PC使いこなし塾
Fnキーを使わずにカタカナ変換や確定文字を再変換するMS-IMEのハヤワザ
2016年7月9日 06:00
Windowsを使う上で、日本語入力機能のIMEは欠かせません。文章入力中は何度もキーを叩いて変換をかけ、そしてまた次の文字を打ち込んでいきます。
実は、この繰り返し作業をちょっとだけ軽減できるかもしれない、Microsoft IME独自のショートカットキーが用意されていることを知っているでしょうか?
例えば、筆者のIMEでカエルの一種である「あふりかつめがえる」と入力して変換してみると、「あふりか詰めが得る」と本来カタカナの部分までひらがな+漢字になってしまいます。こういった時、変換を取り消し、普通は[F7]キーの位置を見て、そこまで指を延ばして全角カタカナに変えますが、キーボードの最上段にあるファンクションキーまでわざわざ手を動かさなくても[Ctrl]+[I]キーで同じ動作が得られます。また、確定後であってもすぐに[Ctrl]+[BackSpace]キーを押せば再変換が行なわれ、誤字部分を再入力せずに修正できます。
ここでは、Windows 10標準のMicrosoft IMEに用意されているショートカットキーの中でも、比較的便利なものを「文字入力中」、「文字変換中」、「文字入力後」などの状況に応じて紹介しています。MS-IMEに登録されているショートカットキーの数はそう多くはありませんし、簡単に覚えられるでしょう。
なお、使用するエディタなどによっては以下で紹介しているショートカットキーが別の機能として割り当てられていることもあり、正しく動作しない場合があることに注意してください。ここではWindows 10標準の「メモ帳」を使って動作を確認しています。
入力中の文字を[Ctrl]キーの組み合わせでひらがな/カタカナ/英数に変える
冒頭でも述べた、文字入力中の全角カタカナ変換は[F7]キーだけでなく、[Ctrl]+[I]キーでも実行できます。もちろん、全角カタカナだけでなく、下表のように、ひらがな/半角カタカナ/全角英数/半角英数のショートカットキーも用意されています。
操作キー | 入力中 |
---|---|
[Ctrl]+[U] | 「ひらがな」に変換する |
[Ctrl]+[I] | 「カタカナ」に変換する |
[Ctrl]+[O] | 「半角カタカナ」に変換する |
[Ctrl]+[P] | 「全角英数」に変換する |
[Ctrl]+[T] | 「半角英数」に変換する |
きっとファンクションキーを見ずに打てるという人もいるかもしれませんが、ノートPCなどでは製品によって若干位置が変わってくるものです。キーボードに目を落とさずに変換できるこの方法を覚えておけば、キー入力のリズムを崩すことなく、打鍵を続けられるかもしれません。
変換された文節を[Ctrl]+[BackSpace]で元の状態に戻す
文字入力後にスペースキーを押して変換しても、間違った文節で変換されてしまい、おかしな日本語になってしまうことが多々あります。こういう場合は、[Esc]キーを押して一度変換を解除しますが、[Ctrl](またはShift)+[BackSpace]キーでも解除が行なえます。
操作キー | 変換中(確定前) |
---|---|
[CtrlまたはShift]+[BackSpace] | 変換された文節を変換前の状態に戻す |
[Shift]+[Esc] | 変換された文節を全て変換前の状態に戻す |
また、[Ctrl]+[BackSpace]には一度確定させた文字を再び変換する機能もあり、こちらも便利です。例えば、一度入力文字を変換して確定させた際に、誤った漢字で確定してしまい、文字を消して再度打ち直す、というのは日本語入力においてよくあるシーンの1つです。その場合、カーソルキーなどのほかのキーを押さずに、[Ctrl]+[BackSpace]キーを押せば、再度変換状態に戻すことができます。
操作キー | 入力確定後 |
---|---|
[Ctrl]+[BackSpace] | 変換して確定した文字を再度変換する |
カーソルキーを使わずに自由にカーソルを移動させる
文字入力中に、余計な文字を入れるなどの入力ミスをしてしまった場合や、思った通りの変換が行なわれなかった場合には、カーソルキーの操作でカーソルを移動して該当文字を削除したり、文節の位置を調整したりします。
