Hothotレビュー
ペン対応で4コアCPU搭載の360度回転式13.3型2in1「HP Spectre x360」
2017年12月27日 11:00
日本HPは、11月17日にディスプレイ360度回転型の13.3型2in1 PC「HP Spectre x360」を発表、同日より販売を開始した。
Spectreは同社のコンシューマ向けフラグシップブランド。本製品はマイナーチェンジモデルで、第8世代(Kaby Lake Refresh世代)の4コア8スレッドCPUを搭載したほか、プライバシースクリーン機能「HP Sure View」を一部モデルでオプションとして選択可能になっている。
今回日本HPより実機を借用したので、詳細スペック、使い勝手、AV機能、性能などについてレビューしていこう。
1,000台限定でローズゴールドのスペシャルエディションを用意
HP Spectre x360には標準モデルとして、以下の4モデルが用意されている。
- ベーシックモデル(139,800円~)
Windows 10 Home/Core i5/メモリ8GB/SSD256GB/フルHD液晶 - スタンダードモデル(159,800円~)
Windows 10 Home/Core i7/メモリ16GB/SSD 512GB/フルHD液晶 - プロフェッショナルモデル(179,800円~)
Windows 10 Pro/Core i7/メモリ16GB/SSD 1TB/フルHD液晶 - パフォーマンスモデル(179,800円~)
Windows 10 Pro/Core i7/メモリ16GB/SSD 1TB/4K液晶
今回日本HPより借用したのはプロフェッショナルモデルだ。
従来はアッシュブラックとナチュラルシルバーの2色展開だったが、今回は1,000台限定でローズゴールドを用意。キーボードは英語仕様で、Windows 10 Home/Core i5/メモリ8GB/SSD 256GB/フルHD液晶のベーシックモデル(149,800円~)、Windows 10 Home/Core i7/メモリ16GB/SSD 512GB/フルHD液晶のスタンダードモデル(169,800円~)、Windows 10 Pro/Core i7/メモリ16GB/SSD 512GB/フルHD液晶のプロフェッショナルモデル(177,800円~)をラインナップした。
この限定カラーモデルは標準モデルよりベーシックモデル、スタンダードモデルは1万円高く、プロフェッショナルモデルは容量が約半分になったSSDが採用されているが、購入時の選択肢が増えていることは素直に喜ぶべきだ。
話を標準モデルに戻そう。購入時の注意点は3つだ。
1つ目は覗き見防止のプライバシースクリーン機能「HP Sure View」を選べるのはフルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイを搭載するベーシック、スタンダード、プロフェショナルモデルのアッシュブラックカラーのみであること。4K(3,840×2,160ドット)ディスプレイを搭載するパフォーマンスモデルではHP Sure Viewを選択できない。HP Sure Viewについては、別記事(個人でも買える、買いたくなる法人向け12.5型2in1「HP EliteBook x360 1020 G2」を試す)の該当部分を参照してほしい。
2つ目の注意点は4Kディスプレイモデルのバッテリ駆動時間が短いこと。フルHDディスプレイモデルのバッテリ駆動時間は約16時間45分だが、4Kディスプレイモデルは約10時間と6時間45分も短くなっている。
3つ目はプロフェショナル、パフォーマンスモデルにしかアクティブペンが付属しないこと。アクティブペンがほしいなら、購入時にオプションとして「Spectreアクティブペン」(8,000円)を選択する必要がある。
なおHP Spectre x360は購入時に低反射タイプの液晶保護フィルム(2,400円)を追加可能だ。もし光沢ディスプレイを好まないのならセット購入をおすすめする。ただし4Kディスプレイに貼るとせっかくの解像感が失われる可能性もあるので、ご留意いただきたい。
ベーシックモデル | スタンダードモデル | プロフェッショナルモデル | パフォーマンスモデル | |
---|---|---|---|---|
OS | Windows 10 Home 64bit | Windows 10 Pro 64bit | Windows 10 Home 64bit | |
CPU | Core i5-8250U(1.6~3.4GHz) | Core i7-8550U(1.8~4GHz) | ||
GPU | Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.1GHz) | Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz) | ||
メモリ | LPDDR3-2133 SDRAM 8GB | LPDDR3-2133 SDRAM 16GB | ||
ストレージ | 256GB SSD(PCIe NVMe M.2) | 512GB SSD(PCIe NVMe M.2) | 1TB SSD(PCIe NVMe M.2) | |
ディスプレイ | 13.3型フルHD液晶(1,920×1.080ドット、166ppi、グレア、タッチ対応、輝度300cd/平方m)※プライバシーモード機能オプション | 13.3型UHD液晶(3,840×2,160ドット、331ppi、グレア、タッチ対応、輝度340cd/平方m) | ||
通信 | IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.2 | |||
