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こういうのが欲しかった?いかにもなデザインじゃないゲーミングノート「Dell G15」を試す

Dell G15(直販価格22万8,981円)

 皆さんはゲーミングノートと聞いてどんなノートを思い浮かべるだろうか。戦闘機を模したような個性的なデザインのノート? 真っ黒で攻撃的な雰囲気のノート? またはキーボードが色々な色で鮮やかに光るノート? はたまたキーボード以外の部分もハデに光るノートかもしれない。実際、多くの人のゲーミングノートに対するイメージはそういったものだろう。

 だが、もっと普通のデザインのゲーミングノートを求めている人がいることを筆者は知っている。光らなくたっていい、むしろ眩しいから光らないでほしい。勝利を約束するデザインでなくていい、自分は争いたいのではなくただゲームを楽しみたいだけなんだ。そんな秘めた思いを持つ人のために紹介するのが、2月にデルが発売した「Dell G15」というゲーミングノートである。なんとこのゲーミングノート、デザインがゲーミングノートっぽくないのだ。

 なお、Dell G15は今回が初登場のゲーミングノートというわけではなく、従来から販売されていたDell G15に第12世代のCore CPUを搭載したマイナーバージョンアップ製品となっている。デザインは同じで違うのはスペックだけなので、見たことがあるという人もいるかもしれない。

これが一般的なノートのデザインか?と言われると少し自信はないが、少なくともゲーミングノートっぽくないデザインではある。なお、本体の後ろにある黒い部分は飾りではなく内部には放熱用のフィンが入っている
天板のロゴはゲーミングっぽいロゴではなく通常のDELLのロゴ。表面はスベスベした面とザラザラした面のツートーン柄になっていて、全体に御影石の柄を薄くしたような模様が入っている
ディスプレイを開けてみてもゲーミングノートらしい部分は見当たらない。キーボードにバックライトLEDは搭載しているが、七色に光るようなことはなく、大人し目の青系のバックライトLEDだ
キーボードのキートップを除く全面には、天板と同様の御影石の柄を薄くしたような模様が入っている。ボディだけでなくタッチパッドにも模様が入っているのはおもしろい。ちなみに本体の裏面にはさすがに模様はない

デルのゲーミングノートと言えばAlienwareではないのか?

 デルのゲーミングノートと言えばAlienwareを想像する人もいると思うが、実はデルはAlienware以外のゲーミングノートも販売している。

 そもそも、デルのゲーミングノートというと以前はXPSシリーズだったわけだが、Alienwareの買収後にXPSシリーズはクリエイターやビジネス向けのシリーズになり、その後に元々XPSシリーズがあったポジションに今回のDell Gシリーズが収まった。

 ではAlienwareはなんなんだというと、Alienwareは従来のデルのゲーミングノートの枠を超えた、本気ゲーマーのための超ハイエンドのみを扱うブランドとなっているのだ。

 そうなると、Dell GシリーズはAlienwareの下の、カジュアルゲーマー向けの微妙な位置付けの製品シリーズなのでは? と思う人もいるかもしれない。しかし、そうではない。Alienwareブランドは究極のモンスターPCのブランドで、Dell Gシリーズは通常のゲーミングPCと考えてもらえばよい。

 ちなみに、モンスターPCという表現から察した人もいると思うが、AlienwareブランドのPCはいわゆるゲーミングPCらしいデザインのゲーミングPCであり、そういう点でもDell Gシリーズとは異なっている。

 ただ、デルも抜け目がなく、Dell GシリーズにもSpecial Editionと呼ばれるRGBバックライトキーボードや底面RGB LEDが搭載された特別モデルを用意していて、名を捨てて実を取る的な展開はしている。

 さて、今回紹介するDell G15は前述した通り、また写真を見ていただいて分かる通り、パッと見はゲーミングノートに見えない。だが、中身はちゃんとゲーミングノートになっており、その見た目に似合わず一般的なノートに比べて遥かにパワフルだ。

