Hothotレビュー
個人でも買える、買いたくなる法人向け12.5型2in1「HP EliteBook x360 1020 G2」を試す
~覗き見防止ディスプレイ/MILスペック/自己回復型BIOS搭載
2017年12月21日 11:00
日本HPは、法人向けモデルとして12.5型2in1「HP EliteBook x360 1020 G2」(以下x360 1020)を11月17日に発表、同日より販売を開始した。
本製品は360度回転式ヒンジ機構を採用した2in1で、13.3型の「HP EliteBook x360 1030 G2」(以下x360 1030)を小型化したモデルだ。
現行の第8世代(Kaby Lake Refresh世代)プロセッサは採用されておらず、デザインも同社のSpectreシリーズと比べると野暮ったく感じるが、使い勝手を重視して丁寧に開発されており、実用本位のPCとして個人ユーザーにも魅力的なモデルに仕上げられている。
今回日本HPより実機を借用したので、詳細スペック、外観、使い勝手、AV品質、性能などについてレビューしよう。
第7世代のCore i5/ i7搭載モデルをラインナップ
x360 1020に採用されているCPUは、第7世代(Kaby Lake世代)の「Core i5-7200U」、または「Core i7-7500U」。この2つのCPUに、8GB/16GBのメモリ、128GB/256GB/512GBのストレージを組み合わせた合計4モデルが用意されている。
なお128GBと256GBのストレージはSATA 6Gbps接続のSSDだが、512GBにはPCIe NVMe接続のSSDが採用されている。容量だけでなく速度も大きく異なることを留意してほしい。
さてスペック表には、Win 10 Home/Core i5/RAM 8GB/SSD 128GBモデル、Win 10 Pro/Core i5/RAM 8GB/SSD 256GBモデル、Win 10 Pro/Core i7/RAM 8GB/SSD 256GBモデル、Win 10 Pro/Core i7/RAM 16GB/SSD 512GBモデルの4つが掲載されているが、12月14日時点でWin 10 Pro/Core i7/RAM 8GB/SSD 256GBモデルは販売されていない。Core i7搭載モデルが必要なら「ハイエンドモデル」しか選択肢がないというわけだ。
【表1】12月14日時点のモデル一覧 | ||
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プレミアムコンバーチブル・今だけOffice半額キャンペーン | 159,800円 | Pro/Core i5/RAM 8GB/SSD 256GB |
発売記念キャンペーンモデル | 169,800円 | Pro/Core i5/RAM 8GB/SSD 128GB |
Windows 10 Homeモデル | 185,000円 | Home/Core i5/RAM 8GB/SSD 128GB |
スタンダードモデル | 208,000円 | Pro/Core i5/RAM 8GB/SSD 256GB |
ハイエンドモデル | 258,000円 | Pro/Core i7/RAM 16GB/SSD 512GB |
【表2】HP EliteBook x360 1020 G2の主要スペック | ||||
---|---|---|---|---|
OS | Windows 10 Home 64bit | Windows 10 Pro 64bit | ||
CPU | Core i5-7200U(2.5~3.1GHz) | Core i7-7500U(2.70~3.50GHz) | ||
GPU | Intel HD Graphics 620(300MHz~1GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz) | ||
メモリ | LPDDR3-1866 SDRAM 8GB | LPDDR3-1866 SDRAM 16GB | ||
ストレージ | 128GB SSD(M.2 SerialATA 3.0) | 256GB SSD(M.2 SerialATA 3.0) | 512GB SSD(M.2 PCIe NVMe) | |
ディスプレイ | 12.5型ワイドTFT液晶(1,920×1.080ドット、176ppi、16:9、光沢、タッチ対応、輝度700cd平方m、リフレッシュレート120Hz) | |||
通信 | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2、NFC | |||
インターフェイス | USB 3.1 Type-C(Thunderbolt、USB Power Delivery対応)×2、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック、HDMI端子、720p HD Webカメラ | |||
バッテリ容量 | 49WHr | |||
バッテリ駆動時間 | 最大11時間53分(Mobilemark 2014での測定値) | |||
バッテリ充電時間 | 約2時間6分 | |||