インターフェイス | USB 3.1 Type-C(Thunderbolt 3対応、電源オフUSBチャージ機能対応)×2、USB 3.1 Type-A(電源オフUSBチャージ機能対応)、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック、microSDカードスロット、フルHD Webカメラ(約200万画素) | |||
バッテリ容量 | 62,093mWh(powercfg /batteryreportで計測) | |||
バッテリ駆動時間 | 約16時間45分 | 約10時間 | ||
バッテリ充電時間 | 30分で50%充電できる「ファストチャージ(急速充電)」に対応 | |||
本体サイズ/重量 | 307×218×13.6mm(幅×奥行き×高さ)/約1.29kg | |||
セキュリティ | Windows Hello対応(IRカメラ&指紋認証) | |||
アクティブペン | なし | 同梱 | ||
Microsoft Office | なし(カスタマイズ可能) | |||
カラー | アッシュブラック、ナチュラルシルバー | アッシュブラック | ||
税別直販価格 | 139,800円~ | 159,800円~ | 177,800円~ | 189,800円~ |
4コア8スレッドの第8世代(Kaby Lake Refresh世代)CPUを採用
前述のとおりHP Spectre x360には、4コア8スレッドの第8世代(Kaby Lake Refresh)CPUの「Core i5-8250U(1.6~3.4GHz)」または「Core i7-8550U(1.8~4GHz)」が搭載されている。メモリはLPDDR3-2133 SDRAMで8GBまたは16GB、ストレージは256GB、512GB、1TBのSSD(PCIe NVMe M.2)が搭載されている。
ディスプレイは13.3型フルHD(1,920×1.080ドット)液晶と13.3型4K(3,840×2,160ドット)液晶を用意。4K液晶は解像度が高いだけでなく、輝度も340cd/平方mとフルHD液晶よりも40cd/平方m向上しているが、消費電力が高いようで、前述のとおりバッテリ駆動時間が約16時間45分→約10時間と大幅に短くなっている。解像度と輝度を取るか、連続動作時間を取るか悩ましいところだ。
通信機能はIEEE 802.11ac、Bluetooth 4.2に対応。インターフェイスはUSB 3.1 Type-C(Thunderbolt 3対応、電源オフUSBチャージ機能対応)×2、USB 3.1 Type-A(電源オフUSBチャージ機能対応)、マイクロフォン/ヘッドフォンコンボジャック、microSDカードスロットと、スマートな筐体ながら豊富に用意されている。ただ個人的にはフルサイズのSDカードスロットが搭載されていない点が残念だ。
バッテリ容量は公表されていないが「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITY、FULL CHARGE CAPACITYともに62,093mWhと表示された。
本体サイズは307×218×13.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.29kg。正直持ったときにはそれなりの重量を感じる。しかし剛性感やバッテリ駆動時間を考慮すれば個人的には許容範囲だ。
アルミニウムをCNC精密加工で削り出したユニボディは、表面の梨地処理や、ダイヤモンドカット加工によりフラグシップモデルにふさわしい質感を備えている。また、360度回転可能な複雑なヒンジ機構を備えているが、ディスプレイを開いた状態で揺さぶっても、不快なキシミ音はほとんど発生しない。剛性はしっかりと確保されている。
やや音の大きいキーボード、Spectreアクティブペンの書き味は硬め
HP Spectre x360は、キーボードをメインに使用するノートブックモード、動画鑑賞に最適なスタンドモード、狭い面積に設置できるテントモード、タブレット端末として利用できるタブレットモード、対面の相手と画面を共有できるフラットモードの5つのスタイルに変形可能だ。
もちろん、ディスプレイを180度以上回転させればキーボードは無効化されるし、キーボード面にはキー全体を囲むように4隅に樹脂製の足が設けられており、キートップがテーブルに直接接地しないように配慮されている。片手で持つタブレット端末としてはちょっと重すぎるが、それを除けばどのスタイルでも快適に利用できる。
キーボードは89キーのJIS標準準拠仕様で、キーピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.3mm。打鍵感は良好だが、先日レビューした「HP EliteBook x360 1020 G2」よりも打鍵音を大きく感じた。静かな喫茶店などではあまり大きな音を立てないように、強く底打ちしないなどの配慮が必要そうだ。
基本的には打ちやすいキーボードだが、個人的にはEnterキーの右横に縦に一列キーが並んでいるのは好みではない。テンキーのないノートPC用キーボードではEnterキーの右横にキーがあるのは少数派。今後ほかのノートPCも使うことを考えると、HP Spectre x360のキー配列に慣れたくないというのが率直な感想だ。
実測120×60mm(幅×奥行き)のタッチパッドはダイビングボード構造が採用されており、クリック感も悪くないが、やや沈み込みが深いこと、また押す場所によって深さに差があるのが気になった。とくに右手前は、体感的に1.3倍ぐらい深いように感じる。
また、Windows 10の高精度タッチパッドに対応しておらず、ジェスチャーを「Synaptics ClickPad」で設定する点もマイナスポイント。Windows 10の標準的なジェスチャーはサポートされているが、OSアップデートで新しいジェスチャーが追加されてもすぐに利用できない可能性が高い。
