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カスタムCPUにRTX 4080、有機ELも搭載した16型薄型プレミアムノート「Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ」

16型有機ELディスプレイを搭載したプレミアムな薄型ノートPC「Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ」

 ASUSから登場したZenbook Pro 16X OLED UX7602BZは、薄型のボディに高性能なCPUとGPU、16型の有機ELディスプレイを搭載するプレミアムなノートPCだ。

 CPUには「ASUS Supernova SoMデザイン」と呼ばれる特別なモジュールで提供されるCore i9-13905Hを採用し、LPDDR5X-7467という超高速メモリを実装。GPUもGeForce RTX 4080 Laptop GPUと基本スペックは非常に強力だ。

 さらに、色再現性に優れた3.2K解像度の有機ELディスプレイやThunderbolt 4、6スピーカーのサウンドシステムを搭載するなど、非常に豪華な内容となっている。評価機を入手したのでレビューしよう。

【表1】Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZの主な仕様
製品名Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ
CPUCore i9-13905H
CPUコア/スレッド数14コア/20スレッド
(Pコア×6+Eコア×8//12+8スレッド)
CPU周波数Pコア:2.6~5.4GHz、Eコア:1.9~4.1GHz
メモリ32GB(LPDDR5X-7467)
ストレージ1TB SSD(PCI Express 4.0 x4)
グラフィックス機能GeForce RTX 4080 Laptop GPU(12GB)
Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
画面16型有機ELディスプレイ(光沢、100% DCI-P3)
表示解像度3,200×2,000ドット(アスペクト比16:10)
サウンド6スピーカー、クアッドアレイマイク
サウンド端子3.5mmヘッドセット端子(ヘッドフォン/マイク兼用、CTIA準拠)
画面出力HDMI、USB Type-C(Thunderbolt 4)
カードリーダSDカードスロット(UHS-I対応)
USB/ThunderboltThunderbolt 4(USB PD、映像出力対応)×2、USB 3.1
通信機能Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1
カメラ約207万画素Webカメラ(顔認証用IRカメラ統合)
生体認証顔認証、指紋認証
本体サイズ355×251×17.6~21.8mm(突起部除く)
重量約2.4kg
ACアダプタ280W(独自端子)
ACアダプタサイズ約83×180×26mm(実測、突起除く)
ACアダプタ重量約805g(ACケーブル込み)
OSWindows 11 Home

ビルドクオリティの高いメタルボディ

 CNC加工のアルミニウム合金を採用したフルメタルボディはビルドクオリティの高さが印象的。がっしりとした剛性感と上質感、高級感を兼ね備えている。

 天面カバーを開くと連動してキーボードの奥側が持ち上がり、7度の傾斜が付くとともに、エアフロー効率を向上させる。キーボードが持ち上がった内側には冷却ファンがあり、3方向(左右と奥)から効率的にフレッシュエアーを取り込むことができる。

 可動部品があるため強度が気になるところだが、実際に触ってみると不安はまったく感じない。キーボードベースやそれを支える金属フレームはきわめて堅牢で、浮いている部分を掴んでみても、たわんだりきしんだりすることはない。

筐体はCNC(コンピュータ制御)加工されたアルミニウム合金を利用している
天面カバーには2022年モデルから採用された新しいシンボルが配置されている
シンボルは透過パーツになっており、サイドにあるライトバーとともに、キーボードバックライトに連動して光る
天板はZenBookシリーズでおなじみの同心円をヘアライン加工で表現するとともに、新たなシンボルを配置
底部。奥側は吸気口が多く開いている
閉じた状態ではほぼフラットだが、画面を開く動作に連動してキーボードがせり上がり、エアフロースペースが拡大する
筐体の具体的なサイズは、幅355mm×奥行き253mm×高さ17.6~21.8mm。重量は約2.4kgだ。実測も公称値通りだ
ACアダプタの実測サイズは約83×180×26mm。実測重量は792g
ACアダプタの出力は280W。端子形状は独自仕様だ
バッテリ容量は96Wh。公称バッテリ駆動時間は執筆時点では「計測中」だった

