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世界最薄14型ゲーミングノート「Alienware x14」に死角はあるか?

~最新スペックの高性能と快適な使用感を両立、先進機能も満載

Alienware x14

 デル・テクノロジーズ株式会社が手掛けるゲーミングPCから、世界最薄を謳う14型ゲーミングノート「Alienware x14」が登場した。本機は厚さが14.5mmとかなりの薄型ノートPCでありながら、GeForce RTX 3060/3050 Tiを搭載し、CPUも第12世代Core i7とハイスペックなのが特徴だ。

 ゲーミングノートの薄型化は、排熱との戦いになる。高性能なCPUやGPUは、高負荷時に猛烈な熱を発するため、性能に比例して高い冷却性能が求められる。冷却が足りなければ、CPUやGPUは熱による破損を避けるため、自動的に性能を落とす(サーマルスロットリング)。そうなれば高性能なスペックも意味がない。

 冷却性能を高めるには、ファンの風量を増せばいい。なるべく大きなファンを使いたいが、薄型筐体はサイズに制約がある。小さなファンを高回転させても風量は増すが、ファンの騒音が大きくなる。筐体のあちこちから広く熱を逃がすという考え方もあるが、キーボードなどに熱が伝わる。いずれにしても使用時の不快感が増す結果になる。

 Alienwareはこれまでの製品でも、トップレベルの熱対策を施して、性能と快適性を維持したまま小型・薄型化を実現してきている。そのノウハウの積み重ねで、本機はどこまで進化できたのかが見どころだ。

14コアの最新Core i7やGeForce RTX 3060を搭載

 今回試用した「Alienware x14」は、GeForce RTX 3060搭載モデル。スペックは下記の通り。

【表1】Alienware x14
CPUCore i7-12700H
(6Pコア+8Eコア/20スレッド、Pコア4.7GHz+Eコア3.5GHz)
GPUGeForce RTX 3060(6GB)
メモリ16GB LPDDR5-5200(8GB×2)
SSD512GB(M.2 NVMe)
光学ドライブなし
ディスプレイ14型非光沢液晶(1,920×1,080ドット/144Hz/3ms)
OSWindows 11 Home
汎用ポートThunderbolt 4×2、USB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×1
カードスロットmicroSD(UHS-II)
映像出力HDMI 2.1×1、Thunderbolt 4×2、USB 3.1 Type-C×1
無線機能Intel AX211(Wi-Fi 6E、Blunetooth 5.2)
有線LANなし
その他前面720/30pカメラ、デュアルアレイマイク、ヘッドセット端子
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)321.5×262.77×14.5mm
重量約1.841kg
直販価格31万8,130円(現在割引価格で24万7,984円)

 CPUは6Pコア+8Eコアで20スレッドのCore i7-12700H、GPUはGeForce RTX 3060と、ゲーミングノートPCとしてはミドルクラスのスペック。メインメモリは最新のLPDDR5-5200を16GB、ストレージはNVMe SSDが512GBで、速度の面も期待できる。

 ディスプレイは14型のフルHDで、リフレッシュレートは144Hz。ハイリフレッシュレート対応は最近のゲーミングノートPCではスタンダードになってきており、本機も手抜かりはない。

 厚みは公称で14.5mmとなっている。試用機を計ってみると、本体後部の最も厚い部分で14.5mm程度あり、前方はもう2mmほど薄いようだ。ただ裏面の脚部を計算に入れていないようで、実際に設置すると高さは最大18mm程度となった。それでも十分薄いのは確かだが。

 重量は1.841kgで、ことさら軽さを売りにしている製品ではないものの、14型ディスプレイ搭載機だけあってゲーミングノートPCとしては軽量な部類に入る。一般的なノートPCより本体後方に長い形状のため、コンパクトな印象はないものの、取り回しは良さそうだ。