筆圧感知1,024段階のSpectreアクティブペンの書き味はかなり硬めだ。個人的にはペン先の引っかかりが少ないため、細かな文字を書きにくく感じた。SpectreアクティブペンはMicrosoft Pen Protcol(MPP)に対応しているので、もし書き味に不満を感じたら保証はないが「Surfaceペン」を利用するといい。Surfaceペンには異なる硬さのペン先が用意されているので、好みの書き味のペン先が見つかるはずだ。
Windows Hello対応の認証システムとして、IRカメラ(赤外線カメラ)と指紋認証センサーの2つが用意されている点は高く評価できる。利便性はIRカメラのほうが上だが、赤外線を含む太陽光が降り注いでいる屋外では正常に動作しないことが多い。状況に応じて認証システムを使い分けられるのは便利なので、ぜひほかのノートPCでも両対応してほしいものだ。
モバイルノートPCとしては標準的な色域、クラスを超えたサウンド
今回借用したのはプロフェッショナルモデルなので、ディスプレイは13.3型フルHD液晶(1,920×1.080ドット、166ppi、光沢、タッチ対応、輝度300cd/平方m)が搭載されている。解像度を物足りなく感じる方もいるかもしれないが、個人的には13.3型ならフルHDで十分。ただしスケーリングが標準で150%に設定されているので、デスクトップをもっと広く使うために100%または125%に変更したほうがいい。
色域は公表されていないが、本製品のICCプロファイルをディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」で作成して、色度図を作る「ColorAC」で確認してみたところ、sRGBカバー率が92.3%、sRGB比が100.9%、Adobe RGBカバー率が71.4%、Adobe RGB比が74.8%と、モバイルノートPCとしては標準的な色域を備えていることが確認できた。貸し出し機の色味はやや青みが強く感じられたが、「画面の色調整」で十分補正できるレベルだ。
HP Spectre x360はBang & Olufsenのスピーカーをキーボード面の上部に2つ、底面に2つ、合計4つ搭載している。そのサウンドは、ボリューム、音の広がり、解像感などモバイルノートPCとしてはかなり高いレベルだ。頭の位置がずれると極端に聞こえ方が変わるようなピーキーさもない。最大ボリュームではさすがに音に無理が感じられるが、80%ぐらいのボリュームであれば十分鑑賞に堪える音質と言える。
4コア8スレッド化の効果は絶大、ストレージ速度は旧型より劣る
最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。
- 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.0.1403」
- 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.8.704」
- 総合ベンチマーク「PCMark 7 v1.4.0」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.4.4163」
- CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.2.0」
- CPUのベンチマーク「Geekbench 3.4.1」
- CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
- ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
- ゲーミングPCベンチマーク「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
- ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.0」
- 「Adobe Photoshop Lightroom CC」RAW画像の現像時間を計測
- 「Adobe Premiere Pro CC」フルHD動画の書き出し時間を計測
- 「BBench」連続動作時間を計測
今回は比較用に、HP Spectre x360の旧モデルのスコアを流用している。旧モデルでは13.3型4K液晶(3,840×2,160ドット)を搭載したモデルで計測しているので、その点を考慮して比較する必要がある。しかし解像度に依存しないベンチマークについては第7世代(Kaby Lake世代)の「Core i7-7500U」から第8世代(Kaby Lake Refresh世代)の「Core i7-8550U」にアップグレードしたことにより、どの程度性能が向上したのか参考になるはずだ。
下記が検証機の仕様と、その結果だ。
【表2】検証機の仕様 | ||
---|---|---|
HP Spectre x360(新型) | HP Spectre x360(旧型) | |
CPU | Core i7-8550U(1.8~4GHz) | Core i7-7500U(2.7~3.5GHz) |
GPU | Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz) |
メモリ | LPDDR3-2133 SDRAM 16GB | LPDDR3-1866 SDRAM 16GB |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe NVMe M.2) | |
OS | Windows 10 Pro 64bit | |
ディスプレイ | 13.3型、1,920×1,080ドット(166ppi) | 13.3型、3840×2160ドット(331dpi) |
HP Spectre x360(新型) | HP Spectre x360(旧型) | |
---|---|---|
PCMark 10 v1.0.1403 | ||