 デザインが大人しいだけでAlienwareと似ている部分もあり、実際に冷却機能についてはAlienwareのゲーミングノートと同系統のものを搭載しているという。Alienwareとまったく関係がないというわけではなく、Alienwareで評価されている技術などはこちらにも使われているというわけだ。

Alienwareのゲーミングノートを見たことがある人なら分かるかもしれないが、後ろに向かって徐々に厚みが増していくデザインは実はAlienwareの少し前のノートに似ている。ただ、こちらの方がデザインは大人しい
こちらも同様で、ディスプレイの根元の黒い部分が後ろに出っ張っていて、その後ろに大きな排気口があるデザインはAlienwareの少し前のノートにそっくりだ。ちなみにあちらはこの部分が光るが、Dell G15は見ての通り光らない

これぞゲーミングノートと言える安心感のあるスペック

 Dell G15のスペックは下のスペック表のようになっている。CPUには第12世代のCore i7-12700Hを搭載し、メモリはDDR5-4800を16GB、ストレージは512GBのM.2 SSDだ。メモリは第11世代のCore CPUを搭載していた従来モデルではDDR4-3200だったが、CPUが第12世代になったことでDDR5-4800になった。

【表1】Dell G15のスペック
CPUCore i7-12700H(Pコア6+Eコア8、20スレッド、最高4.7GHz)
メモリDDR5-4800 16GB(8GB×2)
ストレージSSD 512GB(M.2、NVMe)
グラフィックスGeForce RTX 3060(ビデオメモリ6GB)
ディスプレイ15.6型液晶(1,920×1,080ドット、リフレッシュレート165Hz、非光沢)
おもなインターフェースThunderbolt 4(DisplayPort対応)、USB 3.0×3、HDMI 2.1、Gigabit Ethernet、ヘッドフォン/マイク
通信機能Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.2
バッテリ駆動時間非公開
OSWindows 11 Home
本体サイズ357.30×272.11×26.90mm(幅×奥行き×高さ)
重量最大2.672kg(構成によって異なる)
直販価格22万8,981円

 全体的にはゲーム用としては中の上くらいの標準的なスペックで、特に性能的に弱そうな部分はない。この基本スペックにGeForce RTX 3060を搭載することで、結構強めのスペックのゲーミングノートに仕上げられている。

 搭載しているのがミドルレンジ向けのGeForce RTX 3060ということで微妙に思う人もいるかもしれないが、実際のところはGeForce RTX 3060があればほとんどのゲームを快適に遊べるわけで、ゲームを楽しむ上でまったく問題がないスペックと言える。

CPUには通常の処理を行なうPコア(Performanceコア)を6コアと低消費電力で低負荷な処理を行なうEコア(Efficientコア)を8コア搭載する6+8コアの第12世代Core i7-12700Hを搭載。クロックはブースト時で4.7GHzだ
メモリは第11世代CoreではDDR4-3200までの対応だったが第12世代CoreではDDR5-4800までの対応になった。Dell G15でもDDR5-4800メモリを搭載している。容量は8GBを2枚で16GBだ
搭載するSSDはWestern DigitalのPC SN530 NVMe SSD 512GB。最大リード速度が2.4GB/sで、最大ライト速度が1.75GB/sのSSDだ
GPUにはモバイル向けのGeForce RTX 3060 Laptop GPUを搭載する。デスクトップ版よりもブーストクロックが少し低く、ビデオメモリが少なく、その代わりCUDAコアが多い

 Dell G15にはCPUが第11世代Coreのモデルや、AMDのRyzenを搭載したモデル、GPUにGeForce RTX 3070 Tiを搭載したモデルやGeForce RTX 3050を搭載したモデルなど、スペック違いのモデルが多数用意されている。なので、購入を検討する際は予算に応じて自分に合ったモデルを選ぶとよい。