本体サイズ/重量 | 290×203×13.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.13kg | |||
セキュリティ | 指紋認証、IRカメラ(Windows Hello対応) | |||
Microsoft Office | なし |
覗き見防止ディスプレイ搭載、USBはType-Cを2基用意
ディスプレイは12.5型ワイドTFT液晶(1,920×1.080ドット、176ppi、16:9、光沢、タッチ対応、輝度700cd/平方m、リフレッシュレート120Hz)のみを用意。屋内外でのさまざまな環境での利用を想定して、輝度700cd平方mの明るい液晶パネルが採用されている。ユニークな装備が覗き見防止ディスプレイ。覗き見によるデータ盗難を防ぐためにプライバシースクリーン機能「HP Sure View」が採用されている。
通信機能はIEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2、NFC。インターフェイスはUSB 3.1 Type-C(Thunderbolt、USB Power Delivery対応)×2、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック、HDMI端子、720p HD Webカメラを搭載。上位モデルのx360 1030に搭載されているUSB 3.1 Type-A端子が省かれているのは残念だ。
バッテリ容量は49WHr。バッテリ充電時間は約2時間6分、バッテリ駆動時間は最大11時間53分(Mobilemark 2014での測定値)とされている。なお急速充電技術「HP Fast Charge」に対応しており、約30分で50%までチャージすることが可能だ。
筐体は削り出しのアルミニウム製。サイズは290×203×13.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.13kg。カラーはシルバーのみ。米軍調達基準「MIL-STD 810G」の落下、衝撃耐久、振動(1)、振動(2)、粉じん耐久、高湿度耐久、高度環境、高温環境、低温環境、環境温度変化、砂塵耐久、引火性環境テストに加え、600kgfの天面加圧試験をクリアしている。実際パームレスト部を握って上下に振っても、筐体がゆがんでしまうような貧弱さは感じさせない。
なお、2,048段階の筆圧感知、パームリジェクション機能を利用できるワコムのアクティブ静電結合方式(AES)ペン「HP Active Pen」(税別8,000円)に対応しているが、標準では同梱されていない。2in1としてさまざまなスタイルで利用するなら、同時に購入することを強くおすすめする。
法人向けモデルならではのセキュリティ、管理機能を豊富に用意
機密性の高いデータを扱う法人ユーザーのために、x360 1020にはさまざまなセキュリティ、管理機能が搭載されている。そのなかでユニークなのが、内蔵型プライバシースクリーン機能「HP Sure View」。ワンタッチでディスプレイを白濁させることにより、覗き見によるデータ盗難「ビジュアルハッキング」を防止可能だ。このHP Sure Viewは、「F2」または「Fn+F2」ですばやくオン、オフできる。
実際HP Sure Viewを試してみると、正面からは非光沢フィルムを貼ったときのようにグレーがかって見えるだけだが、斜めからはコントラストがほとんど失われて、なにが表示されているのか判別しにくくなる。正面からは丸見えなので、自分の背後には注意が必要だが、電車車内や喫茶店などで左右の人目を気にする必要はなくなる。
OSのロック解除のために、IRカメラ(赤外線カメラ)と指紋認証センサーの両方を搭載している点もポイント。利便性という点ではIRカメラのほうが上だが、赤外線を含む直射日光下では使用できないことが多々ある。状況に応じて両システムを使い分けたり、また所属する企業のプライバシーポリシーに合わせたセキュリティ機能を選択できるわけだ。
なおx360 1020にはこのほかにも、MBR/GPTを自動復旧する「HP BIOSphere」、BIOSの自己修復機能「HP Sure Start Gen3」、ブラウジングのセキュリティ強化機能「HP Sure Click」、PCのリモート管理ツールキット「HP Manageability Integration Kit(HP MIK)」、複数の認証方法を組み合わせてセキュリティ性を高める「HPマルチファクタ認証(多要素認証)」機能が用意されている。法人向けPCとして大きなアドバンテージだ。
5つのモードに自在に変形、質実剛健な入力デバイス
ディスプレイを360度回転可能なx360 1020は、キーボード入力をメインで利用する「ノートブックモード」、動画視聴やWeb会議で使用する「スタンドモード」、ベッドの上などでも底面が接地しない「テントモード」、ペンやタッチ操作のための「タブレットモード」、対面の相手と画面を共有できる「フラットモード」など、用途に合わせた5つのスタイルに変形できる。
