大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

「がんゲノム医療」元年に、テクノロジーはどう貢献するのか

~テンクーのChrovisがもたらすがん医療の進化

テンクー 代表取締役社長兼CEOの西村邦裕氏

 テクノロジーの進化は、社会にさまざまなメリットを生み出す。医療分野への応用はその際たる例の1つだ。

 テンクー(Xcoo)は、2011年4月に設立したゲノムおよび生体情報解析トータルソリューション「Chrovis(クロビス)」を開発する企業。社員数はわずか23人。社長の西村邦裕氏は、東京大学 大学院情報理工学系研究科で助教を務めたのち、テンクーを設立。がんゲノム医療において、テクノロジーの力を活用し、ゲノム情報の解析と解釈の精度を高め、研究や医療に貢献している。

 がんゲノム医療は、2019年6月から一部の遺伝子パネル検査が保険適用になり、まさに実用化の元年を迎えている。テンクーの取り組みを通じて、がんゲノム医療におけるテクノロジーの役割に迫ってみた。

1人あたり数十GBの遺伝子情報を解析

 日本におけるがんによる死亡者は、年間で約37万3千人に達しているという。しかも、日本人の死因の約3割はがんであり、日本人の2人に1人がかかる病気とも言われている。

 テンクーの西村邦裕社長は、「データを見ると、日本では年間100万人が新たにがんになっている。これは、年間出生数に匹敵する規模である。また、全世界では年間約1,000万人ががんで死亡し、約1,800万人が新たにがんを患っている。寿命が延びるとがんになる確率が高まる。2040年には年間で約3,000万人が新たにがんにかかるという予測もある」と語る。

 人類以外の自然界の動物では、圧倒的に罹りにくいのが、がんである。がんは、人類にとって真正面から向き合わなくてはならない病気であり、解決すべき社会的課題となっているのは確かだ。

 西村社長は、「私たちは、テクノロジーを活用して社会課題を解決したいと考えている。その解決したい課題ががんである」とし、「今後のがん治療の柱の1つが、がんゲノム医療。遺伝子を見ることによって、個人やがんの種類にあわせた精密医療が可能になる。その実現に貢献していきたい」と続ける。

 がんは、通常の細胞から発生した異常な細胞のかたまりである。細胞の遺伝子に、なにかのきっかけで複数の傷がつき、これが修復されずにいると、異常な細胞が増殖。この繰り返しによってがん細胞ができあがる。

 だが、ヒトゲノムの発見以降、遺伝子を見ることで、がんの特徴を理解し、治療をしたり、予防をしたりといったことができるようになってきた。遺伝子が変異した場所に適切な薬を投与することで、がんを抑えることができる可能性が高まるからだ。そこにテクノロジーが活用できるというわけだ。

 がんは、がん遺伝子が細胞を増殖させ、まさにクルマのアクセルのような役割を果たしてしまう。一方で、細胞増殖を停止させるがん抑制遺伝子は、クルマのブレーキのような役目を果たすことができ、これががんの抑制には重要な役割を果たす。がんゲノム医療は、これらの遺伝子の状況を解析によって理解できる。

 西村社長は、「アクセルが壊れているのか、ブレーキが壊れているのかということを知り、アクセルが壊れているであれば、それに関係する薬を与えなくてはならないのががん治療だ。また、クルマに例えるのならば、アクセルのペダルの部分が壊れているのか、エンジンに近い部分が壊れているのかでも薬は違う。もしかしたら、複数の場所が壊れているかもしれない。どこが壊れているのかを知ることができるのが、がんゲノム医療であり、それによって、患者に適切な薬を投与することができる」と説明する。