 ただ、世の中一般に処理が重いと言われているような最新の3Dゲームを快適に遊びたい場合は、今回のモデルよりもスペックを下げてしまうと快適性に対するある程度の妥協は必要になってくると思う。また、逆にもっと高い性能が欲しい場合にはAlienwareを選ぶということになる。

 Dell G15はディスプレイもゲーム仕様になっていて、リフレッシュレートが165Hzもある。リフレッシュレートは高ければ高いほど良いということはなく、そのリフレッシュレートと同じフレームレートを出せるだけの性能がPCになければ意味がない。Dell G15の場合は解像度が1,920×1,080ドットのフルHDなので、なかなかバランスの良い組み合わせと言える。

ディスプレイには165Hzのリフレッシュレートに対応したゲーム仕様のものを搭載している。サイズは15.6型で解像度は1,920×1,080ドットだ
ディスプレイの表面は非光沢になっているので映り込みはほとんど気にならないレベルで、明るい部屋でゲームをプレイしてもゲームに集中できる
ディスプレイの上部にはWebカメラを搭載している。画素数は非公開だが、Windowsのカメラアプリによると90万画素で1,280×720ドットとなっていた

 本体の重量は構成によって異なっていて、最小が2.519kgで最大が2.672kgとなっている。最小だとしてもなかなか重く、持ち歩くことは想定されていない重さと言えるだろう。

 ただし、これでもゲーミングノートとしては驚くほどの重さではなく、どのゲーミングノートでもこんなものである。サイズもかなり大きく、357.30×272.11×26.90mm(幅×奥行き×高さ)もある。

 一般的な15.6型のノートに比べると大きいが、こちらも重さと同じでゲーミングノートとしては一般的な大きさとなっている。ゲーミングノートはノートとは言ってもそれなりに場所を取るものなので、購入する前に置く場所は考えておいた方がよい。このクラスのゲーミングノートは持ち歩いて使うものではなく、据え置きで使うものなのだ。

モバイル仕様のゲーミングノートを除けば、通常のゲーミングノートは据え置きで使用するものだ。Dell G15も実測で2.618kgあり、持ち歩くには少々重い。ただ、デルとしては持ち歩くことも想定しているようで、ピッタリサイズのバックパックを一緒に注文できるようになっている

 本体カラーは今回使用したファントムグレーのほかに、全体に黒っぽいダークグレーと、都市迷彩っぽい柄がキーボード面に付いているスペクターグリーンの2色があり、ファントムグレー以外はプラス880円追加することで選択できる。

 本体価格はこの構成で直販サイト価格が22万8,981円だが、この記事の執筆時点では23%オフキャンペーン中で17万6,316円となっていた。デルは頻繁に割引キャンペーンを行なうので、購入する場合はタイミングをよく見極めよう。

据え置きで使う場合に便利な背面インターフェイス

 Dell G15はインターフェイス類を左右の側面だけでなく背面にも搭載している。

 具体的には、背面にUSB 3.0(USB 3.2 Gen 1)とThunderbolt 4とHDMI 2.1と電源端子を搭載しており、左側面にはGigabit Ethernetとヘッドフォン/マイクのコンボジャックを搭載し、右側面にUSB 3.0を2ポート搭載している。

 背面は位置的にインターフェイスの抜き差しがとてもしづらく、つまりは挿しっぱなしにすることがある程度想定されているということだ。

 例えば、背面のUSB 3.0とThunderbolt 4にはそれぞれUSBマウスとUSB Type-Cのヘッドセットを接続し、HDMI 2.1に大型のモニターを接続してデュアルモニター環境にするなんていう使い方を比較的スッキリとした配線で行なえる。

 これだけ接続していても右側面にはUSB 3.0が2ポート空いているので、さらにゲームコントローラやキーボードだって接続することが可能だ。Dell G15は、ゲーミングノートとして単体で使用することもできるし、ゲーミングデスクトップPCのように使うこともできるように作られている。

