Hothotレビュー

大容量バッテリ搭載で1kg切りの14型ノート「LG gram 14」は絶妙なトータルバランス

LGエレクトロニクス・ジャパン「LG gram 14(14Z90N-VR53J1)」。価格は109,780~188,980円

 LGエレクトロニクス・ジャパンは、第10世代のCoreプロセッサー(Ice Lake)を搭載したクラムシェル型ノートPC「LG gram」の2020年モデルを1月20日に発表し、2月7日に発売した(LG、Ice Lake搭載で999gの14型ノートなど参照)。

 2020年に用意されたモデルは14型、15.6型、17型の3種類。2019年モデルに存在していた13.3型はラインナップから消滅した。

 2020年モデルのおもな進化点は、Ice Lakeの採用、メモリのDDR4-2400からDDR4-3200への高速化、ストレージのSATAからNVMeへの高速化、そして一部モデルの採用にとどまっていたThunderbolt 3の全モデル対応だ。

 今回LGエレクトロニクス・ジャパンより、14型/Core i5-1035G7/メモリ8GB/ストレージ512GB/Officeありの「LG gram 14Z90N-VR53J1」(188,980円)を借用したのでレビューをお届けする。なお、同一スペックなら14/15.6/17型で処理性能は大きく変わらないはずだが、テンキーを備えた17型の使い勝手については過去のレビュー記事(17型で約1.3kgの超軽量ノート「LG gram 17」はモバイルの常識を変えるのか)を参照してほしい。

Ice Lakeプロセッサーを採用、ディスプレイは14/15.6/17型から選択可能

 LG gramのラインナップは全19種類と幅広くそろえられているが、全体を把握するのは少々ややこしい。まずモデルによってスペックが異なる項目のみ抜き出すと、CPUはCore i3-1005G1/Core i5-1035G7/Core i7-1065G7、メモリは8GB/16GB、ストレージは256GB/512GB/1TB、ディスプレイは14型(フルHD)/15.6型(フルHD)/17型(WQXGA)、カラーはホワイト/ダークシルバー、Officeはある/なしが用意されている。

 ただしすべての組みあわせが存在するわけではない。詳しくは「表2」をご覧いただきたいが、たとえば14型ではメモリ16GB、ストレージ1TBモデルが選べない。8GB/16GBのメモリと、256GB/512GB/1TBのストレージが用意されているのは17型だけだ。もっとも不遇なのが15型で、ストレージは256GBだけだ。ラインナップに用意されていない構成で購入したいのなら、メモリ、ストレージの換装・増設を代行する「LG gramアップグレードサービス」を利用しよう。

 2020年モデルのスペックにおける進化点は、前述のとおりメモリのDDR4-2400からDDR4-3200への変更、ストレージのSATAからNVMeへの変更、Thunderbolt 3の全モデル対応、そしてWi-Fi 5(11ac)からWi-Fi 6(11ax)への変更、バッテリの72Whから80Whへの大容量化(72Whの14型を除く)と多岐にわたる。

 一方、スペックダウンしているのはタッチ対応モデルがなくなった点と、14型が約27時間から約22時間、15型が約24時間から約22.5時間、17型が約22時間から約19.5時間へとバッテリ駆動時間が短くなっている点だ。CPUとストレージの変更がバッテリ駆動時間に影響をおよぼしているのだと思われる。