 1人あたり数GBから数十GBの遺伝子情報を解析して、異常箇所を見つけ、診断と医療処置につなげることができるというわけだ。

 「大量のデータをもとにして、どこが悪いかがわかれば、それを治すことができるというのは、製造業などで利用されているIoTと同じようなもの。センサーから情報を集めて、それを分析して、予兆保守を行ったり、課題抽出をしたりといったことに似ている。そのため、がんゲノム医療を指して、『医療のIoT』と呼ぶ人もいる」という。

 当初は悪性のがんと診断され、摘出することが検討されていた患者が、ゲノム情報を活用することで、良性のがんであることがわかり、摘出せずに、薬剤で治療をするといった事例も出ているという。

7億件の情報をもとに最適な薬を提示

 テンクーが開発したゲノムおよび生体情報解析トータルソリューション「Chrovis」は、情報技術を活用して、がんゲノム医療をサポート。がん組織から数多くの遺伝子を、一度に網羅的に測定する遺伝子パネル検査において、抽出した情報を解析。医師や患者に対して、がんに関する精密な回答をレポートとして提供する役割を担う。

Chrovisの概要

 高速かつ自動的なデータ解析を行なう「Chrovis Analysis」、臨床的意義のもととなる知識データベースの「Chrovis Database」、エビデンスに基づいたレポーティングを行なう「Chrovis Report」で構成。独自の自然言語処理技術や人工知能技術を用いて、がんゲノム医療における一気通貫のソリューションを提供できるという。

 一般的にがんゲノム医療は、医師による診察によってがんの可能性が指摘された場合、血液検査や生体検査を行なって、病理医による診断が行なわれる。ここでがんであることがわかると、次世代シークエンス(NGS)を用いた遺伝子情報の読み取りが行なわれる。

 Chrovisが活用されるのはここから先だ。NGSから得られた遺伝子情報をもとに、Chrovis Analysisで遺伝子情報の解析を、高速に、かつ自動的に行ない、続いて、その情報を知識データベースであるChrovis Databaseによって、遺伝子変異点の意味づけを行なうとともに、薬剤との紐づけを行ない、最適な薬や治療方法を示す。

 Chrovis Databaseでは、約2,800万件の論文や、医師やキュレーターによって公開されている情報、薬の情報や臨床試験の情報を取り込んでおり、「医学と生物学に関するあらゆるデータが蓄積されている。動物に関する情報は排除し、ヒトにフォーカスしている知識データベースである。手に入るものはすべて入手しており、合計すると7億件もの情報を取り込んでいる」という。

 Chrovis Databaseでは、アノテーションに必要な遺伝子情報や疾患情報、薬剤情報、治験情報を統一的に扱っているほか、独自の類義語辞典によって、薬の一般名称と製品名、治験名称が異なる場合にも、それを同じものとして認識するといったことができる。さらに、パラフレーズ検索によって、論文や薬剤情報で使用されている略語や、略語同士の組み合わせ、他言語での表現なども網羅して検索できるようにしている。

 また、自然言語処理による独自の検索エンジンを開発し、データベースのなかから、がんに関係がある論文だけを抽出することができるのもChrovis Databaseの特徴だ。

 「本文まで読める論文は約400万件に達しているが、そのうちの無料で読めるのは100万件しかない。そのなかからどの論文を読んだ方がいいのか、あるいはアブストラクト(要旨)から、どの論文を購入した方がいいのかといったことを学習させ、それを読むとともに、必要な論文をデータベ―スに取り込む技術と組み合わせることで、知識の抽出と蓄積が効率的にできるようになっている」。

 ヒトには、約22,000の遺伝子があるうち、がんに関する遺伝子は数百種類。そのうち、治療薬があるのは、現時点では数十種類だという。それをChrovis Databaseから導き出す。

 「がんになると遺伝子が書き換わる。それを見つけ、それに対応した薬があるのかどうかを探すのが、知識データベースの役割になる。薬があれば、その薬を投与するように提案する」。

 Chrovis Databaseを通じて導き出された結果は、Chrovis Reportによって、患者ごとに個別化されたかたちでレポートとして作成。診断や治療に直結するレポートとして医師に提供される。