背面には、左からThunderbolt 4、USB 3.0、HDMI 2.1、電源端子を搭載している。背面側はケーブルの抜き差しがし辛いので、あまり抜き差しをしない周辺機器を接続することになる
左側面にはGigabit Ethernetと、ヘッドフォン/マイクのコンボジャックを搭載している。高速な無線LAN環境でもゲーム時には通信遅延が気になることが多いので、ゲーミングノートではLANポートが搭載されていることが多い
右側面にはUSB 3.0を2ポート搭載している。右側面はマウスと干渉する位置なので、使うときにだけ接続する機器や、外付けでキーボードを接続してマウスとの干渉をなくすと良いだろう
中央右辺りに外付けモニターがあると思ってみてほしい。イメージ写真なのでほかにケーブル類も省いているが、このように色々接続してゲーミングデスクトップPCのように使うことも可能だ

キーボードは事務作業などで便利なテンキー付き

 キーボードには、BackspaceキーやEnterキーなどが小型化されている変則配列の日本語キーボードを搭載している。多くのノート用キーボードと同様にファンクションキーも小型タイプだ。限られたスペースにテンキーまで搭載しているためキーピッチは若干狭く、実測で約18.5mmとなっている。

 また、テンキーの方はもっと狭く、実測で約16mmのキーピッチだった。要は全体的に狭いキーボードなわけだが、テキスト入力では特に狭さが気になることはなく、問題なくブラインドタッチで入力を行なえた。ゲームでの使用も慣れれば問題ないレベルだ。

キーボードにはテンキー付きの日本語キーボードを搭載している。¥キーとBackspaceキーがくっ付いているなど、狭いスペースにテンキーを入れるために結構色々なところが変則的な配置になっている

 キーストロークは実測で約1.5mmほどで、本体サイズを考えると少々浅いとは思うが、浅いから使いにくということはない。デスクトップPC用のゲーミングキーボードでも人によってキースイッチの好みがまったく違うように、ノートのキーストロークも好みの問題が大きい。

 筆者は浅いキーストロークが好きなので、テキスト入力はとても快適に使えた。ゲームについてもキーピッチと同様に慣れれば問題ない。

 ファンクションキーには音量調節や画面の明るさ調節などを行なえるショートカットキー機能を搭載しており、Fnキーを押しながら押すことでそれらのショートカット機能を使用できる。また、Fnキー+Escキーを押すことでファンクションキーモードとショートカットキーモードを切り替えることが可能だ。

 この機能はなかなか便利で、例えばファンクションキーを使わないゲームを遊ぶ際にショートカットキーモードにしておけば、ゲーム中に音量や画面の明るさの変更をワンタッチで行なえる。

 タッチパッドはボタン部分とタッチ部分が1枚の板で構成されている一体型タイプを搭載している。キーボードのホームポジションの位置に合わせて搭載場所は本体の左寄りだ。ボタンが少し固めだが、Windowsの操作をする程度ならそれほど気にならない。ゲームの場合は、そもそもゲーミングノートではマウスを接続してゲームをするのが一般的なので、タッチパッドを使用することはほとんどない。そのため、ボタンの使用感が気になることはないだろう。

キーピッチは実測で約18.5mm、テンキーのみ実測で約16mmとなっている。テンキーはさすがにちょっと狭さを感じるが、それ以外のキーは慣れてしまえば特に違和感なく使用できる
バックライトLEDはホワイトLEDということだが、実際に目で見ると青系の色に見え、暗闇でも眩しさを感じることはなく見やすい。消灯と2段階の明るさをキーボードショートカットで選択可能だ

実際にゲームをプレイしてゲームプレイ時の快適性をチェック

 ベンチマークテストは別途最後に行なうが、ベンチマークテストの数値だけではゲームをどれくらい快適に遊べるのかが直感的に分かり辛い。そこで、何種類かのゲームを実際に遊んでみて快適性を見てみた。

