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これぞ勝てるゲーミングノート!240Hz&RTX 3070搭載の「G-Tune H5」

マウスコンピューターの「G-Tune H5」。直販価格は26万3,780円から

 マウスコンピューターのゲーミングPCブランドとしておなじみの「G-Tune」。デスクトップ、ノート、ゲームの推奨モデルなど多彩なラインナップを揃える。その中で、eスポーツで“勝ちにこだわれる”スペックを持つゲーミングノートを求めているならピッタリなのが「G-Tune H5」だ。

 8コア16スレッドのCPU、リフレッシュレート240Hzの液晶にGeForce RTX 3070 Laptop GPUと高い性能を凝縮。FPS/TPSを高フレームレートでプレイ可能なのはもちろん、大作ゲームの美麗なグラフィックも堪能できる本機のレビューを早速お届けしよう。

Core i7-11800HとRTX 3070の強力コンビ

 「G-Tune H5」は、CPUに第11世代Coreプロセッサ「Core i7-11800H」を採用。8コア16スレッド仕様でTurbo Boost時は最大4.6GHzまで動作クロックが上昇とマルチスレッドにもシングルスレッドにも強い仕様。ゲーム向きと言える。ただ、TDPは45Wと消費電力と発熱は高めだ。メモリはDDR4-3200が16GB(8GB×2)、ストレージは高速なNVMe SSDが512GBとゲームプレイには十分である。

CPUは8コア16スレッドの「Core i7-11800H」を搭載

 ゲーミングPCの心臓部と言えるGPUは「GeForce RTX 3070 Laptop GPU」。モバイル向けのRTX 3000シリーズの上位に位置し、CUDAコアは5,120基と強烈だ。前世代のモバイル向けRTX 2070が2,304基なので2倍以上増えたことになる。ビデオメモリはGDDR6が8GBと十分、バス幅も256bitと広い帯域が確保されている。

 GPU電力とブーストクロックはノートPCの設計によって異なるが、本機は電力140W、ブーストクロック1,620MHzとGeForce RTX 3070 Laptop GPUの性能をフルに引き出せる仕様。もっとブーストクロックが低い仕様のノートPCもあるだけに、ここは大きな魅力と言ってよいだろう。もちろん、RTXシリーズなのでレイトレーシングやDLSSもサポートする。

GPUにはモバイル向けのGeForce RTX 3070 Laptop GPUを搭載
電力は140W、ブーストクロックは1,620MHzに設定

 BTOにも対応。CPUとGPUは固定だが、メモリは最大64GB(32GB×2)まで増設が可能。ストレージは最大2TBのNVMe SSDが用意され、PCI Express 4.0 x4接続のハイエンドタイプも選択できる。さらにNVMe SSDをもう1台追加できるので、最大4TBの環境で注文も可能だ。

 マウスコンピューターはサポート面の充実も強み。1年間の無償保証、24時間365日の電話サポートがあり、故障時には72時間以内の修理完了を目指すという強力なサポート体制を整えている。約3営業日と出荷もスピーディーだ。

【表1】G-Tune H5の仕様
CPUCore i7-11800H(2.3GHz~4.6GHz)
メモリDDR4-3200 16GB
ストレージ512GB SSD
GPUGeForce RTX 3070 Laptop GPU
液晶1,920×1,080ドット表示対応15.6型
OSWindows 10 Home
インターフェイスThunderbolt 4、USB 3.1、USB 3.0×2、HDMI、SDカードリーダ、Webカメラ、ステレオスピーカー、音声入出力端子
無線Wi-Fi 6、Bluetooth
本体サイズ360.2×243.5×26.6mm(幅×奥行き×高さ)
重量約2.23kg

シンプルなデザインで幅広い用途に使える

 続いて、本体をチェックしていこう。ゲーミングPCだが、黒を基調とした落ち着いたデザインなので、仕事や学業にも使いやすい。高いCPUとGPUパワーを活かしてクリエイティブ用途に使うのもよさそうだ。

 その一方で、キーボードのバックライトにはRGB LEDを採用し、発光色や発光パターンを自由に選べるとゲーミングPCらしい一面も。キー単位で発光色を決められるなど、こだわった設定が行なえるのもおもしろい。

 本体の重量は公称で約2.23kgでサイズは360.2×243.5mm×26.6mm(幅×奥行き×高さ)と、15.6型の液晶を備えているだけに大きめで厚さもある。持ち運びには向かないが、バッテリ駆動時間は約10時間と長く、モバイル用途でも使用可能だ。