Chrovis Reportによって提出された結果。遺伝子の変異などが示されている

 レポートでは、遺伝子のどの部分に変異が認められたのか、その疾患内容とともに、どんな国内承認薬が適用できるのかといったことが示され、新薬が予定されている場合にはそうした情報も付記される。

 「現場の医師にとっては、遺伝情報に留まらず、どんな薬剤があり、それがどんな効果があるのかという情報が提供されることは極めて重要なものになる」というわけだ。Chrovisではそこまでをサポートしているのが大きな特徴だ。

 提出されたレポートは、専門医によって構成されるエキスパートパネルの判断を仰ぎ、最終的には、医師が治療方法などを判断することになる。Chrovisによるレポートは、ドラフトレポートという形で提供されるが、医師の承認によって、これがファイナルレポートとして、電子カルテにアップロードされ、治療や診断、予防などに利用される。

 また、レポートは医師向けだけでなく、患者向けにわかりやすくした内容でも用意される。

 患者向けレポートでは、遺伝子やがんに関するわかりやすい解説をつけて、理解しやすくしているのが特徴だ。

患者向けレポートでは遺伝子やがんに関するわかりやすい解説をつけている

Todai OncoPanelで活用されるChrovis

 テンクーのChrovisは、すでに、東京大学医学部附属病院(東大病院)が実施するがん遺伝子パネル検査「Todai OncoPanel」において活用されている。

 これは、約3年間に渡る東京大学との取り組みをベースに発展させたものであり、「Todai OncoPanel」の臨床有用性を検証する臨床性能試験においても、DNAパネルやRNAパネルを用いたNGSによるデータの解析、知識データベースを用いた臨床的な意義づけ、専門の医師らで構成されるエキスパートパネルのためのドラフトレポートの作成などの役割を担っている。

 「Todai OncoPanelでは、約900種類の遺伝子を解析の対象としており、ほかのパネル検査が100~300種類であるのに比べると圧倒的に種類が多い。もっとも難しいところで、解析の実績を積んでいる」とする。

 ちなみに、この取り組みは第三者機関からも評価されており、2019年7月には、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催する「大学発ベンチャー表彰2019~Award for Academic Startups~」において、テンクーと東京大学が「文部科学大臣賞」を受賞している。

 Todai OncoPanelは、先進医療Bに分類されたかたちで実施されている検査であり、今後、保険適用に向けた取り組みが加速されることになりそうだ。

6月からの保険適用で検査が広がる?

 じつは、2019年6月から、がんゲノム医療のための遺伝子パネル検査の保険適用が開始されている。対象となるのは「NCCオンコパネル」と「ファウンデーションワン」の2つで、保険の適用によって十数万円で遺伝子パネル検査を受けることができる。これまでは自由診療として遺伝子パネル検査を受けることができたが、保険が適用されないこともあり、場合によっては100万円近い費用がかかることもあったという。それが大幅に緩和される。

 その点では、まさに、がんゲノム医療が実用化の元年を迎えたといっても過言ではない。

 「これまでは研究段階という要素があり、研究者たちも論文を完成させることをゴールに取り組んできた。クルマに例えれば、F1カーを作り、優秀なドライバーが運転し、時速300kmを超える速度で走行することを目標にしてきた。だが、これからは、誰もが安全に利用できるクルマが求められ、自動運転のような領域まで目指さなくてはならない。実用化に向けた取り組みが一気に加速することになるだろう」とする。

 一方で、薬事法が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器法)」として改正され、ソフトウェア単体も、「医療機器プログラム」として規制対象となった。電子カルテシステムのようなソフトウェアは、業務システムであるため医療機器として認可される必要はないが、Chrovisは、単に遺伝子情報を扱うだけでなく、薬剤の提案を行なうという点で、医療機器プログラムを取得することが望ましいと考えられる。