 端子類を見ると、Thunderbolt 4を含め、USBのType-C形状のものが3つで、Type-A形状は1つしかない。PCゲームのプレイ時などにはマウスやゲームパッドを接続すると思われるが、Type-Aに接続したいものが同時に2つ以上ある場合は、Type-Cからの変換などが必要になる。近い将来、Type-Cが主流になるのは間違いなく、Thunderbolt 4が2基あるのは将来性も高いが、今現在をどうするかはあらかじめ考慮しておきたい。

 充電は付属の130W出力ACアダプタをUSB Type-Cポートに接続するのが基本だが、USB Type-CポートおよびThunderbolt 4ポートでUSB PDによる充電にも対応する。AlienwareブランドのノートPCでは初搭載だという。ただゲームプレイなどで消費電力が大きい場合は電力供給不足になると思われるので、あくまで補助的なものと考えておいた方がよさそうだ。

 価格は定価では31万8,130円となっているが、本稿執筆時点ではクーポンを適用して24万7,984円となっていた。

薄型筐体で排熱に苦労が見えるも、十分な性能を発揮

 続いて実機でパフォーマンスをチェックする。ベンチマークテストに利用したのは以下の通りだ。

  • PCMark 10 v2.1.2556
  • 3DMark v2.22.7336
  • VRMark v1.3.2020
  • PHANTASY STAR ONLINE 2 NEW GENESIS Character Creator
  • ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
  • FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
  • Cinebench R23
  • CrystalDiskMark 8.0.4」。

 本機には専用のカスタマイズソフト「Alienware Command Center」がプリインストールされており、オーバークロックのプロファイルが2種類用意されている。今回は「PCMark 10 v2.1.2556」と「3DMark v2.22.7336」に限り、オーバークロック設定を使用した際のベンチマークテストを実施した。

 オーバークロック設定はカスタマイズもできる。設定可能なのはGPUの電力とサーマル(温度)の限度、コアクロックとメモリクロック。標準設定ではコアクロックが25MHz、メモリクロックが50MHz上がっており、「Overclock01」だとコアクロックが25MHz、メモリクロックが50MHz上昇(つまり標準と同じ?)、「Overclock02」ではコアクロックが50MHz、メモリクロックが100MHz上昇となっていた。

「Alienware Command Center」でオーバークロック設定が可能
「Overclock01」のGPU設定
「Overclock02」のGPU設定。クロックが少し上がっている
【表2】ベンチマークスコア
標準Overclock01Overclock02
「PCMark 10 v2.1.2556」
PCMark 107,2557,2907,258
Essentials10,51710,51910,546
Productivity9,7939,9049,807
Digital Content Creation10,06310,09110,033
Idle Battery Life7時間18分
Modern Office Battery Life5時間37分
Gaming Battery Life54分
「3DMark v2.22.7336 - Port Royal」
Score4,3204,3694,387
「3DMark v2.22.7336 - Time Spy」
Score7,6887,7897,844
Graphics score7,2607,3687,423
CPU score11,54711,52511,571
「3DMark v2.22.7336 - Fire Strike」
Score16,21216,49216,645
Graphics score17,71318,02718,157
Physics score24,13124,93225,142
Combined score7,6217,6857,810
「3DMark v2.22.7336 - CPU Profile」
Max threads6,6126,6476,578
16-threads6,2216,1896,238
8-threads4,7544,7344,766
4-threads3,0723,1583,150
2-threads1,8171,8001,823
1-thread932937942
「PHANTASY STAR ONLINE 2 NEW GENESIS Character Creator」(簡易設定6)
1,920×1,080ドット12,569
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(最高品質)
1,920×1,080ドット16,308
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(高品質)
3,840×2,160ドット3,188
1,920×1,080ドット7,113
「Cinebench R23」
CPU(Multi Core)14,227pts
CPU(Single Core)1,729pts

 CPU系の結果を見ると、シングルスレッドの性能の高さが際立っている。マルチスレッドになると、コア数が多いほどクロックは下がっていく。「3DMark」のCPU Profileによると、シングルスレッドで約4.6GHzだったものが、2スレッドでは4.4GHz、4スレッドでは4.1GHz程度と落ちていき、最大スレッドでは3.5GHz前後となった。またクロックの変動幅も大きく出ている。

