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ワコムペンつきの「LG gram 2-in-1」は長時間動作する総合力の高めのモバイルノート

「LG gram 2-in-1(14T90N-VR51J1)」実売価格19万円前後

 LGエレクトロニクス・ジャパンは、14型2in1の2020年モデル「LG gram 2-in-1 14T90N-VR51J1」を7月30日に発表、8月7日に販売を開始した。

 LG gramシリーズの2in1は2019年8月23日に初代機が発売されたが、2代目となる本製品ではプロセッサ、SSD、インターフェイス、ディスプレイガラス、無線LANなど多岐にわたり刷新されている。

 今回本製品の実機を借用したので、詳細スペック、外観、使い勝手、AV品質、性能について細かく検証していこう。

低コスト化のためにプロセッサはCore i7からCore i5に変更

 2019年モデル「14T990-GA75J」と2020年モデル「14T90N-VR51J1」のおもな差分は下記のとおりだ(前が2019年モデル、後ろが2020年モデル)。

  • プロセッサ : 第8世代Core i7-8565U→第10世代Core i5-10210U
  • SSD接続方式 : SATA 3.0→NVMe
  • インターフェイス : USB Type-C→Thunderbolt 3
  • ディスプレイガラス : Corning Gorilla Glass 5→Corning Gorilla Glass 6
  • 無線LAN : Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)→Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)
  • 駆動時間 : 約23時間→約21.5時間

 つまりプロセッサは世代が新しくなったもののCore i7からCore i5にダウングレードされ、バッテリ駆動時間もわずかに短くなっている。ただし、そのほかのSSD接続方式、インターフェイス、ディスプレイガラス、無線LANについてはアップグレードされている。

 スペックの差分について総括すると、低コスト化のためにプロセッサはCore i5を採用したものの、使い勝手に関わるほかの装備については順当に進化したと言えよう。

軽さとバッテリ駆動時間を両立させている点はLG gramシリーズならでは

本体天面。筐体は米国国防総省制定「MIL-STD-810G」に準拠する衝撃・落下、振動、砂塵、塩水噴霧、高温、低温、低圧(高度)テストをクリアしている
本体底面。ネジはゴム足、カバーで隠されている
ディスプレイ面。ディスプレイ上部にHD(720p)のWebカメラ、マイク、カメラインジケータが内蔵されている
キーボード面。キーボードは日本語83キー仕様のみが用意

 おもなスペックについて重複分を含めて列挙すると、OSは「Windows 10 Home 64bit バージョン1909」、CPUは第10世代(Comet Lake)の「Core i5-10210U」(4コア8スレッド、1.6~4.2GHz)を採用。メモリは8GB(DDR4-2666 SDRAM、8GB×1、最大24GB)、ストレージは256GB(PCIe NVMe SSD)を搭載している。

 ディスプレイは14型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、輝度非公表、sRGBカバー率96%、光沢、タッチ対応、スタイラス対応、Corning Gorilla Glass 6)。

 インターフェイスは、Thunderbolt 3(映像、音声、充電、データ転送対応)、USB 3.0×2、HDMI、microSDカードスロット、ヘッドセット端子が用意。

本体前面と本体背面。本体背面の向かって左側が排気口、右側が吸気口
右側面にmicroSDメモリーカードスロット、スリープボタン、ヘッドセット端子、USB 3.0 Type-A、セキュリティロックスロット、左側面にUSB 3.0 Type-A、HDMI、Thunderbolt 3 (映像、音声、充電、データ転送対応)が配置されている

 本体に内蔵する通信機能はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.0だが、有線LAN用に「RJ45変換(USB Type-C)コネクター」(10Base-T/100Base-TX)が付属する。

 本体サイズは324.6×210.8×14.85~17.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1,145g。72Whのバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は約21.5時間、バッテリ充電時間は約3時間とされている。軽さとバッテリ駆動時間を両立させている点はLG gramシリーズならではの特徴と言えよう。

 セキュリティ機能は、Windows Hello対応指紋認証センサー一体型ボタン、セキュリティロックスロットを用意。オフィスアプリは「Office Home & Business 2019」が付属する。このほかの細かなスペックについては、下記の表を参照してほしい。