 「医療分野は、ほかの業界に比べて、医薬品医療機器法に基づく医療機器としての申請が必要など、情報化においても規制が多い。Chrovisは、医療現場で役立つシステムとして開発をしてきたものであり、社会実装することで役割を果たすことができる。審査には時間がかかるが、医療機器プログラムを取得することを目指した取り組みを開始しているところである」とする。

 ただ、がんゲノム医療元年とはいえ、遺伝子パネル検査の利用が一気に広がるというわけでもない。検査できる機関が限定されていること、対象となる患者の条件が限定されているといった問題があるからだ。こうした課題などを解決しながら、じょじょに広がりをみせることになる。現在、さまざまな遺伝子パネル検査が準備されているが、Chrovisは、NGS各社との連動性や、独自にAIのアルゴリズムを一から構築できる技術を有しているなど、技術的優位性がある。

 「今後、がんゲノム治療が広く行なわれるようになり、個人が最適な治療方法を分析、選択することができるプレシジョンメディシンが広がっていくことになるだろう。Todai OncoPanelでの活用だけでなく、現在、自由診療となっているさまざまな遺伝子パネル検査においても、Chrovisは活用できる。がん治療の個別化医療を加速するために、日本の拠点病院やアジアをはじめとした海外の先端的な医療機関との連携を目指すとともに、製薬産業や健康医療産業の企業とも幅広く協力をし、がんゲノム医療をはじめとした診療、研究に役立つシステムの構築および展開を進めていく」と西村社長は語る。

スカイツリーの「ソラマド」開発の実績も

 西村社長は、2001年に東京大学工学部機械情報工学科を卒業後、2006年に東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程を修了。東京大学の研究員および助教を経て、2011年にテンクーを設立して、代表取締役社長に就任した。

 これまでの経歴を見ても、つねに注目を集めていた人物であることがわかる。

 大学では、遺伝子発現やコピー数多型およびNGSのデータ解析などを行ない、その成果はNatureなどの論文誌に掲載されたほか、2010年には、IPA未踏IT人材発掘・育成事業にプロジェクトが採択された実績を持つ。また、ビジネス分野では、Microsoft Innovation Awardなどを受賞。2012年には、日経ビジネス誌の「日本を救う次世代ベンチャー100」に選出されている。

 最近では、2019年1月に、Chrovisに採用しているパラフレーズ検索が、一般社団法人日本メディカルAI学会の第1回JMAI AWARDにおいて最優秀賞を受賞している。

 「専門としているのは、情報の可視化。そして、バイオインフォマティクス、ヒトゲノム解析、バーチャルリアリティである。大学の研究を、社会に還元したいという思いから起業を決意し、その1つとしてChrovisを開発した」という。

 じつは、テンクーが設立初期に開発したソフトウェアの1つに「SKYTREE VIEW ソラマド」がある。東京スカイツリーの展望デッキからの眺望を、360度全周写真で見ることができるWebサービスだ。1年間限定で提供された同サービスは、展望台に上らなくても、リアルタイムで、東京スカイツリーからの景色を見ることができ、その画質は4Kにも対応していた。

 「天候を確認したり、都内の空気を確認できたりといったこともできる。いわば、監視カメラを可視化し、時系列で表示することができる技術であり、さまざまな分野への応用も考えることができた技術だった」と振り返る。

 西村社長は、もともとはVRが専門だった。それが、「ソラマド」の開発にもつながっている。

 「大学ではVRの研究室に入った。研究室の場所は、駒場にある先端科学技術研究センターの5階。隣にAIの研究室があり、3階にはゲノムサイエンスの研究室があった。ある日、教授会で、VR研究室の学生に、ゲノムをやらせてはどうかということになり、4年生だった私がゲノムをやることになった。まだヒトのゲノムが解析されていない段階であり、最初は言っている言葉がまったくわからなかった。遺伝子のデータを、シリコングラフィックスのワークステーションを使って、CGを作り上げる作業を行なっていた」と振り返る。

 だが、このときの経験が、テンクーの設立と、Chrovisの開発につながっている。

医療分野のクラウド化を促進するか?

