない場合は、頻繁に使うファイル/フォルダだけを同期するように設定しておくしかありません。逆に、あらゆるデータが同期されてしまうのはどうも心配という場合もあるでしょう。その場合は、下記で紹介するWeb版やUWPアプリ版を使うといいでしょう。

Webブラウザでのアクセス。いつでもどこでもブラウザ経由で参照

 ブラウザでOnedriveを開き、自分のMicrosoft アカウントでサインインすることで、クラウド上のOneDriveにあるファイル/フォルダを全て参照することができます。

ブラウザで開いたOneDrive。写真入りのフォルダはその内容も分かります

 あらゆるデバイスで開けるので、PCストレージの容量の都合で全てのファイルを同期できない人は、必要なものだけブラウザ経由でダウンロードしましょう。場合によっては他人のデバイスを使うこともあるかもしれませんが、ブラウザの「InPrivateウィンド ウ」といった機能を使うことで、デバイスに閲覧履歴やキャッシュを残さずに自分のデータにアクセスできます。

 Office文書の場合、編集が必要になった時に、その環境にOfficeアプリがインストールされていればそれを使って編集することもできます。また、Word OnlineやExcel Online、PowerPoint Onlineを使い、ブラウザの中に留まったままファイルを開いて作業することもできます。任意のファイル/フォルダをアップロード、ダウンロードするのも容易です。いわばオールマイティで使えるという点では欠かすことができない存在です。

UWPとしてストアで配布されているOneDriveアプリ。WebとOS統合のいいとこどり

 ストアで公開されているUWPアプリのOneDriveをインストールすると、ブラウザを使わずにクラウド側のOneDriveを参照することができます。UWPはWindows 10、Windows 10 Mobileで共通に使えるアプリです。

UWPのOneDriveアプリ。同期していないファイルをその都度任意のフォルダにアップロード/ダウンロードできるほか、Officeファイルはその場で開けます

 ファイルを開こうとすると、そのファイルがいったんダウンロードされ、一時フォルダに保存されてから開きます。Office文書の場合は、そのまま編集を加えてOneDirveに直接上書き保存ができます。画像ファイルはそのまま参照でき、必要に応じてダウンロードできます。

 その他のファイルの場合、一時フォルダにダウンロードされ、対応したアプリで開かれます。このファイルを上書きしても、一時フォルダで更新されるだけで、OneDrive上のファイルは更新されない点に注意が必要です。当然とも言えますが、オフラインの場合、ディレクトリ構造やファイル名などはキャッシュされていて一覧参照することはできますが、ファイルを開くことはできません。

 WindowsタブレットやスティックPCのように極めて小量のストレージ容量しか持たないデバイスでは、クラウド上の全てのファイル/フォルダを参照できるアプリとしてインストールしておくと便利です。

モバイル用OneDriveアプリからの読み書き。手のひらで使えるOneDrive

 UWPアプリが使えるのはWindows PCやWindows 10 Mobile環境だけですが、iPhoneやiPad、Androidスマートフォン、タブレット用には、各ストアでOneDriveアプリが配布されています。アプリをインストールしておけば、UWPアプリと同等のことができるほか、撮影した写真の自動アップロードといった機能も利用することができます。PCのデータもスマートフォンのデータもOneDrive 1つで管理・バックアップしたい人はぜひ利用しましょう。

iPhoneでのOneDriveアプリ

 なお、日本語を含むテキストファイルは、Word Mobileがインストール・関連付けされているとそれが開くのですが、既定のエンコードがUTF-8となっているため、いちいち手動でShift-JISに変更しないと文字化けして読めません。iOS用アプリではエンコードの変更もできません。また、そのテキストに編集を加えたときには、Word形式に変換して保存する必要があります。テキストファイルを扱うのは、ある程度PCを使いこなしているユーザーに限られるかと思いますが、改善を強く要望したいと思います。

Officeアプリからの読み書き

 PC用のOfficeアプリには、各デバイスから最近開いたOneDrive上のファイルを、それがローカルに同期されているかどうかに関わらず読み書きする機能が実装されています。もし、Officeアプリの一覧に表示されていないファイルを参照したい場合は、UWPのOneDriveアプリを使ってファイルを探して開くとよいでしょう。

Word 2016で文書を開こうとすると、接続されたOneDriveの最近使ったアイテムの一覧を参照できます。ここから開けば、OS統合のOneDriveで同期していないファイルでも直接読み書きできます

 OfficeアプリからUWP版OneDriveアプリのファイルにアクセスするメリットは、ローカルのストレージを使わない点です。RAWの写真や動画ファイルなどと比べるとOfficeファイルのサイズは基本的に小さいですが、写真を多数張り込んだPowerPointファイルなどはそこそこのサイズになるでしょう。標準設定でOfficeアプリはOneDriveにファイルを保存するようになっています。オンラインでないとアクセスできませんが、OneDriveに保存するようにしておくことで、同じファイルに会社からも家からも、そしてPCやデバイスを変えてもアクセスし、編集でき、ローカルストレージも節約できるのは大きなメリットと言えます。

OneDriveを一人で使う、みんなで使う

 クラウドストレージとしてのOneDriveにファイルを預けておくことで、自分が指定した他の誰かと共有し、その編集や参照を許可することができます。無償版OneDriveの容量は5GBですが、Office 365契約者は1TBを利用できます。家族で購入したOfficeプリインストールPCのOffice 365アカウントが1つあれば、家族で共有することで全員で1TBをシェアできるので、容量には不自由しないでしょう。

 一方、どうしても1TBでは足りないと不満に感じ、他のストレージサービスを併用しているパワーユーザーもいるかもしれません。やや強引ですが、そんな場合は、Office 365アカウントを複数用意して、マルチアカウントをサポートするUWPや各種モバイル用のOneDriveアプリ、また、ビジネス用アカウントで利用できるOneDrive for Buisinessを使うことで、1TBのOneDriveを複数確保することもできます。同じ使い勝手、同じソフトウェアで扱うことのできるストレージは価値があります。ドライブ間のファイル/フォルダの移動も、クラウド上で完結することを考えれば、このプランは一考の価値があるのではないでしょうか。

【お詫びと訂正】初出時の内容に一部誤りがありましたので、修正いたしました。

制作協力:日本マイクロソフト