超高速メモリを統合したカスタムCPUを採用。GPUも強力

 Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZのCPUには、IntelのCore i9-13905Hを搭載している。聞き慣れないプロセッサー・ナンバーだが、これは一般的な同世代のノートPC向けCPUとは異なり、CPUとメモリ(LPDDR5X)を同一基盤に集積したSoM(System On Module)という形で実装される。

 このような実装形態をとることにより、メイン基板上におけるCPUとメモリを合わせた実装面積を小型化するとともに、CPUとメモリ間の配線を最小かつ最適にできるため、高速転送が可能となる。Core i9-13905Hの公式スペック上では対応メモリはLPDDR5-6400までとなっているが、本製品では「LPDDR5X-7467」という異例の高速メモリを実装している。これはASUSのみのカスタム仕様のようで、同社ではこれを「ASUS Supernova SoMデザイン」としてアピールしている。

 Core i9-13905Hのパッケージと対応メモリ以外のスペックは、ゲーミングノートPCやクリエイターノートPCで採用例が多いCore i9-13900Hと共通。性能優先のPコアを6基、電力効率優先のEコアを8基搭載し、14コア/20スレッド、最大周波数5.4GHzという内容だ。シングルスレッド性能、マルチスレッド性能ともに優れており、オールラウンドなジャンルで高いパフォーマンスを発揮できる。

「ASUS Supernova SoMデザイン」を採用。2022年モデルでは50×60mmであったCPUとメモリの実装面積を44.7×42mmに小型化している。薄型のフォームファクタだけに設計面でのアドバンテージは大きいだろう
CPUは第13世代CoreプロセッサのCore i9-13905H。Pコアを6基、Eコアを8基搭載し、14コア/20スレッド、最大周波数5.40GHzという仕様だ
ASUS Supernova SoMデザインにより「LPDDR5X-7467」という異例の高速メモリを実装している
ストレージは、PCI Express 4.0 x4対応SSDを1TB搭載。評価機ではSamsungのPM91Aを搭載していた
CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)のスコア。PCI Express 4.0 x4対応SSDとしても高速な部類だ

 GPUも強力だ。NVIDIA最新世代のGeForce RTX 4080 Laptop GPUを搭載している。新しいAda Lovelaceアーキテクチャと4nmプロセスルールの採用で先代から電力効率が大幅アップ。さらにレイトレーシング専用のRTコア、AI推論処理用のTensorコア、ハードウェアエンコーダも強化されている。

 現行ゲームタイトルを高画質設定で快適にプレイできる描画性能に加えて、クリエイティブアプリでも、レンダリング、プレビュー、エンコード、AIを活用したノイズ除去や超解像処理など、さまざまな処理を高速に行なえる。

GPUにはGeForce RTX 4080 Laptop GPUを搭載している
評価機で確認した最大グラフィックスパワーは160Wだ。NVIDIA公式のスペック(80~150W)の上を行く設定となっている

 またGeForce RTX 4080 Laptop GPUは、通常はCPU内蔵GPU経由で画面と接続される(NVIDIA Advanced Optimus/MSHybrid)が、MUXスイッチで画面と直結することが可能。バッテリ駆動時間は短くなるが、GPUスイッチのロスが減るためパフォーマンスが上がる場合もある。

MUXスイッチで画面と直結することも可能

高速表示かつ色再現性にも優れた鮮やかな16型有機ELディスプレイを搭載

 画面としては16型の有機ELディスプレイを搭載する。表示解像度は3,200×2,000ドット(アスペクト比16:10)の高解像度に対応、画素密度約236ppiと近くで見てもドット感のない精細な表示だ。色域はDCI-P3比100%(sRGB比133%)、最大輝度550cd/平方m、黒色輝度0.0005cd/平方m、コントラスト比100万:1、リフレッシュレート120Hz、応答速度0.2msという高性能を持つ。

 素子自体が発光する有機ELディスプレイならではの引き締まった黒、発色のよい表示はとても印象的。高解像度の写真や映像コンテンツを表示した時はもちろん、Windowsのロック画面やデスクトップ画面などでも実感することができる。

