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Ryzen 9&RTX 3080搭載の高性能ゲーミングノート「ROG Zephyrus G15」をレビュー
2021年3月4日 09:50
RyzenとGeForce RTXのコラボゲーミングノートPC
ASUSは3月3日、Ryzen 9 5900HSとGeForce RTX 3080を搭載した15.6型ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G15(GA503QS)」発売した。価格は29万9,818円(税別)。
以下の記事にあるように、同社はRyzen 9 5900HSとGeForce RTX 3080を搭載した15.6型の「ROG Strix SCAR 15 G533QS」と、17.3型の「ROG Strix SCAR 17 G733QS」をすでに発表済みだ。この2機種はよりゲーミングに特化したものになっており、RGBキーボードバックライトやKeystone IIなどに対応している。
対して今回ご紹介する「ROG Zephyrus G15(GA503QS)」は、これらには非対応だがその分、薄く軽くなっている。ゲームもしたいが、超高性能マシンを仕事にも使いたい……という層には派手さがない分、本機のほうが扱いやすそうだ。おもな仕様は以下のとおり。
【表1】ASUS「ROG Zephyrus G15(GA503QS)」の仕様 | |
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プロセッサ | Ryzen 9 5900HS(8コア16スレッド/3GHz~4.6GHz/L3キャッシュ 16MB/TDP 35W) |
メモリ | DDR4-3200 32GB(16GB×2) |
ストレージ | M.2 NVMe SSD 1TB(PCI Express 3.0 x4接続) |
OS | Windows 10 Home |
ディスプレイ | 15.6型WQHD(2,560×1,440ドット)、非光沢、DCIP-3 100%、リフレッシュレート165Hz |
グラフィックス | GeForce RTX 3080(8GB/GDDR6) |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5.1 |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C×2(DisplayPort対応)、USB 3.1×2、、HDMI、音声入出力、microSDカードスロット、 |
バッテリ駆動時間 | 約11.6時間 |
サイズ/重量 | 約355×246×19.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.99kg |
カラーバリエーション | ムーンライトホワイト、エクリプスグレー |
価格 | 29万9,818円(税別) |
プロセッサはRyzen 9 5900HS。7nmプロセスで8コア16スレッド、クロックは3GHzから最大4.6GHz。キャッシュはL1 8KB/L2 4MB/L3 16MB、TDPが35W。最近のモバイル用SKUで強力なものだ。
メモリはDDR4-3200の16GB×2で計32GB。ストレージはPCI Express 3.0 x4接続のM.2 NVMe SSD 1TB。OSはWindows 10 Homeを搭載している。バージョンは2004だったが、そのままアップグレードせずに評価した。
グラフィックス機能はプロセッサ内蔵のRadeon Graphicsと、AmpereアーキテクチャのGeForce RTX 3080(8GB/GDDR6)。外部出力用にHDMIとType-C(DisplayPort対応)を備えている。
ディスプレイは、画面占有率85%で非光沢の15.6型WQHD(2,560×1,440ドット)。最大リフレッシュレートは165Hzとなる。明るさ300cd/平方m、色域DCIP-3 100%。
ネットワーク機能は、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5.1。そのほかのインターフェイスは、USB 3.1 Type-C×2、USB 3.1×2、音声入出力、microSDカードスロット。キーボードはバックライトつきだ。なお2つあるType-CはDisplayPortとUSB PDにも対応している(手持ちの機材で確認)。
サイズは約355×246×19.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.99kg。2020年モデルが約360×252×19.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量2.1kgだったので少しコンパクト(フットプリント約4%減/画面占有率も81%だった)に、そして軽くなっている。カラーバリエーションは、ムーンライトホワイト、エクリプスグレーの2色。バッテリ駆動時間は最大11.6時間。
手元に届いたのはムーンライトホワイトのモデル。天板にはアルミニウム合金、底面にはマグネシウム/アルミニウム合金製パーツを使用している。ムーンライトホワイトの場合、重厚感はないもののシンプルでなかなか格好いい。
ASUSの説明によると、エコシャイン塗装と呼ばれる、下地/補強/着色/パーツの4レイヤーになっているとのこと。キートップの色が同じ白でも若干違いアクセントになっている。LANのコネクタからもわかるように結構薄く、筐体も白いので、持ったときあまりずっしり感じることもない。
前面は上左右が4.6mmと狭額縁だ。ゲーミングPCらしくWebカメラはない。左側面に電源入力、HDMI、Gigabit Ethernet、USB Type-A、Type-C×2、音声入出力。右側面にロックポート、microSDカードスロット、Type-Aを配置。パネルは180度傾けることができる。裏は前後に1本バーのゴム足と手前左右のスリットにスピーカー。
ACアダプタはサイズ約150×70×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量480g、出力20V/10A。少し大きめだが、構成を考えれば仕方ないところか。ただしType-CはPD対応なので市販のものも使用可能だ。
15.6型のディスプレイはパッと見ただけで色域が広いのがわかる。明るさ、発色、コントラスト、視野角も良好。非光沢なので眼にも優しい。
i1 Display Proを使い特性を測定したところ最大輝度は344cd/平方m。最大輝度から-5が139cd/平方m、-6が106cd/平方mであり、写真を観るのに適していると言われる明るさ120cd/平方mのため前者で計測した。黒色輝度は0.146cd/平方m。つまり、目視可能かは別として若干黒が浮く。リニアリティは、輝度が上がるほどズレが大きく、無補正だとグリーン被りしている。
キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプ。オフ+3段階のキーボードバックライトつき。冒頭に書いた様にRGBではなく白一色となる。主要キーのキーピッチは約19mm。さすがにフットプリントが広くさらにテンキーがないため、ゆったりしたキーレイアウトだ。打鍵感は軽めだが、ストロークは少し深め、クリック感があり個人的には好みだ。