ディスプレイを180度以上回転させると、タブレットモードに自動的に切り替わり(無効化可能)、同時にキーボードが無効になる。キーに指がふれても誤入力されることはない。なお、タブレットモードでも指紋認証センサーは機能している。つまりタブレットモードでも指紋認証センサーにタッチすればOSのロック解除が可能だ。もちろんIRカメラでログインすることもできる。
キーボードはJIS標準準拠・OADG準拠配列の86キーキーボード。キーピッチは18.7×18.7mm、キーストロークは1.5~1.7mmが確保されている。ファンクションキーがやや小さいが、素直な配列で入力しやすいキーボードだ。剛性は非常に高く、相当強くタイピングしてもたわみは感じない。打鍵感は良好で、打鍵音も小さめ・低めに躾けられている。ただし、強く底打ちすると急に音が大きくなる。弱め、普通、強めの力でタイピングした動画を下に掲載したので、参考にしてほしい。
タッチパッドの操作性も好ましく感じた。1枚板のダイビングボード構造が採用されているが、節度あるクリック感だ。ただしキーボードに比べて、ややクリック音が大きく感じられた。自分で使っているときには気にならないが、図書館や喫茶店など静寂な空間では多少の配慮が必要だ。
オプションで用意されている、2,048段階の筆圧感知、パームリジェクション機能を利用できるワコムのアクティブ静電結合方式(AES)ペン「HP Active Pen」の書き味も悪くない。個人的にはもう少し柔らかいペン先が好みだが、一定の摩擦感があるので文字も絵も書きやすい。なおHP Active Penは設定なしでそのまま書けてしまうが、サイドボタンやノックボタンはBluetoothペアリングしなければ利用できないので注意。
広い色域のディスプレイ、迫力の音を奏でるスピーカー
x360 1020のディスプレイは12.5型としては実用上十分なフルHD(1,920×1,080ドット、176ppi)の解像度、屋外でも利用できる700cd平方mの輝度を備えている。
色域は公表されていないが、x360 1020のICCプロファイルをディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」で作成して、色度図を作る「ColorAC」で確認してみたところ、sRGBカバー率が95.5%、sRGB比が102.6%、Adobe RGBカバー率が74.2%、Adobe RGB比が76.0%と、モバイルノートPCとしては標準以上の色域を備えていることが確認できた。
実際画質チェック用の画像を見ても、赤や緑があざやかに、グラデーション豊かに表示されている。ただ貸し出し機はやや赤みが強い傾向が見られた。とは言っても色調整で十分補正できるレベルだ。気になる方は、右クリックから「インテル グラフィックスの設定」の「ディスプレイ→色設定」で色味を調整しよう。
Bang & Olufsenのスピーカーが5基搭載されているサウンド面も満足できる品質だ。YouTubeで公開されている「前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大89.4dBAを記録(50cmの距離で測定)。
単にボリュームが大きいだけでなく、音に広がりを感じるし、ボーカルも伸びやかだ。頭の位置がずれると極端に聞こえ方が変わる点は少々気になったが、正直法人向けPCでなぜこんなに力を入れているのだと疑問に思うほどのサウンド品質だ。
第7世代CPU搭載機としては順当な性能
最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。
- 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.0.1403」
- 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.7.613」
- 総合ベンチマーク「PCMark 7 v1.4.0」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.4.4163」
- CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.2.0」
- CPUのベンチマーク「Geekbench 3.4.1」
- CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
- ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
- ゲーミングPCベンチマーク「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
- ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.0」
- 「Adobe Photoshop Lightroom CC」RAW画像の現像時間を計測
- 「Adobe Premiere Pro CC」フルHD動画の書き出し時間を計測
- 「BBench」連続動作時間を計測
今回は比較用に平澤寿康氏のSurface Pro 2017年モデルの記事のスコアを流用している((2in1としての完成度が高まった新「Surface Pro」。ペンや静音性、バッテリ性能が大きく進化)参照)。スペックや筐体形状は異なるが、2in1のリファレンス機とどの程度性能が異なるか確認するため、Surface Proのスコアと比較することにした。