16型3,200×2,000ドットの有機ELディスプレイを搭載。応答速度0.2ms、色域はDCI-P3を100%カバーする
画面はタッチ操作や付属のASUS Pen 2.0での描画にも対応している。画面がフリップするわけではないので、活躍する場面は限定的だろう
カラーサイエンス大手のPANTONE、CalMANの認証を取得しており、工場出荷状態で「正しい色」を表示できることが認られている
リフレッシュレートは120Hz、応答速度0.2msと高速。アニメーション、ゲームなどを滑らかに表示できる
有機ELディスプレイの焼き付きを防ぐためのケア機能もさまざま用意されている
ProArt Creator Hubで色校正も可能だ(対応センサーが別途必要)
X-Riteのi1 Display Proで色校正を行なった結果

高級な打鍵感のキーボード

 キーボードは「ASUS ErgoSenseキーボード」と呼ばれるこだわりの設計。キーの反発や移動量を緻密に計算し、打鍵感の心地よさを追求しているという。

 実際の使用感も実によい。キートップには0.2mmのくぼみが設けられており、指を置きやすい。スイッチは軽い力で押下でき、反発が強すぎることがなく、指に吸い付くようにスッと戻ってくる絶妙な感触が実現されている。音も静かで、高級感すらおぼえる快適な打鍵感だ。

 キーピッチは約19.05mm、キーストロークは約1.35mmだが、Enterキーの右にキーが配置されているなど、配列には少しクセがある。全体的に余裕があるため手が小さめな方は気にならないかもしれないが、評価が分かれる部分だろう。

テンキーレスのキーボードを搭載する。キーピッチは約19.05mm、キーストローク約1.35mmだ。打鍵感は非常によいが、Enterキーの右にキーがあることやカーソルキーが小さい点などは賛否があるだろう
電源ボタンに指紋センサーが搭載されている。キーボードとは高さも感触も変えてあり、振れただけで誤作動することはない
RGB LEDキーボードバックライトを搭載している。光量も高く、ゲーミングノートPCのような派手な発光パターンも楽しめる
ライティング設定はMyASUSユーティリティに用意されている

円形ダイヤルパッドを装備。タッチパッドはテンキーとしても利用可能

 キーボード手前のタッチパッドにはLEDでテンキーで浮かび上がるNumberPad 2.0を搭載。サイズが大きいので使いやすい。パッド自体の操作感も実になめらかで使いやすい。

 メインのタッチパッドの左側には、中央にボタンを配置した円形タッチパッド「ASUS Dial」を搭載する。触れるとメニューが表示され、パッドの円周に沿ってなぞる操作をすると、システムの音量や画面の明るさの変更ができるほか、設定を登録しておくことで、アプリごとに独自の操作が可能。標準ではAdobeのクリエイティブツールに操作が登録されている。

 クリエイティブの効率化手段としてこのような左手デバイスは定番の1つであり、それが一体化されているのは強みの1つだろう。物理ダイヤルと違ってパッドタイプなので少し勝手が違うが、カスタマイズして使い込んでいけば便利に使える場面はある。

 ただ、標準で登録されている機能がアプリの初期設定ショートカットと一致しておらず、一部が機能しないという欠陥が改善されず放置されている点は残念だ。

 たとえば、Premiere Proのシーケンスのズームイン機能は、Premiere Pro側の初期設定では「:」だが、ASUS Dialでは「=」になっている。一般的な日本語キーボードに独立した「=」キーは存在しないため、「=」を打つためには「Shift」+「-」の操作が必要だが、Premiere Proのショートカット割り当て表には「=」キーは存在せず、「Shift」+「-」に割り当ててもみたが、正常に機能することはなかった。