【表1】LG gram2020年モデルのスペック ※2月5日時点
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCore i3-1005G1(1.2~3.40GHz、2コア4スレッド)
Core i5-1035G7(1.2~3.70GHz、4コア8スレッド)
Core i7-1065G7(1.3~3.90GHz、4コア8スレッド)
GPUCore i3 : Intel UHD Graphics(300~900MHz)
Core i5 : Intel Iris Plus Graphics(300MHz~1.05GHz)
Core i7 : Intel Iris Plus Graphics(300MHz~1.10GHz)
メモリ14型 : 8GB(DDR4-3200 SDRAM、最大24GB)
15.6/17型 : 8GB~16GB(同)
ストレージ14型 : 256~512GB(PCIe NVMe SSD)
15.6型 : 256GB(同)
17型 : 256GB~1TB(同)
ディスプレイ14型(1,920×1,080ドット、157ppi、16:9)
15.6型(1,920×1,080ドット、141ppi、16:9)
17型(2,560×1,600ドット、178ppi、16:10) ※輝度非公表、sRGBカバー率96%、光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応
通信IEEE 802.11ax、Bluetooth 5.0
WWAN-
インターフェイスThunderbolt 3、USB 3.0 Type-A×3(14型のみ2基)、HDMI、3.5mmヘッドセットジャック、microSDカードスロット
カメラWebカメラ(720p)
バッテリ容量14型 : 72Wh(4セル)
15.6/17型 : 80Wh(2セル)
バッテリ駆動時間14型 : 約22時間(Core i3のみ約22.5時間)
15.6型 : 約22.5時間
17型 : 約19.5時間
バッテリ充電時間約3時間
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)14型 : 304.3×197.5×16.1mm
15.6型 : 357.6×225.3×16.8mm
17型 : 380.6×262.6×17.4mm
重量14型 : 約999g
15.6型 : 約1,120g
17型 : 約1,350g
セキュリティWindows Hello対応指紋認証センサー(電源ボタン一体型)
ビジネス統合アプリ-
(一部モデルにMicrosoft Office Home & Business 2019を搭載)
同梱品ACアダプタ、電源ケーブル、RJ45変換(USB Type-C)コネクタ、インストールガイド、保証書
カラーホワイト/ダークシルバー
【表2】LG gram2020年モデルのラインナップ ※2月5日時点
14Z90N-VR31J14型/i3/8GB/256GB/白アプライド限定109,780円
14Z90N-VR32J14型/i3/8GB/256GB/銀Amazon限定109,780円
14Z90N-VR51J14型/i5/8GB/256GB/白Amazon153,780円
アプライド153,780円
NTT-X Store153,780円
14Z90N-VR52J14型/i5/8GB/256GB/銀Amazon限定153,780円
14Z90N-VR51J114型/i5/8GB/256GB/Office/白ビックカメラ限定185,680円
14Z90N-VR53J114型/i5/8GB/512GB/Office/白ヨドバシカメラ188,980円
ビックカメラ188,980円
14Z90N-VR54J114型/i5/8GB/512GB/Office/銀ヨドバシカメラ188,980円
ビックカメラ188,980円
14Z90N-VA74J14型/i7/8GB/512GB/銀アプライド限定184,580円
15Z90N-VR51J15型/i5/8GB/256GB/白アプライド限定159,280円
15Z90N-VR52J15型/i5/8GB/256GB/銀Amazon限定159,280円
15Z90N-VR51J115型/i5/8GB/256GB/Office/白ヨドバシカメラ185,680円
ビックカメラ185,680円
15Z90N-VR52J115型/i5/8GB/256GB/Office/銀ヨドバシカメラ185,680円
ビックカメラ185,680円
15Z90N-VA72J15型/i7/16GB/256GB/銀Amazon186,780円
アプライド186,780円
NTT-X Store214,814円
17Z90N-VA52J17型/i5/8GB/256GB/銀Amazon限定169,180円
17Z90N-VA73J17型/i7/8GB/512GB/白アプライド限定197,780円
17Z90N-VA72J17型/i7/16GB/256GB/銀Amazon限定197,780円
17Z90N-VA74J17型/i7/16GB/512GB/銀アプライド208,780円
NTT-X Store240,112円
17Z90N-VA74J117型/i7/16GB/512GB/Office/銀ヨドバシカメラ239,580円
ビックカメラ239,580円
17Z90N-VA76J117型/i7/16GB/1TB/Office/銀ヨドバシカメラ249,480円
ビックカメラ249,480円

 なお19製品中10製品は、アプライド、Amazon、ビックカメラの限定モデルとなっている。つまり特定の店舗、通販サイトで検索しただけでは、全モデルが表示されない点には注意してほしい。

 また記事執筆時、NTT-X Storeの販売価格が「15Z90N-VA72J」と「17Z90N-VA74J」のみほかの通販サイトより最大31,332円高かった。誤りである可能性もあるが、購入前に複数店舗で価格調査することをおすすめする。

「LG gram 14Z90N-VR53J1」のパッケージ
パッケージには、ACアダプタ、電源ケーブル、RJ45変換(USB Type-C)コネクタ、インストールガイド、保証書、Microsoft Office Home & Business 2019ライセンスカード(搭載モデルのみ)が同梱されている