 現在、テンクーは、医療分野に特化した強みを持ち、AIのアルゴリズムを一から構築できる技術力と実装力、そして、東大との協力関係をもとにして、臨床現場に役立つシステムの構築を行なっていることが大きな特徴だといえる。

 だが、次のステップでは、独自のデータベース技術やアルゴリズムを活用して、これを、健康分野や製薬分野、ヘルスケア、食品、農業などにも横展開したいと考えている。

 その第一歩となるのが、Chrovisの重要な技術の1つであるパラフレーズ検索の横展開だ。2020年には、がんに関する薬を開発する製薬会社などに展開していきたいという。

 また、「がんゲノム×AIの取り組みを、医療×AIへと広げたり、健康×AI、ヘルスケア×AI、食品×AI、農業×AIといった領域にも広げていきたい」とする一方、「ゲノムの領域からみると、アジアの国の人たちは、日本人と近いものがある。アジアへの展開は、我々にとって親和性が高い」と海外進出も視野に入れる。

 アジアでは、タイやシンガポールへの拠点展開を検討しはじめており、「場合によっては、欧米を通じて、アジアに展開するのが有効な場合もある。欧米への拠点展開も検討している」とする。

 さらに、これまでは経営陣による独自資本で事業を行なってきたが、VCなどからの資金調達や、「まだ具体的な準備を進めているわけではない」としながらも、2022年頃を目標にしたIPOも検討を開始している。今後の成長に向けた体質強化も同時に進める考えだ。

 一方で、がんゲノム医療の普及に向けた課題解決にも力を注ぐ姿勢を見せる。

 例えば、日本の医療現場では、オンプレミスと、クローズドネットワーク環境が一般的であるが、東大病院で取り組んでいるTodai OncoPanelでの実績などを通じて、がんゲノム医療の活用において、クラウド導入の提案活動にも力を注ぐ。

 テンクーの鈴木協一郎取締役は、「これまでのSaaSの利用は、コストやセキュリティが話題となっていたが、Chrovisでは、いかに多くの最新情報を扱えるかが鍵になる。少しでも早く知識をアップデートすることで、最先端の知識を活用できるようになる。たとえば、昨日、欧州のある国で新薬の使用が認可されたという情報が、反映されていたかどうかが、診断結果や治療方針を変えることにもつながる。まさに、人の生命にかかわる部分であり、オンプレミスでは限界がある」と指摘する。

テンクーの鈴木協一郎取締役

 さらに、1人あたり数GBから数十GBというデータを数十万人単位で蓄積するにも、オンプレミスでは限界があることも、クラウド環境への移行を促進する要素の1つになる。

 「Chrovisは、医療分野における新たな提案への挑戦にもなる」と鈴木取締役は位置づける。

 そのほかにも、「バイオとITの両方を理解している人材が少ないという課題や、ゲノム情報の信頼性を高めるために、人災が減るように自動化をしていくことも必要だ」と、西村社長は語る。そこにも、Chrovisが役割を果たすことができるとみる。

 同社は、社会実装するという点にフォーカスしている。技術系企業でありながらも、CDO(最高デザイン責任者)が在籍し、デザインを重視し、使いやすさを追求している点も見逃せない。

 「Chrovisの提供を通じて、医学研究、オーダーメイド医療、ゲノム創薬、遺伝子治療の継続的な発展を推し進める。そして、日本発のAIという点でも、世界に提供をしていきたい。一過性のテクノロジーのブームや業界の流行に流されず、その本質を見極め、常に正しいソリューションをお客様のもとへ届ける」。

 がんゲノム医療が、普及元年を迎えるなかで、テンクーの果たす役割も大きくなりそうだ。