 試したゲームは、バトルロイヤル形式のFPSゲームから「エーペックスレジェンズ」、オープンワールドタイプの3Dアクションゲームから「Watch_Dogs 2」、3Dアクションゲームから「NieR:Automata」、2Dベースのローグライトアクションから「Noita」、2Dベースの横スクロールアクションゲームから「The Vagrant」、レースゲームから「Project CARS 2」、音楽ゲームから「Muse Dash」の7本だ。筆者の手持ちのゲームから選んだので最新のゲームというわけではないが、ある程度の指標にはなるだろう。

 テストはフレームレートを計測できる「Fraps」を使用し、それぞれのゲームの序盤をプレイした際のフレームレートを記録するという方法で行なった。グラフィックス品質は基本的には設定できる範囲で最高品質に設定し、垂直同期はオフにしてある。

【表2】エーペックスレジェンズをプレイした際のフレームレート
最高fps156fps
最低fps84fps
平均fps120fps

 まずエーペックスレジェンズだが、ディスプレイのリフレッシュレートである165Hzに近い最高フレームレートが出ており、スムーズな画面でとても快適にプレイできた。

 最低フレームレートが84fpsになっているが、プレイ中にフレームレートの低下を体感した場面はなく、気付かないレベルで一瞬低下した際の記録だと思われる。

 マウスとキーボードでプレイしたが、キーボードの操作性も特に問題なく全体にとても快適だった。Dell G15はノートにしては比較的低音が出る2チャネル構成のサウンド機能を搭載しており、ゲームの音も聞きやすく十分な性能を持っている。

 だが、敵が出す音の方向を聞き分けられるほどの定位感はない。なので、敵の場所を音で判断できるようなゲームではヘッドフォンなどを使用した方が良いだろう。それ以外のゲームなら、本体のスピーカーから出る音で大きな不満を感じることはないはずだ。

【表3】Watch_Dogs 2をプレイした際のフレームレート
最高fps181fps
最低fps55fps
平均fps79fps

 続いては、ハッカーの主人公がインフラなどをハッキングしてゲームを進めていくというユニークな設定を持つ、サンフランシスコの街並みが美しいWatch_Dogs 2である。

 グラフィックスの綺麗さでも有名なゲームということで、さすがにエーペックスレジェンズほどのスムーズさはなかったが、それでも平均フレームレートは79fpsを記録し、十分にスムーズな画面でゲームをプレイできた。

 最高フレームレートと最低フレームレートの差が激しいが、これはビルが多くて人が多い場面をバイクなどで高速に移動するとフレームレートが落ち込み、人があまりいない山の上などを歩いているときはフレームレートが上がったからだ。落ち込むとは言っても最低フレームレートは55fpsなので十分快適に遊べる。

 このゲームもマウスとキーボードでプレイしたが、エーペックスレジェンズと同様に操作性に問題はなかった。

【表4】NieR:Automataをプレイした際のフレームレート
最高fps61fps
最低fps58fps
平均fps60fps

 次のNieR:Automataは、綺麗な背景と美しいキャラクターが特徴の3Dアクションゲームだ。一番の特徴はキャラクターの容姿とストーリーかもしれないが、Dell G15の性能とは関係ないのでここでは触れない。

 このゲームはMODなどを使わないそのままの状態ではフレームレートが60fpsまでに制限されているので、最高フレームレートは誤差込みの61fpsという結果となっている。ゲーム中に一度もフレームレートが落ち込むことはなく、安定してスムーズな画面でプレイできた。

 このゲームはキーボードでの操作が難しいのでUSB接続のゲームコントローラを使用したが、特に問題が出ることはなく快適に使うことができた。

 ただ、本体の後ろのUSBポートにはマウスを接続していたため、空いている右側面のUSBポートにゲームコントローラを接続することになり、ゲームコントローラのケーブルがマウス操作の邪魔になるということがあった。大きな問題ではないが一応お伝えしておく。

【表5】Noitaをプレイした際のフレームレート
最高fps61fps
最低fps58fps
平均fps60fps

 続いてはNoitaという完全2D描画のゲームだ。膨大な種類の魔法を組み合わせて自分だけの魔法を作り出し、洞窟の中を探検していく全方位スクロールのアクションゲームで、魔法を作るのがとにかく楽しい。