マグネシウム合金製筐体を継承、端子はThunderbolt 3に対応

 筐体の材質は、従来モデルと同様に軽さと剛性を兼ね備えたマグネシウム合金を採用。衝撃、振動、圧力、ホコリ、高温、低温、塩水噴霧など米国国防総省制定MIL規格(MIL STD 810G)に準拠するテストをクリアしており、実際に筐体表面を押しても、たわみはするものの剛性の高さを実感できる。カラーはホワイトとダークシルバーの2色だ。

 2020年モデルは外観では大きな変更は見受けられない。ただし、インターフェイスが、Thunderbolt 3、USB 3.0 Type-A×3(14型のみ2基)、HDMI、3.5mmヘッドセットジャック、microSDメモリカードスロットという構成になっている。Thunderbolt 3端子を使うことで、データ転送が最大10Gbpsから最大40Gbpsに、映像出力が4K/60Hzから5K/60Hzにアップグレードし、また音声出力や、USB Power Delivery対応機器に対して15Wまでの充電が可能になった。

 新旧インターフェイスがそろえられており、基本的な使い勝手は悪くないが、個人的にはUSB 3.0 Type-A端子は1つあれば十分だ。それよりも、左右どちらでもディスプレイに接続できたり、充電可能なほうが便利なので、次期モデルでは左右にThunderbolt 3端子を搭載してほしい。

本体天面
本体底面
本体前面と本体背面
本体右側面にはmicroSDメモリカードスロット×1、3.5mmヘッドセットジャック×1、USB 3.0 Type-A×1、セキュリティロックスロット×1、本体左側面には電源端子、USB 3.0 Type-A×3(14型のみ2基)、HDMI×1、Thunderbolt 3×1が配置されている
ディスプレイ面
ディスプレイ上部にWebカメラ(720p)とデュアルマイクが内蔵されている
キーボード面。タッチパッドは全体が沈み込むダイビングボード構造を採用
同梱されるACアダプタ(コード長約150cm)と電源ケーブル(コード長約100cm)
ACアダプタの型番は「ADS-48MS-19-2」。仕様は入力100-240V~1.5A、出力19V/2.53A、容量48W
本体の実測重量は977g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測243.3g
同梱される「RJ45変換(USB Type-C)コネクタ」
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1903適用後、初期状態に戻したさいのCドライブの空き容量は416.22GB(512GBモデルの場合)
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは72,770mWh、FULL CHARGE CAPACITYは72,000mWhと表示された

バックライトつき日本語キーボードの打鍵感は良好

 今回借用した14型「LG gram 14Z90N-VR53J1」には、83キーのバックライトつき日本語キーボードが搭載されている。ちなみに15.6型はテンキーつきの101キー、17型はテンキーつきの104キー仕様だ。英語キーボードモデルは用意されていない。

 キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.6~1.7mm前後。強く底打ちしなければ打鍵音は低め。キーボード面全体でしっかりと剛性が確保されており打鍵感は良好。右側の記号キーの幅が少し狭すぎる気もするが個人的には好みのキーボードだ。

 全体が沈み込むダイビングボード構造を採用したタッチパッドは、実測103×68mmと広めに確保されておりジェスチャー操作はしやすい。ただ、個人的にはストロークがやや深く、反発力も強く感じた。ストロークが深いとクリックした瞬間にマウスカーソルが動いて誤操作してしまうことがあるので、もう少し浅くしたほうがいいと感じた。

 最後に注意しておきたいのが、15.6型と17型のキーボードの微妙な違い。どちらもテンキーつきキーボードが採用されているが、15.6型はEnterキーとテンキーが近接しているが、17型は少し間隔を広げている。Enterキーの右にキーが並んでいるキーボードが苦手な方は、14型もしくは17型のLG gramを選ぶべきだ。

キーピッチは実測19mm前後
キーストロークは実測1.6~1.7mm前後
記号キーの幅がやや狭すぎる感があるが、「-」キーの位置さえ指が覚えれば、音引き混じりの日本語をフルスピードで入力できる
キーボードバックライトは2段階で調整可能
電源ボタンは指紋認証センサー一体型
タッチパッドは実測103×68mmと広めに確保されている。ストロークはやや深め
2020年モデルの15.6型はEnterキーとテンキーが近接している
2020年モデルの17型はEnterキーとテンキーの間隔が広げられている
2019年モデルの17型はEnterキーとテンキーが近接していた。つまり2020年モデルの17型はキーボードを改善したわけだ