下記が検証機の仕様と、その結果だ。
HP EliteBook x360 1020 | Surface Pro 2017年モデル | |
---|---|---|
CPU | Core i7-7500U(2.7~3.5GHz) | Core i7-7660U(2.5~4GHz) |
GPU | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz) | Intel Iris Plus Graphics 640(300MHz~1.1GHz) |
メモリ | LPDDR3-1866 SDRAM 8GB | |
ストレージ | 256GB SSD(M.2 Serial ATA 3.0) | 512GB SSD(NVMe PCIe) |
OS | Windows 10 Pro 64bit |
HP EliteBook x360 1020 | Surface Pro 2017年モデル | |
---|---|---|
PCMark 10 v1.0.1403 | ||
PCMark 10 Score | 3,432 | 3,530 |
Essentials | 7,628 | 6,715 |
App Start-up Score | 9,885 | 9,160 |
Video Conferencing Score | 6,788 | 5,298 |
Web Browsing Score | 6,617 | 6,241 |
Productivity | 6,014 | 6,210 |
Spreadsheets Score | 6,853 | 7,591 |
Writing Score | 5,279 | 5,081 |
Digital Content Creation | 2,392 | 2,864 |
Photo Editing Score | 2,836 | 3,541 |
Rendering and Visualization Score | 1,496 | 1,741 |
Video Editting Score | 3,229 | 3,811 |
PCMark 8 v2.7.613 | ||
Home Accelarated 3.0 | 3,787 | 3,373 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,677 | 4,897 |
Work Accelarated 2.0 | 4,762 | 4,342 |
Storage | 4,970 | 5,008 |
PCMark 7 v1.4.0 | ||
PCMark score | 5,822 | - |
3DMark v2.4.4163 | ||
Time Spy | 386 | 502 |
Fire Strike Ultra | 233 | - |
Fire Strike Extreme | 431 | - |
Fire Strike | 936 | - |
Sky Diver | 4,135 | 5,103 |
Cloud Gate | 6,791 | 8,642 |
Ice Storm Extreme | 47,911 | - |
Ice Storm | 65,659 | - |
CINEBENCH R15 | ||
OpenGL | 46.24 fps | 65.46 fps |
CPU | 349 cb | 417 cb |
CPU(Single Core) | 109 cb | 157 cb |
Geekbench 4.2.0 | ||
32-bit Single-Core Score | 3,796 | - |
32-bit Multi-Core Score | 7,742 | - |
64-bit Single-Core Score | 4,247 | - |
64-bit Multi-Core Score | 8,367 | - |
OpenCL | 19,802 | - |
Geekbench 3.4.1 Intel(32-bit) | ||
Single-Core Score | 3,522 | - |
Single-Core Score Integer | 3,540 | - |
Single-Core Score Floating Point | 3,478 | - |
Single-Core Score Memory | 3,578 | - |
Multi-Core Score | 7,624 | - |
Multi-Core Score Integer | 8,509 | - |
Multi-Core Score Floating Point | 8,678 | - |
Multi-Core Score Memory | 3,747 | - |
Geekbench 3.4.1 Intel(64-bit) | ||
Single-Core Score | 3,684 | - |
Single-Core Score Integer | 3,785 | - |