カーソルキーもファンクションキーと同じく、ホームポジションから離れた位置にあるため、右手をホームポジションから離す必要がありますが、下表のように[Ctrl]キーによる組み合わせでカーソルの左右移動や、文節の長さの調節ができます。
操作キー | 入力中 | 変換中(確定前) |
---|---|---|
[Ctrl]+[A] | 文字の先頭にカーソルを移動する | |
[Ctrl]+[F] | 文字の末尾にカーソルを移動する | |
[Ctrl]+[S] | 文字の左にカーソルを移動する | |
[Ctrl]+[D] | 文字の右にカーソルを移動する | |
[Ctrl]+[K] | 文字の左にカーソルを移動する | 文節長を1文字分減らす |
[Ctrl]+[L] | 文字の右にカーソルを移動する | 文節長を1文字分増やす |
[Ctrl]+[A]/[F]キーは[Home]/[End]キーとして動作し、[Ctrl]+[S]/[D]は[←]/[→]の代わりになります。文字入力中の動作に関しては、[Ctrl]+[K]/[L]も同じく[←]/[→]の機能ですが、変換中(文字入力後にスペースキーを押した状態)には文節長を増減させる[Shift]+[←]/[→]として動作します。
漢字モードでも[Ctrl]+[Space]キーで半角スペースを入力する。入力/変換中に行なえるそのほかのショートカットキー
以下は、半角/全角スペースを意図して入力するショートカット、[Delete]/[Backspace]の変わりとなるショートカット、単語単位で削除するショートカット、単語単位でカーソルを移動するショートカット、そしてIMEパッドの「部首・コード変換」のダイアログボックスを表示するためのショートカットキーなどです。
操作キー | 入力中 | 入力確定後 |
---|---|---|
[Ctrl]+[Space] | 半角スペースを入力する | なし |
[Ctrl]+[Shift]+[Space] | 全角スペースを入力する | なし |
[Ctrl]+[G] | カーソルの後にある文字を削除する | なし |
[Ctrl]+[H] | カーソルの前にある文字を削除する | なし |
[Ctrl]+[Delete] | なし | 単語単位で文字を削除する |
[Ctrl]+[←] | 文節の先頭にカーソルを移動する | 単語の先頭にカーソルを移動する |
[Ctrl]+[→] | 文節の末尾にカーソルを移動する | 単語の末尾にカーソルを移動する |
[Ctrl]+[Y] | IMEパッドの「部首・コード変換」のダイアログボックスを表示する |
ファンクションキーの機能
日本語入力でファンクションキーを利用した機能としては、入力文字のカタカナ化や半角英数化での利用が多いでしょう。そのショートカットとして、冒頭で[Ctrl]キーを組み合わせたショートカットを紹介しました。以下は、ファンクションキーそれぞれに割り当てられている機能です。
操作キー | 入力中 |
---|---|
[F5] | IMEパッドの「部首・コード変換」のダイアログボックスを表示する |
[F6] | 「ひらがな」に変換する |
[F7] | 「カタカナ」に変換する |
[F8] | 「半角カタカナ」に変換する |
[F9] | 「全角英数」に変換する |
[F10] | 「半角英数」に変換する |
実はファンクションキーにも[Ctrl]キーを組み合わせたショートカットが存在します。それほど使用するものではありませんが、[Ctrl]+[F7]キーで「単語の登録」ダイアログボックスの呼び出したり、[Ctrl]+[F8]キーで入力文字を検索するといったものが用意されています。ただ、検索機能は検索プロバイダーの設定が必要であり、該当キーを押してもWindows 10のヘルプが呼び出されるだけで上手く動作しない場合があります。
操作キー | 入力中 | 入力確定後 |
---|---|---|
[Ctrl]+[F7] | なし | 「単語の登録」ダイアログボックス開く |
[Ctrl]+[F8] | 入力した文字に対して既定の検索プロバイダで検索を行なう | なし |
[Ctrl]+[F9] | 入力した文字に対して検索プロバイダを選択して検索を行なう | なし |
[Ctrl]+[F10] | なし | IMEのメニューを呼び出す |