モバイルノートPCとしては標準以上のAV品質

 LG gramには14型(1,920×1,080ドット、157ppi、16:9)、15.6型(1,920×1,080ドット、141ppi、16:9)、17型(2,560×1,600ドット、178ppi、16:10)と3種類のIPS液晶ディスプレイが搭載されている。輝度は非公表だが、sRGBカバー率は96%が謳われている。

 ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認してみたところ、輝度300cd/平方m、sRGBカバー率98.7%、Adobe RGBカバー率74.6%という値が出た。製品公式サイトで謳われている数値より広い色域が計測されたが、ディスプレイサイズによって多少バラツキがあるのかもしれない。いずれにしてもモバイルノートPC用ディスプレイとして標準以上の広い色域が確保されている。

 一方サウンドについては、立体的な音響効果とノイズが少ないサウンドを実現する「DTS : X Ultra」に対応。最大ボリュームも実測83dBAを記録しており、ステレオスピーカーを底面に配置している薄型ノートPCとしては広がりがあり、抜けのいいサウンドを楽しめる。目の前に置いて映画を観たり、音楽を聴くのなら、十分な音質、音量だ。

実測したsRGBカバー率は98.7%、sRGB比は104.2%
実測したAdobe RGBカバー率は74.6%、Adobe RGB比は77.2%
自社開発のIPS液晶ディスプレイを採用しているだけに発色はニュートラル。プロフェショナル用途でなければ色調整の必要はなさそうだ
視野角を確認するための動画を用意した。視野角は公表されていないが、60度ぐらいまでならある程度色や階調が保たれる。ただし表面処理が光沢なので映り込みは気になる
YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大83.0dB(50cmの距離で測定)

ゲームや動画編集用途に使うならCore i7-1065G7搭載モデルを選ぶべき

 最後にベンチマークを実施する。今回は下記のベンチマークを実行した。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.0.2153」
  • バッテリベンチマーク「PCMark 10 Modern Office Battery Life」
  • 3Dグラフィックベンチマーク「3DMark v2.11.6866」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • CPUベンチマーク「CINEBENCH R20.060」
  • 3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」
  • バッテリベンチマーク「BBench」

 比較用に、「Core i5-8265U」を搭載する「ASUS ZenBook 14 UX434FL」、「Core i7-8565U」を搭載する「LG gram 17Z990-VA76J」のスコアを過去のレビューから転載している。ASUS ZenBook 14 UX434FLは新旧Core i5搭載モデルとして比較するために、LG gram 17Z990-VA76Jはバッテリ駆動時間の比較用に採用した。

 なお、LG gram 14Z90N-VR53J1で今回計測するにあたっては、電源モードを「最も高い性能」に設定している。ただしPCMark 10 Modern Office Battery Lifeのみ、ディスプレイ輝度を50%、電源モードを「高性能」に設定した。