 薄型筐体だけあって、やはり冷却の難しさが出てはいる。ただ一般的なゲーミングノートPCと比較して特に悪いデータというわけでもない。「Cinebench R23」でもMP Ratioが8.23あるのは、6+8コアのCPUとして健闘していると言えるし、Core i7-12700Hの持つ高い処理能力も一定程度は発揮できている。

 グラフィックス系では、冷却に若干の苦労が見える。「3DMark」の各テストでは、GPUクロックは1,550MHz前後で頭打ちになり、シーンによってはもう少し落ちる場面もある。安定したクロックを維持し続けるのはさすがに厳しいようだ。

 「Overclock02」のプロファイルに設定した場合、GPUクロックの最高値が30MHz程度上がっているのを確認できた。ベンチマークテストのスコアでもグラフィックス系で2~3%程度のわずかな上昇が見られる。CPUに関しては有意な差は見られず、正しくGPU周りだけがオーバークロックされているようだ。

 ゲーム系のベンチマークテストでは、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」では、フルHDで「快適」、4Kだと「普通」の評価。フルHDであればハイリフレッシュレートで十分遊べそうだ。HDMI 2.1も搭載しているので、対応する外部ディスプレイがあれば4Kのハイリフレッシュレートも試せるが、そちらはやや力不足となるかもしれない。

 バッテリ持続時間は、ディスプレイの輝度を50%に設定した状態で、アイドル時は7時間を超えたが、ゲームプレイ時は1時間弱となった。80Whの大容量リチウムイオンバッテリを搭載したことも本機のセールスポイントだったが、余裕を持って3Dゲームをプレイできるまでには至らない。オフィスユースなど一般用途を想定するなら十分と言えるだろう。

 ストレージはキオクシア製SSD「KXG70ZNV512G」が使われていた。PCIe 4.0対応のSSDで、シーケンシャルリードは約6.5GB/sと高速。大容量ゲームの保存先として、申し分のない性能だ。

CrystalDiskMark 8.0.4

 続いて実際のゲームのテストとして、「Fortnite」のバトルロイヤル1戦と、「Apex Legends」のチュートリアル1周のフレームレートを、NVIDIA FrameViewで計測した。解像度はディスプレイと同じ1,920×1,0800ドット、画質はいずれも最高設定とした。ただし「Apex Legends」のテクスチャストリーミング割り当ての項目のみ、本機のVRAM搭載量に合わせて1段階下げて「最高(VRAM:6GB)」とした。

【表3】ゲームのフレームレート
「Fortnite」
平均86.904
下位90%70.777
下位95%65.742
下位99%55.547
「Apex Legends」
平均137.037
下位90%118.899
下位95%113.482
下位99%100.405

 「Fortnite」では平均約87fps、下位99%でも約56fpsで、プレイ感に何ら問題はない。ただ本機のリフレッシュレートが144Hzであることを思うと、もう少し画質を落としてフレームレートを優先するという判断はあり得る。

 「Apex Legends」では平均で約137fpsとなっており、フレームレート上限の144fpsに当たっているシーンが多くあると思われる。下位99%でも100fpsを超えており、最高画質でも満足のいくフレームレートを維持できるだろう。

薄くとも頑強な筐体に、先進機能を多数搭載

Alienwareではお馴染みのルナライトのカラーリングとAlienロゴ

 続いて実機を見ていく。シルバーホワイト(ルナライト)の外装はAlienwareのほかの機種と同じく近未来的な印象を与えてくる。実際に手に持つと、やはり薄さは際立っており、仮に本機がゲーミング向けではない製品だったとしても、十分薄いと感じられる。

