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Arrow LakeにvPro対応版が登場

 米Intelは5日(現地時間)、コードネームArrow Lakeで知られるCore Ultraシリーズ2のvPro対応版を正式発表した。搭載PCは3月後半より登場する見込みとなっている。

 同社は1月のCESにおいて、コードネームLunar Lake(Core Ultra 200V)のvPro対応版を発表。この際にArrow Lakeも第1四半期中の正式ローンチを明らかにしていたが、このたびMWC Barcelona 2025で正式発表。これによりCore Ultraシリーズ2全ラインナップのvPro対応が完了した。

 薄型軽量ノート向けのCore Ultra 200Uシリーズのうち、例としてCore Ultra 7 265Uは前世代の165Uと比較してシングルコア性能で6~8%、マルチコア性能で8~13%向上。オフィス生産性性能などを示すProcyon Office Productivityのベンチマークのスコアは最大10%、ビデオ編集性能を示すProcyon Video Editingのスコアは最大30%向上するとしている。

 高性能ノートPC向けのCore Ultra 200Hシリーズのうち、例としてCore Ultra 7 265Hは165Hと比較してシングルコア性能で21%、マルチコア性能で1~29%向上。同様にオフィス生産性は最大15%、ビデオ編集性能は最大60%向上する。

 また、4年前のCore i7-1185G7との比較では、シングルコア性能は42~50%、マルチコア性能は142~184%も向上。オフィス生産性は39%、ビデオ編集性能は97%と大幅に向上する。さらに、競合のRyzen AI 7 PRO 360と比較しても最大で15%ほど性能が高いなどと優位性をアピールしている。

Core Ultra 265Uと165Uの性能比較
Core Ultra 265Hと165Hの性能比較
Core Ultra 265HとCore i7-1185G7の性能比較
競合との性能比較
AI性能は競合より高いとしている
モバイルワークステーション用途でも高い性能を発揮

 高性能モバイルワークステーション向けのCore Ultra 200HXシリーズは、Core Ultra 9 285HXと前任にあたるCore i9-14900HXと比較すると、シングルコア性能は5~10%、マルチコア性能は10~43%高速。オフィス生産性能は17%、ビデオ編集性能は41%向上する。また、ワークステーションの性能を計測する「SPEC workstation 4.0」ベンチマークでも、10~63%の性能向上が見込めるという。

Core Ultra 9 285HXとCore i9-14900HXの性能比較
Core i9-14900HXとのワークステーションワークロード性能比較

 最後にデスクトップ向けのCore Ultra 200Sシリーズだが、例としてCore Ultra 9 285はCore i9-14900と比較してシングルコア性能で6~8%、マルチコア性能で11~31%向上し、オフィス生産性能は14%、ビデオ編集性能は38%向上する。

 さらに5年前のCore i9-10900と比較すると、シングルコア性能は77~87%、マルチコア性能は174~259%高速であり、オフィス生産性能は78%、ビデオ編集性能は574%も向上するとした。

Core Ultra 9 285とCore i9-14900の性能比較

 これらのみならず、Wi-Fi 7への対応、Thunderbolt 4/5といった周辺機器との接続性の向上などの優位性をアピールし、企業に導入された古いPCの買い替えを促す。搭載システムは10社を超えるOEMから150以上のデザインが登場するとしている。

Wi-Fi 7やThunderbolt 4/5への対応
150を超えるシステムが登場予定
vProのセキュリティ機能
Windows 11と組み合わせたセキュリティ性の高さ

 Intelは同時に、シリコンチップ製造におけるプロセスを可視化して保証する「Assured Supply Chain」プログラムを展開し、サプライチェーンの透明性を高めることで誠実さや信頼性を顧客に提供する。

Assured Suplly Chainの展開