Mac Info

Macの「メモ」活用技!「ショートカット」アプリを使って「メモ」のテンプレートを一発で呼び出す

 Macに標準搭載されている「メモ」を使用して、決まったフォーマットで議事録や日記、アイデアを書き留めている人は多いでしょう。しかし、新しいメモを作るたびに真っ新な状態から作成を開始し、同じフォーマットを入力していないでしょうか? もしそうならば、Macに標準搭載されている「ショートカット」アプリを使ってみましょう。「定型の文章が入力された状態で新規メモが開く」というショートカットを作成すれば、メモの作成を効率化できます。また、今回の記事では、「日付や画像などが自動的に挿入された状態で新規メモが開く」ショートカットの作り方も教えます。

フォーマットが決まったメモをいちから作成するのは面倒です。「ショートカット」アプリを使って素早く「メモ」のテンプレートが開くようにしましょう

定型のメモの作成にはテンプレートを活用しよう

 Macの「メモ」に限らず、メモアプリを使っていると、繰り返し同じような体裁でメモを作成することがあります。

 たとえば、会社で定期的に行なわれる週次会議や月次会議などの議事録がその良い例です。日付や参加者、議題、議事内容など、メモの構成要素は毎回ほとんど同じことが多いはずです。

 また、日記やアイデアメモなども同様です。たとえば、飲食店の情報を記録する「食べ歩き日記」を例にすれば、店名や住所、注文したメニュー、感想などフォーマットが決まっているでしょう。

 このような定型のメモを作成する際は、テンプレート(雛形)を活用すると便利です。決められたフォーマットの文章をあらかじめ入力しておき、新規メモ作成時にそれを呼び出せばその都度いちから入力する必要がなくなるため作成時間を短縮できます。

 また、テンプレートを作成しておけば情報の一貫性を保つことができ、あとから見返す際も内容を把握しやすくなります。

会議の議事録では、図のように構成要素が決まっていることが多いはず。開催日時や開催場所、出席者などがあらかじめ入力されたテンプレートを用意しておくと便利です
食べ歩き日記などを作成する場合も、お店の場所や訪問日、頼んだメニューなどの決まった要素をテンプレート化しておけば入力が簡単に行なえますし、あとで見返しやすくなります
アイデアを書き留める際にもテンプレートが役立ちます。アイデアの目的、メリット、デメリットなどの任意の項目をあらかじめ定めておけば、思考を深掘りしやすくなります

「ショートカット」アプリでショートカットを作成しよう

 ただし、Macの「メモ」には繰り返し利用する雛形を登録しておけるテンプレート機能が残念ながら搭載されていません。

 そこでテンプレート機能を搭載したUpNoteやProNotes、Notionなどのメモツールを利用するのも1つの手ですが、そのためだけに新しいツールを導入して、使い方を習得するのは面倒だと感じる人もいるでしょう。

 使い慣れたMacの「メモ」でテンプレート機能を実現する方法はないのか。実は、Macに標準搭載されている「ショートカット」アプリを活用すればそれが可能になります。

 具体的には「ショートカット」アプリを使って、「定型の文章が入力された状態で新規メモが開く」というショートカットを作るのです。

 「ショートカット」は、Mac上のさまざまな作業を自動化するのに役立つアプリ。

 自動化と聞くと「設定が大変そう」と思うかもしれませんが、今回作成するショートカットはとてもシンプルなので、以下の手順を参考に試してみてください。

「ショートカット」アプリを起動したら、ウインドウの上にある[+]ボタンを押して、新規ショートカットを作成しましょう
ウインドウ上部にショートカットの名前を入力します。名前はあとから変更できるので気軽に決めましょう
アクションを追加していきます。ウインドウ右上の検索窓に[テキスト]と入力。候補が絞り込まれるので、一番上の[テキスト]アクションをウインドウ左側にドラッグ&ドロップしましょう
「テキスト」アクションの中にあるテキスト入力欄に、テンプレート化したい文章を入力します。「メモ」の標準設定では1行目は必ずメモのタイトルになります
[メモを作成]というアクションを追加します。検索窓で[メモ]と入力すると、該当のアクションを探し出しやすいでしょう
「メモを作成」アクションの中にある[内容]という部分を右クリック(または[control]キー+クリック)すると、このようなメニューが表示されます。[テキスト]を選びましょう
[フォルダ]と書いてある部分をクリックすると、メモを作成するフォルダを指定できます
ここまで設定したら、ウインドウ上部の再生ボタンを押して動作をテストしてみましょう。あらかじめ設定した文章を含んだ新規メモが作成されるはずです
さらに[メモフォルダを表示]というアクションを追加すると、作成したメモが即座に表示されるようになります。ここまで編集が終わったらウインドウを閉じて構いません。編集した内容は自動的に保存されます