【表1】LG gram 2-in-1(14T90N-VR51J1)のスペック ※8月14日時点
OSWindows 10 Home 64bit バージョン1909
CPUCore i5-10210U(4コア8スレッド、1.6~4.2GHz)
GPUIntel UHD Graphics(300MHz~1.1GHz)
メモリDDR4-2666 SDRAM 8GB(8GB×1、最大24GB)
ストレージ256GB PCIe NVMe SSD
ディスプレイ14型FHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、輝度非公表、sRGBカバー率96%、光沢、タッチ対応、スタイラス対応、Corning Gorilla Glass 6)
通信Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.0
WWAN
インターフェイスThunderbolt 3(映像、音声、充電、データ転送対応)、USB 3.0×2、HDMI、microSDカードスロット、ヘッドセット端子
カメラHD(720p)
バッテリ容量72Wh
バッテリ駆動時間約21.5時間
バッテリ充電時間約3時間
本体サイズ324.6×210.8×14.85~17.9mm(幅×奥行き×高さ)
重量約1,145g
セキュリティWindows Hello対応指紋認証センサー一体型ボタン、セキュリティーロックスロット
ビジネス統合アプリOffice Home & Business 2019
同梱品ACアダプタ、電源ケーブル、LG Stylus Pen(Wacom AES 2.0)、RJ45変換(USB Type-C)コネクター(10Base-T/100Base-TX)、マニュアル類(インストールガイド、指紋認証でログインする方法、アフターサービスのご案内、保証書、Office Home & Business 2019ライセンスカード)
カラーホワイト
価格実売19万円前後
Thunderbolt 3端子を利用すれば、ケーブル1本でモバイルディスプレイに映像出力、電力供給が可能。なお、HDMIでは最大4K@24Hz、USB Type-Cでは最大4K@60Hz、Thunderbolt 3では最大5K@60Hzの映像出力に対応している
HD(720p)のWebカメラの両脇に2つのマイクが配置されている
HD(720p)のWebカメラで撮影してみた。比較的色は自然だが、室内光ではノイズがやや目立つ
電源ボタンはWindows Hello対応の指紋認証センサー一体型。丸内がセンサー部分でボタンとしては全体が沈み込む
パッケージには、ACアダプタ、電源ケーブル、LG Stylus Pen(Wacom AES 2.0)、RJ45変換(USB Type-C)コネクター(10Base-T/100Base-TX)、マニュアル類(インストールガイド、指紋認証でログインする方法、アフターサービスのご案内、パソコン保証書、Office Home & Business 2019ライセンスカード)が同梱されている
LG Stylus Penには、単6型電池、ピンセット、交換用ペン先、説明書が同梱されている
ACアダプタのコード長は実測150cm、電源ケーブルの長さは実測100cm
ACアダプタの型番は「ADS-48MS-19-2」。仕様は入力100-240V~1.5A、出力19V 2.53A、容量48W
有線LAN接続するさいに使用する「RJ45変換(USB Type-C)コネクター」(10Base-T/100Base-TX)
本体の実測重量は1109g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測251.9g
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1909適用後、初期状態に戻したさいのCドライブの空き容量は183.95GB(256GBモデル)
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは72,765mWh、FULL CHARGE CAPACITYは72,904mWhと表示された

2in1としてはこなれた作り

 14T90N-VR51J1(以下、LG gram 2-in-1)は360度回転するヒンジ機構を備えており、ラップトップ、スタンド、テント、タブレットに加えて、ディスプレイを180度開いたフラットモードなど、さまざまなスタイルで利用できる。ディスプレイを270度以上開くとキーボードが無効化されるので、タブレットモードでキーを意図せず触ってしまっても誤入力は発生しない。

360度回転するヒンジ機構を備えており、ラップトップ型、スタンド型、テント型、タブレット型に加えて、ディスプレイを180度開いたフラット型など、さまざまなスタイルで利用できる

 デジタルペンのLG Stylus PenはWacom AES 2.0に準拠しており、筆圧検知は4,096段階、傾き検知にも対応する。また、ペン先は交換可能で筆記用×2、描画用×1の合計3本が付属している。メモ書きやPDFの注釈などにとどまらず、イラストを描くのにも利用できるデジタルペンと言える。

LG Stylus Pen(Wacom AES 2.0)の筆圧検知は4,096段階、傾き検知にも対応する
グリップ部には左マウスボタンと右マウスボタンが用意されている
交換用ペン先は、筆記用×2(内1本は装着済み)、描画用×1の合計3本が付属する

 キーボードのキーピッチは19.05×18.5mm、キーストロークは1.5mm。キーボードの押圧力は公表されていないが、ニュートン表示のメカ式テンションゲージで計測したところ実測0.6N前後であった。筆者の手持ちのノートブックと比較してみたところほんのわずかに押圧力が高かったが、正直体感できるレベルではない。

【表2】キーボードの押圧力の一例
FキーEnterキーSpaceキー
LG gram 2-in-10.6N0.6N0.6N
16インチMacBook Pro0.55N0.55N0.55N
ZenBook Duo0.56N0.54N0.55N