 14型なのでややコンパクトなのも特徴。後方がやや出っ張る形はAlienwareの伝統とも言えるもので、冷却力を稼ぐとともに、デザイン的にも近未来感を強めている。ただ奥行きが一般的なノートPCに比べて2~3cmほど長くなっているのは確かで、ここがデメリットの1つであるのは間違いない。

ディスプレイのヒンジ部分より後方にも本体が続く形。つまり奥行きが少し長い

 薄くコンパクトな外見に反して、持った時にはずっしりとした手ごたえがある。重量は1.841kgなので、モバイルノートの範疇から漏れるくらいには重いのだが、見た目に寄らず重みを感じる、という印象だ。

 筐体の剛性はとても高く、ねじる動きにもまったくたわみが出ない。天板を押すとわずかにへこむものの、一般的なノートPCと比べても堅い手ごたえがある。中身も外側も非常にがっしりした作りだなと感じさせる。

 ディスプレイは非光沢液晶ながら、色味はとても鮮やか。視野角も十分に広く、あらゆる角度で色相変化は見られない。144Hzのリフレッシュレートでゲームのみならず一般アプリケーションのスクロールも滑らかだ。3msとしている応答速度については、特別に高速とまでは思えないものの、ゲームも含めて残像感が気になるほどのこともない。特に欠点のない良質なパネルだと感じる。

非光沢液晶のディスプレイ。色味は鮮やかで、端まで色ムラは感じられない
視野角も十分広い

 キーボードはアイソレーションタイプで、テンキーは非搭載。キートップはファンクションキーを除く主要なキーはほとんど正方形を維持している。1.2mmとするストロークは強めのクリック感もあり、文字入力でも好感触。Nキーロールオーバーにも対応している。

 キー配列は基本的には標準的ながら、最右列にはマイクオフ、音声出力オフ、音量上下の特殊キーを配置。ボイスチャットを利用するゲームユーザーには重宝する。また副次的な効果として、右列最下段を使ってフルサイズのカーソルキーを搭載。ノートPCでは縦に縮めたキートップにされがちなカーソルキーが、使いやすいサイズで維持されている。全体的にゲーマーのことをよく考えられた配置だ。

 バックライトは全キーが一律で光る。専用ツール「Alienware Command Center」で、色や明るさ、光り方のカスタマイズが可能。LEDライティングとしてはほかに天面(ディスプレイ裏)のAlienロゴがあり、こちらもキーボードバックライトと同様にカスタマイズできる。

キーボードはオーソドックスな配置ながら、最右列に特殊キーがある
タッチパッドはボタン内蔵型。キーボードバックライトも搭載
「Alienware Command Center」でキーボードバックライトのカスタマイズが可能
天面のAlienロゴもカスタマイズできる

 電源はキーボードの右列上段にあるキー。この電源キーだけはキーボードバックライト設定が独立しており、初期設定では、電源接続中は青、バッテリ駆動中はオレンジに光る。使用中は光が明滅しており、ストレージのアクセスランプなのかと思ったが、残念ながら単なる演出のようだ。

 端子類は側面には一切なく、すべて背面に用意されている。Type-C形状のUSB端子が3基あり、すべてが充電やDisplayPort出力対応。さらにThunderbolt 4も2基で、拡張性は非常に高い。Type-A端子の機器を複数使いたい時だけは注意が必要だが、将来的にも安心できる構成だ。

左側面は排気口があるのみ
右側面も同様
前面もインジケーターすらない
背面は左からUSB 3.1 Type-C、ヘッドセット端子、HDMI 2.1、USB 3.0、microSDスロット、Thunderbolt 4×2。他機種で見られるLED装飾は搭載していない
底面は吸気用のスリットが大きく空けてある

 スピーカーはキーボードの上部になるメッシュ部分の左右に内蔵されている。音は中高音がとてもクリアで、低音も弱いながら感じられる。ステレオ感もしっかり出ており、ノートPC向けのスピーカーとしてはかなり上質だ。ノートPCのスピーカーは一般的に底面に配置されることが多いが、本機は上面にあることでクリアな音質を確保できているのではないかと思う。