15.6型でテンキーなしは貴重。タッチパッドは物理的なボタンがない1枚プレート型。前世代より20%も大きくなっている。パームレストも含め十分の面積が確保され扱いやすい。
ノイズや振動、発熱は後述するArmoury Crateで動作モードをサイレント、パフォーマンス、Turboと切り替えができるため、各モードで差がある。サイレントでも0ではなく、本体に耳を近づけると音がして発熱もある。もちろんTurboだと性能だけでなく、これらも最大となるが、思っていたほどうるさくもなく、熱も持たない。同社のインテリジェント冷却機能が効いているようだ。熱自体はおもにキーボード上部のスペースが暖かくなるだけで、パームレストまでは降りてこないため気にならない。
サウンドは、裏の手前左右のスリットから出ている。このため机などに音が反射し、関節音が耳に届く。音質はピラミッドバランスで、中/低域が太くズッシリした感じだが、その分、高域が薄く、また全体的なパワーもあと一歩ほしいところか。
3DMarkは言うまでもなくPCMark 10 Scoreも7千超えの超高性能
スタートメニューにはASUSグループがプリインストールされている。操作感はこのスペックからして悪いはずもなく、また15.6型のフットプリントでテンキーもないため、キーボードなどが広々しており非常に扱いやすい。
ストレージはM.2 NVMe SSD 1TB(PCI Express 3.0 x4接続)のSK Hynix「HFM001TD3JX013N」。Cドライブのみの1パーティションで約933GB割り当てられ空き880GB。BitLockerで暗号化されている。
Wi-FiとBluetoothはIntel製、Gigabit EthernetはRealtek製だ。デバイスマネージャーには、RadeonとGeForceが2つ並ぶあまり見たことのない構成となっている。GeForce RTX 3080は、CUDAコア6,144、メモリ8,192MB/GDDR6なのがわかる。
おもなインストール済みのソフトウェアは、「Armoury Crate」、「i-フィルター6.0」、「McAfee Personal Security」、「MyASUS」、「WPS Office」など。Armoury Crateは、画面キャプチャからもわかるように、ゲーミングPCならではのシステムコントロール系だ。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、Cinebench R23、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Officeを実行した。
Armoury Crateで動作モードを標準のパフォーマンスで測定。Time Spyのみ内蔵GPUの性能、dGPUのサイレント/パフォーマンス/Turboの4パターン掲載した。順に少しずつ性能向上しているのがわかる。
プロセッサ内蔵のiGPU/AMD Radeon Graphicsもその性能には定評があるものの、さすがにGeForce RTX 3080とは比較にならず、Turboだと約10倍の差が出ている。
PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは7時間52分(キーボードバックライトオフ。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。Ryzenのバッテリ駆動は、Intelと比較して短めのイメージがあり、仕様上約11.6時間だったので、本当かなと思ったが、テスト内容を考慮するとがんばったほうではないだろうか。
【表2】ベンチマーク結果 | |
---|---|
PCMark 10 v2.1.2508 | |
PCMark 10 Score | 7,016 |
Essentials | 10,209 |
App Start-up Score | 14,986 |
Video Conferencing Score | 7,647 |
Web Browsing Score | 9,287 |
Productivity | 9,566 |
Spreadsheets Score | 11,103 |
Writing Score | 8,242 |
Digital Content Creation | 9,598 |
Photo Editing Score | 14,978 |
Rendering and Visualization Score | 11,608 |
Video Editting Score | 5,086 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 5,176 |
Creative Accelarated 3.0 | 6,493 |
Work Accelarated 2.0 | 5,992 |
Storage | 4,990 |
3DMark v2.17.7137 | |
Time Spy | 1,514@内蔵GPU(パフォーマンス) 9,991@dGPU(パフォーマンス) 7,395@dGPU(サイレント) 10,485@dGPU(Turbo) |
Fire Strike Ultra | 6,765 |
Fire Strike Extreme | 12,246 |
Fire Strike | 21,264 |
Sky Diver | 40,760 |
Cloud Gate | 47,047 |
Ice Storm Extreme | 107,318 |
Ice Storm | 93,537 |
Cinebench R23 | |
CPU | 13,182 pts |
CPU(Single Core) | 1,459 pts |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 3,599.754 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 3,028.029 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 1,708.844 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 543.755 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 423.986 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 527.403 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 62.003 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 153.550 MB/s |
以上のようにASUS「ROG Zephyrus G15」は、15.6型でRyzen 9 5900HSとGeForce RTX 3080を搭載した強力なゲーミングノートPCだ。RGBキーボードバックライトなど、派手な演出には未対応だが、その分、少しコンパクトで軽く、また仕事にも使いやすくなっている。
15.6型WQHDのパネルはDCIP-3 100%で色域も広く色関係の作業も問題ない。ゲームだけでなく、仕事でも超高性能なCPUとdGPUを必要とするユーザーにおすすめしたい1台だ。