 下記が検証機の仕様とその結果だ。

【表3】検証機の仕様
LG gram 14Z90N-VR53J1ASUS ZenBook 14 UX434FL(UX434FL-A6002T)LG gram 17Z990-VA76J
CPUCore i5-1035G7(1.2~3.7GHz、4コア8スレッド)Core i5-8265U(1.6〜3.9GHz、4コア8スレッド)Core i7-8565U(1.8〜4.6GHz、4コア8スレッド)
GPUIntel Iris Plus Graphics(300MHz~1.05GHz)Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.1GHz)、GeForce MX250Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz)
メモリDDR4-3200 SDRAM 8GBLPDDR3-2133 SDRAM 8GBDDR4-2400 SDRAM 8GB
ストレ-ジ512GB PCIe NVMe SSD(SAMSUNG MZVLB512HAJQ-00000)512GB PCIe NVMe SSD512GB SATA SSD
ディスプレイ14型、1,920×1,080ドット(157ppi)14型、1,920×1,080ドット(157ppi)
5.65型、2,160×1,080ドット(427ppi)
17型、2,560×1,600ドット(178ppi)
TDP15W
OSWindows 10 Home 64bit
サイズ(幅×奥行き×高さ)323.4×209.8×16.8mm319×199×16.9mm380.6×265.7×17.4mm
重量約999g約1.3kg約1.34kg
【表4】ベンチマ-ク結果
LG gram 14Z90N-VR53J1ASUS ZenBook 14 UX434FL(UX434FL-A6002T)LG gram 17Z990-VA76J
PCMark 10 v2.0.2153
PCMark 10 Score3,6073,933
Essentials7,8998,0277,549
App Start-up Score11,12110,5949,208
Video Conferencing Score6,9026,8656,571
Web Browsing Score6,4237,1127,111
Productivity6,3766,2246,348
Spreadsheets Score7,1437,2887,795
Writing Score5,6925,3165,171
Digital Content Creation2,5293,305
Photo Editing Score3,9453,4523,982
Rendering and Visualization Score1,3832,896
Video Editting Score2,9683,6133,522
PCMark 10 Modern Office Battery Life11時間44分8時間11分
3DMark v2.11,6866
Time Spy5031,011
Fire Strike Ultra345互換性なし
Fire Strike Extreme5711,354
Fire Strike1,1682,800
Night Raid4,12410,7424,104
Sky Diver3,9048,6653,816
Cloud Gate13,0937,466
Ice Storm Extreme61,536
Ice Storm66,534
CINEBENCH R15.0
OpenGL40.70 fps81.14 fps45.31 fps
CPU556 cb703 cb557 cb
CPU(Single Core)159 cb163 cb174 cb
CINEBENCH R20.060
CPU957 pts1518 pts
CPU(Single Core)387 pts399 pts
ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク
1,920×1,080ドット 標準品質(ノ-トPC)1,225(設定変更が必要)7,596(非常に快適)
SSDをCrystalDiskMark 7.0.0で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード3,187.933 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト1,958.030 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード1,707.714 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト1,886.718 MB/s
4K Q32T16 ランダムリ-ド1,116.795 MB/s
4K Q32T16 ランダムライト1,582.425 MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド49.749 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト165.118 MB/s
SSDをCrystalDiskMark 6.0.2で計測
Q32T1 シ-ケンシャルリ-ド1724.111 MB/s
Q32T1 シ-ケンシャルライト1456.463 MB/s
4K Q8T8 ランダムリ-ド920.687 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト417.282 MB/s
4K Q32T1 ランダムリ-ド340.756 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト428.589 MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド42.960 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト123.304 MB/s
BBenchにより連続動作時間を計測
ディスプレイの明るさ50%、電源モ-ド:より良いバッテリ約13時間9分約18時間15分

 ASUS ZenBook 14 UX434FLは、ディスクリートGPUを搭載しているためCPUのみを比較するが、LG gram 14Z90N-VR53J1はCINEBENCH R15.0で約79%に相当する556 cb、CINEBENCH R20.060で63%に相当する957 ptsにとどまっている。LG gramをゲームや動画編集用途に使うのなら、Core i7-1065G7搭載モデルを選んだほうがよさそうだ。

 一方、ストレージ速度はNVMe SSDを搭載しただけに、1M Q8T1シーケンシャルリードで3187.933 MB/s、1M Q8T1シーケンシャルライトで1958.030 MB/sと従来モデルより大幅な高速化を実現している。

 バッテリ駆動時間については、PCMark 10 Modern Office Battery Lifeで11時間44分となった。追試としてBBenchでディスプレイ輝度50%、バッテリ残量2%という条件で計測したところ、約13時間9分となった。カタログスペックのとおり、従来モデルよりバッテリ駆動時間が短くなっているのは確かだ。しかし、それでも半日以上充電せずに利用できるわけだから、依然十分なモバイル性能は備えていると言える。

 本体表面の発熱は低めだ。キーボード面で38.5℃、底面で42.2℃と最大温度自体が低く、その発生場所も放熱口のあるヒンジ部に集中している。膝上で利用していて温度を不快に感じることはなさそうだ。

室温20℃前後の部屋で、CINEBENCH R20.060を3回実行したあとの表面温度をサーモグラフィーカメラで計測した
キーボード面の最大温度は38.5℃
底面の最大温度は42.2℃
ACアダプタの最大温度は32.3℃

長時間駆動、軽量、頑丈とトータルバランスに優れたモバイルノートPC

 LG gramシリーズはCPUの動作速度をカリカリにチューニングしたマシンではない。しかし2020年モデルはNVMe SSDの搭載、Thunderbolt 3の採用で、着実に体感速度や使い勝手を向上させている。

 そして、従来モデルよりバッテリ駆動時間が短くなったとはいえ、それでもディスプレイ輝度50%で約半日無充電で運用できるだけのモバイル性能はトップクラスだ。トータルバランスに優れたモバイルノートPCを求めているのなら、購入候補の筆頭に加えるべき1台だ。