 このゲームは魔法も含めてゲーム内の物体がすべて物理演算されるというゲームなので、そこそこの性能を要求してくるゲームでもある。

 とは言え、最新の12世代Intel CoreとGeForce RTX 3060の組み合わせなら何の問題もなく、フレームレートが落ちることも処理の重さを感じることもなかった。ちなみに、このゲームも上限フレームレートは60fpsとなっている。

【表6】The Vagrantをプレイした際のフレームレート
最高fps61fps
最低fps58fps
平均fps60fps

 次はNoitaと同じ2DゲームのThe Vagrantだ。Noitaは処理に物理演算が入っている少々特殊な2Dゲームだったが、The Vagrantは昔ながらの完全2Dの横スクロールアクションゲームである。すべての背景やキャラクターが手描きのような雰囲気(本当に手描きかもしれないが)で緻密に描き込まれており、3Dゲームにはない魅力にあふれている。

 このゲームも上限フレームレートが60fpsになっており、ほぼ上限フレームレートのまま一度もフレームレートが落ち込むことなく快適にプレイできた。

【表7】Project CARS 2をプレイした際のフレームレート
最高fps169fps
最低fps102fps
平均fps135fps

 次に試したのはレースゲームのProject CARS 2だ。自動車の挙動がリアル寄りのシミュレータっぽいゲームで、FF(前輪駆動)とFR(後輪駆動)の違いや、ブレーキによる加重移動などをハッキリと実感できるレースゲームとなっている。

 2017年のゲームだがグラフィックスは今見ても十分に綺麗で、それほど処理が軽いゲームではないにも関わらず、今回プレイした中ではもっとも高リフレッシュレートの効果を実感できたゲームでもある。

 自動車の発進から加速、ほかの自動車の動きや、コーナーで過ぎ去っていく背景など、どれもが驚くほどスムーズでとても感動した。エーペックスレジェンズやWatch_Dogs 2でも動きのヌルヌル感はあったが、Project CARS 2ではもうすべてがヌルッヌルに動いて、ただコースを走るだけで楽しくなるほどだ。高リフレッシュレート万歳である。

【表8】Muse Dashをプレイした際のフレームレート
最高fps776fps
最低fps593fps
平均fps722fps

 最後は音楽ゲームのMuse Dashを試した。このゲームは、右から流れてくる敵や障害物を音楽に合わせて叩くゲームとなっている。設定でフレームレートの制限をなくすことができ、しかも完全2Dのゲームなのでとんでもないフレームレートが出てしまった。

 ただ、平均722fpsのフレームレートだからと言って画面がすごいことになるなんてことはなく、ディスプレイ側で映し切れない余分なフレームは捨てられて、単純に165fpsで描画されるだけである。

 もちろん快適にプレイできたが、少しテアリングが発生していたので、このゲームのようにフレームレートがディスプレイのリフレッシュレートを超えてしまう場合には垂直同期をオンにしてプレイした方が良いだろう。

 また、音楽ゲームはタイミングに合わせたすばやい入力が求められるからか浅いキーストロークと相性が良いようで、ゲームコントローラでプレイするよりもDell G15のキーボードでプレイした方が快適にプレイできた。

 以上、7本のゲームを試したわけだが、どのゲームでもパワー不足を感じる場面はまったくなく、フレームレートの制限がない3Dゲームにおいては、165Hzのリフレッシュレートを十分に生かせるだけの性能を発揮できていた。これだけのゲーム実行性能があれば、どんなゲームでも快適に楽しむことができそうだ。

バッテリ駆動時間と本体の熱処理性能はどうか?