PCMark 10 Score | 3,761 | - |
Essentials | 7,831 | - |
App Start-up Score | 9,552 | - |
Video Conferencing Score | 7,147 | - |
Web Browsing Score | 7,036 | - |
Productivity | 6,578 | - |
Spreadsheets Score | 7,937 | - |
Writing Score | 5,453 | - |
Digital Content Creation | 2,803 | - |
Photo Editing Score | 3,332 | - |
Rendering and Visualization Score | 1,814 | - |
Video Editting Score | 3,645 | - |
PCMark 8 v2.8.704 | ||
Home Accelarated 3.0 | 3,796 | 3,033 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,982 | 4,281 |
Work Accelarated 2.0 | 4,754 | 3,849 |
Storage | 4,944 | - |
PCMark 7 v1.4.0 | ||
PCMark score | 5,877 | 5,638 |
3DMark v2.4.4163 | ||
Time Spy | 382 | 378 |
Fire Strike Ultra | 236 | 227 |
Fire Strike Extreme | 467 | 442 |
Fire Strike | 962 | 945 |
Sky Diver | 4,173 | 4,000 |
Cloud Gate | 7,905 | 6,433 |
Ice Storm Extreme | 50,090 | 41,762 |
Ice Storm | 68,829 | 50,807 |
CINEBENCH R15 | ||
OpenGL | 45.27 fps | 43.35 fps |
CPU | 468 cb | 331 cb |
CPU(Single Core) | 105 cb | - |
Geekbench 4.2.0 | ||
32-bit Single-Core Score | 4,092 | 3,722 |
32-bit Multi-Core Score | 12,961 | 7,146 |
64-bit Single-Core Score | 4,612 | 4,159 |
64-bit Multi-Core Score | 14,150 | 7,682 |
OpenCL | 22,289 | 20,080 |
Geekbench 3.4.1 Intel(32-bit) | ||
Single-Core Score | 3,618 | 3,525 |
Single-Core Score Integer | 3,806 | 3,528 |
Single-Core Score Floating Point | 3,375 | 3,480 |
Single-Core Score Memory | 3,729 | 3,611 |
Multi-Core Score | 12,303 | 7,409 |
Multi-Core Score Integer | 15,011 | 8,370 |
Multi-Core Score Floating Point | 13,666 | 8,326 |
Multi-Core Score Memory | 4,161 | 3,657 |
Geekbench 3.4.1 Intel(64-bit) | ||
Single-Core Score | 3,771 | 3,689 |
Single-Core Score Integer | 4,080 | 3,771 |
Single-Core Score Floating Point | 3,485 | 3,656 |
Single-Core Score Memory | 3,726 | 3,593 |
Multi-Core Score | 13,104 | 7,732 |
Multi-Core Score Integer | 15,978 | 8,941 |
Multi-Core Score Floating Point | 14,712 | 8,507 |
Multi-Core Score Memory | 4,143 | 3,766 |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | ||
1,280×720ドット | 4,503 | 4,252 |
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト | ||
1,280×720ドット | 8,595 | 7,998 |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク | ||
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) | 3,908(快適) | - |
1,920×1,080ドット 高品質(ノートPC) | 2,112(普通) | - |
1,920×1,080ドット 高品質(デスクトップPC) | 1,452(設定変更が必要) | - |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク | ||
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) | 1,523(設定変更を推奨) | - |
1,920×1,080ドット 高品質(ノートPC) | 1,418(設定変更が必要) | - |