タッチパッドにはLEDでテンキーで浮かび上がるNumberPad 2.0を搭載。サイズが大きいので使いやすい。パッドの操作感も実になめらかだ
タッチパッドの脇には「ASUS Dial」がある。円形のタッチパッドの中央にボタンが配置されたスタイルだ
ASUS Dialの機能は、ProArt Creator Hubユーティリティで設定する。Premiere Pro、Photoshop、Lightroom Classicのほか、Microsoft Office、Chrome、Edgeなどは標準でプリセットされている
Premiere Proで利用できる機能。標準では3種類だが、追加することができる
タイムラインの時間軸移動はASUS Dialが有効な機能。物理ダイヤルに比べると疲れやすいが「5フレーム進む/戻る」「30フレーム進む/戻る」機能などを追加して使い分けると効率化できる
シーケンスのズームイン機能は、Premiere Proの初期設定では「:」だが、ASUS Dialでは「=」になっている。なぜ「=」にしてしまったのか、理解に苦しむ仕様だ
Premiere Proのショートカット割り当て表にも当然「=」キーは存在しない。「Shift」+「-」に割り当ててもみたが、正常に機能することはなかった

先進のインターフェイス、迫力の6スピーカーサウンドシステム

 インターフェイスは先進的な内容だ。左側面にThunderbolt 4を2基搭載している。それぞれ最大40Gbpsのデータ転送、ディスプレイ出力(Thunderbolt/DisplayPort Alt Mode)、USB Power Delivery(PD)によるPCの充電に対応している。MOMAN製のUSB PD対応モバイルバッテリ(出力45W)を使ってみたところ、問題なく動作していた。

 音響面では、harman/kardon認証のサウンドシステムを搭載している。スピーカーは、2ツイーター+4ウーファーの6ユニット構成で、音量を増幅するDSPスマートアンプも内蔵しており、大きな音圧も歪みなく再生できる。さらに、臨場感のあるサラウンドサウンドを実現するDolby Atmosにも対応している。

前面。ボトム中央部に凹みがあるため、天面カバーは片手でもスムースに開けられる
背面。排気口もシャープにデザインされている
左側面。写真左からDC入力。USB 3.1、Thunderbolt 4×2
右側面。写真左からHDMI、3.5mmヘッドセット端子(ヘッドフォン/マイク兼用)、SDカードスロット(SDXC対応)
画面上部にWebカメラ(約207万画素)と顔認証対応IRカメラ、クアッドアレイマイクを搭載している
Webカメラは3Dノイズリダクション機能を搭載。暗い場所でもよい画質で配信できる。背景ぼかしや明るさ調整などのインテリジェントな機能も備える
スピーカーは2ツイーター+4ウーファーの6ユニット構成だ。オーディオブランドharman/kardonの監修を受けている
スピーカーとマイクのAIノイズリダクション機能も搭載している。Web会議のスタイルに応じたマイクの最適化設定も用意されている

クリエイティブ、ゲーム、ビジネス、全方位で高いパフォーマンスを実証

 ベンチマークテストの結果を掲載する。比較対象としては、Core i5-11400H、GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU(4GB)を搭載した旧世代のゲーミングノートPCのスコアを掲載している。各マシンの仕様は以下の通り。

 なお特に言及がない限り、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」、ProArt Creator Hubで設定できるファンの動作モードは「パフォーマンス」、そしてGPUモードは「ディスクリートGPU」に設定した。

【表】テストしたマシンの主な仕様
Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ旧世代PC(2021)
CPUCore i9-13905HCore i5-11400H
CPUコア/スレッド数14コア/20スレッド(Pコア×6+Eコア×8)6コア/12スレッド
CPU周波数Pコア:2.6~5.40GHz
Eコア:1.9~4.1GHz
2.7~4.5GHz
メモリ32GBオンボード(LPDDR5X-7467)16GB(8GB×2、DDR4-3200)
メインストレージSamsung PM9A1(1TB、PCIe 4.0 x4)Samsung PM9A1(512GB、PCIe 4.0 x4)
メイングラフィックス機能GeForce RTX 4080 Laptop(12GB)GeForce RTX 3050 Ti Laptop(4GB)
OSWindows 11 HomeWindows 11 Home
ファンモードは「パフォーマンス」、GPUモードは「ディスクリードGPU」を中心にテストした

 CPUの馬力がダイレクトにスコアに反映されるCinebench R23のCPUスコアは18,949pts。同等スペックのCore i9-13900Hに近く、CPUのポテンシャルをしっかり発揮できているといえるだろう。