 バッテリ駆動時間は、ゲームをプレイし続けた場合で約1時間50分の時点で強制的に休止状態に移行した。充電時間は、電源をオンにした状態で充電を行ない、充電開始から約2時間40分経った時点でバッテリ残量が100%になった。

 なお、文章入力やWebブラウザの使用、YouTubeの視聴といったゲーム以外の使い方でもバッテリ駆動時間はゲームプレイ時とあまり変わらず、満充電から約2時間5分の時点で休止状態に移行した。

 約2時間というバッテリ駆動時間は外出先などでまったく使えないというわけではないが、バッテリのみでの使用はオマケ程度に考えておいた方が良いだろう。

ACアダプタはゲーミングノート用ということで19.5V/240Wの大出力タイプ。重さはケーブル込みの実測で990gあった。サイズも実測で200×100×26mm(幅×奥行き×高さ)と大きめだ。ケーブルもノート側の細い方でも直径約6mmあり、太くて固いので取り回しが結構大変
ACアダプタのノート側の端子部は光る。ゲーミングノートでは頻繁に抜き差しするものではないのでなぜ光るのかなかなかの謎仕様だが、まあでもカッコ良くはある

 Dell G15は本体奥寄りの左右の内部に1つずつ2つのファンを搭載している。吸気と排気は、吸気がキーボードのディスプレイ寄りにあるスリットタイプの吸気口と、本体裏側にあるスリットタイプの吸気口から行なう仕組みだ。

 排気は、本体後ろ寄りの左右側面の2カ所および後部の左右2カ所から行なう。熱源と放熱部および吸排気を本体の後ろ寄りに集中させているので、キーボードの手前側やパームレスト部分はあまり熱くならないようになっている。

 テキストの入力やYouTubeの視聴などを行なった際の各部の温度と、ゲームをプレイした場合の各部の温度を計測した結果が下の表だ。

 CPUやGPUの温度は、PCの各部のセンサーの情報を表示できるHWMonitorで計測し、キーボードやパームレストの表面温度は非接触の温度計で計測した。計測時の室温は多少の変化はあったが、大体24℃くらいである。

【表9】使用中の各部の温度
(室温約24℃、HWMonitorと非接触温度計で計測)
Webブラウザなどを使用した際の各部の温度
CPU温度(最大)79.0℃
CPU温度(最小)44.0℃
GPU温度(最大)57.2℃
GPU温度(最小)54.7℃
キーボード面奥寄りの温度(最大)38.3℃(手前寄りはパームレスト温度と同様)
パームレスト温度(最大)23.7℃
本体裏面の温度(最大)44.9℃
ゲームをプレイした際の各部の温度
CPU温度(最大)100.0℃
CPU温度(最小)51.0℃
GPU温度(最大)83.3℃
GPU温度(最小)55.6℃
キーボード面奥寄りの温度(最大)50.6℃(手前寄りはパームレスト温度と同様)
パームレスト温度(最大)26.8℃
本体裏面の温度(最大)45.4℃

 Dell G15が搭載しているCore i7-12700HはProcessor Base Powerが45Wで、Maximum Turbo Powerが115WのCPUだ。ノート用とは言ってもターボ・ブースト時には115W相当の熱処理が必要になるということで、高負荷時にはなかなかの高温になってしまう。GPUのGeForce RTX 3060も最大115Wなので同様にかなり発熱する。

 ただし注意してほしいのは、計測結果の最大温度に関しては瞬間的に上昇した温度も含まれているということだ。例えばゲームプレイ時のCPUの最大温度が100.0℃となっているが、この温度で動き続けたわけではなく、これは一瞬上がったときのものが記録されたものだと思われる。

 実際、キーボード面のディスプレイ寄りに位置する、CPUやGPUの真上部分の最大温度は50℃程度に抑えられている。もし真下に100℃で動作するCPUがあればもう少し高い温度になるだろう。

 ただ全体に結構高い温度になることに変わりはなく、普段一般的なノートPCを使っている方は驚くかもしれない。しかし、ゲーミングノートというのはこういうものなので、特にDell G15がすごく熱いというわけではない。