 クリック感はしっかり備わっており、打鍵音も低めだ。ただし、キーレイアウトにやや難がある。右側の記号キーが極端に幅を狭められており、「-(音引き)」キーを入力しにくいのだ。長く使っていれば慣れられるだろうが、個人的にはほぼすべてのキーが等幅にそろえられている英語キーボードモデルを使いたいところだ。

 全体が沈み込むダイビングボード構造を採用したタッチパッドのサイズは実測105×65mm(幅×奥行き)。Windows 10の各種ジェスチャーを快適に行なえるスペースが確保されている。タッチパッドのストロークは底まで押すと深く感じられるが、クリック自体は浅い位置で発生する。クリック操作しやすいタッチパッドだと思う。

キーピッチは19.05×18.5mm
キーストロークは1.5mm
キーボードの押圧力は実測0.6N前後
キーボードバックライトは、Off、Low、Highの3つから選べる
ダイビングボード構造を採用したタッチパッドのサイズは実測105×65mm(幅×奥行き)。Windows 10の各種ジェスチャーを快適に行なえるスペースが確保されている
タッチパッドのストロークは底まで押すと深く見えるが、クリック自体はもっと浅い位置で発生する。クリック操作しやすいタッチパッドだ

スペック表以上に広いsRGBカバー率99.1%を実測

 LG gram 2-in-1には、14型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、輝度非公表、sRGBカバー率96%、光沢、タッチ対応、スタイラス対応、Corning Gorilla Glass 6)ディスプレイが搭載されている。

 実際にカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率は99.1%、sRGB比は103.2%、Adobe RGBカバー率は74.7%、Adobe RGB比は76.5%、DCI-P3カバー率は75.9%、DCI-P3比は76.0%という結果が出た。つまりsRGBカバー率はスペック表に記載されている96%よりも3.1%も広かったわけだ。

実測したsRGBカバー率は99.1%、sRGB比は103.2%
Adobe RGBカバー率は74.7%、Adobe RGB比は76.5%
DCI-P3カバー率は75.9%、DCI-P3比は76.0%
自社開発のIPS液晶ディスプレイを搭載しているだけに特性をよく理解しているのか、グラデーション豊かで、ニュートラルな発色だ

 ロットによって性能の異なる液晶パネルが採用されており、公式スペックは色域が狭い液晶パネルに合わせている可能性はある。しかし、それでもsRGBカバー率で96%を実現しているのなら、Web用コンテンツの色調整に利用できるだけの色域を備えている。

視野角は公表されていないが、ほぼ真横からでもなにが映っているのかわかるほど広い視野角が確保されている

 一方サウンド面については、立体的な音響効果と、低ノイズで豊かなサウンドを実現する「DTS:X Ultra」への対応が謳われているが、正直ボリュームも解像感も物足りなかった。72Whの大容量バッテリを搭載したり、豊富なインターフェイスを内蔵するために内部スペースが余裕がないのかもしれないが、LG gram 2-in-1の数少ない欠点の1つとして次期モデルではスピーカーが改善されることに期待したい。

YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大81.8dB(50cmの距離で測定)
「DTS:X Ultra」では、コンテンツモードを自動、音楽、ボイス、映画、対戦ゲーム、RPG、シューティングゲーム、オーディオカスタムなどから選択できる。グラフィックイコライザーで好みの音に調整することも可能だ

総合ベンチマークでCore i7搭載機の約95%の性能を発揮

 最後に性能をチェックしよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.0.2165」
  • バッテリベンチマーク「PCMark 10 Modern Office Battery Life」
  • 3Dグラフィックベンチマーク「3DMark v2.11.6866」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • CPUベンチマーク「CINEBENCH R20.060」
  • 3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」
  • Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
  • Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し

 比較対象としては、「ThinkPad X1 Yoga Gen 5」」のベンチマークスコアを引用した。同世代の上位CPU「Core i7-10510U」(4コア8スレッド、1.80~4.90GHz)との性能差を確認するためだ。