 Blender BenchmarkもCPU/GPUの性能が反映されるテストだ。GeForce RTX 4080 Laptop GPUとしての相場と同等以上のスコアが出ており、GPUの性能もしっかりと引き出していることが分かる。

Cinebench R23のスコア比較。マルチスレッド性能だけでなくシングルスレッド性能でも旧世代PCを大きく上回る
Blender Benchmark(CPU)のスコア比較
Blender Benchmark(GPU)のスコア比較

 実際のアプリを使ってPCの用途をシミュレートするPCMark 10は、動作モード別にテストしたが、パフォーマンスモードでのスコアが秀逸。CPU、GPUだけでなく、メモリやストレージの性能も貢献していると思われる。

 また、PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのテストについては、ファンモード「ウィスパー」、GPUモード「MSHybrid」、Windows 11の電源設定「トップクラスの電力効率」、画面輝度50%で計測したところ、残量2%まで8時間15分動作した。

 3DMarkのスコアも以下の通り。GeForce RTX 4080 Laptop GPU搭載機として平均前後のスコアが出ている。

PCMark 10のスコア比較。すべての項目で比較対象を圧倒している
動作モード別のPCMark 10スコア。室温が高め(28~29℃)のためかモードごとの差がはっきりとある。特にDigital Content Creationで顕著だ
PCMark 10/Modern Office Battery Lifeの結果。残量2%まで8時間15分動作した
3DMarkのスコア比較。GeForce RTX 4080 Laptop GPU搭載機として平均前後のスコアが出ている
FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク(3,200×2,000ドット、最高品質、フルスクリーン)のスコア。サイレントモードでは高負荷時でもあまりファンを回さないだけに大きくスコアが落ち込んだ
UL Procyon Benchmark Suites/AI Interface Benchmarkのスコア比較

 Premiere Proのプロジェクト出力(H.264エンコード)、Lightroom ClassicのRAW現像出力など、クリエイティブアプリを利用したテストでもやはり旧世代PCを圧倒している。

Premiere Proのテスト結果。4K60pのクリップ11本(合計約5分)で構成したシーケンスの書き出しにかかった時間を比較した
Lightroom Classicのテスト結果。2023年から加わったAIノイズ除去はGPUを積極的に使う処理だけに比較対象に圧倒的に差をつけている

放熱設計はきわめて優秀。静音性も十分

 放熱設計はきわめて優秀といえる。高負荷時でも筐体の手がふれる部分は体温前後の温度に抑えられている。特別パッケージのCPUやキーボードがせり上がってエアフロースペースを確保するギミックが大きく貢献していると思われる。

 動作音はファンモード次第だが、アイドル時はもちろん、パフォーマンスモードでもそれほど爆音というほどではない。スタンダードモードなら十分静音といえる。ウィスパーモードでは室温や処理によっては性能がかなり落ちるが、高負荷時でも動作音もしっかり抑えこむので、静かに使いたい時にはよいだろう。

FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク終了直前にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィ(室温29.5℃)
動作音の比較。室温29.5℃、騒音計はサンワサプライのCHE-SD1を利用し、本体正面から5cmの至近距離で測定した

まさに全部入りの豪華プレミアムノートPC

 Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZはとにかく見どころ満載で豪華な内容のノートPCだ。14コア/20スレッドのパワフルなCPUとGeForce RTX 4080 Laptop GPUを薄型の筐体に搭載しながら、しっかりとパフォーマンスを引き出しており、放熱設計にも余裕が感じられるのは見事だ。

 ASUS Storeでの直販価格は59万9,800円となっている。さすがに高価だが、この内容であれば仕方がない。この価格に見合うだけの価値を持つPCだろう。

 なお、ASUS Storeでは「あんしん保証プレゼントキャンペーン」が実施中だ。Zenbookシリーズの購入者に対して、期間中のどんな故障もカバーする「あんしん保証Premium 3年」(1万4,800円相当)がプレゼントされる。高価な製品だけに、長期の手厚い保証が実質無料で手に入るのはありがたいだろう。