 手が触れる範囲に関してはそれほど高温にはならず、高発熱のCPUとGPUの熱を本体の後方部分のみで処理してうまく熱をコントロールできている。ゲームをプレイしていても熱が気になったことは一度もなかったし、十分に優秀な冷却性能と言える。

 動作音についてもゲーミングノートとしては一般的な範疇の音量だ。負荷がかかるとシューっという空気を吸い込むような音が鳴り出し、負荷が減ると鳴らなくなる。BGMがあまりない静かなゲームでは気になると思うが、常に音楽が流れているようなゲームならすごく気になるというほどではない動作音だ。

各種ベンチマークテストの結果

 最後に各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。使用したベンチマークソフトは、事務処理からゲームまでPCのトータル性能が分かるUL Benchmarkの「PCMark 10 v2.1.2532.0」と、CPUのレンダリング性能を測るMaxonの「Cinebench R23.200」、ストレージの速度計測を行なえる「CrystalDiskMark 8.0.4」、ゲーム関連の処理性能を見るUL Benchmarkの「3DMark Professional Edition v2.22.7334.0」、そして実際のゲームエンジンを使用したベンチマークソフトであるスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の5種類だ。

 Dell G15のゲーミングノートとしての実力は実際にゲームをプレイしたテスト結果で確認済みなので、ベンチマークテストの各結果についてはほかのレビュー記事のテスト結果と比較したい場合などに使用する用として参考程度に見てほしい。

 全体的にはスペック通りの結果が出ており、なんの問題もない。SSDがもう少し速いと良いかなとは思うが、ゲームをプレイしていて遅いと感じる場面はなかったし、SSDのさらなる高速化で価格が上がってしまうよりはこのままの方がバランスが良いと思う。

【表10】ベンチマークテストの結果
PCMark 10 v2.1.2532.0の結果
PCMark 10 Extended Score8,619
Essentials9,636
App Start-up Score11,531
Video Conferencing Score7,539
Web Browsing Score10,294
Productivity10,052
Spreadsheets Score13,054
Writing Score7,741
Digital Content Creation10,271
Photo Editing Score12,990
Rendering and Visualization Score13,038
Video Editting Score6,399
Gaming14,993
Graphics score19,222
Physics score25,239
Combined score9,380
CINEBENCH R23.200の結果
CPU (Multi Core)14,672
CPU (Single Core)1,744
CrystalDiskMark 8.0.4の結果
1M Q8T1 シーケンシャルリード2,485.62MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト1,802.94MB/s
128K Q32T1 シーケンシャルリード2479.82MB/s
128K Q32T1 シーケンシャルライト1799.16MB/s
4K Q32T16 ランダムリード732.23MB/s
4K Q32T16 ランダムライト1,370.76MB/s
4K Q1T1 ランダムリード52.69MB/s
4K Q1T1 ランダムライト293.19MB/s
3DMark Professional Edition v2.22.7336.0の結果
Night Raid Score46,494
Night Raid Graphics Score93,588
Night Raid CPU Score12,072
Wild Life Score49,403
Time Spy Score8,855
Time Spy Graphics Score8,583
Time Spy CPU Score10,796
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークの結果
1,920×1,080ドット最高品質17,967
1,920×1,080ドット高品質(デスクトップPC)19,346
1,920×1,080ドット高品質(ノートPC)20,955
1,920×1,080ドット標準品質(デスクトップPC)22,055
1,920×1,080ドット標準品質(ノートPC)22,031

ゲーミングらしさが不要な人のための羊の皮をかぶったゲーミングノート

 Dell G15は記事の冒頭でも言った通り、パッと見はゲーミングノートに見えない、一般的なノートPCのように見えるゲーミングノートだ。しかし中身はしっかりとゲーミングノートになっており、狼とまではいかないまでも羊の皮をかぶったコヨーテ的なゲーミングノートと言える。

 ゲームが遊べるノートPCが欲しいが、いかにもなデザインやピカピカ光るノートPCは自分には合わないと思っている方は一度検討してみると良いだろう。