Single-Core Score Floating Point | 3,627 | - |
Single-Core Score Memory | 3,597 | - |
Multi-Core Score | 7,869 | - |
Multi-Core Score Integer | 8,897 | - |
Multi-Core Score Floating Point | 8,903 | - |
Multi-Core Score Memory | 3,745 | - |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | ||
1,280×720ドット | 4,165 | - |
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト | ||
1,280×720ドット | 8,260 | - |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク | ||
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) | 2,580 | 4,466 |
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) | 2,084 | - |
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC) | 2,094 | 3,244 |
1,920×1,080ドット 高品質(ノートPC) | 1,364 | - |
1,920×1,080ドット 高品質(デスクトップPC) | 1,038 | - |
SSDをCrystalDiskMark 6.0.0で計測 | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 548.192 MB/s | - |
Q32T1 シーケンシャルライト | 530.175 MB/s | - |
4K Q8T8 ランダムリード | 402.499 MB/s | - |
4K Q8T8 ランダムライト | 361.818 MB/s | - |
4K Q32T1 ランダムリード | 276.833 MB/s | - |
4K Q32T1 ランダムライト | 274.126 MB/s | - |
4K Q1T1 ランダムリード | 30.452 MB/s | - |
4K Q1T1 ランダムライト | 79.885 MB/s | - |
Adobe Photoshop Lightroom Classic CCで50枚のRAW画像を現像 | ||
4,912☓3,264ドット、自動階調 | 2分37秒59 | - |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し(H.264) | ||
1,920×1,080ドット、30fps | 6分48秒43 | - |
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%) | ||
バッテリ残量5%まで | 9時間34分30秒 | - |
Surface Proのほうが上位CPUの「Core i7-7660U」を搭載しているが、PCMark 8のHomeやWorkでx360 1020のほうが高いスコアを記録している。OSのアップデート、PCMark 8のアップデートがなんらかの影響を与えている可能性がある。
ただし全体を通して見ると、Surface Proのほうがスコアは上だ。とくに大きな差が表われたのが3DMarkやゲーム系ベンチマーク。これはCPU内蔵グラフィックスの性能差がストレートに表われた結果と言える。
x360 1020のスコアは「Core i7-7500U」搭載PCとしては順当な結果だが、CINEBENCH R15のCPUスコアで500越えを記録する第8世代(Kaby Lake Refresh世代)プロセッサ搭載モデルと比べてしまうと、数値的には物足りなさを感じる。
実績のあるCPUを搭載しているからこその安定性や、法人向けモデルならではの管理、セキュリティ機能を必要としないのであれば、第8世代プロセッサを搭載した最新PCを選ぶべきだ。日本HPにも「HP Spectre x360」など第8世代プロセッサ搭載PCがすでに発売されている。
法人向けx360 1020は個人でも購入可能
x360 1020はコンシューマ向けモデルのようにデザイン性や先進性は重視していないが、その一方で米軍調達基準(MIL-STD)をクリアした丈夫な筐体、個人用途にも頼もしいセキュリティの高さ、MBR/GPT自動修復機能、自己回復型BIOSなどによる安定性の高さが魅力だ。法人向けには唯一無二の選択肢になりうるし、覗き見防止ディスプレイをどうしても使いたいという個人ユーザーだっているはずだ。
あまり知られていないが、日本HPの法人向けノートPCは、個人ユーザーでもなんら問題なく購入できる。もちろん個人向けPCより高い価格設定となっているが、もしx360 1020に魅力を感じたのなら購入を検討してみよう。派手さはないが信頼できるパートナーになってくれるはずだ。