1,920×1,080ドット 高品質(デスクトップPC) | 1,110(設定変更が必要) | - |
SSDをCrystalDiskMark 6.0.0で計測 | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 1791.212 MB/s | - |
Q32T1 シーケンシャルライト | 1047.192 MB/s | - |
4K Q8T8 ランダムリード | 1037.058 MB/s | - |
4K Q8T8 ランダムライト | 712.583 MB/s | - |
4K Q32T1 ランダムリード | 488.235 MB/s | - |
4K Q32T1 ランダムライト | 408.566 MB/s | - |
4K Q1T1 ランダムリード | 46.929 MB/s | - |
4K Q1T1 ランダムライト | 147.393 MB/s | - |
SSDをCrystalDiskMark 5.2.1で計測 | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 3,238.547 MB/s | |
Q32T1 シーケンシャルライト | 1,757.382 MB/s | |
4K Q32T1 ランダムリード | 533.286 MB/s | |
4K Q32T1 ランダムライト | 435.885 MB/s | |
シーケンシャルリード | 1,599.722 MB/s | |
シーケンシャルライト | 1,737.622 MB/s | |
4K Q1T1 ランダムリード | 47.964 MB/s | |
4K Q1T1 ランダムライト | 175.261 MB/s | |
Adobe Photoshop Lightroom Classic CCで50枚のRAW画像を現像 | ||
4,912☓3,264ドット、自動階調 | 1分56秒58 | 3分3秒05 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し(H.264) | ||
1,920×1,080ドット、30fps | 5分2秒01 | 6分47秒15 |
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%) | ||
バッテリー残量5%まで | 13時間35分11秒 | 10時間26分34秒 |
まずはCPUの性能を見ていこう。
CINEBENCH R15のCPUスコアは新型が468 cb、旧型が331 cbと約1.41倍に向上している。Geekbench 4.2.0の64-bit Multi-Core Scoreでは新型が14,150、旧型が7,682と約1.84倍、Geekbench 3.4.1 Intel(64bit)のMulti-Core Scoreでも新型が13104、旧型が7,732と約1.69倍に向上しているので、新世代CPUの性能は着実に表われていると言える。
一方、あまり振るわない結果となったのがグラフィックス性能。3DMark、モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトのスコアを見たかぎり、あまり大幅なスコア向上は見られない。ゲーム用途では新型に乗り換えても大きな恩恵はなさそうだ。
少々がっかりさせられたのがストレージベンチマーク。Q32T1 シーケンシャルリードで、新型が1,791.212 MB/s、旧型が3,238.547 MB/sと逆転現象が起きている。同じM.2形状PCIe NVMe接続のSSDを採用しているが、新型は東芝製「THNSN51T02DUK」、旧型はサムスン製「MZVLW1T0HMLH-000H1」を搭載していた。すべての製品で同じパーツが使われているとはかぎらないが、少なくとも前回と今回の借用機で大きな性能差があったのは事実だ。
一方、実アプリケーションの実効速度は大幅に改善されていた。LightroomのRAW画像現像では新型が1分56秒58、旧型が3分3秒05、PremiereのフルHD動画書き出しでは新型が5分2秒01、旧型が6分47秒15と劇的な処理時間短縮が見られた。
バッテリ動作時間はディスプレイが異なるので比較できないが、新型はバッテリ残量5%までという条件で13時間35分11秒という長時間駆動を記録した。これだけバッテリがもつなら、ACアダプタは家や会社に置きっぱなしで問題なさそうだ。
フルHD液晶と4K液晶のどちらを選ぶべきか?
悩ましいのはフルHD液晶と4K液晶のどちらを選ぶべきかだろう。なにしろフルHD液晶を搭載するプロフェッショナルモデルと4K液晶を搭載するパフォーマンスモデルには12,000円の価格差しかない。4K液晶搭載モデルはバッテリ駆動時間が短くなるが、それでもカタログスペックで約10時間を実現している。モバイルノートPCとしては十分合格点だ。
いずれにしても第8世代の4コア8スレッドCPUを搭載した新型HP Spectre x360はコストパフォーマンス抜群だ。とくに今回借用したプロフェッショナルモデルは、Windows 10 Pro/Core i7/メモリ16GB/SSD 1TB/フルHD液晶で177,800円と値ごろ感が高い。ストレージ容量、バッテリ駆動時間、解像度の3つのポイントを秤にかけて、最適な1台を選んでほしい。
ちなみに筆者が購入するなら、Windows 10 Home/Core i7/メモリ16GB/SSD 512GB/フルHD液晶のスタンダードモデルを選び、ペンはMicrosoft Pen ProtocolとワコムAESテクノロジに両対応した「Bamboo Ink」(直販価格9,698円)を購入する。Bamboo InkはHP Spectre x360での動作が確認されており、またSurfaceペンと同様に硬さの異なるペン先を利用可能だ。