 下記が検証機の仕様と、その結果となる。

【表3】検証機の仕様
LG gram 2-in-1(14T90N-VR51J1)ThinkPad X1 Yoga Gen 5
CPUCore i5-10210U(4コア8スレッド、1.6~4.2GHz)Core i7-10510U(4コア8スレッド、1.8~4.9GHz)
GPUIntel UHD Graphics(300MHz~1.1GHz)Intel UHD Graphics(300MHz~1.15GHz)
メモリDDR4-2666 SDRAM 8GBLPDDR3-2133 SDRAM 16GB
ストレ-ジ256GB PCIe NVMe SSD256GB PCIe NVMe SSD
ディスプレイ14型、1,920×1,080ドット(157ppi)14型、3,840×2,160ドット(315ppi)
TDP15W15W
OSWindows 10 Home 64bit バージョン1909Windows 10 Pro 64bit バージョン1909
サイズ(幅×奥行き×高さ)324.6×210.8×14.85~17.9mm323×218×15.5mm
重量約1,145g約1.36kg
【表4】ベンチマ-ク結果
LG gram 2-in-1(14T90N-VR51J1)ThinkPad X1 Yoga Gen 5
PCMark 10 v2.0.2165
PCMark 10 Score3,6923,898
Essentials7,7698,568
App Start-up Score11,338
Video Conferencing Score6,440
Web Browsing Score6,424
Productivity6,2005,925
Spreadsheets Score6,938
Writing Score5,542
Digital Content Creation2,8373,166
Photo Editing Score3,786
Rendering and Visualization Score1,681
Video Editting Score3,589
PCMark 10 Modern Office Battery Life14時間45分
3DMark v2.11.6866
Time Spy394
Fire Strike Ultra245
Fire Strike Extreme440
Fire Strike9081,239
Night Raid4,399
Sky Diver3,5714,895
CINEBENCH R15.0
OpenGL41.82 fps
CPU532 cb698 cb
CPU(Single Core)162 cb175 cb
CINEBENCH R20.060
CPU1,123 pts1,622 pts
CPU(Single Core)380 pts427 pts
ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク
1,920×1,080ドット 標準品質(ノ-トPC)1,545(設定変更を推奨)2,616
SSDをCrystalDiskMark 7.0.0で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード3,126.831 MB/s3,567.25 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト985.245 MB/s2,986.43 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード1315.050 MB/s2,198.76 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト984.808 MB/s2,178 MB/s
4K Q32T16 ランダムリ-ド611.339 MB/s898.14 MB/s
4K Q32T16 ランダムライト821.088 MB/s420.34 MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド47.642 MB/s46.66 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト170.585 MB/s137.88 MB/s
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラ- - 自然12分27秒45
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps11分20秒25

 まずCPU単体の性能については大きな差がついた。LG gram 2-in-1はThinkPad X1 Yoga Gen 5に対して、CINEBENCH R15.0のCPUスコアでは約76%に相当する532 cb、CINEBENCH R20.060のCPUスコアでは約69%に相当する1,123 cbにとどまっている。この差はCPU自体の性能差だけでなく、LG gram 2-in-1がピークパワーよりも低発熱や低消費電力を重視したチューニングとなっているためと思われる。

 3Dグラフィックス性能も、LG gram 2-in-1はThinkPad X1 Yoga Gen 5に対して、3DMarkのFire Strikeでは約73%に相当する908、Sky Diverでは約73%に相当する3571という結果だ。

 しかし総合ベンチマーク「PCMark 10」の総合スコアでは、LG gram 2-in-1はThinkPad X1 Yoga Gen 5に対して約95%に相当する3,692と差を大幅に縮めている。CPUベンチマーク、3Dグラフィックスベンチマークではともかく、実際の利用環境では体感できるほどの差はなさそうだ。

 バッテリ駆動時間についてはディスプレイ輝度50%という条件で、PCMark 10 Modern Office Battery Lifeが14時間45分動作した。2in1だけでなく、クラムシェル型のノートパソコンを含めても、トップクラスのバッテリ駆動時間を備えているわけだ。

 なお本体の発熱については、キーボード面で最大44.1℃、底面で最大51.9℃を記録した(室温24.3℃で測定)。底面の温度はかなり高いが、極端に高くなっているのは排気口で、底面全体の温度はそれほど上昇していない。膝上で利用するさいも排気口を避ければ、熱を不快に感じることはなさそうだ。

排気は背面側のみに行なわれる
キーボード面の最大温度は44.1℃
底面の最大温度は51.9℃
ACアダプタの最大温度は51.0℃

ピーク性能ではなくトータルバランスを重視する方におすすめ

 Core i5搭載機のみということで、最上位モデルを指名買いするような方はガッカリしているかもしれないが、LG gram 2-in-1はバランスの取れた2in1だ。もちろん4K動画の書き出しや、RAW画像の現像などの高負荷な処理は荷が重いが、一般的な用途であれば十分な性能を備えている。

 なにより2in1としての変形機構を備え、実測で14時間45分ものバッテリ駆動時間を実現し、カタログスペックで約1,145kgという重量に収めているのだから、まさにモバイル用途にピッタリのマシンだ。将来的にメモリ、ストレージ容量が物足りなくなっても、アップグレードサービスが用意されているから安心だ。

 ピーク性能ではなく、2in1パソコンとしてのトータルバランスを重視する方に、LG gram 2-in-1(14T90N-VR51J1)は自信を持っておすすめできる1台だ。