ゲーミングPCだが、ビジネスにも使える落ち着いたデザイン
ディスプレイは最大でここまで開く

キーボードはメカニカルキースイッチの本格派

 キーボードは、クセのない日本語配列で使いやすい。注目はキースイッチだ。薄型のメカニカルスイッチが採用されており、押下圧60g(+20g/-10g)でキーストローク2mmとしっかりとした押し心地を実現。垂直にスッと押し込めるのはメカニカルスイッチならでは。

 それだけにキートップの固定にややガタツキがあるのが残念だ。キーピッチは約18.8mmと十分な広さが確保され、テンキーも備えているので仕事にも使いやすい。

 左下の「Fn」キーとファンクションキーを組み合わせることで、ロック画面への切り換え、外部出力への切り替え、ミュート、音量調整、輝度調整、バックライトの調整、機内モードへの切り替えなどが実行できる。タッチパッドは実測で117×74mmと十分広い。

キーボードは日本語配列
メカニカルキースイッチを採用とゲームプレイにおけるすばやい入力もしやすい。また、全キー同時押しもサポートしている
テンキーも備えている
タッチパッドは117×74mmと広い
キーボードはバックライトを搭載
バックライトの発光色や発光パターンはControl Centerアプリで設定できる

液晶は非光沢のフルHD、インターフェイスはThunderbolt 4を用意

 液晶は15.6型のフルHD解像度だ。表面はノングレア(非光沢)で、詳しいスペックは公表されていないが、側面から見ても色の変化がほとんどない高い視野角を持っていることからIPSパネルを採用していると見られる。

 ポイントは240Hzの高リフレッシュレートを採用していることだろう。1秒間に最大240コマも表示が可能と、FPS/TPSにおいてはわずかな動きも捉えやすくなる。

 ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラを搭載、Windows Helloによる顔認証もサポートしている。デュアルアレイマイクも内蔵、底面にはステレオスピーカーも備えており、Web会議にも対応しやすい、

ディスプレイは15.6型のフルHD液晶。リフレッシュレートは240Hz
液晶の詳細なスペックは不明だが視野角の広さからIPSパネルと見られる
ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラとマイクを内蔵する
ステレオスピーカーは底面に搭載

 インターフェイスは左側面にUSB 3.1、ヘッドフォン出力、マイク入力を搭載。右側面にUSB 3.0×2、SDカードスロットを用意。背面にはThunderbolt 4、HDMI出力、Gigabit Ethernetがある。

左側面にUSB 3.1、ヘッドフォン出力、マイク入力
右側面にUSB 3.0×2、SDカードスロット
背面にThunderbolt 4、HDMI出力、Gigabit Ethernet

 また、無線LANはIntel AX201によるWi-Fi 6(最大2.4Gbps)に対応し、Bluetooth 5もサポート。付属のACアダプタは230Wと大出力なのでかなり大きい。重量も実測で856gもあり、持ち運びには不向きだ。

ACアダプタは230W出力でかなり大きめ
ACアダプタの重量はケーブル込みで856g

240Hzが活かせる性能を搭載

 次にベンチマークで基本性能をチェックしてみよう。ベンチマークは「PCMark 10」、「3DMark」、「Cinebench R23.200」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」、「CrystalDiskMark」だ。

 本機には、静音、バランス、パフォーマンスと3つの動作モードが用意されているが、ここではパフォーマンスに設定してテストを行なっている。また、比較対象として同CPUを採用、GPUにはGeForce RTX 3050 Laptop GPUを搭載するゲーミングノートを用意した。

付属アプリの「Control Center」で動作モードを設定できる
【表2】ベンチマーク結果
検証機G-Tune H5
Core i7-11800H
GeForce RTX 3070 Laptop GPU
比較機
Core i7-11800H
GeForce RTX 3050 Laptop GPU
PCMark 10
PCMark 10 Score6,8126,451
Essentials9,62110,240
App Start-up Score12,07314,566
Video Conferencing Score7,7417,819
Web Browsing Score9,5319,428
Productivity9,1148,891
Spreadsheets Score11,00210,703
Writing Score7,5517,386
Digital Content Creation9,7838,003
Photo Editing Score13,5529,753
Rendering and Visualization Score11,5739,641
Video Editting Score5,9715,452
3DMark
Time Spy9,7965,559
Fire Strike22,44811,823
Port Royal6,090673
Wild Life57,75930,829
Night Raid48,18240,929
Cinebench R23.200
CPU(Multi Core)11,31013,362
CPU(Single Core)1,4601,523
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
1,920×1,080ドット 高品質(デスクトップPC)18,36413,571
1,920×1,080ドット 最高品質18,17112,414
ドラゴンクエストX ベンチマーク
1,920×1,080ドット 標準品質24,46824,630
1,920×1,080ドット 最高品質24,45924,582
SSDをCrystalDiskMark 8.0.4で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード2,246.91MB/s2,243.36MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト1,158.70MB/s1,160.48MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード1,772.71MB/s1,951.91MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト1,121.50MB/s1,159.27MB/s
4K Q32T1 ランダムリ-ド476.25MB/s557.51MB/s
4K Q32T1 ランダムライト475.09MB/s525.19MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド65.53MB/s71.79MB/s
4K Q1T1 ランダムライト158.53MB/s119.97MB/s

 PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべて2倍ほどのスコアを出しており、一般的な用途で不満を感じることはないだろう。

 ゲームに関しては、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」ともフルHD解像度かつ最高画質設定で十分快適にプレイできるスコアを

 ストレージは、シーケンシャルリードが2,246.91MB/s、シーケンシャルライトが1,157.70MB/sとNVMe SSDとしてはエントリークラスの速度だが、それでもSATA接続のSSDよりもずっとデータ転送速度は上だ。

 動作モード別の性能もテストしておこう。3DMarkを実行したところ、スコアが高い順にパフォーマンス、バランス、静音となった。ゲームをプレイするときはパフォーマンスモードに設定しておくのがよいだろう。

モード別の性能差

 また、モード別のCPUとGPUクロック、CPUとGPU温度も確かめておこう。ここではサイバーパンク2077を10分間動作させたときの、CPU/GPUクロック、CPU/GPU温度を「HWiNFO 7.10」で追っている。

CPUクロック
GPUクロック
CPU温度
GPU温度を参照

 静音モードはCPU、GPUともクロックが大幅に落ちるが、その分ファンの回転数も大きく落ちるので圧倒的に動作音は小さくなる。温度も低いので熱の心配もなく、ブラウザゲーム程度や動画視聴などそれほど負荷がかからない作業なら静音モードにするのもアリだろう。

 バランスモードとパフォーマンスモードのCPUやGPUクロックは同じように見えるが、GPUクロックは全体を通して若干ではあるがパフォーマンスモードの方が上。これが3DMarkのスコア差にも繋がっているのだろう。

 ここからは、GeForce RTX 3070 Laptop GPUの実力を確認してみたい。240Hzの高リフレッシュレート液晶を活かせるフレームレートが出せるが注目ポイントの一つだろう。なお、動作モードはすべてパフォーマンスモードに設定している。

 まずは、人気FPSの「レインボーシックス シージ」と「Apex Legends」から。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能で測定、Apex Legendsはトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測している

 レインボーシックス シージなら最高画質でも平均232fpsと240Hzを十分活かせるフレームレートが出ている。Apex Legendsでは画質を中程度まで落とせば平均261.6fpsに到達が可能と、eスポーツ系のゲームで勝ちにこだわれるゲーミングノートを求めている人も満足できる性能と言えるだろう。

 では、重量級と言えるゲームではどうだろうか。レイトレーシングとDLSSの両方をサポートする「ウォッチドッグス レギオン」と「サイバーパンク2077」を用意した。ウォッチドッグス レギオンはゲーム内のベンチマーク機能で測定、サイバーパンク2077は街中の定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。

 注目すべきはサイバーパンク2077だろう。画質を最高設定であるレイトレーシング:ウルトラに、DLSSを画質重視のクオリティに設定しても平均58.5fpsと快適なプレイの目安となる60fpsをほぼ達成。DLSSをパフォーマンスにすれば平均66.1fpsを達成できる。

 ウォッチドッグス レギオンは画質を最大、レイトレーシングを最大、DLSSを高性能設定では平均46fpsとプレイできるフレームレートではあるがカク付く場面もある。快適なプレイを目指すなら、レイトレーシングは無効にしてDLSSだけ利用するのがよいだろう。

 最後にもう一つ、最新FPSの「ファークライ6」も試したい。ゲーム内のベンチマーク機能で測定した。

 ファークライ6はレイトレーシングには対応しているがDLSSには非対応だ。グラフィックは美麗で重量級と言ってよいタイトルだが、画質を最高、レイトレーシングを有効にしても平均66fpsと快適にプレイできる。2021年末はビックタイトルが数多く発売されるが、本機ならプレイに不安はないと言ってよいだろう。

ノートPCでも勝ちにこだわりたい人へ

 8コア16スレッドのCPU、NVIDIAのモバイル向けとしては上位のGeForce RTX 3070 Laptop GPUを搭載。液晶は240Hzの高リフレッシュレート仕様、キーボードはメカニカルキースイッチを使うなど、eスポーツのガチ勢にもオススメできる内容だ。

 重量級ゲームを快適にプレイできるだけの性能もあり、幅広いPCゲーム好きを満足させられる1台と言えるだろう。ハデさはないが、高いレベルですべてが上手くまとまっているという印象だ。