スピーカーはキーボードの上部に内蔵されている

 スピーカーの質はゲームの音をそのまま出しても不満はないレベルなのだが、悩ましいのは騒音だ。エアフローは底面から吸気、背面と側面から排気。2基のファンとベイパーチャンバーを使ったAlienware Cryo-tech 冷却テクノロジーにより、高負荷時にもパフォーマンスを維持するとしている。

 アイドル時はファンが止まっており無音状態で、オフィスユース程度ならまったく問題なく使用できる。しかし高負荷時にはファンが高回転し、風切り音が出てくる。騒音自体はそこまで大きくないものの、高めの風切り音は気になりやすい。スピーカーからのゲームの音をそこまで邪魔はしないが、快適とも言えない状態で、ヘッドフォンが欲しくなる。

 キートップへの熱伝導は、高負荷時には中央上部を中心にかなり熱くなる。ただゲームでよく使うW/A/S/Dキー付近は比較的冷やされており、高負荷状態を続けてもほんのり温かさを感じる程度で止まっている。薄型筐体でもここまで耐えているのは、さすがはAlienwareだなと感じる。

 ACアダプタは130WのUSB Type-C接続のものが付属する。厚さは本体より少し厚いが、ACアダプタとしては十分薄い。ただACアダプタからコンセントへ接続するケーブルが、着脱式ながらデスクトップPC並に太い。ゲーミングPC用なので仕方ないが、本体を含めて持ち運ぶには少々邪魔になる。

130W出力のACアダプタ。薄型だがケーブルが太いのが難点

 その代わり、本機はUSB PD接続での充電も可能だ。試しに筆者所有の27W出力のUSB PDアダプタに接続してみたところ、充電状態にはなったが警告通知が表示された。また接続するポートは、Thunderbolt 4ポートを含むUSB Type-C形状の3ポートならどれでも充電できた。

 ノートPCのUSB PDによる充電対応は、最近のノートPCでは珍しくないものの、100W超の大電力を消費するゲーミングPCではレアな存在だ。ゲーム用途などでは電力不足になると思われるが、オフィス用途やモバイル用途など低負荷であれば間に合う可能性が高いので、ゲーム以外の用途にも活用したい人には重宝する機能と言える。

27W出力のUSB PDアダプタを接続すると、充電状態にはなったが警告が出た

求める性能に合うGPUを選べば満足感も増すはず

独特な外見さえ許容できるなら、あらゆる用途で活躍できる

 ゲーミングノートPCとしては極めて高い性能を実現しつつ、快適な使用感を維持するのは、Alienwareの伝統芸とも言えるもの。本機もその枠から決して外れてはおらず、薄型筐体としては驚異的な排熱処理で快適性を実現できている。

 ただ過去のAlienwareのノートPC、つまり本機ほど薄くも小さくもない製品に比べると、騒音レベルやキートップへの熱伝導はわずかながら多いと感じる。それでもすべてにおいてパーフェクトとはいかないというだけで、ゲーマーの使用感まで配慮した設計は、やはりほかの追随を許さないほど高いレベルにある。

 騒音の大きさをなるべく控えたいのであれば、GPUはGeForce RTX 3050 Tiを搭載したモデルを選ぶという選択肢もある。今回は当該モデルを検証していないので確かなことは言えないが、おそらくはGeForce RTX 3060モデルと比べて発熱や騒音は小さくなると思われる。価格も下がるので、用途に足りる性能と思えるならそちらを選ぶことも考えたい。

 Alienwareシリーズは独特のデザインで好みが分かれる。特に公私とも1台でまかなおうと考えた時に、果たしてビジネスでも許せるかどうかは人によると思う。もし許容できるのであれば、本機は性能も申し分なく、どんな用途にも安心して使える。本機の売りである薄さもすばらしく、快適な使用感のみならず、手に持った時の所有欲や満足感を大いに得られる製品だ。