ショートカットをすぐに実行できるようにしよう

 作成したショートカットは「ショートカット」アプリ上で実行できますが、その都度「ショートカット」アプリを起動するのは面倒です。

 そこでおすすめしたいのが、Dockに登録しておくこと。ショートカットを右クリックして[Dockに追加]を選べば簡単に追加できます。

 また、Dockに追加するのが嫌な場合は、「ウィジェット」として通知センターやデスクトップに置いておくのもよいでしょう。

 いずれの方法を選ぶにしろ、新しいメモを作成したくなったらショートカットをワンクリックするだけ。素早く定型のメモを作成開始できます。

ショートカット一覧画面で作成したショートカットを右クリック(または[control]キー+クリック)し、コンテキストメニューから[Dockに追加]を選びます
Dockにアイコンが追加されます。以後はこのアイコンをクリックするだけでテンプレートを呼び出せるようになります
ショートカットウィジェットを使う方法もあります。通知センターを開いて[ウィジェットを編集]ボタンを押しましょう
画面中央下側にウィジェット一覧が表示されます。検索窓に「ショートカット」と入力して候補を絞り込み、好きなタイプのショートカットウィジェットをドラッグして置きたい位置に配置しましょう
ウィジェットを右クリック(または[control]キー+クリック)してコンテキストメニューを開き、[ショートカットを編集]を選びます。図のような画面になるので、作成したショートカットを割り当てましょう

応用技1:メモ内に作成日付を挿入しよう

 今回紹介したショートカットはさまざまなアレンジが可能です。

 たとえば、議事録や日記、進捗記録など作成日を明記することが重要なメモでは、雛形の文章だけでなく、作成日時も自動的に挿入された状態で新規メモが開くようにすると良いでしょう。

 作成日付は、タイトルや本文の好きな場所に自動で日付が入るよう設定できますし、日付の書式も複数のスタイルから選べますので、以下の手順を参考にアレンジしてみてください。

「ショートカット」アプリのショートカット一覧画面で、先ほど作成したショートカットをダブルクリックします。すると編集画面が開きます
「テキスト」アクション内にある文字入力エリアの冒頭にカーソルを移動させ、コンテキストメニューを開きましょう。[現在の日付]という項目があるので選択します
テキストエリア内に[現在の日付]という項目が挿入され、同時にフォーマットをカスタマイズするウインドウがポップアップ表示されます。好きなフォーマットを選びましょう
[現在の日付]は、どこでも好きな位置に入れることができます
実行してみましょう。この作例では、メモのタイトル部分と、その下の「開催日時」部分に挿入しました

応用技2:即座に画像付きのメモを作成しよう

 最後にもう1つの応用技として、選択した画像を含む新規メモを即座に作成する方法を紹介します。

 この方法では、テンプレートから新規メモを作成し、その後に画像を挿入するのではなく、Finder上で画像ファイルを選択した状態から素早くメモを作成できます。

 挿入できるものは画像に限りません。PDFやその他のファイル、あるいは文字列なども選択して挿入することができます。

 アイデア次第でいろいろな用途に使えるテクニックだと思いますので、ぜひ便利な使い方を探してみてください。

ここでは「自作料理メモ」というテンプレートを想定して手順を紹介しましょう。「テキスト」アクション内の文章を除き、ここまでのやり方は同じです
「メモを作成」アクションの中にある[テキスト]という項目が入ったすぐ後ろをクリックして、カーソルを移動させましょう
その位置でコンテキストメニューを開き、[変数を挿入]→[ショートカットの入力]を選びます
すると、ウインドウの一番上に図のような項目が追加されます
ウインドウの右上にある[i]ボタンを押して、右パネルの表示を切り替えます。[詳細]タブの中にある[クイックアクションとして使用]、[Finder]、[サービスメニュー]の3つにチェックを入れましょう。これで設定は完了です
編集ウインドウを閉じて、Finderで画像を選択したら、コンテキストメニューを開いてみましょう。[クイックアクション]項目の中に、ショートカットがあるはずなので選びましょう
このように、選択した画像が入った新規メモが作成されました